早稲田応用化学会100周年記念祝賀会 中締めご挨拶 橋本正明 副会長(新制21回)

 

橋本正明 副会長(新制21回)

本日「早稲田応用化学会100周年記念祝賀会」には、田中総長はじめ諸先輩、多くの方々にご参加いただき、盛大な催しとすることが出来ましたこと、まず心から御礼申し上げます。

これからは早稲田応用化学会も第二の世紀をスタートさせるわけですが、応用化学科の大切な標語である「役立つ化学、役立てる化学」の追求と推進にむけて、大学の諸先生、卒業生、現役学生が一団となって取り組める環境の維持と強化に努め、協力していきたいと思います。

「役立つ、役立てる」ためには、社会が必要としていること、すなわち社会のニーズに対する感性と理解がまず必要です。その点で、その時代の社会の中心で活躍している先輩たちとその社会のニーズに対する感性と理解を共有する環境が、応化会活動を通して整えられているということは、学生の皆さんが大学で、また社会に出て「役立つ化学、役立てる化学」を追求し実践していくために非常な大きな強みになっていると思います。

この100年間に先輩の方々が築いてきた応化会の伝統を継承しながら、現役の学生諸君と先輩たちとの相互刺激と協調をさらに生み出す母体となるような、そしてさらに大きな飛躍を生み出すことが出来る母体となるような第二世紀の応化会活動を皆さんと共に推進していきましょう。一層のご支援とご協力をお願いいたします。本日は有難うございました。

早稲田応用化学会100周年記念祝賀会 ご祝辞 河村 宏 元会長(新制9回)

河村 宏元会長(新制9回)

 100周年記念祝典おめでとうございます。100周年を迎えて尚応化会が活発に活動を続けている原点は、設立当初の執行部が、会員の構成を、教職員、卒業生、在校生の三竦みにしたことだったと思います。
 何よりも歴代の教授たちが、特異な研究により、学会での確固とる地位を維持したことそして実業界で活躍する卒業生がそれに答えて応化会のリーダーシップをとったことに起因するとものであり、改めて諸先輩に対する敬意を表したいと思います。
 中でもご紹介したいのは、多くの会員が熟知している、新制第一期の卒業生百目鬼清先輩の献身的奉仕であります。ご本人は常に表立つことなく、陰で執行部を支えて来ました。特に代々の会長への裏方として、補佐役として応化会の活動に献身しました。晩年は応化会グランドシニアー会の世話人として応化会へ協力を図りました。この会は、現在のシニアー会に引き継がれています。最近はご高齢によって会でお会いする機会がまれになりました。
 長年に亘り(凡そ80年)応化会の活性化に献身されたご努力に対して、敬意と感謝の意を表したいと思います。
この先我々も諸先輩のように陰ながらのサポートで応化会の発展に協力したいと思っています。

 

バーチャル・ツアー

記念講演会閉会後から記念祝賀会受付開始までの間、広報委員会に作成いただいた以下の映像を放映しバーチャル・ツアーをお楽しみ頂きました。

また、祝賀会の懇談中にも大型プロジェクターに放映し、懐かしい映像でご参加者から大変ご好評を頂きました。

【広報委員会作成ビデオ・スライド映像】

  1. 応用化学科を中心とした65号館建設当時の西早稲田キャンパスの懐かしい映像や、新しく建設された55号館、63号館(理工100周年記念館)や副都心線西早稲田駅が大学構内に直結したことなど現在の学内のご紹介映像。

  2. 早稲田実業学校の国分寺移転に伴う跡地に新設され、応用化学科の研究室がある121号棟:Research Innovation Centerを中心に、早稲田大学本部キャンパスのご紹介映像。

  3. 応用化学会活動100周年(アーカイブ編)として、各期の同窓会や学生工場見学、学生委委員会合宿、学生企画フォーラム、縦割り交流会、新入生歓迎会、新入生オリエンテーション、その他応化会各種イベントや応化会支部の活動などのご紹介映像。

  4. 応用化学会活動100周年(祝賀会用応化会活動紹介映像)として、応化展、新入生オリエンテーション、新入生歓迎会、学生委員の各種企画、若手会(NACs)の活動、応化会評議員会、応化会総会、交流会講演会、先輩からのメッセージ、先輩博士からのメッセージや学位記の様子などのご紹介映像。

(後日、画像を公開いたします)

(文責:交流委員長 新36 椎名聡)

早稲田応用化学会100周年記念祝賀会

100周年記念式典は、大隈小講堂での講演会、パネルディスカッションから、場所をリーガロイヤルホテル東京に移し、18時から祝賀会が挙行されました(写真1)。

写真1 祝賀会開会風景

下村副会長実行委員長の開会宣言に続き、濱会長からご挨拶(写真2)があり、応化会は18歳から90歳代まで約1万人の会員がいるので、本会を次世代につながる時間として欲しい旨のお言葉をいただきました。次に田中総長から、早稲田大学は大学を挙げて産学の共同研究や人材交流、国際的な教育等に取り組む方針であり、日本を代表する大学として活動中であること並びに応化会の発展を祈念する旨の祝辞を頂戴致しました(写真3)。さらに早稲田ラベルのスパークリングワインを用いての平沢副会長応用化学科教授の乾杯の音頭(写真4)で祝賀会が始まりました。

写真2 濱会長開会ご挨拶

 

 

濱会長開会ご挨拶の内容

写真3 田中総長ご祝辞

 

 

田中総長ご祝辞の内容

写真4 平沢副会長乾杯

 

 

平沢副会長乾杯ご挨拶の内容

盛り上がる歓談の中、下村副会長(写真5)から、応化会の100周年事業、今後の取り組みについての説明、会員各位から給付奨学金1261万円、応化会へ約500万円の寄付を頂戴したことの御礼とそれぞれ奨学金、情報基盤整備と記念誌発行等に充当するとの報告がありました。 

写真5 司会:下村副会長

また、来賓である河村宏(新9) (写真8)、三浦千太郎(新21) (写真6)、里見多一(新22) (写真6)各元会長、西出宏之(新20)前会長名誉教授(写真10)、酒井清孝(新15) (写真7)、竜田邦明各名誉教授(写真9)の7名の紹介も行われた。この中で、里見元会長からは河村元会長の思い出、河村元会長(写真8)からはOBOG、教職員、学生を含む組織として応化会を立ち上げた故小林久平初代応化会長、その発展に尽力された百目鬼清氏(新1)の思い出をお聞きすることができました。また西出前会長名誉教授(写真10)からも名誉会員となっても応化会にご協力いただける旨のご挨拶を頂戴致しました。

写真6 左より橋本副会長、里見元会長、三浦元会長

写真7 酒井名誉教授

写真8 河村元会長ご祝辞

 

 

河村元会長ご祝辞の内容

写真9 左より竜田名誉教授、濱会長

写真10 西出前会長ご祝辞

 

 

西出前会長ご祝辞の内容

今回の祝賀会には、来賓の方々ほか教員19名、OBOG、学生約240名の合計約270名の参加があり、会場の大画面では応化会のスローガン等も投影される中、年代別、研究室別、企業別などいろいろなグループで集合して歓談され、旧交あるいは新たな出会いの場として大いに盛り上がりました。
最後に橋本副会長の閉会のご挨拶(写真11)、応援部の指揮による校歌斉唱(写真12)、全体集合写真撮影(写真13)で約2時間半の楽しい時間は幕を閉じました。

写真11 橋本副会長中締めご挨拶

 

 

橋本副会長中締めご挨拶の内容

写真12 校歌斉唱

校歌斉唱動画

写真13 集合写真

濱会長、田中総長からのお言葉にもあったように、応化会は年代、研究室を超えて交流できるコミュニティであり、今回の100周年記念祝賀会は交流のための格好の場となりました。応化会で新たに形成された人脈が、新たなビジネスになり得ます。今回は、産業界で活躍している方々はもちろん、本学の教職員および他大学、いろいろな研究機関でアカデミックポストにある会員諸氏の参加も多数あり、産学、産産交流の絶好の機会でした。本100周年記念行事が今後の応化会の発展に大いに寄与すると確信し、今後も応化会が産産、産学連携のプロモータとしてこのような機会を設け、会員がそれを活用するようになれば、応化会にとどまらず早稲田大学ひいては日本の発展に寄与することができると推察されました。

スタッフの皆さん お疲れさまでした

以上

(文責:交流委員 新31 常見宏一)

パネルディスカッション

「競争・協奏・共創」~多様な繋がりを創造し、次世代に向けて共に輝こう!」

 田中総長のご講演に続きまして、未来の応化会を担う若手・学生の代表にご登壇いただき、「『競争、協奏、共創』~多様な繋がりを創造し、次世代に向けて共に輝こう!」というテーマでパネルディスカッションを行いました(写真1)。ファシリテーターは、梅澤宏明基盤委員長(新36回、写真2)です。

写真1 パネルディスカッション壇上

写真2 ファシリテーター 梅澤宏明基盤委員長

 100周年を迎えての感想をお聞きしながらパネリストを紹介していきました。パネリストはこちらの方々です。B3・北村悠真さん(写真3)、B4・輿石優奈さん(写真4)、M1・佐々木淳さん(写真5)、社会人3年目・神守広一郎さん(新69回、写真6)、社会人8年目・大山永展さん(新64回、写真7)、社会人16年目・劉雲龍さん(新56回、写真8)。

写真3 北村悠真さん

写真4 輿石優奈さん

写真5 佐々木淳さん

写真6 神守広一郎さん

写真7 大山永展さん

写真8 劉雲龍さん

【広い世代がつながること】
 100周年という重みを皆さん感じている中で、応化会の会員は、先生方、ご両親世代の方、また祖父祖母の世代の方、会社の上司の方など、ほんとうに幅広い方々がいらっしゃいます。この方々とつながることができるメリットをお聞きしました。自分のまだ知らない話や実体験を聞くことができるので、新たな価値観の形成や将来設計の参考となる、将来歩んでいく道をイメージできる、背中を見て学べる、といった意見が多数ありました。また、ネット環境では入手できないその人の生き様を感じることができる、会社組織の壁を超えたつながりができるという意見も出てきました。いいことばかり・・・でしたので、ちょっとこの辺はどうかな?というのも聞いてみましたところ、会合で集まると知り合い同士や同じ世代で固まってしまって初対面の方と話しづらいとか、いろんな方が集まっているので組織的な動きやまとめるのが難しいといった意見がありました。せっかく広い世代が集まっているので、世代を超えた交流ができるといいですね。

【つながる企画に関して】
 次に、広い世代がつながれる企画、特に若手が参加したいと思う企画について聞いてみました。いろいろな人材が集まっているので業種や世代を超えた交流会、キャリアデザインに関する企画、ミドルの今後を考える経営塾といったアイデアが出ました。学生からは、気軽にOB・OGと話せる企画や、ここで出会った方との関係性が継続していくような企画、体験談をいろいろ聞ける機会が増えるとよいといった意見が出ました。「気軽に」というところがポイントのようで、年齢が離れるとなかなか近づきにくいところがあるので、話すきっかけを持てるような運営が必要ですね。また先ほど、経営のお話が出ましたが、会場の方で経営者あるいは経営されていた方の挙手を求めたところ、複数人から手が挙がりました。ぜひ講師として参画していただければありがたいですね。
いまは世代を超えてのお話しでしたが、一方で、同世代でつながりを深めるということもあるかと思います。この点についての意見は、企画とか構えないで形式ばらない感じがいいとの意見がありました。学生が何かやりたいことに対して、OB・OG側から資金提供があると助かりますね。

【知恵の結集】
 つながりをキーにして話題を広げていくと、ビジネスコンテストとかで横でつながるとか、ベンチャーキャピタルを立ち上げて大学から資金が入るとか、そんな可能性もあるという意見が出ました。応用化学を学んだ我々として、先生方も会員ですし、企業で活躍されている方も多数いらっしゃいますし、応化会としての知恵の結集で、新技術・新事業が生まれる可能性は大いにあると思います。インスパイアードラボという例もあるので、早稲田の一室で事業や技術を語り合う場があるといいという意見や、企業の上層部の方々が集まって事業を語り合うコンソーシアムのような運用ができるといい、若手の縦割り交流会でもこんな事業ができたらいいなという話も出たこともあり、気軽に話せる空間、意見を吸い上げられる場があるといい、という内容に発展していきました。

【交流の場・ネットワーク】
 つながる場所としては、応化会の部室があるといい、早稲田に近いところで、気軽に来れるたまり場、行きつけのお店とかのアイデアも出ました。学生からも、いま運営している交流企画にこだわらずに、どんな人がいるのかが分かって交流できる場所、SNSとかのコミュニティでもいいという意見が出ました。若者がよく使うツールとしては、InstagramやTwitterが挙げられ、それは使う言葉が少ないという特徴があるため端的に情報が伝わるメリットがあるそうです。メールよりはSNSで情報を取る方が早いという意見もあり、いろいろなコミュニティが充実できればつながりが深められそうです。

【日本中でつながる・世界とつながる】
 応化会の会員は、日本全国にいらっしゃいますし、世界で活躍されている方も多数いらっしゃいます。デジタルの力も使ってこれらの方々とつながるには、どうしたらいいかを聞いてみました。クローズドのSNSを作って気軽に参加できる、ゆるくつながっておくことが大事、定期的に各地で同窓会が開ければいい、応化会報に掲載されている会員の近況をクローズドなSNSで知ることができれば、リアルで会う時のきっかけになる、といった意見がありました。クローズドとオープンの使い分けを考えての情報発信、関西・中部以外の支部拠点を増やす、海外にも行って交流するという方向に発展していきました。

【クロージング】
 将来の応化会を背負っていく若い方々から、応化会の価値の話、こうやってつながっていったらいい、こんなことも出来るのではないか、という様々な考えを聞くことができました。企画の具体化、コミュニティの形成など、会員の皆さんのご協力をいただきながら、進めていきたいと思います。最後に、学生代表の佐々木さんから、「3年ぶりにコロナが開けて対面で活動ができるようになり、会って話してつながることの大事さがわかりました。縦・横・先生方とのつながりを深めて活性化していきたい」、若手代表の劉さんからは、「フラットな関係として進めていきたい、なつかしい早稲田・新しいWASEDAのバランスを考え、将来につながる気軽につながることを両立していきたい、第2・第3の居場所として応化会を活用していただきたい」と今後の意気込みをお伺いして締めさせていただきました。

写真9 会場風景

【感想・コメント】
 田中総長からは、以下のご感想をいただきました。
「応化会が100年続いていることはすごいことで、これだけ広い世代が一堂に会している、まさに継続は力なりだと思います。イベントでないと集まれないという意見もありましたが、なんらかの形でなにげなく集まって会話したところからビジネスとか気づきとかが生まれると思うので、縦と横をうまくつなげていくことを望みます。もうひとつ、早稲田大学ではスタ-トアップの支援として、若手の院生・ポスドクの育成を行っていることもあり、ぜひ応化会でも若手の育成をお願いします。」(写真10)

写真10 田中総長

また、濱会長からは、以下のご感想をいただきました。
 「正にこれからの100年をけん引する若手メンバーに本音で話をしてもらいました。ミドルメンバーもいましたが、ミドルの存在、活躍は応化会にとっても大変重要です。期待していた以上に面白かったです。
 もっとディスカッションに時間がほしかったと言うのが本音ですが、一つのキーワードは”多様な繋がりの重要性”であったと思います。
ビジネスの社会であれ、アカデミアの社会であれ、以前のように、最初から明確な道が見えている時代ではありません。如何に様々なチャンスを活かしながら、自分を磨き、自ら”やりたいこと”を見つけ出し、実現の為に、更に新しい繋がりを広げていくか、これこそが夫々が世界で存在価値がある人材になる試金石であると思います。
 早稲田大学と共に、応化会も、この多様な繋がりのチャンスを提供する魅力的な組織にして行きたいと思います。今日もたくさんのアイデアがありましたが、今後も意見交換を繰り返し、具体化して行きます。経営者の1人としてメンバー達の要望にも応えていきたいと思います。」(写真11)

写真11 濱会長 (一番右)

集合写真 写真12 集合写真

(文責:基盤委員長 新36 梅澤宏明)

早稲田応用化学会100周年記念祝賀会 ご祝辞 田中愛治 早稲田大学総長

田中愛治総長ご祝辞

皆さま、こんばんは。
 ご多忙のところようこそお越しいただきました。
 また本日は雨になるかと思っておりましたが、先ほどからもう青空が見えてきて、皆さまのご来場を祝福しているかのようでございます。
早稲田応用化学会100周年、本当におめでとうございます。
 先程、大隈記念小講堂において記念式典があり、私も恥ずかしながら記念講演をさせて頂きました。お招きいただきまして誠にありがとうございました。
その中で少し申し上げたことをあまり繰り返さず一言申し上げます。
 今、政府が10兆円を用意しそれを運用基金として運用し、年利3%の運用益を上げて3000億円を選ばれた大学に配ると言っております。
「国際卓越研究大学」と言う世界と堂々伍して戦える覚悟ある大学に配分するとおっしゃっています。
 そこでの重要な事は、産学連携と言われております。
私共がこの申請にあたって申し上げたことは、先ほど言った事の中で3つあります。
1.国際頭脳循環:当然の事ですが国際的にも活躍し仕事をしたていただいたり学会発表をして頂いたり、再度学ぶこと、海外にいる人を早稲田で教育する事を含めて。
2.文理の頭脳循環:文系、理系問わず、エンジニアの方でも早稲田ビジネススクールなどでリカレント教育を是非やっていただく。
3. 産学官の頭脳循環:企業で研究者、エンジニアをやっている方も大学で教えていただくなり、また大学の人間も企業の研究所に伺って仕事をさせて頂いたくといった頭脳循環が必要だと考えている。

 そういう意味で正に早稲田理工の中でのトップランナーとして化学の発展をけん引していただいている応用化学の皆さまには、是非我々の考え方にご賛同いただき、何か一緒にさせて頂ければと存じます。

 最後に申し上げますのは、私が総長になって5年になりますが、早稲田二十日会というグループがあり各企業のトップの方たちが形成していて、早稲田を応援するとおっしゃっていて、コロナが明けた2022年ごろ伺ったところ、そこである社長様がおっしゃっていたことは、個々の教授が企業様と話して産学連携の共同研究と言っても1000万程度しか出ないと思うが、大学を上げてこれが大事で、これならば早稲田全体でやりますと言ってくれれば取締役会に上げられるので、総長が来なければだめで、総長自らが社長に対して説明をすることで億を超える共同研究が出来るとおっしゃっておりました。
 私も今あちこち企業のトップの方にお会いしております。
近年、卒業生から国際的に名の通る日本を代表する多くの企業のトップ人材が輩出されております。卒業生の皆さまが如何に優秀か分かりますが、こう言う早稲田の力が出てきているときに大学も深く反省し、今までの様な卒業生が優秀だから大学は大丈夫だと思わず、しっかりと若者を育てると言う事を進めたいと思っております。
ご指導ご鞭撻の程、お願い申し上げます。

 

 

早稲田応用化学会100周年記念祝賀会 開会ご挨拶 濱 逸夫会長(新制27回)

 濱 逸夫会長(新制27回)

応化会会長の濱でございます。

記念講演会の冒頭にもお話しましたが、本当に実開催が出来るかどうかわからない中で、準備をしてきましたが、こうして多くの方に集まって頂いた景色を見ますと、心から本当に良かったと思います。正に関係した皆さんの想いが伝わった結果だと思います。
学内外の応化会理事、各委員会の皆さん、若手OBOGの皆さん、そして学生委員の皆さん、本当に準備ご苦労様でした。
またご来賓の皆様にも、お忙しい中お越し頂き、誠にありがとうございました。心から感謝申し上げます。

後程、100周年記念事業を主導頂いた下村副会長から詳細な報告がありますが、100周年記念事業の一環として企画した新たな奨学金基金も目標を大きく上回るご寄付を頂きました。またこの祝賀会に対しても、参加費用と共に、多くのご寄付を頂きました。
これも応化会メンバーの応化会に対する最大の応援エールです。また今後纏まりましたら、正式にご報告しますが、今後の応化会活動の活性化の為に有効に使わせて頂きます。
本当にありがとうございました。

私も3年前からこの応化会の会長を拝命しておりますが、およそ1万人に近い卒業生がおり、また18歳から90代のシニアまで、年齢差が80年近くある、そして国内外様々な分野で活躍しているメンバーから構成されている、こんな幅の広い組織が、100年ものの間継続し、更に進化しようとしている。これは驚きです。

そして、これこそが正に我々応化会の財産だと思います。今世の中では、人的資本の重要性が再認識されていますが、ビジネス社会のトップ人材とアカデミア社会のトップ人材が繋がり合いながら、大きな夢を実現して行く。”これからの100年”、どれだけ世界に輝く人材がこの集団から生まれてくるかと考えると本当に胸が躍ります。

先程、講演会の終わりに、この祝賀会を是非、応化会の未来を語り合う場にしてほしいとの話をしました。是非、これからの時間を同窓会の枠を越えて、次世代に繋がる貴重な時間にして頂くことをお願い申し上げて、私からの開会のご挨拶とさせて頂きます。

早稲田応用化学会100周年記念祝賀会 ご祝辞 西出 宏之 前会長(新制20回)

西出 宏之前会長(新制20回)

たいへん盛り上がり、歓談に熱気帯びています。会報に前会長として寄稿しましたので、ここでは軽くに留めます。
 このたび名誉会員に推挙され光栄です。会費納入が免除されるとのことですが、既に銀行口座からの自動引き落としです。これを継続しますので、ボケてきても死去で口座が閉じられるまで、些少ですが自動的に本会に寄与できます。
 参会皆さんと楽しくお酒も頂き、名誉会員ならぬ、酒に酔った「酩酊会員」となってきておりここで止めます。
 記念会に向け企画、長い月日の準備と実行、濱会長、下村副会長はじめ皆様、ほんとうにご苦労様でした。大盛会、おめでとうございます。

第43回早桜会懇話会(報告)

 第43回早桜会懇話会を2023年5月27日(土)イーセップ株式会社(京都府相楽郡精華町)にて開催しました。イーセップ株式会社は京都府相楽郡精華町にあるけいはんなオープンイノベーションセンター内に本社を構え、主にナノセラミック分離膜の開発や分離膜ユニットの製造・販売を行っています。現状の化学産業では分離工程にて多くのエネルギーを消費しておりますが、分離膜を用いると従来の蒸留等のプロセスと比較して省エネルギーで目的物を分離することが可能になります。昨今の環境問題への意識の高まりも追い風となり、膜分離技術に対する期待が高まっています。

 イーセップが今後力を入れていく開発テーマの1つにバイオマス資源からの燃料合成があります。具体的にはバイオマス資源のガス化から得られた二酸化炭素と水素を原料にメタノール水を合成します。得られたメタノール水を水素キャリアとして用いて必要に応じて水素を取り出すというプロセスを想定しています。またメタノールからガソリンを合成するプロセスは既存技術として存在するので、必要に応じてガソリンに転換することも想定しています。このプロセスのどこで分離膜が必要になるかというと、二酸化炭素と水素からメタノール水を得る工程においてです。二酸化炭素と水素からメタノールと水が出来る化学反応では逆反応も起こっており、収率が上がらないのが現状です。そこで分離膜を用いてメタノールと水を選択的に取り除くことで、逆反応が起こるのを防ぎ、メタノール水の収率が上がるという原理です。見学会ではイーセップの分離膜製造設備及び評価装置(写真1)を皆様に見学して頂きました。

写真1:イーセップ社の分離膜製造装置及び評価装置の様子

そしてまだ立ち上げ中ではありますが、分離膜と組み合わせたメタノール水製造装置についても外観を見て頂きました。(写真2)

写真2:現在立ち上げ中のメタノール水製造装置

今後開発されていく新技術ですが、地球の未来に確実に必要な技術であり見学会に参加して頂いた皆様におかれましては、大変に興味を持って話を聞いていらっしゃいました。

 メタノール水関連以外にもイーセップでは分離膜の製造や評価を行っていますのでそれらの設備についても見学して頂きました。特に10年前の会社設立当初、資金が十分無かった時に如何にして分析装置を揃えていったかという苦労話などは大変印象的であり、参加者の皆様も、よくぞここまで会社が成長したと、早稲田の同窓の活躍を喜んでいる様子でした。見学の最後には参加者の皆様で集合写真を撮影しました。(写真3)


写真3:参加者集合写真

見学会後は、久しぶりに懇親会を実施致しました。(写真4)

写真4:懇親会の様子

ここ何回か対面での開催を実施しておりましたが、懇親会は未開催でした。皆様久しぶりの懇親会ということで、イーセップ見学会の感想を始め、これから応化会、そして日本をどうやって盛り上げていくのか等、非常に話が弾みました。オンラインでの開催は懇話会の講師の先生の選択肢が広がる等、便利な部分もある一方で対面開催ならではの良さもあるということを改めて認識致しました。今年度の懇話会は対面を基本とする方針ですので、懇親会での議論も含め益々応化会が盛り上がっていくよう役員一同努めて参りたいと思います。(文責:三品)
【出席者(12名):敬称略】
津田實(新7), 市橋宏(新17),田中航次(新17) ,斎藤幸一(新33),和田昭英(新34), 中野哲也(新37), 脇田克也(新36) ,高田隆裕(新37), 澤村健一(新53), 陳鴻(新59),三品建吾(新59), 古田武史(新61)