第13回 先生への突撃インタビュー(松方正彦教授)

「先生への突撃インタビュー」再開に向けて                            2016年8月28日

「先生への突撃インタビュー」は2005年に企画がスタートして足かけ三年で、12名の先生にご協力いただき、広報委員会が担当して、ホームページへの掲載を続けていました。

その後、暫くの間インターバルができましたが、来年には応用化学科が100周年を迎える節目にもなりますので、改めて再開することにしました。

会員の皆様の日頃の活動に少しでもお役に立つ情報を教室の先生方のご協力を得て提供し、大学と企業間の情報交流のキッカケが生まれ緊密な連携が芽生えることを期待するとともに、「最前線で今何が研究されているのか?」を知りたいと考えているOBの方々や、「専門分野の設定や将来進路に対するヒント」を望んでいる学生の期待にも沿えるように取材を進めたいと思っております。            (広報委員会)

「先生への突撃インタビュー」の再開のトップバッター(第13回)として松方正彦教授にご登場願うことにしました。
松方先生は、皆さまご存知のように応用化学科卒業、応用化学専攻で博士課程を修了後、成蹊大学、大阪大学での学究を経られ、1997年に早稲田大学理工学部助教授として戻られ、2001年から教授として、そして現在は学科主任教授をお務めになっておられます。

先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?
~~~エネルギー・環境に関わる化学と工学への強い思い~~~

松方正彦教授

松方正彦教授

学生時代が石油ショックの後だったので、エネルギーや資源・環境に注目しており、研究室配属の選択で燃料化学部門であった森田・菊地研究室へ入ったことが最初のきっかけです。4年の時はメタノールからオレフィンを選択的に作る触媒がテーマでしたが、この時にゼオライトの合成から始めたという意味で、ゼオライトとの最初の出会となりました。修士課程でテーマが粘土間化合物を酸触媒として利用するテーマに変わりましたが、なかなか結果が伴わない七転八倒の時を過ごしましたが、冬頃になってやっと成果になる結果が得られました。この結果を翌年の日本化学会で発表することになり、実験研究の面白さと、やれる確信に近い前向きな気持ちが出てきたと思っています。博士課程で森田先生の最後の博士課程の学生として重質油のガス化触媒の反応機構を研究し、博士課程修了後は研究の次のステップとして成蹊大学の化学工学を専門とされた小島先生の下で助手として約3年、大阪大学の上山先生の下ではミクロ多孔体を分離膜に応用するテーマ(ゼオライトの合成から、薄膜化そして分離膜へ)で約5年過ごし、1997年に早稲田に戻りました。このように多くのテーマや多くの先生の考え方、見方を広く学べたことは大きかったと思っています。結果としては、自分の研究の主流がミクロ多孔体、ゼオライトへ収束してきた流れがあったように感じます。

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研究内容
エネルギー・資源・環境問題を研究の動機として、触媒化学・膜分離工学・エネルギー化学に係わるサイエンスおよびエンジニアリングを研究対象としています。 特に、ゼオライトを中心としたミクロ孔をもつ物質を材料として、その合成法や触媒・分離膜としての利用法の開発に力点をおいて研究を進めています。
 

これからの研究の展望は?
~~~革新の余地が大きい分離工学で膜によるブレークスルーを~~~

現在は分離と触媒が半々の研究室となっていますが、ミクロ多孔体は非常に面白い特殊な場を提供してくれる材料で、発見が多々あります。その特性を利用して、新しい反応、触媒を見出すことが一つの方向です。それに加え、反応生成物の分離にかかるエネルギーは膨大です。このエネルギーを削減するための分離機能、分離工学でのブレークスルーに膜でチャレンジしたいと思っています。やるべきことは山のようにあると思っていますし、革新の余地が大きいというか、未開分野が多いという捉え方をしています。今まで培ってきた見方や知見を活用し、俯瞰的な見方を加えて挑戦をしていきたいと思っています。

大学と企業の連携では、どういうことをお考えですか?
~~~情報のパイプ役として貢献を~~~

産業側、企業側の立場によっても変わると思いますが、メーカー、ユーザーの間を繋ぐ役目が大学にあるという側面を感じています。情報の面、人脈の面を含めて、ヴィジョンの共有が出来る先とはシーズ・ニーズのマッチングに向けた情報のパイプ役として、また、要素技術の組み合わせのヒントの提供など、大いに活用して欲しいですし、今迄やってきた自負もありますので、今後とも上手い連携を続けて、業界の技術のベースづくりや拡大に貢献していきたいと思っています。

応用化学科が来年100周年という節目を迎えますが?
~~~伝統とプライドをもって、「役に立つ化学、役立てる化学」の継続を~~~ 

応用化学科という学科名称を変えることなく100年周年を迎えることができ、この間9000名超の卒業生を輩出していきました。化学はもの作りの基盤ですが、有能、優秀な人材が脈々と続いている伝統とプライドを胸に、応用化学科が標榜する「役に立つ化学、役立てる化学」の理念のもと、研究教育や人材の輩出を継続すると同時に、今後に向けて果たすべき役割を今一度思いを新たにするべきでしょう。

応用化学会の活動への期待
~~~大学に寄り添うアクティブなOB組織として今後にも期待~~~ 

早稲田大学の同窓会の中でも、アクティブに応用化学科に寄り添う活動や現役学生へのサポートをしている特別な存在と位置づけられると思います。応用化学科と応用化学会の良い関係をお互いに努力を重ねて、継続をさせていきたいと願っています。

21世紀を担う皆さんへ、メッセージをお願いします。
~~~過去の延長線上には未来は無く、新しく創るという気概と挑戦を~~~ 

20世紀後半の延長線上には将来の姿は描けないでしょう。地球環境などから余儀なくされる新しい産業や産業構造は、その時代をリードする若い世代が、自ら作っていかなければならないと思います。大局観や俯瞰的見方を磨きながら、大きなチャンスと捉え、新しく社会を創っていくという気概を持って挑戦をして欲しいですし、活躍して欲しいと思います。

8月5日インタビュー(聞き手&文責:広報委員会 井上 健・新19回)

(松方先生の研究や経歴について、より詳細に知りたい方は、以下のページやリンクも併せてご覧ください。)

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過去の突撃インタビュー

先生への突撃インタビュー

「先生への突撃インタビュー」  再開に向けて 

2016年8月28日

「先生への突撃インタビュー」は2005年に企画がスタートして足かけ三年で、12名の先生にご協力いただき、広報委員会が担当して、ホームページへの掲載を続けていました。

その後、暫くの間インターバルができましたが、来年には応用化学科が100周年を迎える節目にもなりますので、改めて再開することにしました。

会員の皆様の日頃の活動に少しでもお役に立つ情報を教室の先生方のご協力を得て提供し、大学と企業間の情報交流のキッカケが生まれ緊密な連携が芽生えることを期待するとともに、「最前線で今何が研究されているのか?」を知りたいと考えているOBの方々や、「専門分野の設定や将来進路に対するヒント」を望んでいる学生の期待にも沿えるように取材を進めたいと思っております。 

第13回 松方 正彦教授
第14回 本間 敬之教授

(広報委員会)

旧「突撃インタビュー」メインページ

 Back No.
第1回 平沢 泉 教授
第2回 木野 邦器 教授
第3回 竜田 邦明 教授
第4回 武岡 真司 教授
第5回 常田 聡助教授
第6回 菅原 義之 教授
第7回 菊地 英一 教授
第8回 逢坂 哲彌 教授
第9回 西出 宏之 教授
第10回 黒田 一幸 教授
第11回 清水 功雄教授
第12回 桐村 光太郎教授
 

 

 

新制21回平成28年度同期会開催のご案内

新制21回卒業生の皆さんへ                        

    平成25年の10月に久方ぶりの同期会を開き、22名の方にご参加を頂きました。また一昨年の同期会には23名の参加、昨年の同期会には20名の参加となりました。参加人数はほぼ同じですが、個々の参加者には毎年入れ代わりがあり、卒業以来初の顔合わせの人も毎回あって、楽しく懐かしい集まりとなっております。

いままでの会の様子はこの応化会HPをご覧ください。  ⇒ こちら

 本年も下記のとおり11月5日(土)に同期会を開催いたします。我々の大学入学は、昭和42年(1967年)ですので、来年の4月には皆が初めて顔を合わせて丁度50周年になります。ということで今年は少し意義の深い同期会でもあります。皆様お忙しくお過ごしのこととは存じますが、是非万障お繰り合わせの上ご参加ください。

 当日は学内では、理工展、早稲田祭が開催されております。卒業後大学にはあまり立ち寄られたことの無い方々は、大学本部あるいは西早稲田キャンパスにお立ち寄りの後、同期会に参加されるのも一案かと思います。

会場は、昨年同様、三浦千太郎君の尽力で東京ガスの四谷クラブを確保することができました。場所は地下鉄丸の内線四谷三丁目駅のすぐそばです。

当日西早稲田キャンパスで開催される理工展に参加された場合は、地下鉄副都心線新宿三丁目乗換えで同期会の会場四谷三丁目にいらして頂くのが便利です。

同じ研究室で連絡方法の判明している場合には、お互いに連絡をお取り頂いて出来るだけ多数の方が参集できますようご協力お願い致します。皆様の参加を心からお待ちしております。

               記

開催日時       2016年11月5日(土)17:00-19:00

場所         東京ガス・四谷クラブ  2Fが入口
          新宿区愛住町6-1  TEL : 03-3353-3711

会費            5,000円

幹事           三浦千太郎、橋本正明、長瀬穂積、上野裕人、堀江芳文、島田修二

会場情報      東京ガス四谷クラブ  ⇒ 案内はこちら

参加申し込み、問合せは 長瀬穂積まで   
hozumi_nagase@jcom.zaq.ne.jp  TEL/FAX : 042-593-2927 

第30回交流会講演会のご案内

第30回 交流会講演会 (2016年 9月24日(土))

申し込みはこちら

講演者 : 戸田 拓夫氏 株式会社キャステム代表取締役社長 (1980年応用化学科中退)
演題 : 『突破力』
副題 ; 「数々の経営危機を乗り越えて、紙ヒコーキのごとく舞い上がれ」

今回は、諸般の事情から応用化学科での学業を中途で諦めねばならなかったにも拘らず、その後就職した鋳造関連企業での精密鋳造部品、射出焼結部品、FRP射出成形品等の製造事業分野において目覚しい活躍をされ、衰退産業と言われていたこの分野での発展に尽くし、現在は当該企業の代表取締役社長を勤めておられます戸田拓夫氏をお迎えし、これまでに直面した数々の危機に対しその折々の境遇にていかに考え、乗り越えてきたかをお話して頂きます。

また戸田拓夫氏は、手投げによる紙ヒコーキ室内滞空時間競技のギネス記録保持者です。(滞空時間=29.2秒)この魅力的な特技についてはこれまで多数出演されたテレビ番組や、20冊に及ぶ著作(代表作として「親子で作る紙ヒコーキBook」宝島社)で紹介されていますが、今回は直接ご本人からお話を聞くことが出来るチャンスです。

学生諸君はもとより、社会で活躍中の若いOB/OG諸君にとっても興味深く、これからの人生設計を考える上で大変貴重なお話しを聞くことが出来る絶好の機会であると確信致します。
皆様お誘いの上、是非奮ってご参加ください。

月日 : 2016年 9月24日(土)
場所 : 早稲田大学西早稲田キャンパス 57号館201教室
開場 :   14:30(受付開始)
講演 :   15:00~17:00(参加自由、無料)
      17:15~17:45(代表学生とのパネル討論)
懇親会 : 18:00 ~19:30 懇親会場:理工カフェテリア
講師を囲んで懇親会を開催します。(懇親会費:3千円、学生無料)

* 事前登録を、9月20日(火)までに頂いた方には、当日 受付で名札をお渡しいたします。
それ以降の登録の場合は、名札の準備が出来ませんので、自筆でお書き頂く事になりますことご了解ください。

申し込みはこちら

講演会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。
また講演会場ではビデオ撮影も予定しております。

(文責 交流委員会 小林 幸治)

第8回早桜会講演会のお知らせ

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早桜会(早稲田応用化学会関西支部)では、第8回講演会を下記要領で開催します。今回の講師には、静岡大学名誉教授の須藤雅夫先生にお願いしています。
初めての方もぜひ奮ってご参加ください。

演題 : 固体高分子形燃料電池の話題
講師 : 須藤雅夫先生 (静岡大学名誉教授、公益財団法人天野工業研究所理事)
日時 : 2016年9月17日(土)
15:00 ~ 17:00 講演会
17:00 ~ 19:00 懇親会
場所 : 中央電気倶楽部(大阪・堂島浜)
大阪市北区堂島浜2-1-25
06‐6345‐6351
http://www.chuodenki-club.or.jp/
講演会  215号室
懇親会  特別食堂
会費 : 講演会 無料
懇親会 5,000円
(ただし、学部卒業後または大学院修了後2年間は、2,000円)

講師ご略歴
1972年城塚研卒(新22回)。工学博士(1978年、早稲田大学)。
静岡大学助手、助教授、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員などを歴任し、1993年静岡大学教授。2016年より静岡大学名誉教授。
化学工学協会学会賞論文賞、日本海水学会学術賞、電気化学会電解科学技術委員会工業電解業績賞など受賞。専門は化学工学、電気化学、バイオメディカル。

津田 實

早桜会第23回懇話会(2016年6月25日)報告

早桜会第23回懇話会を、6月25日(土)15時~17時、中央電気倶楽部(大阪堂島浜)で開催しました。

津田 實

講演する津田 實氏

今回の講師は、長年蝶理株式会社で海外との貿易業務で活躍され、退職後は植林ボランテアとして毎年海外で活躍されている津田 實(新7)氏で、早桜会懇話会での講演は今回で3回目になります。

「世界で3番目に大きい島・ボルネオ島の今」と題して最近10年間で4回ボルネオ島を訪問した時の見聞、経験を情熱的に話され感銘を受けました。
以下に講演内容の一部を紹介します。
第23回懇話会‐2

  1. 一昔前のボルネオ島のイメージは首狩族、猛毒のコブラ、樹木から群がり落ちてくる蛭(ひる)、マラリア蚊、熱帯の奇病(風土病)などであり、ジャングルは魑魅魍魎(ちみもうりょう)の住処(すみか)でした。砂漠やツンドラと同様に不毛の大地として敬遠されていました
  2. そのジャングルのボルネオ島が森林資源、石油・天然ガス資源、石炭・鉱物資源の宝庫であることが分かり、開発が進められたのは、この数十年のことです。特に資源開発・輸入に関して日本が大きく関わりました。
  3. 現在ボルネオ島を分割統治する3か国(ブルーネイ王国・マレーシア連邦・インドネシア共和国)の近代化を推進した有力リーダーは何れも親日的でした。
  4. 植林ボランティア活動を通じて過去・現代にわたり、ボルネオ島で活躍の素晴らしい日本人・現地の人達の存在を知りました。
    ・大東亜戦争当時日本占領下(昭和17年)のブルーネイ王国(現在小国ながら世界で一番豊かな国)で活躍された木村強さん
    ・ブルック白人王(1840~1941)に日本の存在感を示した依岡省三さん
    ・現在クチンで活躍中の「肝っ玉母さん」酒井和枝さん
    ・明治時代サンダカンで からゆきさんの面倒を看た木下クニさん
    ・野生動物絶滅の危機を憂う(アブラヤシ農園/自然破壊)滝川クリステルさん
    ・サバ大学教授(熱帯生物保全研究所) マレー人親日家のチャールスさん
  5. 今やボルネオ島は棲み良い島です。
    資源・自然環境・観光の面で非常に魅力のある島で今後の発展がおおいに期待できます。気になるのはパームツリー・プランテーション拡大による熱帯雨林の荒廃とそれに伴う生態系の変化ですが、それぞれの政府は自然環境保全に懸命に取り組んでいます。特に高地では(キナバル山麓)気候温暖にして地味豊か、物価も安く、安全で、ロングステイには絶好の保養地(穴場)です。

第23回懇話会‐3 講師の津田氏は82歳にもかかわらず元気溌剌、講演の中で次はボルネオ島の最高峰キナバル山(4095m)へ登りたい、誰か一緒に行きませんかと呼びかけ、これには出席者全員顔を見合わせました。
講演終了後いつものように近くの居酒屋で一献交わしながらよもやま話で大いに盛り上がりました。特に津田氏は新会員の若い人たち3人(平成生まれ)を相手に次回は「昭和シングル生まれの語り部」として「私見大東亜戦争論」を披露したいと怪気炎?をあげておられました。(文責 市橋 宏)
出席者:

津田實(新7回)、前田泰昭(新14回)、市橋宏(新17回)、井上昭夫(新17回)、田中航次(新17回)、岡野泰則(新33回)、斎藤幸一(新33回)、和田昭英(新34回)、脇田克也(新36回)、澤村健一(新53回)、桜井沙織(新64回)、澤田健太郎(新64回)、中村典義(新64回)

2016年度総会 会長挨拶(2016年5月28日)

応用化学会・会長 三浦 千太郎

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会の開会に先立ちまして一頃ご挨拶を申し上げさせて頂きます。
本日はご多忙の中を定期総会にご出席賜り、誠に有り難うございます。
2014年河村前会長から引き継ぎ、すでに1期2年が経ちました。
他に類を見ない活力のある会の運営に現体制メンバーと共に懸命に取り組んで参りました。しかしながら活性化の原動力であったボランティアメンバーの世代交代期と重なり、十分な新体制の作り込みが出来ないまま早2年が経過したというのが偽らざる思いであります。

本総会で引き続き会長継続のご承認をいただければ、後ほどご紹介する理事および委員の皆さんとともに、応用化学科そして応用化学会の活力強化のために内部体制の充実そして魅力ある新しい試みに挑戦していく所存であります。

さて、この2年の間、ご案内のように応用化学科そして応用化学会は幾つかの大きな事件に直面しましたが、その影響もようやく癒えてまいりました。
一方では昨年もご紹介しましたように、ここ数年来の教授の皆さんのご活躍は目覚ましいものがあり、数多くの授賞など高い社会的評価を受けていることは周知の通りであります。私たち会員一同にとっても大変喜ばしい限りであり、大いなる誇りでもあります。

この応用化学科そして教授の皆さんの名を、さらに幅広く社会に認識して貰うために一昨年からタスクフォースの形で実施してきました「未来社会創成の会」はおかげさまで逢坂、西出そして黒田お三方の高名な教授の主導のもとに成功裡に実施することが出来ました。
3回の講演に約70社から合計約300名の参加者が集り、まさに「早稲田応用化学科ここにあり。」を産業界に示すことが出来ました。
このフォーラムを今年度から応用化学会の正式な活動として取り込み、引き続き教授の皆さんから社会に発信をして頂く場として活用していくことに致しました。今回からはOB・OG会員そして学生諸君にも参加出来るものと致します。

次いで、学生諸君の活動の場である学生部会の動きについて少し述べさせて頂きます。
学生の自主による新しい試みである「新入生歓迎会」は昨年度からスタートして4月に新入生100〜120名に対して65名の在学生から応化会活動の啓蒙をしてもらいました。

また、学生の自主企画による講演会も昨年の12月19日に開催され、学生82名、参加総数114名の大盛況で実施されました。

加えて応化会委員会活動への学生参加も大変盛んになっておりまして、広報委員会の16名をはじめとして多くの学生諸君が委員会で活躍を始めております。
これらの学生による様々な自主活動が盛んになっていくことは応化会活性化のためにも大変喜ばしいことと私どもも期待しており、支援を続けていくつもりです。

応用化学会での2期目の私たちの取り組み課題は「改革」の推進にありますが、改革の成果として持続可能な体制整備だけではなく「応化会2011ビジョン」以来営々と取り組んでいるテーマ「現役OB・OG世代の帰属意識の高まり」に繋げていかなければならないと考えております。
そのためにも「魅力ある応用化学会」を進める施策のテーマアップと実施が必要です。

先に述べた「新フォーラム」の再構築と具現化もその一つで、応用化学科の教授を軸として、来年の100周年記念を念頭に産学連携そして異業種交流など現役世代に魅力のある場として提供していければ、と考えております。

課題の抽出には一昨年から進めているチェック&レビューは重要な手法であると考え実施して参りました。その結果、評議員制度の検討や名簿の廃止そしてそれに代わる新名簿システムの開発、学生によるホームページの再構築そしてホームページ上に魅力あるデータの掲載、例えば会報などのアーカイブ化などがテーマアップされ、一部は事業計画にも織り込まれ実現の方向で進められています。
新年度も引き続き、学生や若手現役OB・OGを巻き込んで継続的にチェック&レビューを進めていく予定です。

もう一つのテーマ、「持続性のある体制の構築」であります。
この2年間で想定通りベテランOBを中心に退任の動きが進み、その後任の勧誘を進めて参りました。
理事では2014年JX-HDの安達常務、新年度からライオンの濱社長などをはじめ強力な現役OG・OBによる理事陣容が整ってきたと考えております。
また各委員会においても委員総数45名中現役が12名、学生18名と現役及び学生比率が7割近くと大変高くなって、世代交代は着実に進んで参りました。
さりながらベテラン・ボランティア委員の労務提供によって成り立っていた多くの行事を現業に多忙な現役世代や学生諸君に委ねることは限界があり、ボランティアの新規参加によるワークシェアが必須であります。

以上述べて参りましたように2期目を迎え、魅力ある応化会、持続性のある体制構築のための諸施策を強力に進めていく所存ですが、それを支えるのは言うまでもなく会費納付率向上と活動に参画していただくボランティアの有志が一人でも増えることです。
会員の皆さまには、この場をお借りしまして従前に増しますご理解ご協力そして活動へのご参加を切にお願い申し上げます。

最後になりますが、感謝の言葉を述べさせて頂きます。
ご案内のように、当会の副会長を始め要職を務めて頂き会の発展のため多大な貢献をして頂いた逢坂教授が退任されます。もちろん特任教授として大学に残られ、引き続き私たちへのご指導は続けて頂けるものと思いますが、一区切りとして後ほど名誉会員に推薦させて頂く予定であります。ここに今での貢献に深く感謝申し上げます。
また、会長退任の後、特別顧問を務めて頂いた河村先輩には、申し上げるまでもなく応化会現在の繁栄の礎(いしずえ)を作って頂きました。4月の交流講演会では講師を務めて頂き、過去最高の参加者220名という記録を打ち立てて有終の美を飾って頂きました。
同じく名誉会員に推薦させて頂きますが、ここに今までの功績に厚くお礼申し上げたいと存じます。
もうお一方、河村時代を支えて副会長として会を牽引され、その後監事を努めて頂いた平林先輩もこの度退任されます。
その功績に功労者として感謝申し上げます。
お三方には重ねて会員一同お礼を申し上げます。

以上で、総会に先立ちまして私の思いを述べさせて頂き、併せて開会のご挨拶とさせて頂きました。
有り難うございました。

過去の総会会長挨拶

里見奨学会給付奨学金受給者

公益財団法人里見奨学会は日本パーカライジングの創立者故里見雄二(さとみゆうじ)氏が昭和31年に設立されたもので、氏の出身地である大分県竹田中学校(現竹田高校)や氏の母校である東京大学の学生への支援を目的として奨学金や褒賞を行っております。この度、当応化会の元会長であった現日本パーカライジング社長の里見多一(さとみかずいち)氏からのお申し出により2016年度から早稲田大学応用化学科の学生も対象に奨学金を給付して頂くことになりました。里見多一氏は1974年早稲田大学応用化学科修士課程を卒業され、早稲田応用化学会給付奨学金制度を作られたときの本会会長でもあり、また奨学生推薦委員会委員長も努められ、母校への熱い思いで学生支援をして頂いておりました。
本里見奨学会奨学金は、志の高い優秀な学生諸君を対象に修士1年から最長博士課程修了まで5年間給付するものであり、有為な人材の育成と教育の振興に寄与していくものであります。
なお、里見氏の要望で本会奨学生推薦委員会が応化会奨学給付金と併せて審査することになっております。

2016年度

  • 池勇樹君  (平沢・小堀研)
  • 小栗輔矩君 (関根研)、
•池勇樹君

池勇樹君

小栗輔矩君

小栗輔矩君

小栗輔矩君からのメッセージ

この度は2016年度里見奨学金奨学生として採用していただき、誠にありがとうございます。
ご多用の中,選考に貴重な時間を割いていただきました推薦委員会の方々,ご支援くださる里見奨学会の皆さま,並びに日々指導をしてくださる応用化学科の先生方に厚く御礼申し上げます。
現在,私は関根研究室にて「自動車の燃費向上のための排気ガスを用いた燃料の改質反応において高活性を示す触媒の探索」というテーマで研究を行っております。原料ガス中の反応性の高い酸素を反応させずに改質反応を選択的に進行させるべく,担体のスクリーニングを行っております。スクリーニング後はXPSやIR、XAFS等を用いてより深い検討を行いたいと思います。
今後は,いただく奨学金を有効に活用し,論文執筆に向けて研究により一層取り組んでいきたいと思います。里見奨学金の求める「若き有能な人材」へとなれるよう精進してまいりたく存じますので応化会の諸先輩方には今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

第12回(2016年度)応用化学会給付奨学生

平成28年度(第12回)応用化学会給付奨学生推薦委員会が三浦千太郎会長、松方正彦主任教授、和田宏明庶務理事(教授)ほか学外奨学生推薦委員4名出席のもと5月14日に開催されました。書面と面接による厳正な審査が行われ、下記の1名を教室会議に推薦しました。その後教室会議における承認を受け、今年度の応用化学会給付奨学生が決定しました。 5月28日の応用化学会定期総会で紹介があり、交流会(懇親会)にて出席の諸先輩にお礼のスピーチをしました。
応用化学会給付奨学金にご寄付頂いたOB・OGの皆様に深謝しますとともに、今後とも常時受付していますので更なるご寄付、ご支援をよろしくお願い申しあげます。

平成28年度(2016年度)応化会奨学生

•池勇樹君 池勇樹君

  • 池勇樹君からのメッセージ

この度は、2016年度早稲田応用化学会給付奨学金の奨学生として採用して頂き、誠にありがとうございます。御多忙の中、選考にあたってお時間を割いて下さった選考委員の皆様方、応用化学科の先生方、ならびに奨学金の設立・維持に御尽力いただいております応用化学会の諸先輩方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。本奨学金が皆様からのご寄付により成り立っていることを念頭に置き、今後とも精進を重ね、皆様のご期待に添えられるよう邁進していく所存です。
現在、私は晶析時における超音波照射による結晶多形の制御をテーマに研究を進めております。 超音波が晶析に影響を与えるメカニズムは未だに不明瞭な部分が多く、その理論体系の構築は多くの困難が伴いますが、未知のものを解き明かしていくことに遣り甲斐を感じています。
博士後期過程進学後は、応用化学会の発展に微力ながら貢献していきたいと考えています。また、社会に貢献できる人材へと成長することを目標に精進して参ります。
最後になりますが、早稲田応用化学会の皆様に重ねて御礼申し上げます。

習志野台洋画サークル作品展

図拡大

 

応化会HP 「趣味のHPリンク」に以前から「私の東欧見聞録」をはじめ、東ヨーロッパ、スペイン、イギリス、アイルランド、北欧四国の紀行文などを掲載したご自身のHP(http://maruyama.la.coocan.jp/)を紹介し、また、新制13回生同期会(http://www.waseda-oukakai.gr.jp/sotsugyousei/doukikai/doukikai-14-12.html)にも静物画を紹介している丸山征四郎画伯?の新しい作品が展示されている定例作品展(5/31~6/5)が船橋市民ギャラリーにて開催されるとの情報に基づき6/1に同僚とともに鑑賞してきましたのでご報告します。

船橋市民ギャラリー3F第一展示室には油絵、水彩画、はがき絵など多数の作品が展示されていました。

会場につくやいなや、ご自身の作品(10号油絵3点)が展示されている場所で集合写真を撮影し、展示作品を鑑賞しました。丸山氏のほかの作品は、水彩画(2号)1点、油絵1点(SM)がそれなりの場所に展示されていました。

いずれの作品も素晴らしく、特に水彩画に関しては指導講師のそれに匹敵するようなタッチで描かれ、印象深かった。kanpai

このように本来の理工系以外の優れた才能を発揮する同期生の作品他を鑑賞し、すがすがしい気分で会場近くの2時間飲み放題食べ放題のビアガーデンで歓談後、解散しました。

来年もほぼ同じ時期に同じ場所で作品展が開催されるとのことですので同期の皆様他近くにお住いの応化会員は素晴らしい作品を是非ご覧いただくようお誘い申し上げます。勿論、入場無料です。

(文と写真:同期会評議員 相馬威宣)