応化会活動」カテゴリーアーカイブ

早桜会の第25回(今年度第3回)懇話会のご案内


 早桜会第25回(今年度第3回)懇話会を下記要領で開催します。まだ参加したことがない方も、奮ってご参加ください。  終了後、簡単な懇親会を予定しています。

日時 2017年2月18日(土) 15時~17時
場所 中央電気倶楽部(大阪・堂島浜)
  http://www.chuodenki-club.or.jp/
演者 中野哲也(新37回 豊倉研)
  三井化学(株)
演題・内容 「ポリオレフィン触媒の開発の歴史と現状」

 ポリオレフィンの生産量と性能は、1953年のチーグラー触媒の開発と共に劇的に変わった。  現在は、これまでの汎用性ポリマーから機能性ポリマーへの移行時期を迎えている。

 今回は、触媒開発の経緯を基にポリオレフィンの歴史について講演したい。

ご参加の方は、事務局田中までご連絡ください。
kouji_t@mwd.biglobe.ne.jp

企業ガイダンス更新

下記の企業ガイダンスを更新しました。(HP上で更新した日付順に掲載)

2017-01-20
大日本印刷株式会社(更新掲載)
2017-01-19
テルモ株式会社(更新掲載)
ダウ・ケミカル日本株式会社(新規掲載)
2017-01-17
凸版印刷株式会社(更新掲載)
2017-01-16
日本たばこ産業株式会社(新規掲載)
2017-01-12
エリーパワー株式会社(更新掲載)
2017-01-05
クラレ株式会社(更新掲載)
日本リファイン株式会社(更新掲載)
2016-12-21
ヤンマー株式会社(更新掲載)
JSR株式会社(更新掲載)
日本シイエムケイ株式会社(新規掲載)
日本曹達株式会社(新規掲載)
2016-12-15
住友電気工業株式会社(更新掲載)
三菱マテリアル株式会社(更新掲載)
2016-12-06
明治グループ(㈱明治・Meiji Seika ファルマ㈱)(更新掲載)
株式会社デンソー(新規掲載)
オー・ジー株式会社(更新掲載)
JFEケミカル株式会社(更新掲載)
2016-11-30
信越化学工業株式会社(更新掲載)
株式会社ADEKA(更新掲載)
DIC株式会社(更新掲載)
2016-11-23
花王株式会社(更新掲載)
ライオン株式会社(更新掲載)
デンカ株式会社(更新掲載)
2016-11-14
株式会社カネカ(更新掲載)
富士ゼロックス株式会社(更新掲載)
2016-11-07
三菱ガス化学株式会社(新規掲載)
王子ホールディングス株式会社(更新掲載)
2016-11-01
NOK株式会社(更新掲載)
ライオン株式会社(更新掲載)
2016-10-10
新日鉄住金マテリアルズ株式会社(新規掲載)
日産化学工業株式会社(更新掲載)
*************************************

ガイダンスの利用に際しては、次の留意事項を読んでから閲覧してください

    • ★ このガイダンスには 企業から提供された情報がそのまま載せてあります。
    • ★ このガイダンスは就職を斡旋するものではありません。
    • ★ 就職の為の情報として利用するに際しては学生諸君自身の判断で利用する事。
    • ★ このガイダンスは「学生会員」、「教室会員」および「事務局関係者」のみに開示されます。
    • 閲覧には認証が必要です。
2016年4月1日より2016年度パスワードに変わりました。
2016年度のパスワードを入手していない方は応化会事務局までお問い合わせください。

「先輩からのメッセージ2017」 事前参加登録

昨年12月22日に掲載した『「先輩からのメッセージ2017」タイムスケジュール』に事前参加登録へのリンクボタンをつけてありますが、タイトルがタイムスケジュールとなっているため、事前登録へのHPサイトをあらためて探しに行く場合に見つけにくく、事前登録へたどり着けない人がかなりいるという情報がはいりました。
下記に再度登録サイトへのリンクをつけますので、参加される人はこのリンク先で登録してください。

先輩からのメッセージ2017の事前登録はこちら

(交流委員会)

棋友会からのお誘い

囲碁の会へどうぞ  

応化会活動の一つで棋友会と名付けてここ12年程前から囲碁の会を行っています。場所は観光名所「泉岳寺」(都営浅草線、京急空港線)数分の所にあるマンションです。月初めの土曜日午後1時から。10人ほど集まって和気あいあい土曜半日を楽しんでいます。実はこの会かなり大勢の方々が一度は参加していて、会メンバーは50人程にもなります。どうか気軽に会場を覗きに来て見て下さい。

会費はその都度800円(会場費)、入会金などいりません。対局時間は午後1時から5時まで点数制度で行います。新参加の人は大体の棋力を判定して対局して貰います。5時以降は1-2千円で懇親会もやりますが、参加不参加は自由です。

関心のある方は 速水、下井、鶴丸(会場提供者)宛てに電話あるいはメールをしてみてください。以前に来られた方も再参加のときは電話してみてください。
あるいは早稲田応用化学会事務局にご一報ください。

kiyu_kai速水:(045-821-8071) 、vokhym@ar.wakwak.com

下井:(090-7274-2277 ) 、mshimoi1002@ybb.ne.jp

鶴丸:(03-3441-9924)    、mk-tsuru@mist.ocn.ne.jp

                                                   文責: 速水、下井

「先輩からのメッセージ2017」タイムスケジュール

交流委員会

 先にご案内いたしました「先輩からのメッセージ2017」のタイムスケジュールならびに部屋割りが決定いたしましたので、お知らせいたします。

1.日 時
2017年1月21日(土)12:00より受け付け開始
2.会 場
西早稲田キャンパス 54号館2F~3F教室
3.受 付
学生諸君の受付は54号館101教室にて12:00より
4.内 容
講 演 会:12:30~15:13  【第一部】
【休 憩】:15:15~15:28
講 演 会:15:30~18:13 【第二部】
懇 談 会:18:30~20:20 【63号館1F】
5.対象学生
学部生、大学院生(修士、博士)およびポスドク
進路決定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程修了予定者およびポスドクを参加の主体としますが、将来へ備えての学部1・2・4年、修士2年生の参加も歓迎します。
6.対象学科
応用化学科、応用化学専攻、化学・生命化学科および専攻、生命医科学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等 (学部・研究科・学科・専攻を問いません。)
7.事前登録方法
当日の受付混乱を回避するため、参加希望の学生は事前登録にご協力をお願いいたします。早稲田応用化学会ホームページから登録下さい。
先輩からのメッセージ2017の事前登録はこちら
8.事前確認
参加企業の中には知名度が低い、あるいは社名と業態との関係が明確でないケースも含まれますが、その専門分野ではオンリーワン企業として高度な技術力と強固な経営基盤を有する企業が数多くあります。聴講を希望する企業および懇談会で個別対話を希望する企業については事前にHP掲載の「企業ガイダンス」にて情報の確認をお願いします。
Legacyホームページの企業ガイダンスリストへ
IDおよびPW不明の場合は応化会事務局まで問い合わせください。 新規参加企業を含め70社が掲載されています。
応化会事務局E-mail;oukakai@kurenai.waseda.jp
電話:TEL 03-3209-3211 (内線 5253)
9.タイムスケジュール
タイムスケジュールおよび部屋割りは下記のとおりです。

入場は自由、無料ですので、奮ってのご参加をお待ちしています。 なお、服装はリクルートスーツ厳禁としていますのでご協力ください。

先輩からのメッセージ2017の事前登録はこちら

なお、講演会場、懇談会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。

第8回フォーラム「企業が求める人材像」 2016年11月26日(土)

head

今回は、応化会学生会員と若手OB・OGを主体とする「縦割り交流会」に参加されるメンバーにも呼びかけ、学生会員と若手からシニアまでのOB・OGらが一堂に会し、第8回フォーラム「企業が求める人材像」を開催した。
三浦会長の挨拶、魚森交流委員会委員長の主旨説明の後、応用化学科の和田教授を司会としてフォーラムが開始された。
wadaフォーラムの方式は、「今語るべきテーマとは」と題し、例年とは異なりパネリストを置かず、今後取り上げてみたいテーマ候補群の中から興味あるテーマを学生がピックアップし、社会人側が意見を述べる形を採った。そのやりとりを通じ、今後本フォーラムにて深く討議すべきテーマを浮き彫りにするという試みである。
特に「学生が自ら発信をする」場とするため、学生自ら開発した「ランダム指名ソフトウェア」も活用し、学生らに疑問に思うことや討議したいテーマの提案を促したが、当初は戸惑っていた学生たちもすぐに慣れ、挙手する姿が多く見られたのは頼もしい限りである。学生にも社会人にとっても「発信をする」形のイベントは初めてであり、当意即妙にとはいかず、まだまだ互いにぎこちないところも多々あったが、参加者が自ら意見を述べ合うイベントは珍しいものであり、時間が短く感じられる楽しいイベントであった。
討議では、英語を巡る実情、リーダーシップとフォロワーシップ、個の力と組織の力、企画力と実行力(イノベーションについて)、人脈作り、失敗から学ぶ事、学士・修士・博士のこと、大学の研究と企業の研究、人間力を磨く、ワークライフバランス、早稲田らしさとは、など幅広く多岐に渡ったテーマに関して学生たちから具体的かつ的確な質問が提示された。本フォーラムの内容を吟味検討し、今後のテーマを策定していく糧としたい。
今回は時間も限られており、浅く広くという当初の目的があるため、深い討論を繰り広げる訳にはいかなかったし、すべての質問と回答が噛み合っていたとは言えないが、今回のようなチャレンジを通じ、将来はさらに活発な双方向型の討論会が実現できればと願う次第である。尚、引き続き学生部会主催の「縦割り交流会」(⇒ こちら)が行われ、「企業が求める人材像」で論議されたテーマについて意見交換がなされた。
その後合同の懇親会が開かれ、学生とOB・OGとの和やかな交流会となった。年末の多忙な時期に参集下さった多くの学生諸君並びに諸先輩方に厚く御礼を申し上げる次第です。

 

(文責:交流委員 神崎恭一)

未来社会創成フォーラム (平成28年11月29日)  

-ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会ー

head

 

未来社会創成フォーラムが下記の通り開催された。

日時: 2016年11月29日(火)14:00~19:45
場所: 早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05教室、及び1F-Rohm Square
共催: 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
      早稲田応用化学会

参加数:  参加企業/団体/組織等総数=60、
              フォーラム参加者(講演者は除く)=88名(内応用化学科OB/OGは15名・17%)、
              加えて応用化学科研究室の学生参加も有り。

1. 本フォーラムの趣旨

昨年までに3回実施した「未来社会創成の会」フォーラムの成果を継承しつつ、早稲田大学応用化学科からその研究活動と実績を社会に向けて発信する新規フォーラムとして、早稲田応用化学科と応用化学会共催の新たな活動として企画した。 

2. 本フォーラムの目的

早稲田応用化学会のStakeholders(企業、OB/OG、学生、教員等)が、応用化学科の個々の研究活動のStatusや成果、未来社会に対するそのPotentialを理解し、またその結果として生じる相互の興味や情報、意見の交換を建設的に加速させる場を用意することによって、研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元が推進されることを目的とする。

更には若手教員の社会に対するExposureや、大学と企業との相互刺激的かつ持続可能な関係の創出を期待し、2017に迎える「応用化学科100周年」、2022年に迎える「応用化学会100周年」を大きなステップとして、応用化学科が新らたな世紀に船出するための一つの基盤を整える。

 3.  今回のテーマ「ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会」について

今回のフォーラムは応用化学科木野邦器教授の企画によって応用生物化学を中心とするテーマを取り上げた。

今世紀人類に課せられた課題は多く、持続的な社会の構築に向けバイオテクノロジーに大きな期待が寄せられている。とくに昨今のバイオ関連技術の進展には目を見張るものが多く、我々の夢を実現するための革新的ツールが数多く開発され、新たな研究領域も立ち上がっている。

こうした背景において世界各国は、OECDが予測するBioeconomyの実現に向けて、バイオ関連の研究展開や産業支援に関わる国家戦略を策定するなど、新たな目標に向けて動き出している。

我が国でも、関係省庁はそれぞれにグリーンバイオイノベーションの実現に向けた検討を開始しており、広範囲に及ぶバイオ産業の活性化に向けた戦略を打ち出している。

早稲田大学応用化学科の応用生物化学部門では、多様な微生物機能を活用した有用物質生産プロセスの開発を軸に研究を推進しているが、幅広い分野を扱うバイオ研究の現状と効果を俯瞰的な立場から総括し、その可能性を議論したいと考え、今回のフォーラムのテーマとして設定した。

4. 今回のフォーラムのプログラム

1) 14:00-14:30 「未来社会を拓くバイオテクノロジー」
    01
    木野邦器(早稲田大学 教授)

2) 14:30 -15:10 「低炭素から新炭素社会へ:バイオテクノロジーの展開」

水無渉(三菱化学 科学技術研究センター バイオ技術研究所長)

3) 15:10-15:50 「生物機能を活用したものづくり」
           ~社会価値と経済価値を共創する味の素グループの取り組み~

松井和彦(味の素株式会社 上席理事)

**15:50-16:00 休憩

会場風景

会場風景

4) 16:00-16:40 「未知未培養微生物の培養限界を超える挑戦」

鎌形洋一(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生命工学領域研究戦略部長、北海道大学 教授)

5) 16:40-17:20 「バイオ産業の近未来」

宮田満(日経BP社 特命編集委員)

6) 17:20-18:00 「セルフメディケーションのための機能性食品開発」

山本(前田)万里(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品健康機能研究領域長、筑波大学 教授)

7) 18:00-18:05 おわりに

桐村光太郎(早稲田大学 教授)

8) 18:10-19:45 交流会(名刺交換および質問・懇談):63号館1F-Rohm Square

(割り当て時刻は当初の予定で、実際には各講演の盛り上がり等で後半の交流会が終了したのは20:00となった。)

5. 講演後の交流会について

各テーマの講演の後、63号館1F-Rohm Squareに場所を移して名刺交換・質問・懇談等による活発な交流会が行われた。講演会では得られなかった細かい情報交換や、新しい人と人との繋がりが得られたと考えられる。

6.  総括

各講演者の講演はともに本フォーラムの趣旨に沿った広範囲のもので、且つ最新の情報をも含んでおり、参加者に対して強く訴える講演会であったと考える。
従って前述の「2.本フォーラムの目的」で述べた「研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元」に、今後大いに貢献することを期待したい。

<アンケート結果の概要>

本フォーラムの参加者にはアンケートの記入をお願いした。主なコメントの幾つかを下記する。

  • 最前線の情報が入手でき、大変勉強になった。
  • 一つの分野を長く研究されている研究者の言葉の重み、内容の深さが印象に残った。
  • 日本のモノづくりバイオの将来に向けた産官学の方向性の一端を知る事ができた。
  • サイエンスだけでなく、事業価値・経済価値が合わせて論じられた点が良かった。
  • 業界は異なっても、課題点に関する考え方、アプローチについて参考になった。
      ~~等々

その他の多くの参加者から、本フォーラムに対して好意的なコメントや、こうした企画を支持する言葉をいただいた。

 

(未来社会創成フォーラム実行委員会)

「謳歌燦久会(昭和39年卒)ゴルフ会(2016年12月2日)」報告

今年も恒例の謳歌燦久会(昭和39年卒)ゴルフ会を12月2日に伊豆の伊東(ゴールド川奈CC)で開催しました。 参加メンバーは、河野、菊地、渋谷、野際、平中、萬、和田の常連7名で、前夜から一碧湖畔の池田庵に泊まり込み前夜祭で鋭気を養いました。

前日までは不安定な天気でしたが、当日は朝方から快晴で、ほとんど風もなく温暖で絶好のゴルフ日和に恵まれました。午後からも心配した風もなく終日温暖無風でこの時期にしては珍しい一日となりました。
ほとんどが後期高齢者になり、腰痛に苦しむもの、ドライバーの飛距離が落ちたと嘆くものと様々でしたが、お天気に恵まれ和気藹々のゴルフプレーを楽しむことができました。(会の申し合わせにより成績は非公開です)

2016-12-0239kai-golf

ゴルフの後は、これも恒例の「池田20世紀美術館」で美術鑑賞後、宿舎の池田庵にて持ち込みのワイン、酒、焼酎での懇親会となりました。懇親会から熊倉君も参加し総勢8人の宴会となり、これも恒例の舟盛りの刺身、金目鯛の煮つけで夜の更けるまで旧交を温めました。

dsc05068xxyy

dsc05069xxyy

dsc05074xx

 来年も12月1日(土)に再会を約して、翌朝解散しました。

(文責 平中)

第71回早稲田応用化学会ゴルフ会

10月30日、早稲田応用化学会の有志で第71回ゴルフ会が千葉県市原市の「南総カントリークラブ」で開催されました。
長い歴史をもつこの会ですが、最近は参加者が高齢化しており、現役OBの参加も促そうとの観点から年二回の会のうち一回は休日の開催することに致しました。
今回は初めての試みでしたが、参加者11名と幹事団からすると少々残念な結果でした。
準備や皆様へのお知らせが遅くなったことを反省しています。次回以降ですが、春は平日に秋は休日に開催すべく準備を進めます。皆さんふるってご参加いただければ幸いです。
当日は10月末とは思えない冷え込みのなかでしたが、最年少(新制36回)の井村さんが厳しいコンディションのなかあと少しで80台というスコアで優勝されました。
おめでとうございます。

優勝カップを三浦会長から受け取る優勝者井村さん

優勝カップを三浦会長から受け取る優勝者井村さん

第13回中部支部交流会報告

2016年10月15日(土)「名古屋ダイヤビル」にて、第13回交流会を開催した。
交流会のプレゼンターは、長年生化学分野で研究活動をしてこられた、岐阜大学生命科学総合支援センター特任教授木内一壽氏にお願いした。

木内一壽氏による講演「海馬と記憶とアルツハイマー」の要旨

生命の活動を制御している脳について、その”不思議な部分”や”アルツハイマー病の回避”などに新たな解明が進んでおり、その内容が紹介された。プレゼンテーションの要旨は以下の通り。
詳細は講義資料(pdf;27MB)

  • ①神経細胞(ニューロン)の詳細な構造、神経信号の伝播機構、およびニューロン間の接合部を構成する“シナプス”の構造と、電気信号を化学信号に変えニューロン間の情報伝達する、神経伝達化学物質の分類と各々の役務についての説明があった。更にヒト脳の進化の歴史や何故進化出来たかについての“ネオテニー論(幼形熟成論)”並びに遺伝子の重複による脳の大型化について、ゴリラやチンパンジーと比較し、顎筋肉の発達差や言語の進化差を事例引用し説明された。
  • ②人間とチンパンジーを比較すると、ゲノム遺伝子の相違が1.23%および言語の進化に関わる唯一の遺伝子(転写因子FOXP2)は両者の差は僅かにアミノ酸2個の違いでしかない事。又人間同士の比較では、遺伝子相違が0.1%異なることで、人それぞれの異なる個性が作られているとの説明があった。
  • ③ 海馬と記憶の関係は、記憶の内容による分類と分類された記憶の脳内記憶エリアの説明がなされた。陳述的記憶(意味記録、エピソード記憶、作業記憶)は海馬に、非陳術的記憶(記憶の内容を言葉で記述することが出来ない記憶)は小脳へおよび思い出せない記憶(直感的なもの)は側頭葉に刻まれるそうである。
    記憶に重要な役割を占める海馬について、その詳細な神経ネットワークをマウス海馬画像などにより説明された。新しい情報が記憶されるには”シナプス伝達効率の変化(可塑性)“と”長期増強(LTP)“が必要で、その基本概念が示された。
    海馬に一時的に置かれた記憶を、大脳皮質にしっかりとした記憶として移動記憶させるには、強い刺激による伝達効率の変化(可塑性)を高頻度に与えることが肝要であると述べられた。
  • ④海馬に記憶された新しい情報を大脳皮質へ移動させ確かな記憶として強化させる時間は、長いケースで2年にもおよぶ。それには睡眠の深さが関係しており、ノンレム睡眠(ステージ1の脳波=シータ波)時に、海馬と大脳皮質の間でニューロンの発火パターンの繰り返し再生が最も盛んとなり記憶強化作業が行われている。
  • ⑤“アルツハイマー病”への予防策として、以下の新しい知見を述べられた。
    • PET画像診断によればアルツハイマー病の発症原因であるアミロイドβの蓄積は発症する10~20年前に既に始まっている事。
    • 前脳基底部に投射しているアセチルコリン神経系は、場所と対象物の認識記憶に深く関わっている事が証明され、再認記憶障害の原因解明が進んでいる事。
    • 認知症の重症化には、睡眠と切っても切れない関係が存在する。患者に特有の睡眠に関わる3つのハンデキャップ、即ち、「目覚める力が低下する」、「体内時計が壊れる」及び「眠る力が弱まる」が、質の良い睡眠リズムの維持により得られるアミロイドβの分解効果に悪影響を与える事。従って、日中は30分以上の睡眠はとらずに夜規則正しく良質の睡眠をとることが肝要である事。
    • メリハリの無い日常の活動リズムも認知症への進行リスクを高め、軽度の認知症から認知症への進行予防は、定期的な有酸素運動(60分程度週3回)と、脳科学の見地から人としての“ネオテニー” (好奇心や遊び心)を保つことが肝要。
  • ⑥最後に、新しく開発された治療薬(アデュカヌマブ)並びに聴覚機能の回復やパーキンソン病の治癒方法として実用化が始まったBMI法(機械の信号を脳に送り込み脳の活動を刺激制御)を紹介されプレゼンを終えた。

出席者の関心の高いプレゼンテーションで、「思考力」はどのような神経活動に基づくのか?或いは「時の記憶」はどのようになされるのか?などの数々の活発な質疑応答で交流会を終えた。

Fjords

講演する木内教授
交流会風景

交流会風景
集合写真

全員写真

交流会終了後、いつもの喫茶店に席を移し懇親を深めた。秋山健氏、新村多加也氏および大高康裕氏よりスピーチがあり、いつものように和気あいあいの懇親会でした。

参加者(敬称略)
(講 師)木内一壽(新24回)
(中部支部会員)澤田祥充(旧31回)、近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、柿野滋(新19回)、秋山健(新19会)、小林俊夫(新19回)、友野博美(新22回)、山崎隆史(新25回)、藤井髙司(新36回)、新村多加也(新39回)、大高康裕(新41回)、加藤毅之(新57回)以上16名。

(文責 堤)