未来社会創成フォーラム (平成28年11月29日)  

-ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会ー

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未来社会創成フォーラムが下記の通り開催された。

日時: 2016年11月29日(火)14:00~19:45
場所: 早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05教室、及び1F-Rohm Square
共催: 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
      早稲田応用化学会

参加数:  参加企業/団体/組織等総数=60、
              フォーラム参加者(講演者は除く)=88名(内応用化学科OB/OGは15名・17%)、
              加えて応用化学科研究室の学生参加も有り。

1. 本フォーラムの趣旨

昨年までに3回実施した「未来社会創成の会」フォーラムの成果を継承しつつ、早稲田大学応用化学科からその研究活動と実績を社会に向けて発信する新規フォーラムとして、早稲田応用化学科と応用化学会共催の新たな活動として企画した。 

2. 本フォーラムの目的

早稲田応用化学会のStakeholders(企業、OB/OG、学生、教員等)が、応用化学科の個々の研究活動のStatusや成果、未来社会に対するそのPotentialを理解し、またその結果として生じる相互の興味や情報、意見の交換を建設的に加速させる場を用意することによって、研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元が推進されることを目的とする。

更には若手教員の社会に対するExposureや、大学と企業との相互刺激的かつ持続可能な関係の創出を期待し、2017に迎える「応用化学科100周年」、2022年に迎える「応用化学会100周年」を大きなステップとして、応用化学科が新らたな世紀に船出するための一つの基盤を整える。

 3.  今回のテーマ「ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会」について

今回のフォーラムは応用化学科木野邦器教授の企画によって応用生物化学を中心とするテーマを取り上げた。

今世紀人類に課せられた課題は多く、持続的な社会の構築に向けバイオテクノロジーに大きな期待が寄せられている。とくに昨今のバイオ関連技術の進展には目を見張るものが多く、我々の夢を実現するための革新的ツールが数多く開発され、新たな研究領域も立ち上がっている。

こうした背景において世界各国は、OECDが予測するBioeconomyの実現に向けて、バイオ関連の研究展開や産業支援に関わる国家戦略を策定するなど、新たな目標に向けて動き出している。

我が国でも、関係省庁はそれぞれにグリーンバイオイノベーションの実現に向けた検討を開始しており、広範囲に及ぶバイオ産業の活性化に向けた戦略を打ち出している。

早稲田大学応用化学科の応用生物化学部門では、多様な微生物機能を活用した有用物質生産プロセスの開発を軸に研究を推進しているが、幅広い分野を扱うバイオ研究の現状と効果を俯瞰的な立場から総括し、その可能性を議論したいと考え、今回のフォーラムのテーマとして設定した。

4. 今回のフォーラムのプログラム

1) 14:00-14:30 「未来社会を拓くバイオテクノロジー」
    01
    木野邦器(早稲田大学 教授)

2) 14:30 -15:10 「低炭素から新炭素社会へ:バイオテクノロジーの展開」

水無渉(三菱化学 科学技術研究センター バイオ技術研究所長)

3) 15:10-15:50 「生物機能を活用したものづくり」
           ~社会価値と経済価値を共創する味の素グループの取り組み~

松井和彦(味の素株式会社 上席理事)

**15:50-16:00 休憩

会場風景

会場風景

4) 16:00-16:40 「未知未培養微生物の培養限界を超える挑戦」

鎌形洋一(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生命工学領域研究戦略部長、北海道大学 教授)

5) 16:40-17:20 「バイオ産業の近未来」

宮田満(日経BP社 特命編集委員)

6) 17:20-18:00 「セルフメディケーションのための機能性食品開発」

山本(前田)万里(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品健康機能研究領域長、筑波大学 教授)

7) 18:00-18:05 おわりに

桐村光太郎(早稲田大学 教授)

8) 18:10-19:45 交流会(名刺交換および質問・懇談):63号館1F-Rohm Square

(割り当て時刻は当初の予定で、実際には各講演の盛り上がり等で後半の交流会が終了したのは20:00となった。)

5. 講演後の交流会について

各テーマの講演の後、63号館1F-Rohm Squareに場所を移して名刺交換・質問・懇談等による活発な交流会が行われた。講演会では得られなかった細かい情報交換や、新しい人と人との繋がりが得られたと考えられる。

6.  総括

各講演者の講演はともに本フォーラムの趣旨に沿った広範囲のもので、且つ最新の情報をも含んでおり、参加者に対して強く訴える講演会であったと考える。
従って前述の「2.本フォーラムの目的」で述べた「研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元」に、今後大いに貢献することを期待したい。

<アンケート結果の概要>

本フォーラムの参加者にはアンケートの記入をお願いした。主なコメントの幾つかを下記する。

  • 最前線の情報が入手でき、大変勉強になった。
  • 一つの分野を長く研究されている研究者の言葉の重み、内容の深さが印象に残った。
  • 日本のモノづくりバイオの将来に向けた産官学の方向性の一端を知る事ができた。
  • サイエンスだけでなく、事業価値・経済価値が合わせて論じられた点が良かった。
  • 業界は異なっても、課題点に関する考え方、アプローチについて参考になった。
      ~~等々

その他の多くの参加者から、本フォーラムに対して好意的なコメントや、こうした企画を支持する言葉をいただいた。

 

(未来社会創成フォーラム実行委員会)