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「第5回 未来社会創成フォーラム」開催報告

第5回 未来社会創成フォーラム ―低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望- が下記にて開催された。
日時:2017年6月2日(金)13:30~19:30
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05室、及び1F-Rohm Square
主催:早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
早稲田応用化学会
参加数:参加企業/団体/組織等総数=40
フォーラム参加者(講演者は除く)=71名 (内 応用化学科OB/OGは10名、14%)
応用化学科研究室の参加学生・教員=48名

1. 今回のフォーラムについて

 「未来社会創成フォーラム」は平成25年に第1回を開催し、今回で第5回目を迎えた。
 (未来社会創成フォーラムの趣旨は、こちら)。
今回のフォーラムは、早稲田大学応用化学科創立100周年記念事業の1つとして開催されたもので、Worldwideな対応が必要とされている「地球温暖化対策のために実行すべき低炭素化と、それを支える材料技術」をテーマとして設定し、従来のフォーラムと同様に産学官の各方面から次のような視点に立った講演が行われた。

  • : 炭素繊維    -省エネルギー最前線

       黒鉛負極    -蓄エネルギー最前線

  • : ナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池      -蓄・創エネルギー萌芽技術
       太陽電池の世界情勢    -創エネルギー世界情勢と日本の課題

  • : 低炭素社会と素材産業   -日本の戦略

今回のフォーラムは応用化学科 野田教授が主管となり、また先進理工学部 若尾学部長を講師としてお招きする等、産学官の多彩な講師陣にて多方面からの切り口により本テーマに関する講演が行われた。

2.  今回のフォーラムのプログラム

1) 13:30-14:15 
   「航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開」
    大皷 寛(東レ株式会社 ACM技術部 航空・宇宙技術室 主席部員)

2) 14:15-15:00 
    「リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開」
   西田達也(日立化成株式会社
      機能材料事業部 開発統括部 蓄電摺動材料開発 部長)

3) 15:00-15:45  
     「 材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術: 
         カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池」
    野田 優(早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 教授)

**15:45-16:00 休憩

4) 16:00-16:45 
    「太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望
              ~さらなる大量導入に向けて~ 」
   若尾真治(早稲田大学 先進理工学部 学部長、同研究科長)

5) 16:45-17:30 
    「低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略」
    井上悟志(経済産業省 製造産業局 素材産業課 革新素材室長)

6) 17:30-17:45 おわりに
    松方正彦(早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 主任教授)

##18:00-19:30交流懇親会(名刺交換および質問・懇談):63号館1F-Rohm Square

3. 各講演の内容について

参加者には各テーマの講演の内容を一冊に纏めた要旨集が配布され、各講演は基本的にそこに記載された内容に沿ってご説明頂いた。ここでは各講演における概要を記した。

1) 「航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開」          大皷 寛 主席部員

大皷 寛氏

炭素繊維の開発の歴史、市場の現状(航空機中心)から今後の展開まで、幅広く講演を頂いた。炭素繊維の素材本体の構造制御と高強度化に加えてマトリクス樹脂および犠牲粒子層などとの複合化など、技術的な積み上げにより多くの課題を解決し航空機への本格採用を実現した経緯は、我が国のものづくりの強みの根源を理解する上で貴重であった。また、現在注目されている航空機での省エネルギーと低炭素化に加え、風力発電でのブレードによる創エネルギーや建築物の構造体による快適・安全など多様な展開があることが限られた時間内で紹介され、他の追従を許さない世界トップの材料技術は東レという大企業の事業の新しい柱になることが良く分かる講演であった。

2)「リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開」        西田達也 部長

西田達也 氏

リチウムイオン電池と負極の開発の歴史、市場の現状(モバイル中心)と今後の予測(自動車)まで、幅広く講演を頂いた。リチウムイオン電池は日本発の技術で当初は日本がシェアを独占していたものの、中韓との厳しい競争にさらされていること、日立化成も厳しい競争の中で日進月歩の高容量化と高出力化により負極材料のトップシェアを維持してることが紹介された。高容量化は充填率向上により可能だが、一方で空隙減少と黒鉛の面内配向化により低出力化を招くこと、このトレードオフを面直配向という理想ではなく不規則化という現実解で解決した技術思想も紹介された。更なる高容量化に向けた新材料の動向やそれに対する取り組みなど、トップを維持するものづくりの在り方が良く分かる講演であった。

3)「 材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術: 
                     カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池」
                                                                 野田 優 教授

野田 優 教授

注目を集める新材料の概略と実用化への取り組み、蓄・創エネルギーの革新を目指した萌芽技術など、大学の最新の研究開発の一端が紹介された。カーボンナノチューブに期待される多様な応用、製造技術の現状と課題、および高速高収率な独自の合成技術が紹介された。また、リチウムイオン電池や電気化学キャパシタの現状、新材料の適用の際の課題、ナノチューブを基盤とした新構造の電池の構想と開発状況が紹介された。現在の太陽電池技術の概略、鍵となる高結晶性シリコン膜の独創的な高速製膜技術、簡易なシリコン-ナノチューブヘテロ接合の萌芽技術とフレキシブル太陽電池への挑戦の状況が紹介された。低炭素化とそれを担う材料技術の次の一手と、1を100にする化学工学の貢献と展開が分かる講演であった。

4)「太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望 ~さらなる大量導入に向けて~」
                                                           若尾真治 学部長

若尾真治 先進理工学部学部長

太陽光発電の世界情勢と我が国の現状・課題から、更なる大規模導入と電力安定供給まで、包括的な視点とシステムの立場から講演を頂いた。海外での太陽光発電の急速な低コストと我が国の割高な現状、その低コスト化に向けた多様な取り組みの重要性、今後の目標、および太陽光発電以外への多角化の重要性などが説明された。また、太陽光発電の大規模導入に向け、狭域および広域での異なる問題、電力システム全体での安定化、負荷追従制御から負荷予測制御、さらには柔軟なシステム設計のための蓄電技術の重要性なども解説された。化学が担う材料・デバイスのハードを社会で活かすソフト・システム面と、両者の協働の重要性が良く分かる講演であった。

5)「低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略」
                                                               井上悟志 室長

井上悟志 氏

低炭素化と材料技術の具体論から、オープン・イノベーションの方法論まで、幅広く経済産業省の戦略を講演頂いた。まず、低炭素化での環境制約と成長の両立の重要性と、それに対するマルチマテリアル化の機運が紹介された。続けて、川上の素材企業に対して積極的・主体的な提案を期待する川下のユーザー企業の要望と、そのためのオープン・イノベーションの重要性と大企業の抱える課題が紹介された。それに対し、材料の革新ではなく材料による革新という考えが示され、研究開発の加速のためのシミュレーションやAIの重要性が説明された。最後にSociety 5.0を実現するためのConnected Industriesというパラダイムが解説され、経済産業省の戦略が良く分かる講演であった。

6)「おわりに」                        松方正彦 主任教授

松方正彦 応用化学科 主任教授

フォーラムに御参加いただいた方へのご挨拶と御礼、および応用化学科の紹介があった。

講演会場Galleryへ

4. 講演後の交流会について

各テーマの講演の後、63号館1F-Rohm Squareに場所を移して名刺交換・質問・懇談等による活発な交流会が行われた。講師側としては講演で伝え切れなかった情報の提供、また参加者側としては聴講だけでは不十分と感じた情報の獲得が出来たのではないかと考える。また、当然ながら今後進展が期待される新しい人と人との繋がりが得られたと考える。 

交流会場Galleryへ

5. 総括

各講師の講演とも本フォーラムの趣旨に沿った広範囲のもので、且つ本フォーラムのテーマにあるように「最前線」の情報を盛り込んだものであり、参加者に対して極めて説得力のある講演が行われたと考える。従ってこれまでの4回のフォーラムと同様、「研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元」というフォーラムの目的達成のために、今後大いに貢献することを期待したい。 

<参加者よりのアンケート結果概要>

本フォーラムの参加者にはアンケートの記入をお願いした。特筆すべきコメントの幾つかを下記する。

*先端材料の知見を得ることができた。
*他企業との交流が図れた。
*開発、研究、世の中の動きが見えて、バランスのあるフォーラムだと思う。
*産官学の講演をまとめて聴講できた。
*中・長期かつ広い範囲の視点やアカデミックな内容に触れることができた。
                                           ~~等々

総じて、前回と同様参加者には本フォーラムの趣旨について認めて頂き、開催が有意義であったことについて賛同が得られたと考える。
その他多くの参加者から、本フォーラムに対する好意的なコメントや、今後もこのような企画を期待する旨の言葉をいただいた。

(文責:未来社会創成フォーラム実行委員会)

 

 

第5回 未来社会創成フォーラムのご案内

未来社会創成フォーラムについてご案内いたします。

平成25年度より未来社会創成フォーラムを開催してまいりましたが、今回はその第5回目といたしまして早稲田大学応用化学科と早稲田応用化学会の共催で下記内容のフォーラムを開催いたします。
外部の方、企業の方にも広く参加をお願いするフォーラムです。
 本フォーラムの趣意書につきましては下記ページをご覧ください。
(こちら ⇒ : http://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2017/04/21/5miraisyusi/

 第5回 来社会創成フォーラム : 低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望

  • 日時:  平成29年6月2日(金)13:30~19:30 (受付開始 12:30)
  • 場所:  早稲田大学西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05 
  • 主催:  早稲田大学先進理工学部応用化学科           
         早稲田大学応用化学会 参加費: 8,000円   
               交流懇親会費を含む (当日会場にてお支払ください)

講演のあとに、講師の先生方と参加された皆様との意見交換の場として、交流会を企画しております。
なお、フォーラムへの参加は定員になり次第締め切りとさせていただきます。

申込みはこちらから

 今回のテーマにつきましては下記ページをご覧ください。
(テーマ ⇒ : http://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2017/04/21/5miraitheme/ )

プログラム

13:30-14:15   講演1
    東レ株式会社 ACM技術部 航空・宇宙技術室主席部員  大皷 寛 
          航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開   

14:15-15:00    講演2 
           日立化成株式会社 機能材料事業部
           開発統括部蓄電摺動材料開発部長 西田 達也 
     リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開 

15:00-15:45   講演3 
           早稲田大学先進理工学部応用化学科教授 野田 優    
           材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術:
           カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池 

15:45-16:00   休憩

16:00-16:45    講演4 
           早稲田大学先進理工学部長、同研究科長 若尾 真治
           太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望      
           ~さらなる大量導入に向けて~       

16:45-17:30     講演5   
           経済産業省 製造産業局 素材産業課 革新素材室長  井上 悟志 
           低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略

17:30 –17:45  おわりに      松方 正彦(早稲田大学教授)

18:00 –19:30  交流会(名刺交換および質問・懇談)   :63号館1Fロームスクウェア

会場へのアクセス

 

多くの方々にご参加いただけることを期待しています。

(未来社会創成フォーラム実行委員会)

 

申込みはこちらから

 

 


 

 

 

「先輩からのメッセージ2017」 事前参加登録

昨年12月22日に掲載した『「先輩からのメッセージ2017」タイムスケジュール』に事前参加登録へのリンクボタンをつけてありますが、タイトルがタイムスケジュールとなっているため、事前登録へのHPサイトをあらためて探しに行く場合に見つけにくく、事前登録へたどり着けない人がかなりいるという情報がはいりました。
下記に再度登録サイトへのリンクをつけますので、参加される人はこのリンク先で登録してください。

先輩からのメッセージ2017の事前登録はこちら

(交流委員会)

第8回フォーラム「企業が求める人材像」 2016年11月26日(土)

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今回は、応化会学生会員と若手OB・OGを主体とする「縦割り交流会」に参加されるメンバーにも呼びかけ、学生会員と若手からシニアまでのOB・OGらが一堂に会し、第8回フォーラム「企業が求める人材像」を開催した。
三浦会長の挨拶、魚森交流委員会委員長の主旨説明の後、応用化学科の和田教授を司会としてフォーラムが開始された。
wadaフォーラムの方式は、「今語るべきテーマとは」と題し、例年とは異なりパネリストを置かず、今後取り上げてみたいテーマ候補群の中から興味あるテーマを学生がピックアップし、社会人側が意見を述べる形を採った。そのやりとりを通じ、今後本フォーラムにて深く討議すべきテーマを浮き彫りにするという試みである。
特に「学生が自ら発信をする」場とするため、学生自ら開発した「ランダム指名ソフトウェア」も活用し、学生らに疑問に思うことや討議したいテーマの提案を促したが、当初は戸惑っていた学生たちもすぐに慣れ、挙手する姿が多く見られたのは頼もしい限りである。学生にも社会人にとっても「発信をする」形のイベントは初めてであり、当意即妙にとはいかず、まだまだ互いにぎこちないところも多々あったが、参加者が自ら意見を述べ合うイベントは珍しいものであり、時間が短く感じられる楽しいイベントであった。
討議では、英語を巡る実情、リーダーシップとフォロワーシップ、個の力と組織の力、企画力と実行力(イノベーションについて)、人脈作り、失敗から学ぶ事、学士・修士・博士のこと、大学の研究と企業の研究、人間力を磨く、ワークライフバランス、早稲田らしさとは、など幅広く多岐に渡ったテーマに関して学生たちから具体的かつ的確な質問が提示された。本フォーラムの内容を吟味検討し、今後のテーマを策定していく糧としたい。
今回は時間も限られており、浅く広くという当初の目的があるため、深い討論を繰り広げる訳にはいかなかったし、すべての質問と回答が噛み合っていたとは言えないが、今回のようなチャレンジを通じ、将来はさらに活発な双方向型の討論会が実現できればと願う次第である。尚、引き続き学生部会主催の「縦割り交流会」(⇒ こちら)が行われ、「企業が求める人材像」で論議されたテーマについて意見交換がなされた。
その後合同の懇親会が開かれ、学生とOB・OGとの和やかな交流会となった。年末の多忙な時期に参集下さった多くの学生諸君並びに諸先輩方に厚く御礼を申し上げる次第です。

 

(文責:交流委員 神崎恭一)

未来社会創成フォーラム (平成28年11月29日)  

-ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会ー

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未来社会創成フォーラムが下記の通り開催された。

日時: 2016年11月29日(火)14:00~19:45
場所: 早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05教室、及び1F-Rohm Square
共催: 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
      早稲田応用化学会

参加数:  参加企業/団体/組織等総数=60、
              フォーラム参加者(講演者は除く)=88名(内応用化学科OB/OGは15名・17%)、
              加えて応用化学科研究室の学生参加も有り。

1. 本フォーラムの趣旨

昨年までに3回実施した「未来社会創成の会」フォーラムの成果を継承しつつ、早稲田大学応用化学科からその研究活動と実績を社会に向けて発信する新規フォーラムとして、早稲田応用化学科と応用化学会共催の新たな活動として企画した。 

2. 本フォーラムの目的

早稲田応用化学会のStakeholders(企業、OB/OG、学生、教員等)が、応用化学科の個々の研究活動のStatusや成果、未来社会に対するそのPotentialを理解し、またその結果として生じる相互の興味や情報、意見の交換を建設的に加速させる場を用意することによって、研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元が推進されることを目的とする。

更には若手教員の社会に対するExposureや、大学と企業との相互刺激的かつ持続可能な関係の創出を期待し、2017に迎える「応用化学科100周年」、2022年に迎える「応用化学会100周年」を大きなステップとして、応用化学科が新らたな世紀に船出するための一つの基盤を整える。

 3.  今回のテーマ「ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会」について

今回のフォーラムは応用化学科木野邦器教授の企画によって応用生物化学を中心とするテーマを取り上げた。

今世紀人類に課せられた課題は多く、持続的な社会の構築に向けバイオテクノロジーに大きな期待が寄せられている。とくに昨今のバイオ関連技術の進展には目を見張るものが多く、我々の夢を実現するための革新的ツールが数多く開発され、新たな研究領域も立ち上がっている。

こうした背景において世界各国は、OECDが予測するBioeconomyの実現に向けて、バイオ関連の研究展開や産業支援に関わる国家戦略を策定するなど、新たな目標に向けて動き出している。

我が国でも、関係省庁はそれぞれにグリーンバイオイノベーションの実現に向けた検討を開始しており、広範囲に及ぶバイオ産業の活性化に向けた戦略を打ち出している。

早稲田大学応用化学科の応用生物化学部門では、多様な微生物機能を活用した有用物質生産プロセスの開発を軸に研究を推進しているが、幅広い分野を扱うバイオ研究の現状と効果を俯瞰的な立場から総括し、その可能性を議論したいと考え、今回のフォーラムのテーマとして設定した。

4. 今回のフォーラムのプログラム

1) 14:00-14:30 「未来社会を拓くバイオテクノロジー」
    01
    木野邦器(早稲田大学 教授)

2) 14:30 -15:10 「低炭素から新炭素社会へ:バイオテクノロジーの展開」

水無渉(三菱化学 科学技術研究センター バイオ技術研究所長)

3) 15:10-15:50 「生物機能を活用したものづくり」
           ~社会価値と経済価値を共創する味の素グループの取り組み~

松井和彦(味の素株式会社 上席理事)

**15:50-16:00 休憩

会場風景

会場風景

4) 16:00-16:40 「未知未培養微生物の培養限界を超える挑戦」

鎌形洋一(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 生命工学領域研究戦略部長、北海道大学 教授)

5) 16:40-17:20 「バイオ産業の近未来」

宮田満(日経BP社 特命編集委員)

6) 17:20-18:00 「セルフメディケーションのための機能性食品開発」

山本(前田)万里(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品健康機能研究領域長、筑波大学 教授)

7) 18:00-18:05 おわりに

桐村光太郎(早稲田大学 教授)

8) 18:10-19:45 交流会(名刺交換および質問・懇談):63号館1F-Rohm Square

(割り当て時刻は当初の予定で、実際には各講演の盛り上がり等で後半の交流会が終了したのは20:00となった。)

5. 講演後の交流会について

各テーマの講演の後、63号館1F-Rohm Squareに場所を移して名刺交換・質問・懇談等による活発な交流会が行われた。講演会では得られなかった細かい情報交換や、新しい人と人との繋がりが得られたと考えられる。

6.  総括

各講演者の講演はともに本フォーラムの趣旨に沿った広範囲のもので、且つ最新の情報をも含んでおり、参加者に対して強く訴える講演会であったと考える。
従って前述の「2.本フォーラムの目的」で述べた「研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元」に、今後大いに貢献することを期待したい。

<アンケート結果の概要>

本フォーラムの参加者にはアンケートの記入をお願いした。主なコメントの幾つかを下記する。

  • 最前線の情報が入手でき、大変勉強になった。
  • 一つの分野を長く研究されている研究者の言葉の重み、内容の深さが印象に残った。
  • 日本のモノづくりバイオの将来に向けた産官学の方向性の一端を知る事ができた。
  • サイエンスだけでなく、事業価値・経済価値が合わせて論じられた点が良かった。
  • 業界は異なっても、課題点に関する考え方、アプローチについて参考になった。
      ~~等々

その他の多くの参加者から、本フォーラムに対して好意的なコメントや、こうした企画を支持する言葉をいただいた。

 

(未来社会創成フォーラム実行委員会)

「応用化学会による学生企画フォーラム2016」開催

「応用化学会による学生企画フォーラム2016」のご案内

フォーラムの案内状を兼ねて学生からの投稿です。

**************************************
― 資生堂で働くリケダン、リケジョ ―
早稲田応用化学会 学生委員会代表 西田穂高(修士1年)
 学生委員会学部生部会部会長 政本浩幸(学部3年)

 去年サントリー様をお招きし開催した第一回学生企画フォーラムに引き続き、今年も学生委員会が企画し、運営するフォーラムを開催することとなりました。その第2回目として、資生堂様の絶大なるご協力のもとに、下記のとおり開催致しますので、多数のご参加をお願い致します。

<正会員の皆様へ>

 学生企画というイベントではありますが、是非昨年同様多くのOB、OGの方々に参加していただきたいと思っております。

<学生会員の皆様へ>

 応用化学科が標榜する「役立つ化学、役立てる化学」を、身近な企業から学んで頂けると思います。化粧品会社で働く男性、研究する女性に講師をしていただきますので、これによって、日々の学業のモチベーションを向上させ、またそれを日常生活に活かせること、さらには研究分野の選定、ひいては社会人としての一歩を踏み出す一助となることを期待しております。

1. 講師と演題

『資生堂で働くリケダン、リケジョ』

講師①:中村 浩一(なかむら こういち) 氏
演題:「化粧品の開発って何やってるの?~早稲田卒後の会社キャリア含めて~」
1994年 早稲田大学院 理工学研究科 応用生物化学専攻 宇佐美・桐村研究室 修了
同年 (株)資生堂 入社  現在 (株)資生堂 研究推進部 製品管理グループマネージャー
講師②:関根 知子(せきね ともこ)氏
演題:「研究員のお仕事 ~働くママって大変?!~」
1993年 早稲田大学 理工学部 応用化学科 土田・西出研究室 卒業
同年 (株)資生堂 入社
現在 (株)資生堂 化粧品基礎研究グループ 2015年 学位(工学)取得

2. 日程と開催場所

2016年12月17日(土) 早稲田大学西早稲田キャンパス 52号館202教室

3. 時間

  • 15:00 :開場
  • 15:30-17:30 :講演
  • 17:45-19:30 :懇親会

4. 懇親会

    • 会場: 65号館 理工カフェテリア
    • 会費: 3000円、学生会員は無料

申し込み

事前登録方法:早稲田応用化学会ホームページから登録下さい。

フォーラム事前登録はこちら

 

注記:事前登録を、12月10日(土)までに頂いた方には、当日受付で名札を、お渡しいたします。それ以降の登録の場合は、名札の準備が出来ませんので、自筆でお書き頂く事になりますことをご了解ください。

フォーラム「企業が求める人材像」の開催ご案内

― 今、語るべきテーマとは ―

jinnzaizo

日時:11月26日(土) 開場13:00、フォーラム13:30~15:30
対象:学部生、大学院生、ポスドク・若手研究者、OB・OG
場所:西早稲田キャンパス57号館201教室
縦割り交流会:同 16:00~17:45  56号館 理工カフェテリア
懇親会:   同 18:00~19:00  56号館 理工カフェテリア
(懇親会費:無料、服装はスーツ厳禁)

 今回は、応化会学生会員と若手OB・OGを主体とする「縦割り交流会」に参加されるメンバーにも呼びかけ、全応化会メンバーによるコラボを行います。また、パネリストをおかず、参加者同士が論議をする初めての方式をとり、和田宏明応用化学科教授をモデレーターとして開催します。

豊富なキャリアを持つ先輩諸氏から貴重な体験を基にしたお話が聴ける又とないチャンスです。自分の将来像を思い描くためにも奮ってご参加ください。

尚、OB・OGの方は引き続き行われます「縦割り交流会」にもふるって参加をお願いします。

事前登録方法:早稲田応用化学会ホームページから登録下さい。

フォーラム事前登録はこちら

 

主催   早稲田応用化学会交流委員会
電話 03-3209-3211 内線5253
問合せ先; oukakai@kurenai.waseda.jp

                  

                      

 

未来社会創成フォーラムのご案内

未来社会創成フォーラムについてご案内いたします。

平成25年度より「未来社会創成の会」(早稲田応用化学会の有志メンバーで構成されたタスクフォース)が主催して、未来社会創成フォーラムを開催してきましたが、今回は早稲田大学応用化学科と早稲田応用化学会の共催で下記内容のフォーラムを開催いたします。
外部の方、企業の方にも広く参加をお願いするフォーラムです。
 本フォーラムの趣意書につきましては下記ページをご覧ください。
(こちら ⇒ : http://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2016/09/22/miraisouseisyui/ )

 未来社会創成フォーラム : ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会

日時:   平成28年11月29日(火)14:00~19:45 
場所:   早稲田大学西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05
主催:   早稲田大学先進理工学部応用化学科
            早稲田大学応用化学会

参加費: 8,000円   (当日会場にてお支払ください)

参加申し込みは 下記リンクの申し込みページからお願いいたします。
応用化学科OBの方は氏名と申し込み下段のメールアドレス、卒業年次、会員種別のみの記入で結構です。 なお定員になり次第締め切りとさせていただきます。

申し込みはこちら  

 今回のテーマにつきましては下記ページをご覧ください。
(ご案内 こちら ⇒ : http://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2016/09/22/miraisouseitino/ )

プログラム

14:00 –14:30   「未来社会を拓くバイオテクノロジー」

木野邦器(早稲田大学教授)

14:30 -15:10   「低炭素から新炭素社会へ:バイオテクノロジーの展開」

水無渉(三菱化学科学技術研究センターバイオ技術研究所長)

15:10 –15:50 「生物機能を活用したものづくり」
                ~社会価値と経済価値を共創する味の素グループの取り組み~

松井和彦(味の素株式会社上席理事)

15:50 –16:00            休憩

16:00 –16:40   「未知未培養微生物の培養限界を超える挑戦」

鎌形洋一(国立研究開発法人産業技術総合研究所生命工学領域研究戦略部長
北海道大学教授)

16:40 –17:20 「バイオ産業の近未来」

宮田満(日経BP社特命編集委員)

17:20 –18:00   「セルフメディケーションのための機能性食品開発」

山本(前田)万里(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
食品研究部門食品健康機能研究領域長・筑波大学教授)

18:00 –18:05   おわりに                                              

桐村光太郎(早稲田大学教授)

18:10 –19:45   交流会(名刺交換および質問・懇談)        :63号館1Fロームスクエア

会場へのアクセス:https://www.waseda.jp/fsci/access/

多くの方々にご参加いただけることを期待しています。

(未来社会創成フォーラム実行委員会)

 

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第7回 フォーラム「企業が求める人材像」 (2015年度)

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― 企業の多様な業務に耐えられる人材とは ―
西早稲田キャンパス57号館201教室
平成28年1月16日(土)

1.はじめに
「こんなはずじゃなかった」-就職には付きもののこの定型句も、決して古語ではない。このイベントは、元々就職活動に備える学生たちが、在学中に応化会の諸先輩方から励ましやアドバイスを得る場として、2009年10月3日にスタートしたものである。その間、菅原教授のリードのもと、グローバル化への対応、リーダー論、企業における研究職とは、など有益で活発な議論が交わされてきた。第7回となる2015年度は、「企業の業務の多様性と実際」を主題に、6名の多彩な経歴を有するパネリストをお招きし、2名の学生代表にも参加してもらい、各々の経験に基づく思いをぶつけあった。

2.趣旨と討論
00大学時代に研究に没頭し、就職したら研究職以外の職に就いたという例も多い。企業活動が多くの業務によって成り立ち、就職後も年齢、能力、職位等に応じて職務が変化していくことは日常茶飯事である。これらの事実を踏まえ、1)会社にはどのような仕事があるのか、2)大学で何を学び、どう過ごすか、といったことを主題にそれぞれの考えを披瀝していただいた。研究・開発、製造、環境保全、品質保証、知的財産、事業企画、営業・販売など、例え様々な業務に就いても、そこで全力を尽くすことの大事さは皆が体験してきている。事前の取り決めに基づき、詳細を記すことはしないが、それぞれ所属する企業、業務履歴、年齢、経験も大きく異なるパネリストからは、普遍性を持つ示唆に富んだアドバイスをいただくことができた。時にモデレータの意見と大きく異なる本音の意見も飛び出し、いろいろと考える良い機会になった。

3.パネリストと学生代表の紹介
松田直人氏
1989年 理工学研究科応用化学専攻修了(清水研)、富士フイルム株式会社入社、有機合成部門、新規フィルム商品化経験。人事部、医薬品事業部を経て(社)再生医療イノベーションフォーラム出向(事務局長)、2015年同社を退社し、株式会社iPSポータル入社、社長室長として事業開発・契約関係等で活躍中。
山崎律子氏
1993年 理工学研究科応用化学専攻修了(西出研)、花王株式会社入社、洗浄系商品開発(ビオレ担当)、東京工業大学大学院受託研究員として学位も取得、高分子学会、日本油化学会で役員を歴任。現在スキンビューティ研究所第2研究室にてグループリーダーとして活躍中。
土屋勝則氏
1993年 理工学研究科応用化学専攻修了(黒田研)、大日本印刷株式会社入社、研究開発センターで開発を担当した後、米国技術駐在員として大学との共同研究企画等経験。本社 研究開発・事業化推進本部を経て現在ライフサイエンス研究開発部で事業化を推進。また業界団体の部会長としても活躍中。
川村容子氏
2006年 理工学部応用化学科卒業(西出・武岡研)、2009年早稲田大教育学研究科学校教育専攻修士課程修了。2011年アレクサンドル・イオン・クザ大学文学部聴講生、在ルーマニア日本国大使館勤務。2014年から外務省国際協力局民間援助連携室にて勤務。また同年一般社団法人モルドバジャパンを設立し活躍中。
西山美香子氏
2008年 理工学研究科応用化学専攻修了(黒田研)、ライオン株式会社入社、プロセス開発研究所で製造技術研究、オーラルケア研究所で製品開発研究を経験し、現在は包装・容器技術研究所にて支援研究(包装、調香、環境・安全、分析)で活躍中。
伊地知翔太氏
2014年 理工学研究科応用化学専攻修了(桐村研)、株式会社タイカ入社 研究開発室要素技術研究グループを経て、2015年より研究開発室素材研究グループで活躍中。大学時代とはまったく異なるUV硬化型ゲルの開発や製品改良、分析、営業同行も経験。
学生代表として、野口貴之君(ナノ理工学専攻 修士1年、逢坂・門間研)、田中徳裕君(応用化学科3年、平沢・小堀研、元学生委員学部生部会代表)にも討議に加わっていただいた。

4.パネリストならびに学生からのメッセージ
フォーラムを締めくくるに当たり、パネリストの皆様から学生への応援歌として貴重なアドバイスをいただいたので、いくつか紹介しておきたい。「肌で感じ、足で稼ぐ。好奇心を持ち続けること」「人とのつながりを大切にすること」「自信をもって世に出よ。成長だとか焦らないこと。その準備として、学生のうちは実験に遊びに濃くあれ」「学生のうちに感じていることを忘れないで」「エリート意識を持て」「どんなこともがんばってください」。 これらの励ましの言葉を受け、学生たちからも、「社会人に求められる能力は必ずしも研究能力だけではない。日々の活動に全力で取り組むことで「自分らしさを出せる力」を持ちたい。自信を持って精いっぱいやっていく」「責任感、まじめさのことを考えた。この人ならば仕事を任せられると思われる人になりたい」と力強い言葉があった。

フォーラム会場

5.おわりに
討論を終え、新生なった理工カフェテリアに場所を移し、菅原先生ならびに三浦応用化学会会長の挨拶に続いて、パネリストを囲んで親睦を深める時間を過ごした後、名残惜しくも、学生委員によるエールと一本締めでお開きとなった。今回モデレータとして特に、会場の参加者を交えた双方向的議論を実現したいと思っていたが、力不足でできなかった。皆様より寄せられたご指摘を真摯に受け止め、参加者全員がより本音で語り合えるイベントの実現に向け機会があれば挑戦をしてみたいと改めて感じた。多忙な中、参加下さったパネリストの方々、すべての参加者の皆様に厚く御礼を申し上げる。

懇親会場の写真  ⇒ こちら

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(記 モデレータ 和田宏明〔新制29回、応用化学科教授〕)

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