中部支部第13回定期総会と交流会は中止とします。
4月4日開催予定の応用化学会中部支部第13回定期総会と交流会は新コロナウイルス感染状況に鑑み、止む無く中止(延期)とします。
参加をお申込み頂いた皆様やご検討中の皆様には、大変御迷惑をおかけします事お詫び申し上げます。同総会と交流会につきましては、後日日程等を調整の上、開催する予定です。
開催が決定次第、改めてご案内いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
早稲田応用化学会中部支部支部長
三島 邦男
4月4日開催予定の応用化学会中部支部第13回定期総会と交流会は新コロナウイルス感染状況に鑑み、止む無く中止(延期)とします。
参加をお申込み頂いた皆様やご検討中の皆様には、大変御迷惑をおかけします事お詫び申し上げます。同総会と交流会につきましては、後日日程等を調整の上、開催する予定です。
開催が決定次第、改めてご案内いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
関西支部(早桜会)第34回懇話会報告
第34回早桜会懇話会を2020年2月15日(土)15時~17時、中央電気倶楽部(大阪堂島浜)にて開催しました。
今回の講師は2007年から小学校で理科実験の指導を続けておられる市橋 宏氏(新17回)で「小学校理科教育の現状と課題」と題して、豊富な経験を基に現場の状況とそこから見えてくる課題について話されました。
出席者間で活発に意見交換がなされ小学生の理科離れについて認識を新たにしました。以下に要点を記します。
1.なぜ理科離れが起こったか
1)理科授業時間の削減
40年前までは5年生で年間140コマ理科の授業があった。しかし1980年からは105に、2002年からは95に減り、2009年からは105コマに戻ったが昔と比べると時間数が25%も減ったままである。教えることが増えているのに時間が少なくなって、実験に十分な時間を取り難くなっている。
2)教員の質の変化
小学校教員の80%が理科に苦手意識を持っている。一方で子どもの80%は理科実験が好きであるとの報告がある(日本科学教育学会 科教研報Vol24, No.2, 95)。
最近の教員はおそらく小学生時代に十分な理科実験を経験していなかったため実験を敬遠し苦手意識が生まれているのであろう。
2. 理科授業の支援
小学生の理科離れ対策として文部科学省は2007 年から理科支援員等配置事業を始めた(予算20億円)。これは小学校5,6年生の理科授業に大学院生や会社、学校のOB/OG を理科支援員として教育現場に立たせて理科実験を充実させ、合わせて教員のスキルを向上させること目的としていた。大いに意義のある事業と思われたが、2009 年行政刷新会議事業仕分けで廃止と結論され中止になった。この事業は子どもたちに理科の魅力を伝え、教員の指導力を高め、OG/OB技術者に退職後も社会と繋がりを持って生活に張りを与えるよい場であったが今はない。
3.小学校理科教育を充実させるために
実験が苦手の教師と実験大好きな子どもたちとのミスマッチを改める必要があると思うが、教師の苦手意識を変えることは容易ではない。理科離れ世代、ゆとり教育世代が教員になり始めており、(理科時間数の削減)→(理科離れ)→(理科離れ世代の教師)→(理科教育の弱体化)→(理科離れ)と負のスパイラルが始まっているように思う。
小学校ではクラス担任が全ての教科を教えるのが原則である。理科の前後に別の教科の授業があれば、教員は準備も後片付けも出来ないし予備実験で確かめる時間も取れない。従って実験は最小限になり知識として教える授業が中心になってしまいがちである。実験で子どもたちに好奇心を掻き立て、自分の頭で何故だろうと考え、学びの意欲を高めるタイプの指導をすればよいものを、多くの学校で知識注入型の授業になっているように思う。これでは子ども達は面白くない。理科を学習する意欲も湧かない。おそらく今後も理科苦手意識の教員は増え続けるであろう。どこかで悪循環を断ち切らねばならない。
教科専任制が好ましいと思い、これまでいろいろな機会でことに理科については専任制であるべきと主張してきた。幸い2019年4月に文部科学省は中教審へ小学校における教科担任制を諮問したので、近い将来理科を得意とする教員が十分な科学実験を取り入れ授業を進めるようになるだろうと期待している。しかし理科に長けた教員を確保することは容易ではなく、教科担任制が効果を発揮するまでには相当の時間を要すると思われる。
理科支援員を経験して積極的に小学校理科教育を支援しようと考えるOG/OB が少なからずいることに気付いた。数年前に終了となった理科支援員等配置事業を復活させることが出来れば有効な手立てと思うが、ボランテアを活用する手段もあると思う。行政機関の中にボランテアを受け付ける窓口を用意し、希望する小学校へ派遣する制度を作りシニアエンジニアを活用するなどどうであろうか。会社や大学のOG/OB 技術者、小中高等学校で理科を得意としたOG/OB 教員が小学校での理科授業(特に実験)に加わりボランテアとして積極的に支援するシステムを作ることを提案したい。
出席者:
津田實(新7回)、市橋宏(新17回)、井上昭夫(新17回)、田中航次(新17回)、加藤文義(新20回)、岡野泰則(新33回)、斎藤幸一(新33回)、高田隆裕(新37回)、中野哲也(新37回)、高島圭介(新48回)、遠藤文子(新50回)、數田昭典(新51回)、澤村健一(新53年)、陳鴻(新59回)、古田武史(新61回)
懇親会 風景
第15回評議員会が2019年10月19日(土)14時より西早稲田キャンパス55号館N-1大会議室で基盤委員長の司会により開催されました。評議員35名、関係者含め総勢48名の出席をいただきました。ここのところ、50名程度の参加をいただいておりますが、最近では学生委員の評議員の参加が多く、若い方々の意見が多くでました。
西出会長挨拶
三浦会長から引き継ぎ、1年関経過した。若手の学生、若いOB・OGの組み込みへの支援。シニアの会、グランドシニアの会、奨学金の受給者の学生たちの意見交換会の開催と活発に活動されている。応化会の活動のもとになる予算規模は1200万円、収入は会費とイベント開催の手数料の徴収からなっている。イベントは学生さんの将来を決めるための企業からの情報を学生に橋渡しする活動。
私の任期は今年度ということで、来年度は濱さんにバトンタッチの予定。事務局の寺嶋さんも引き継ぎの段階にあり、持田さんがこの八月から事務局2人の体制となっている。
同窓会として名簿、会員の情報を把握し、かつ会費を確実に払っていただけることが各位大きなミッションである。2023年の100週年に向けて、その先の100年に向けて発展するためには特に大事になっている。
評議員会の出席は卒業してしばらくの間が良くない。母校に思いを寄せて貰える年代なって増えてきている。若い学生をエンカレッジするようにして頂きたい。
委員会活動報告
下村基盤委員長、椎名交流委員長、井上広報委員長代理より報告がありました。
意見交換会
若手、シニアを混合した4グループに分かれて「次の100年にむけた応化会の取り組み」と題して特に今後の会費納入方法の新たな追加等について等の意見交換を行い、最後に各グループから発表をしていただきました。
なお、会費納入方法追加の方向性につき前向きにとらえていただいた。
懇親会は16時30分から56号館カフェテリアで門間先生(学科主任)のご挨拶、橋本副会長の乾杯で始まり、ここでも活発な意見交換が行われました。最後に黒田先生(副会長)のご挨拶があり、学生委員の田中亮祐さんの一本締めでお開きとなりました。
第14回評議員会報告 ⇒ こちら
第13回評議員会報告 ⇒ こちら
第12回評議員会報告 ⇒ こちら
第11回以前の評議員会報告は、こちら
(文責 基盤委員会 下村 啓、写真 広報委員会)
早稲田応用化学会会員の皆様へ
2020年2月
早稲田応用化学会 会長 西出 宏之
今年は5月23日(土)の開催といたします。応用化学科の研究に関する理解を深めて頂くために、昨年に引き続き応用化学科と共催で先進研究講演会を企画いたしました。万障お繰り合わせの上、ご出席いただきますようお願い致します。
出席申込は、ご指定の住所へ4月末に応用化学会会報101号と共に送付いたします 「返信 用記入用紙」で返信頂くか、”こちら”からお申込下さい。
尚、個人情報に変更のある方は、必ず 会報同封の「返信用記入用紙」の個人情報を修正頂き返送下さい。
日 時: | 2020年5月23日(土)13:30-18:30 |
場 所: | 早稲田大学西早稲田キャンパス 57号館 2階教室(受付・会場) ※予定:変更する可能性があります。 63号館1階ロームスクエア (交流会) |
※定期総会 13時30分~14時30分
※先進研究講演会 14時45分~16時45分
「応用化学最前線-教員からのメッセージ」 プログラム
14:45-15:15 福永明彦教授 応用物理化学部門
15:15-15:45 ゲガンレジス准教授 無機合成化学部門
15:45-16:15 小堀深専任講師 化学工学部門
16:15-16:45 黒田一幸教授 無機合成化学部門
※交流会(懇親会) 17時00分~18時30分
懇親会費 3,000円(夫婦同伴の場合 5,000円)
総会会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。
以上
「先生への突撃インタビュー」に須賀健雄専任講師にご登場願うことにしました。今回は学生3名、シニアOB1名の組み合わせでインタビューをしました。従来を踏襲して、応化会の本来の姿である先生・学生・OBの3者によるインタビュー記事の作成を目指しました。須賀先生にも快諾を頂き、丁寧に原稿の作成に協力を頂きましたことをこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
須賀先生のプロフィール:
2003年 | 早稲田大学 理工学部 応用化学科卒業 |
2005年 | 早稲田大学 理工学部 助手 |
2007年 | 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 博士課程修了・博士(工学) |
2007年 | バージニア工科大学 化学科 博士研究員 (Timothy E. Long group) |
2008年 | 早稲田大学 先進理工学研究科 次席研究員 |
2012年 | 早稲田大学 高等研究所 助教(テニュアトラック) |
2016年 | 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 専任講師 |
小さい頃からいわゆる「理科好きな少年」ということはなかったのですが、興味を持つとのめり込むタイプで、文理問わず、例えば歴史、国旗、国名、星座などの本を毎日のように読み、調べて、気づいたら全て覚えてしまうような子でした。今では国際学会や共同研究を通じて、かつて覚えた色々な国を訪ね、世界中に研究仲間が広がり、その過程で各国の文化を知ることもできるのも、今の仕事の魅力の一つだと思います。
また、応用化学科に来る学生さんの多くも環境問題(温暖化など)の解決などに関心を持った経験があるのではないかと思いますが、私も小学5年生の頃に興味を持って色々な本を読んでいたのを覚えています。
中学生になると暗記ばかりの社会に飽きて、理系科目が好きになり、将来は理工学部に行くと勝手に決めていました。中学1年で習う無機塩の溶解度や溶液の色が何で決まるのか不思議に思い、その理由を聞いては先生を困らせていた気がします。高校でも理科部などとは無縁の体育会系の部活に入っていましたが、部活も勉強も好きなものを好きなだけ学べる自由な環境の付属高校でしたので、毎朝図書館でブルーバックスなどをよく借りて読んでいたのを思い出します。物理も化学も好きで進路選択は迷いましたが、実験が好きで、得意科目でもあった化学を選びました。応用化学を選んだのは大学の模擬講義で応用化学科の先生方の講義を聞いたのもきっかけです。
応用化学科に入り1-3年生では毎週の実験とレポートに追われる日々を過ごし、基礎力と忍耐力をつけながら、研究室選びについては元々有機化学が好きだったこと、新しい機能を持つ有機材料を分子設計して合成から物性評価まで一貫して研究できるところに魅力を感じて、高分子化学研究室(当時 西出・武岡研)に配属先を決めました。当時は西出先生が磁性高分子として長年先駆的に研究されてきた「ラジカルポリマー」を違う視点で捉え直し、重金属フリーなプラスチック二次電池の電極として新しく展開を始めた時期でもあり、そのテーマの一期生となった私は新しいテーマにワクワクして実験漬けの毎日でした。当時の研究室は体育会系の部活のような厳しさもあり、隣の実験室に入る時には「失礼します」と断ってから入室するのですが、「声が小さい、やり直し!」と奥から先輩の声が飛んできて、「失礼します!!」と挨拶し直して入るくらいでした。修士の頃には毎週月・水・金は泊まり込み、夜中も2時間ごとに起きては測定して…というような生活で、部屋が明るくても装置の音が鳴っていても寝られるようになりましたね。
大学の研究というと、皆さんは実験室に閉じこもって基礎研究だけしているイメージかもしれませんね。学術的な基礎研究が大切なのはもちろんですが、私の場合は、博士課程の頃に、電機メーカー1社、化学メーカー2社、塗布プロセスを担当するメーカー1社と連携しながら共同研究を進める中で、各企業の視点にも触れることができ、どこか1社のために仕事する、というのではなく知の中継点として多角的な視点で風通し良く技術開発を深められる場としての大学研究の魅力を感じました。
研究者としての道を考えるようになったのは、博士研究として取り組んだ、正・負極ともラジカルポリマーからなる全有機二次電池が達成できたこと、国際学会や訪問される海外の研究者との交流を通じ国際共同研究の機会を得たこと、また研究室の先輩方が海外でのポスドクを経てアカデミックな世界で活躍していたこと、などが理由です。一方でアメリカでのポスドク時代に出会った仲間と実験漬けの日々を過ごしながら、何度も大学研究者を続けることの意味、意義、大学での教育者としての役割を議論したのを今でも覚えています。
高分子材料は、プラスチック、ゴム、繊維など、身の回りの素材として我々の生活には欠かせません。またスマートフォンの中の先端機能材料や生体機能を持ったバイオマテリアルでも高分子材料は活躍しています。早稲田の高分子は伝統的に機能性高分子を研究対象としており、私自身の研究の対象も二次電池の電極、有機太陽電池、メモリ素子、センサーや機能性コーティングなど出口は色々と派生してきていますが、軸としては有機低分子化合物ではなく「高分子だからできること」「高分子らしさ」を追求した分子・材料設計にこだわり、特に高分子の好き嫌いで集まり自己組織化して形成される「ミクロ相分離構造」を制御と機能発現の相関に興味を持っています。無機化合物の結晶ではなく、ぐにゃぐにゃとした、いい加減そうな高分子という鎖の分子が集まっているのに、結晶のように美しい模様が現れます。精密に分子をつなぐことができる高分子合成技術を磨くとともに、電子やイオンの伝導、絶縁性、親水・疎水性、反射特性、熱伝導性など、求められる機能は官能基1つで決まるのではなく、それら分子・官能基がどのくらいの大きさ(数十nmからサブミクロン)でどのように集まり、その配向性はどうなのか、界面はどうなっているのか、など1つ1つ次元を制御した設計で協同的な機能発現につながります。また、その一方で、凝りすぎて使い物にならない研究にならないよう、産業界から見ても素材、プロセス両面で魅力ある高分子材料を提示していけるよう、「その場反応」もキーワードとして研究しています。例えば、従来のUV硬化と同じ装置、プロセスを適用しながら、高分子設計を一工夫するだけでナノ構造がその場で作り込めるコーティングや、海に入れておくと自然にCO2を取り込んで防汚塗料となるようなコーティングです。
理念、と呼べるものかわかりませんが、研究(活動)は先人たちの弛まぬ努力と知見の蓄積があって現在に至っていると思います。大学の研究は0から1を生む、基礎研究を担うところ、ともよく言われますが、自分の経験の中では、異分野では知られた概念・コンセプトであっても自分の研究領域で、自分の視点で捉え直してブレイクスルーした研究というのが実際は多いと感じます。それを0から1と呼ぶのはおこがましい気がしていて、自分の中では1ないし2から3,4へと繋いでいるに過ぎない、と思って研究に取り組んでいます。もちろん誰よりも早く、人が気づかない視点・切り口で研究展開することが、オリジナリティに繋がるのは言うまでもありません。その意味で1ないし2に相当する技術課題の選び方にはこだわっています。学生の教育という意味でも、同じようなテーマに偏らないよう幅を広げつつ、日々格闘中です。周辺分野も俯瞰しながら謙虚に研究を継続していくことが次世代のための学術的な蓄積にもなると信じています。
長期的に見て社会的な課題解決につながる研究に発展できたらさらに良いですね。
高分子の素材としての可能性は無限です。機能に対する要求も際限はなく、それを分子レベルで設計して、合成化学を駆使して作り出し、特性評価まで一貫して取り組むことでまた次のアイデアが湧いてきます。産業界との連携も深めながら知の中継点としての大学の役割を果たしながら、新しい課題に取り組み、それを通じて学生の学びの場を提供していきたいと思っています。また海洋プラスチック問題などメディアの取り上げ方もあって高分子材料に対する皆さんの見方も厳しくなる中、社会的要請度の高い課題に対し私たちの研究がどのように貢献できるのか、今まで以上に研究者・教育者としての役割が問われていると感じています。一歩一歩取り組んでいきたいと思います。
シニアなOB, 若手OB, 現役の学生委員の活動がうまく噛み合い、交流できる各種イベント、講演会も数多く開催しており、学内外で見ても本当にアクティブなOB会組織だと思います。「先輩からのメッセージ」をはじめ、就職活動の面からも先輩方の活躍する姿を見て、また直接話を伺うことで、学生に良い刺激になっていると思いますし、また卒業後は若手OBとしてそれを還元する立場として帰ってきてくれるのも嬉しく思っています。教室教員としては日々学生の教育、研究に力を注ぎ、育てるのが役割ですが、応化会の活動を通じて、社会の目から見た位置づけを学生が感じる機会を多く提供頂いていると思います。忙しい30-40代の中堅世代の関わりが少し薄いことに私自身も少し責任を感じますが、今後も応化の伝統を引き継ぐ組織として大切にしていきたいと思いますし、また新しい企画が出てくるのを楽しみにしています。
2017年の100周年記念会にも参加し、多くの祝福を受け数多くのOBを見て、改めて伝統の重みを感じましたし、一員として、また教員として応用化学科の学生を育てていくことの責任を強く感じています。高分子化学研究室としては西出先生の先代に当たります土田先生が逝去された折、偲ぶ会に300名ほどお集まり頂いたOB/OGの姿を見て(その数は先生が育てられた数の一部に過ぎない訳ですが)、大学教員というのは、一生を懸けてこんなにも多くの人たちと関わり、そして研究者・技術者の卵を、産官学で活躍する人材へと育て、輩出する大切な職業だと感じました。その責任の重みを感じつつ、日々接する学生との関係を大切に過ごしていきたいと思っています。
応用化学には魅力ある研究を進めている先生方が皆さんを待っています。是非自分の興味を持った化学をそれぞれ見つけ、濃密な実験、研究を通じて方法論と考え方を学び、社会の課題解決に化学の視点で取り組む研究者・技術者になってほしいと思います。
参考情報:
https://www.waseda-applchem.jp/ja/professors/suga-takeo/
インタビュアー&文責: 疋野拓也(4年)、佐藤由弥(3年)、
西尾博道(3年)、井上健(新19回)
過去の突撃インタビュー
第33回早桜会懇話会を2019年12月7日(土)に中央電気倶楽部にて開催いたしました。
今回の講師には前田泰昭先生(新14回、大阪府立大学 工学部名誉教授)をお迎えし、「右手(研究費)と左手(趣味)の研究」と題して、原料をカスケード利用して軽油より安価なBDF(バイオディーゼル燃料)とバイオマス化成品を製造するプロセスの開発を中心に、ご講演いただきました。
前田先生は、ゴムの実を始めとするバイオマスからバイオディーゼル燃料への転換をテーマに、ベトナムを拠点に長きに渡りご研究されております。バイオマス由来燃料の最大の課題は、現行の石油由来燃料と比べ経済的に不利である点であり、燃料化の過程で得られる残渣の高付加価値利用が必要です。
今回のご講演では、燃料化プロセスの残渣から得られる金属石鹸やリノレン酸油といった有用成分を見出すことに成功し、ビジネス化に向けてプロセスのスケールアップを進められていることをご紹介いただきました。
講演終了後は、再生可能エネルギーへの関心の高さから、活発な議論が行われ、今後の技術展望に向けて各企業・大学等の立場からメンバー間で意見交換するなど、非常に盛り上がる会となりました。
懇話会終了後は、松方教授がボーカルとして出演されるWinter liveに向かい、懇親を深めました。(文責桜井)
出席者
前田泰昭(新14)、津田實(新7)、井上征四郎(新12)、市橋宏(新17)、井上昭夫(新17)、田中航次(新17)、篠崎匡己(新30)、斎藤幸一(新33)、高田隆裕(新37)、中野哲也(新37)、古谷敦志(新38)、髙島圭介(新48)、數田昭典(新51)、澤村健一(新53)、桜井沙織(新64)
HPへの掲載日順です。
***********************************************************************
令和元年8月31日(土)午後、第二回応化給付奨学金受給者の集いを開催しました。昨年11月に第一回を開催し、今年は応用化学科給付の奨学金を受け博士号を授与されて、社会の様々な方面で奮闘されている28名の面々が集まり、6名の現奨学金受給者と16名のホストら合わせ50名が、4時間弱の時間を母校西早稲田キャンパスで共にし、個々に交流を深められました。
今年も、河村 宏氏(元会長)、平林 浩介氏(元副会長)、下井 將惟氏(元副会長)ら有志が西出宏之会長と核になり、より多くの面々が気軽に集まり、交流の輪を広げられる為にどうしたら良いかと考えました。
新たに、奨学金受給者内幹事役3名の方々(新51 田原聖一氏、新53 百武 壮氏、新57 國本雅宏氏)の協力を得て、声掛けに一役買って頂きました。
また、受給者の対象範囲を3学年広げ、新たに水野賞受賞者も加えた新51回生~新60回生(2001年~2010年学部卒相当)の博士修了者に声を掛けさせて頂きました。その成果もあり、より多くの方々が実りある時間を過ごされたことと確信しており、来年も参集された皆さんの同世代に加えて世代を超えた縦のネットワーク構築にもなればと考えている次第です。
当日は、遠方からの参加者も含め28名のかつての受給者が参集され、平林浩介氏(新10)の司会で、西出宏之会長(新20)の挨拶でスタートしました。
西出会長からは、本集いのホームカミングデーとして開催してはという構想からのスタートの背景、早稲田応用化学会が1923年5月に教員、卒業生、学生の連携した組織をめざして創設されたこと、当時は研究成果の発表の場が限られ、早稲田応用化学会誌がその役割を担ったこと、そして茨城大学で非常勤講師を務めた折に旧帝大博士と他大学とでは待遇の差があることに驚愕したことを例示され、国立大学と私学の早稲田に、当時差が歴然として残っていたが、苦難を経て今日に至ったことを紹介されました。
また、早稲田応用化学会の会則第3条に、会の目的は 会員の学術を向上させることと明記されており、博士号を持っている皆さんは自負を持って模範的会員になって頂きたいとメッセージを贈られました。
早稲田応用化学会は 2023年に100周年を迎える。節目として、奨学金を受けてサポートされてきたことを思い出し、同窓会(応化会)が頑張っていることを認識して、これから時代が変わる中で 皆さんの仲間が宝であり、そのチームワークを作る、ネットワークを作る力として頂きたいという発起人の諸先輩方の想いを代表して挨拶されました。
続いて、応用化学科主任教授 門間聰之氏から挨拶を頂きました。門間先生からは、博士の学位を持っていることは、博士号取得の過程で課題を見つけ、解決の為の仮設を立て、立証する能力、その得られた知見を世の中に伝えていく能力を持っている証であること。そして、博士になった頃は一年一年伸びしろが有ったと思うが、あの頃を思い出しましょうと呼掛けられました。
4年前に井戸の掘り方を勉強されたが、その時に学んだことである「飲水思源」を引き合いに出され、水を飲んだ時に、水の源、井戸を掘った人を思い出しなさいという意味、日本ではいい事が有ったら元になったことを思い出しなさいと言われる。中国では、蒋介石と毛沢東が争っている際に、毛陣営が村に井戸を掘り、その後逃げていく時に井戸を掘った事を忘れるな、逃がさないと言いおいていったという怖い話もあることを紹介されました。
博士の大元は何だったのか。物事を考えられようになりたいというモチベーション、指導教員の助け、家族のサポート、そして奨学金があって今の自分が有るということを思い出してもらいたい。 AIを使いこなして ドンドン日本を引っ張って行って下さいと締めくくられました。
続いて、奨学金受給者28名がスライドを使い各人各様の自己紹介をされました。 最近の研究内容であったり、会社のことだったり、中には、自らの夢を取り交えたりと、分野、会社が多岐に亘ることから、皆さん 興味深く聞かれていました。
<文末写真集ご参照>
懇親の部は、場所を56号館B1理工カフェテリアに移し、下井將惟氏(新13)の司会で始まりました。
河村宏氏(新09)の乾杯の挨拶では、乾杯をされた上で、皆さんを鼓舞するメッセージを頂きました。
本会は西出先生のアイデアであり、自分達は、横のネットワークは持てているが縦の関係を作った方が良いという考えで、早稲田応用化学会で縦の関係作りを模索したが、思うように出来ず、博士課程の卒業生は 応用化学は数において圧倒的な集団であり、その中の皆さんは若手の核であり、今後数十年にわたり、学生と先生、OBからなる応用化学会に縁を持って、縦のラインを広げていってもらいたいというメッセージを託されました。
加えて、学生と先生、OBからなる応用化学会は会費で賄われているので、過去に遡る必要はないので、今日を起点にして会費を納めていってほしいことを訴えられました。
これを機会にして、ネットワークは自分で広めていってほしい、そして この会は是非続けていって欲しい。学校はふるさとであり、ふるさとは一生の宝であり、大事にしていって欲しいと締められました。
河村宏元会長の乾杯の挨拶の後を受け、懇親会の場で、まさに縦横の交流がスタートしました。
今回は、現奨学金受給者の6名にも、将来のネットワーク作りへの布石になるようにとの思いも込めて、お手伝い頂きましたが、その皆さんの紹介を致しました。
その後、今回 奨学金受給者の中で声掛けをお願いした幹事のお三方(新51 田原聖一氏、新53 百武壮氏、新57國本雅宏氏)のご紹介をした上で、来年も幹事としてお願いすることとなりました。よろしくお願いします。
今回ご参加頂きました奨学金受給者の皆さん、先生方、そしてホスト役の皆さん 総勢50名の集合写真(前掲)を撮影した後、奨学生推薦委員会委員の大林秀仁氏(新17)からご自身が博士号を頂いた後、恩返しとして応化会奨学金への寄付をしてきている背景にも触れられた中締めの挨拶を頂き、奨学金受給者である澤村健一氏(新53)とお二人による三本絞めで第二回奨学金受給者の集いの幕を閉じることとなりました。
次回は、令和2年8月29日(土)に開催の予定です。 更にネットワークの輪が広がることを期待しております。
<28名の応化給付奨学金受給者の自己紹介スピーチ時の写真>
(文責 事務局 高橋 宏)
高研会会員の皆さまにはご健勝でお過ごしのこととお慶び申し上げます。
2020年の高研会総会のご報告を申し上げます。
通例に従って1月の第2土曜日(2020年1月11日)、早稲田大学大隈会館1階レストラン「楠亭」にて開催致しました。
今年は老若あわせて70名余の参加で盛会となりました。赤真正人会長の開会ご挨拶と乾杯のご発声に続き、新井敏先生の金沢大学テニュアトラック准教授ご就任、田中学先生の首都大学東京准教授ご就任のお祝いを執り行い、賑やかにして和やかな参加者の歓談へ進みました。
更には小栁津研一教授から研究室活動状況のご紹介があり、活発な研究活動に参加者一同感銘を受けました。須賀健雄専任講師から新卒者の就職状況のご報告があり、続いて西出宏之特任研究教授から「土田英俊先生記念奨学賞」開設のお披露目と、早速に今年度学位取得予定者に対する記念奨学賞の授与を執り行いました。
会の最後に若松久人様、黄映霖様、髙田亮介様、庄司雅己様、岩崎知一様から近況のご挨拶を頂き、応援部指揮の下に全員での校歌斉唱とエール、続いて常見宏一副会長の閉会の辞により盛会のまま散会と致しました。
なお、来年(2021年)の総会は1月9日(土)開催です。本年にも増して多くの会員様のご参加をお待ちしております。
高研会会長 赤真 正人