もうすぐ応化会100周年③

応化会給付奨学金への寄付のお礼とお願い 

 「応化卒業生による優秀な人材の発掘と育成の支援」により母校早稲田大学はもとより、我が国、さらにはグローバル社会の発展に寄与したいと早稲田応用化学会は考えています。
応化会100周年を期して、「先輩博士からのメッセージ」等の啓発イベント開催始め、多くの学生に博士進学を考えてもらう機会を提供することとしました。また、資金面の支援として「応化会給付奨学金」の拡充を図ってまいります。
 その奨学金の原資となる寄付を会員の皆様にお願いして参りました。2021年10月に始めたこの取組に、80名近い会員の皆様が応えていただき、ひとつの目標としていた「1000万円の達成」が視野に入ってきました。ご賛同いただいた皆様には深く感謝申し上げる次第です。
 更なる積み上げのために、会員の皆様のご協力(ご寄付)をお願いする次第です。そして、これからの人材の発掘・支援にお力をお貸し頂ければ幸いです。
※なお、本奨学金への寄付金は、税額控除の対象となります。詳しくは応化会ホームページから。

<早稲田応用化学会給付奨学金への寄付のお願い>
https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2021/10/06/2021kifuoneg/

2022年12月8日 

早稲田応用化学会 100周年記念事業担当 下村 啓(1984年卒 新34回)

事務局 電子メール:oukakai@list.waseda.jp

 

2022年 短信


会員の皆様から個人情報の確認・総会出席シートの通信欄に頂きました近況、ご意見を掲載しました。会報誌No.106にも掲載されています。

新制卒業生(1回~10回)

●樋渡 章訓(昭和28年卒・新 3 回)
92才になりました。歩く速度が大分遅くなりましたが、毎朝 2 kmを40分で散歩しております。

●矢部 賢(昭和28年卒・新 3 回)
ご盛会を祈っております。

●杉田 米藏(昭和32年卒・新 7 回)
コロナ禍の一日も早い終息が待たれる昨今ですが、小生お陰様にて相変わらずです。尚、先般同期の中川文博氏のお逝去の訃報に接し、心よりお悔み申し上げると共に、ご冥福をお祈りします。

●安部 建治(昭和34年卒・新 9 回)
1964~66年化学品ビジネスに係わった米国の地で、今、大谷翔平が大活躍しているのをテレビで楽しんでいる。
応用化学の分野でCO 2 等を原料として化学製品、人口木材、人口植物(食物)を作る時代の到来を願っています。

新制卒業生(11回~20回)

●岡野 毅(昭和36年卒・新11回)
この 2 年、殆ど電車に乗ることもない生活、日常凡ミスが増えていますが、まずまず健康に過ごせています。ウクライナのことが心痛むばかりです。

●堀内 弘雄(昭和36年卒・新11回)
84才になって多くの友が彼岸へ。みやげ話に秋の応化祭には一度出かけてみたいものです。若い方の活躍がうれしいです。早大応化の発展を祈ります。

●井上 征四郎(昭和37年卒・新12回)
最近、身体のあちこちで小さな異常を感じますが、年相応の元気さは保っています。関西支部の活動に参加してます。

●加藤 匡紀(昭和43年卒・新18回)
家を新築して今引っ越しの最中です。飼い犬が最近死んだので、本当に一人きりで新居住まいです。でも元気です。

●柿野 滋(昭和44年卒・新19回)
里山生活を楽しみながら元気でやっております。

●原 宗一(昭和45年卒・新20回)
7 月に後期高齢者の仲間入り、記憶力、体力等それなりに衰えていますが、週に一度の陶芸と、ジムで水泳をして、なるべく身体を動かしています。

●福田 雅允(昭和45年卒・新20回)
卒業して50年、まだ60代のつもりで、この夏、北海道に 4 度目のバイクツーリングに行くべく、ワクワクしています。

●山本 浩一(昭和45年卒・新20回)
今年から後期高齢者ですが、週 5 日出社して化学品の輸入の仕事に精を出しおります。2021/10/ 1より顧問になりました。

新制卒業生(21回~30回)

●角 仁(昭和49年卒・新24回)
当方、日々囲碁ざんまい。博士課程(後期)の応援致したく、若干ですが寄付をさせて頂きます。

●植村 順一郎(昭和49年卒・新24回)
コロナで旅行も控え気味で、ゴルフと散歩の日々を送っています。

●馬場 健郎(昭和49年卒・新24回)
お世話様です。高橋研の皆さま、馬場健郎は他界いたしました。生前中は大変お世話になり感謝申し上げます。ありがとうございました。 馬場久子

●前田 哲郎(昭和50年卒・新25回)
YouTubeを見て、30年以上毎週続けている水泳のホームを改造しました。古希を越えても改善の余地があったとは。

●渡辺 明男(昭和51年卒・新26回)
退職しました。

●帯金 芳秀(昭和52年卒・新27回)
早稲田大学高等学院での化学の授業、他に渋谷区代々木中学校で理科の授業、放課後は三鷹市立第二中学校で卓球部の指導をしております。

●井上 和雄(昭和53年卒・新28回)
昨年2021年末退職いたしました。44年よくやったと勝手に思っています。この44年間早稲田を意識して勤務していた感があります。応化会の増々の発展を祈っております。

●吉田 利彦(昭和53年卒・新28回)
元気にしています。高齢者ですが幸いにもお仕事があり、毎日はりきってます。

●木村 賢一(昭和54年卒・新29回)
総会等の盛会を祈念します。親との共同生活を始めています。

●森本 聡(昭和55年卒・新30回)
再生医療製品の開発を行ってきましたが、定年となりコンサルタントを始めました。医薬品のライセンスをお手伝いします。

新制卒業生(31回~40回)

●小澤 喜久夫(昭和57年卒・新32回)
ISO規格の審査、食品安全の研修コース講師などをしています。多くの工場、施設におじゃましています。

●小岩 一郎(昭和57年卒・新32回)
2023年 4 月から表面工学学系が新設されます。そちらに移動します。

●相賀 浩嗣(昭和58年卒・新33回)
単身赴任を61才にして経験しています。

●前田 和哉(昭和59年卒・新34回)
まだ会津でタンタル粉末を作っています。(定年後 3 回目の契約です。)COVID-19、ロシアのウクライナ侵攻と世界が目まぐるしく動いているなか、何とかやっています。

●小林 昭仁(昭和60年卒・新35回)
新コロナの為殆ど在宅勤務です。60才を過ぎエキスパートエンジニアという肩書になりましたが、仕事は変わらず、化学物質のリサイクル法規対応業務を行っています。

●佐久間 雄一郎(昭和60年卒・新35回)
残り少ないサラリーマン生活を楽しんでいます。

●相田 冬樹(昭和61年卒・新36回)
元気で現役研究員としてがんばっています。

●松村 好章(昭和61年卒・新36回)
定年(10月)まで、あと半年を切りましたが、最後まで、頑張って会社に貢献していきたいと思います。

●田坂 東(昭和62年卒・新37回)
元・妻の急逝から 5 年以上、コロナ禍になって 2年以上が経ちました。良い事が無くても「健康に生きていることが重要」と最近は思えるようになりました。

●本田 淳(昭和63年卒・新38回)
アストラゼネカ製ワクチンの製造と供給で忙しくしてましたが、やっと落ち着いてきました。

●三田村 聡(昭和63年卒・新38回)
皆さまお元気でしょうか?令和 4 年 6 月 1 日より、消費者庁にて勤務することとなりました。私にとって第三の人生というべきスタートとなりますが、精一杯頑張ります。

●徳田 幸紀(平成 1 年卒・新39回)
今後のグローバル会社において研究開発力や技術力を支えていかれる学生や会員の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

●柳沢 真澄(平成 1 年卒・新39回)
会費の支払いがLINEpayとかPaypayなどのスマホ決済に対応していただけると有難いです。支払いにおけるハードルも下がると思います。

●蔵野 裕之(平成 2 年年卒・新40回)
コロナで新しく取り組み始めたこともあり、悪い事ばかりではないと思っています。60才まで頑張ります

新制卒業生(41回~)

●加藤 昌史(平成 3 年卒・新41回)
技術開発を離れ、工場運営に取り組んでいます。老朽化した設備の健全化とGHG削減が課題です。

●佐藤 知子(平成 5 年卒・新43回)
会報もそろそろペーパーレスにしても良いかもしれないですね。昨年久しぶりに西出先生にお会いしました。全くお変わりなくてびっくりです。

●穐山 徹(平成 6 年卒・新44回)
GWに東京の実家に帰省、高校生の息子と理工キャンパスに行きました。残念ながら中には入れませんでしたが正門で記念撮影して帰りました。

●吉澤 恵(平成 6 年卒・新44回)
紙の会報は廃止するのが時代の流れと考えます。ホームページで十分と思います。ご検討下さい。

●重元 亮二(平成 7 年卒・新45回)
コロナ禍の中、リモート参加の機会が増えてきました。大学のOB会もリモート参加という選択肢が出てきたので、大阪に住んでいる私にとっては嬉しい限りです。

●森 昭仁(平成15年卒・新53回)
この返信はインターネット上で行うようにしていただけないでしょうか、手間、コスト利便性の観点からもインターネットで回答できるようにした方がよいと考えています。以上ご確認よろしくお願いいたします。

●乗峯 絵里(平成19年卒・新57回)
新博士紹介の欄に同級生の名前を見つけました。コツコツと頑張っていたのかなと思い刺激をもらいました。

●米山 依慶(平成19年卒・新57回)
事業譲渡により、新会社の一員として業務を遂行しております。

大修修了博取得生

●横田 昌明(昭和54年修・大27回)
同門諸兄の益々のご健康とご活躍を祈念しております。

●十時 信太郎(昭和62年修・大35回)
6 月 1 日付で花王式会社を定年退職いたしました。

●趙 俊相(平成13年修・大46回)
12年間の倉敷での単身赴任を終え、 5 月より東京本社へ移動となりつくば自宅から電車通勤を開始しました。今後共よろしくお願い致します。

NACs&学生交流会:キャリアぶっちゃけトークの場(活動報告)

 2022年12月3日(土)に開催される「企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~」の事前企画として、2022年11月19日(土)にNACs(若手部会)と学生の交流会「キャリアぶっちゃけトークの場」が開催されました。

 当日は二つの部屋に分かれ、B1-B2学生向けの企画とB3以上学生および社会人に向けた企画を実施しました。登壇者含めて全42人が参加し、B3以上の学生および社会人向けの企画では遠方からの参加も考慮して一部ハイブリッドで行われました。交流会後に実施された満足度アンケートでは5段階評価で回答者の平均点は4.5となっており、学生・社会人ともに本交流会を楽しんでくれたことがわかりました。特にB1-B2学生の満足度が高かったようです。

 B1-B2学生向けの企画では学生時代の過ごし方について社会人3年目の政本さんおよび社会人2年目の神守さんの2名に講演をしていただきました。政本さんは学生時代、11か国に渡る海外旅行をしていた経験や応化委員で学生時代に自ら企画を立ち上げた経験、さらに社会人になってから挑戦していることなどについて話をしていただきました。神守さんからは学生時代のサークル活動や研究室生活の過ごし方、社会人になって携わっている業務の紹介などがありました。「未来につながる今の過ごし方」、「大学は何のために行くのか?」というテーマでも個人的な見解を話していただきました。

 B1-B2学生向け企画での参加人数は10名程度でしたが、登壇者と参加者で双方向の活発な会話がなされていました。入学して間もない学生の皆さんにとっては先輩の実感がこもった話を聞けて参考になったようです。

 参加していた学生からは「先輩の学生時代の過ごし方を聞けて刺激になったし挑戦しようと思った」、「普段なかなか聞く機会がなかった研究室生活や社会人生活の話が参考になった」という感想がありました。            講演している政本さんと真剣に聞き入る学生

 B3以上学生および社会人向けの企画では三菱ケミカルに勤務して15年になる劉さんに自身の職務経歴やキャリアデザインの考え方について講演をしていただきました。当日はオンラインを含めて5~6名を1チームとして計6チームでのグループディスカッションも数回実施されました。

 劉さん自身の職務経歴を紹介する場面では劉さんが事前に用意していたキーワード(例:やりがい、Love&Leadershipなど)に対して各チームからひとつづつキーワードを選んで質問をする場面がありました。参加者からの質問に対してぶっちゃけトークの名の通り、劉さんの個人的な見解やエピソードを交えた話をしていただき非常に盛り上がっていました。   自ら用意していたキーワードに対して学生から質問を募りぶっちゃけトークをする劉さん

 キャリアデザインの考え方について話す場面ではキャリアデザインを大事にしたい社会的背景から始まり、キャリアの築き方(夢や目標に基づくものか偶然によるものか)に関する理論なども話していただきました。昨今はリカレント教育という言葉をよく耳にします。筆者も経営大学院で授業を受けていますが、社会人になってからも学び続けることが主体的なキャリアデザインにつながることを劉さんの公演で改めて感じました。

 参加していた人たちからは「劉さんのエピソードを交えたキャリアの説明が参考になった」、「日本社会の現状について詳しく知ることができた」などの感想がありました。

 交流会企画終了後は参加者同士の懇親会も実施されました。学生も社会人も世代を超えた縦のつながりを楽しんでいました。筆者も社会人の立場として学生と交流していました。学生にとっては社会人の先輩とつながりが持てることそのものが非常に有意義だと感じているようでした。最近は新型コロナウイルス感染防止対策の影響で対面での交流会や懇親会があまり行われていなかったので特にそう感じたのかもしれません。

 12月3日に開催される「企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~」にむけた事前企画として非常に充実していたと感じました。

(文責:大山)

第41回早桜会懇話会(報告)

 第41回早桜会懇話会を2022年11月26日(土)に対面(中央電気倶楽部)とWEB(ZOOM)のハイブリッド方式にて開催いたしました。今回の講師には大阪大学の岡野泰則氏(新33回,平田研)をお迎えし、-化学プロセスと人工知能-という演題でご講演頂きました。

  人工知能の苦手なこと、人工知能の得意なことを先生の最新の研究成果も交えながらご講演して頂きました。人工知能とは膨大なデータを入力し、その時に得られた結果に対して関数を見出すことで、何か新しいデータを入力した時にその関数に基づいて結果を導き出すというものです。したがって内挿は得意ですが外挿については精度が高いとは言えません。

 シミュレーションと実験を組み合わせて研究開発を進めていく時に、従来用いられてきたCFDはテクニックが必要で誰にでも扱えるものではありませんでした。また計算に時間を要する為、実験しながらリアルタイムで計算結果を表示することは出来ませんでした。先生が現在開発されている人工知能系のソフトを用いた手法ですと、瞬時にしかも物理法則を満足した計算が可能であり扱いも容易です。数年後にはエクセルのように誰でも簡単に利用出来る時代が来るとのことで、実現すれば研究開発の現場は大きく変わるのでは無いかと思います。

 人工知能の話に加え、バルセロナ出張報告、早稲田大学での講義、日本について思うこと等、幅広くお話しして頂きました。中国の台頭、日本人に立ちはだかる英語の壁、コロナ渦での若者の状況等、課題は色々あります。しかし日本及び日本人の良い部分もたくさんあります。先生のお話しされていたことで個人的に非常に共感した部分があります。それはどうも昨今、日本人に自信を失わせよう失わせようという傾向が一部にあるのでは無いかということです。しかし日本人として世界に誇れるものはたくさんあります。理工系修士修了の人材のレベルが世界一だというのもその1つです。

 近い将来、人工知能が発達すれば労働力不足や言葉の壁の問題も解決していきます。また、世の中が便利になればなるほど、日本の基礎重視の考え方は結果的に強みになると個人的には思います。先生のご講演を通して色々と考えることがあり、大変有意義な2時間を過ごさせて頂きました。今回の懇話会の内容について日頃から考え、仕事にも活かしていきたいと思います。

   (文責:三品)

【出席者(16名):敬称略】

<現地>
津田實(新7), 加藤文義(新20), 岡野泰則(新33), 斎藤幸一(新33), 和田昭英(新34), 高田隆裕(新37), 數田昭典(新51), 澤村健一(新53), 古田武史(新61), 三品建吾(新59)

<zoom>
井上征四郎(新12), 市橋宏(新17), 田中航次(新17), 脇田克也(新36), 陳鴻(新59), 桜井沙織(新64)

早稲田応用化学会中部支部活動報告(第18回交流講演会)

 第18回交流講演会を2022年11月12日(土)「ウインクあいち」にて開催しました。(参加者14名) 最初に司会の浜名幹事および友野支部長より、中部支部の講演依頼に対してご快諾いただいた木野邦器教授への感謝の言葉と、先生のご略歴の紹介がありました。

木野先生の講演「脱炭素社会の実現に貢献するバイオテクノロジー」の要旨

 初めに、地球温暖化の問題を解決するための必須の手段として脱炭素技術の早期開発を求める時代の要請がある一方、直近ではロシアのウクライナ侵攻の影響で炭素系資源に再び依存する揺り戻しの動きも現れている、との最新の社会状況に触れられた。
 地球の先住民である微生物は、その生存戦略に基づいて進化し多様化を進めてきた。私たち人類は、これまでその多様な機能や生命システムの一部を生活や産業に取り込んできたが、バイオテクノロジーはDNA解析技術による生命の設計図とも言えるゲノム情報の蓄積と分析、ips細胞系の樹立や再生医療における技術革新、高度化した計算科学や人工知能を駆使したビックデータ利用技術との融合、ゲノム編集や合成生物化学的手法による高度のモノづくり技術など、近年の革新は著しい。今まさに、従来の化石資源依存の産業形態から脱炭素化を実現できる社会への転換期にあると考える。演者らは、微生物の機能分析からモノづくり研究を展開しており、具体的な研究事例を紹介しながら、科学技術開発研究の方向性を議論する。

 微生物、植物、動物などすべての生物は、ATGCの4つの塩基からできている。根源は一緒であり、そこから多様化して存在している。ウイルスなども、根源が一緒であるため、これを利用して抗ウイルス薬などの開発ができる。また、生物の細胞にウイルスが入り込んで進化した例として、哺乳類の胎盤形成などがある。地球圏における生物間ネットワークの例として、昆虫や動物の中にいる共生細菌があり、必須アミノ酸が供給されている。ブドウやイチゴに共生する菌の働きによって独特の香りや匂いがつくことも分かっている。
 生物発酵は酒造りなどで古くから利用されていたが、フレミングによるペニシリンの発見から微生物の利用が本格的に発展した。有用菌をスクリーニングすることで、ブレオマイシン(ガンの薬)、タクロリムス(抗免疫薬)などが開発された。生体物質に作用する薬は構造が複雑で有機合成で製造するのは難しい。選択性の高い微生物を利用することで目的物質を高収率で得ることができる。微生物ゲノムの遺伝子情報が分かってくると、パソコンを利用したスクリーニングも行われるようになった。
 アミノ酸を結合して製造するジペプチドには、人工甘味料のアスパルテームなどがある。ジペプチドにはL体(左手型)とD体(右手型)があり、生物はL体がメイン。D体は分解されにくい性質があり、抗生物質の構造に入っていたりする。医薬品としての作用がL体とD体で異なることがあり、配置が逆になっただけで、心拍数を片方は増加させ、片方は減少させる。医薬品としてL体をベースにしているものに、D体を組み込むことによって、新しい活性発現ができる。
 脱炭素社会に向けた研究として、木材成分のリグニンに炭酸ガスを固定して汎用化成品、機能性プラスチックに展開する技術、食品残渣などに含まれるアンモニアを取り出してリサイクルする技術などについても紹介があった。

木野先生の御略歴:
1979年早稲田大学理工学部応用化学科卒(新29回)

1981年同大学院理工学研究科博士前期課程応用化学専攻修了

同 年、協和発酵工業㈱に入社

1987年工学博士。東京研究所、技術研究所、防府工場製造部勤務を経て、

1999年早稲田大学理工学部(現:理工学術院)教授に着任、現在に至る。

早稲田大学産官学研究推進センター長、同大学研究員副委員長、同大学理工学研究所長・
理工学術院総合研究所長、国立研究開発法人科学技術振興機構開発戦略センターシニアフェロー、同機構プログラムオフィサー、かずさDNA研究所特別客員研究員などを兼任。

その他、学協会関連活動:
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構評価部研究評価委員長
公益社団法人日本生物工学会会長、バイオインダストリー協会理事、日本微生物学連盟理事などを歴任。各種財団の理事や評議員、国立研究開発法人産総研生命工学領域の審査評価委委員長、公的研究機関などの技術推進委員長や審査評価委員長などを兼務。
東京大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学等の非常勤講師を歴任。(赤字は現職・兼職・兼任

受賞歴等:
1999年協和発酵工業株式会社 社長賞
2015年文部科学大臣表彰科学技術賞(研究)受賞
2016年早稲田大学ティーチングアワード(秋学期)総長賞受賞
2020年日本生物工学会第39回生物工学賞受賞
その他専門誌論文賞4件など

以上

新17回城塚研卒、西海英雄法政大学名誉教授が瑞宝中綬章(勲3等)を受章されました。

早稲田大学応用化学科 新17回城塚研卒で、法政大学教授を務められた西海英雄氏(法政大学名誉教授)が、令和4年秋の叙勲において瑞宝中綬章(勲3等)を受章されました。
西海氏は、基礎としての装置物性と反応工学から,その応用としての環境化学工学の分野に貢献されてきました。
謹んでお喜び申し上げます。
伝達式(拝謁式)は、このコロナ禍のため中止されたとの事です(この3年開かれていません)

西海 英雄 (Nishiumi Hideo) – マイポータル – researchmap

令和4年秋の叙勲 瑞宝中綬章 (cao.go.jp)


第18回評議員会報告(2022年10月15日開催)

第18回評議員会が2022年10月15日(土)14時より開催されました。コロナの感染リスクに配慮したハイブリッド方式にもだいぶ慣れてきており、リアル30名、オンライン34名の計64名が出席されました。議長は西出先生です。

西出議長より開会挨拶

西出議長

西出議長より、大学の状況とともに、早稲田学報の特集にもある「早稲田バカ」になぞらえて応化会100周年の活性化や後輩への支援に積極的に参加して欲しい旨をお話しされました。

 

濱会長挨拶

濱会長

リアル・オンライン含めて多くの方にご出席いただいたことへの感謝をまず述べられ、今日の評議員会では、応化会のアクティビティの紹介と、来年の100周年に向けての準備状況を紹介しながら、更なる活性化に向けて評議員の皆様からいろいろアイデアをいただきたいとの依頼がありました。

第1部:応化会の活動状況報告

 ① 各委員会・支部の活動状況紹介
椎名交流委員長からは、「交流会講演会」、「リモート工場見学(花王㈱)」などオンライン併用で積極的に活動を行っていること、「先輩からのメッセージ」の1月の企画紹介がありました。佐藤広報委員長からは、先生・卒業生へのインタビュー企画、全応化会報をアーカイブ化してホームページに掲載したことが報告されました。梅澤基盤委員長からは、7月の教員との懇談会で提起したキャリアデザイン支援を組み立て、若手・学生から取り組んでいくことが報告されました。

左より 椎名交流委員長、梅澤基盤委員長、佐藤広報委員長

学生委員会からは、岡委員長より、対面で新入生歓迎会、オリエンテーション、オープンキャンパスを開催したこと、キャリアデザインセミナーを8月に開催したことが報告されました。
若手部会からは、尾崎氏から、部会のミッション等の提示と活動計画の紹介、劉氏からは、企画に関わるNACs組織の新設とキャリアデザイン企画の構想が紹介されました。

左より 岡、尾崎、劉諸氏

友野中部支部長からは、支部総会、役員会をオンラインや対面で行ったこと、11月の交流講演会の紹介がありました。斎藤関西支部長からは、総会、役員会に合わせて講演会・懇話会を行っていることが報告されました。

 ② 各世代のアクティビティの紹介
同期仲間の交流が進んでいる新20期から、名簿整備で91%の会員と連絡が取れる状況になっていること、近況便りを発行してお互いの状況を通知し合っていることが紹介されました。研究室の代表者と語学クラスの代表者を決めて連絡を取り合い、また、活動の協力者を増やしていくことが活性化のポイントだそうです。

 ③ 活動に対する意見交換
キャリアデザインに対して、応用化学科のカリキュラムに入れられないか?との提案があり、先生方からも3年生対象の応化専門演習でOB/OGの方にお話しいただくことと、学生をエンカレッジする企画を作っていきたいとのコメントをいただきました。濱会長からも応化会の人脈は非常にポテンシャルを持っているので、キャリアデザイン支援企画等をぜひ進めていきたいとのコメントがありました。

第2部:100周年記念事業の準備状況と活性化策

 ① 各事業の準備状況の紹介

下村啓副会長

100周年担当の下村副会長より、先輩方の取組みの上に築かれた応化会を次の100年に向けて発展させる節目としたいという意気込みを述べられ、来年5月20日の田中愛治総長を招いての記念講演、リーガロイヤルホテルでの祝賀会、2023年応化会報秋号を特集号とした記念誌の準備状況が報告されました。
また、斉藤奨学生推薦委員より、昨年から再募集を行っている応化会給付奨学金への寄付額も目標の1,000万円まであと一歩の901万円まで積みあがってきたこと、奨学金の給付対象を学部生に拡大し、博士進学を啓蒙する「先輩博士からのメッセージ」企画が順調に進んでいることが報告されました。
若手部会の劉氏からは、次世代情報基盤の整備進捗について報告され、会員ネットワークの深化を目指した会員管理システムやコミュニケーションツールの検討が進んでいることが紹介されました。
今後、約1か月に1回の頻度で、準備状況をメルマガ等で配信しますので、評議員の皆様には、ぜひ同期・同門の方に周知していただきたいと思います。

 ② グループディスカッション
100周年記念事業への参加の拡大と活性化をテーマに、グループディスカッションを行いました。数多くのご意見を頂戴し、その内容を披露・共有しました。まとめますと、100周年の意義の伝え方、情報発信の手段・内容、企画の魅力度向上、参加の障壁の低減、当日の対応などになりますが、いただきましたご意見は、今後の役員会や各委員会での議論を通じて企画推進に活用してまいります。

グループディスカッションの説明

会長による総括

濱会長より今回の評議員会の総括として、全世代に魅力ある応化会にしたいという方針に沿って今後も活動を進めて、ネットワークを築いていきたいこと、100周年記念事業にいただいたご意見を活用していきたいことが述べられました。

校歌斉唱・エール

早稲田大学応援部のリードで、校歌を斉唱し、エールで締めました。

エール、校歌斉唱

評議員の皆様には、今後とも同期への連絡や寄付にご協力いただき、来年の記念式典ではぜひ会場が満杯になるほどのご出席をいただけますようお願いいたします。

(文責:基盤委員会 梅澤 宏明、写真:広報委員会)

 

もうすぐ応化会100周年②

応化会の皆さんこんにちは。来年(2023年)5月の早稲田応用化学会100周年までいよいよ後半年です。100周年に向けたとりくみは応用化学会のメールマガジンとホームページで月1回お送りしています。さて、今回は以下のようにアンケートを行いますので、研究室名簿や学年評議員、若手部員の会、学生委員会の各連絡ルートを使ってご連絡をさせていただいております。(重複して連絡が行った方は申し訳ございませんがご容赦ください)

「記念祝賀会」をリアルで開催することを役員会で決定いたしました。
 2023年5月20日(土)の18時からリーガロイヤルホテル3階ロイヤルホールで行います。 
※今後のコロナ感染症の推移は不透明だが、会場ホテルの申し込み締め切りが近づいているため。    なお、ホテルの感染防止対策方針により現時点では全員着席とする計画です。会費は正有志会員が15,000円、学生会員が5,000円です。先生方をはじめ、同期や同門の方々との直接お会いできる良い機会ですので是非ともご参加を検討ください。
 なお、今回は全員着席を前提に取り進めるため参加人数の規模感の把握が必要です。(
会場のキャパシティーは余裕がある)
  また、効率とコストを考え参加申し込みもネットワークを活用して進める予定です。この準備のため、今回のご連絡にあわせ、記念講演会・記念祝賀会開催に関するアンケートを送付させていだきます。皆様、アンケートの返信をよろしくご協力をお願いいたします。

2022年11月20日 

早稲田応用化学会 100周年記念事業担当 下村 啓(1984年卒 新34回)

事務局 電子メール:oukakai@list.waseda.jp

 

 

                    アンケートは  こちらです

 

2022/11/5・11/6 2022年度学生委員会理工展出展報告

11月5, 6日の土日に渡って理工展が開催され、応化会学生委員会は展示や演示実験、屋台の出店を行う 応化展 として出展しました。
その記事が学生委員会HPに記事がアップされましたのでご報告いたします。 続きはこちら