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早稲田応用化学会:卒業生へのインタビュー 

特別編:委員長に聞く


【開催日時】2021年11月24日(水)19:00-20:50 (Zoomにて開催)
【参加者】基盤委員会:梅澤宏明 委員長(新36)
     交流委員会:椎名 聡 委員長(新36)
     広報委員会:佐藤史郎 委員長(新37)
                                        加来恭彦 副委員長(新39)
                                        原田紀子 委員(進行/新37)
     学生委員: 寺島佳鈴さん(B2)・森岡柚衣さん(B2)

本企画の趣旨

応化会では2020年に就任された濱逸夫新会長のもと、下記の基本方針が掲げられました。

  • 全世代にとって、魅力ある応化会活動に進化させること
  • コロナ禍による環境変化をチャンスにとして、次世代の情報基盤を構築すること
  • 応化会100周年記念事業の準備を進め、国内外に存在感のある早稲田応化会への変革を加速すること

それに伴い、各委員会も新体制となって活動しています。そこで、基盤委員会、交流委員会、広報委員会の各委員長に、委員会の活動状況、課題、今後の抱負等についてお話をうかがいました。会員の皆様に、応化会の”今”と”これから”をお伝えし、ご理解いただく一助になれば幸いです。

委員長ご紹介

基盤委員会 委員長:梅澤宏明さん

<ご略歴>

1988年化学工学専攻修了(平田研究室)。同年ライオン株式会社に入社。プロセス開発研究所、機能素材研究所、油脂技術研究所での研究開発業務を経て、現在は研究開発本部の業務管理部で、総務・経理・契約・技術広報・システム管理など研究管理全般の統括に携わっておられます。応化会には、採用関連の立場で2013年「先輩からのメッセージ」に関わられたことがきっかけで、基盤委員会に参加されることになり、2020年8月に基盤委員長に就任されました。

交流委員長 委員長:椎名 聡さん

<ご略歴>

1988年応用生物化学専攻修了(宇佐美研究室)。同年総合化学会社に入社。その後、長年の夢を果たすべく、1990年日本航空株式会社に入社。航空機関士としてアジア、ハワイ、国内線等に乗務された後、地上職に移られ、運航技術部で航空操作マニュアル改訂や新造機領収業務などを経て、現在は、運航訓練部でパイロットの訓練を担っておられます。応化会には、同期の井村正寿庶務理事に誘われ2016年に評議員、2017年に交流委員となられ、2019年5月に交流委員長に就任されました。

広報委員長 委員長:佐藤史郎さん

<ご略歴>

1989年化学工学専攻修了(酒井研究室)。同年ライオン株式会社に入社。オレオケミカルセンターで新規界面活性剤(濱会長が当初の開発に携われたものだそうです。)の用途別開発に従事した後、1996年に知的財産部に異動され、約25年間、特許・商標、競合解析、契約、知財関連のシステム等の他、知財企画業務にも携わられています。応化会には、2019年のライオン稲門会がきっかけで誘われ、2020年に広報委員会に参加することになり、2021年6月に広報委員長に就任されました。

 

※(基)基盤委員会、(交)交流委員会、(広)広報委員会、(学)学生委員

 

はじめに、各委員会の主な仕事、役割をお聞かせください。

梅澤(基) 基盤委員会は、応化会組織としての仕組み作りと、応化会の活性化、会員拡大を図る役割を担っています。近年のデジタル技術の進化なども取り入れ、新しい仕組みに変えていく必要があります。また応化会は先生方、幅広い年代のOB・OG、学生さんと、いろいろな立場の方が集う場所ですので、世代を超えた繋がりを大切に考えています。皆様にとって、気軽に参加でき、交流ができ、刺激し合えるような場所にしていく、そのための活動計画の策定や情報基盤の整備が主な仕事です。活動の基本は、会員の皆様から納められる会費で賄われますので、会員名簿の整備や会費納入の促進も基盤委員会の重要な仕事になります。

委員長として心掛けておられることはどのようなことですか。

梅澤(基) 基盤委員会は縁の下の力持ち的な役割ですが、世代や立場の違う多くの方が関わっていますので、多様な意見を吸い上げて、それを仕組み作りに反映していきたいと思っています。私自身はどちらかと言うと話を聞くのが得意な方ですので、主に『聞き役』となり、集まった情報を整理して、皆さんが意見を言いやすい、議論がしやすい雰囲気を作れたらと思っています。

交流委員会の仕事、役割を教えてください。

椎名(交) 多くの会員の皆様が楽しく交流し、コミュニケーションをとっていただけるようなイベントや情報発信をしています。そのひとつは『先輩からのメッセージ』で、企業で活躍中のOB/OGから就職のヒントとなる企業情報やメッセージを直接伺える機会となっており、同時に『企業ガイダンス』を応化会ホームページに掲載していただく事で会費の財源にもなっています。二つ目は、交流会・講演会の企画実施です。主にOB/OGの講演を会員に発信し、交流会、懇親会を開催しています。さらに、学生向けの工場見学会や、博士課程への関心や理解を深めることを目指した『先輩博士からのメッセージ』の企画等を実施しています。コロナ禍で、最近はほとんどがリモートになっていますが、これらのイベントを通じて、学生からシニアの皆様まで幅広く、応化会に興味を持っていただくことを期待しています。

委員長として心掛けておられることはどのようなことですか。

椎名(交) 委員の皆様はボランティアですので、それぞれの状況に応じて、無理なく楽しんで参加していただけるように、やりやすい環境づくりを意識しています。要員の不足があれば補強しながら負担を軽減すること、また基本はイベントの企画なので、それにふさわしい人を探して声掛けするように努力しています。

広報委員会の仕事、役割を教えてください

佐藤(広) 広報委員会は、応化会ホームページの作成と管理を担っています。各イベントに関わりながら、ホームページ上で情報公開し、独自企画としては『卒業生へのインタビュー』なども手掛けています。また、それぞれの研究室や会員が持っている写真や動画を集めてアーカイブを作成する活動も始めています。

委員長として心掛けておられることはどのようなことですか。

佐藤(広) 委員の皆さんはとても意識高く、活発に活動しているので、勉強になり多くの刺激をいただいています。応化会は、単なる卒業生の集まりというだけではなくて、年代を超えた連帯の強い組織だと実感していますので、それをうまく活かしていけたらと思います。暫くオンラインばかりでしたが、今後は是非、対面で集まりたいですし、100周年記念行事に向けても、皆で楽しく盛り上げてやっていきたいです。

皆様、現役の会社員で、委員長との両立にはご苦労もあるかと拝察しますが、応化会活動に携わる中でご自身の仕事の経験が役立ったこと、また応化会の活動から仕事に活かせたことがあれば、お聞かせください。

梅澤(基) 会社では管理業務をしていますので、委員会の仕事とは似たようなことが多くあります。例えば、経理や契約についても慣れていますので、委員会の仕事もやりやすいです。また委員会での様々な気づきが、会社の仕事でも役立っていると思います。

椎名(交) 私は専門外の仕事をしていますが、卒業生でも化学業界以外の方も多いと思うので、そのような会員にも楽しく参加していただけるイベントを考えることが役割と思っています。応化の専門領域での企画は、大勢いる専門家にお任せして、自分はいかに楽しく参加していただけるかを考えるポジションかと思います。また、学生の皆さんの考え方や、仕事の取り組み方を見聞きする事で、色々な気づき・発見があり、それは若いPILOT育成の業務にも役立っております。

佐藤(広) 年代を超えた人との関係づくりという点でしょうか。また、課題の解決や、物事を進める取り組み方は、委員会も会社の仕事も、同様の側面があります。自分は委員長になって日も浅いので、問題をひとりで抱えず、わからないことは教わりながらやっていけば良いと考えています。

ありがとうございました。ではここからは、応化会の現状の課題や今後に向けて、皆様と意見交換を進めてまいります。まず学生委員さんから、応化会活動についての感想やご意見を伺えますか。

森岡(学) 応用化学科は、クラスという明確なものがなく人数も多いので、普段話さない人もたくさんいます。そのような中、応化会活動をすることで、クラスや授業の枠を超えた出会いがあります。また、先輩との縦の繋がりができたことも、よかった点です。

寺島(学) 私は『卒業生へのインタビュー』に参加して、卒業生の方との交流ができ、お話を聞けたことは、とても役立っています。ただ学生は皆、授業や課題、アルバイト、サークル活動等で忙しく、活動に参加するにもスケジュール調整が大変です。企画があっても、自分の予定の中に組み込むのが難しい現状があります。

梅澤(基) 学生委員の中には、委員会を掛け持ちされている人もいますね。重複して関わっているのは、さぞ大変だろうと思います。

椎名(交) ボランティアで、こうして参加していただけるだけでも素晴らしいことです。その分、我々は学生さんの参加目的や希望を聞いて、皆さんにもメリットのある活動に繋げていく必要があります。

佐藤(広) 本来であれば、このようなイベントの後、対面で懇親会ができたら、より交流が深まったはずで、今はそれができないのは残念ですね。

次は、各委員会の連携、委員長同士の交流についてうかがえますでしょうか。

椎名(交) コロナ禍で会議がオンラインになり、お互いの委員会に参加しやすくなりました。以前は他の委員会との交流はあまりなく、決まった活動が中心でしたので、連携はむしろ良くなったと感じます。

梅澤(基) 互いの委員会に出席することで、情報交換が密になり、全体に動きやすくなりました。意見も言いやすく、また頼みやすくなったし、直接話せることで意図も伝わりやすくなったと思います。

佐藤(広) 委員長同士で、ざっくばらんに相談しやすいのは、私にはとてもありがたいことです。

椎名(交) 互いの委員会に参加するようになったのは、ここ最近のことで、オンラインだと日程の都合がつけやすく、気軽に参加できるようになりましたね。ただし、その分時間もそれなりに取られますが(笑)。でも、こうして委員会活動に関わると、同じ応化会のメンバーとして、社会で活躍されている先輩方と気さくに話せる貴重な機会が得られます。世代を超えて多様な人と付き合えることは、良い社会勉強になります。

世代を超えて、というお話が出たところで、会長が掲げられた基本方針について議論を進めたいと思います。「全世代にとって魅力ある応化会」をどのように考えますか。

梅澤(基) 世代を超えて会員が交流できることは、いろいろな考えを聞ける新しい機会と捉えられます。その中から自分にメリットのあるものを活かせるように、応化会としてそういう基盤をつくりたいと考えています。

椎名(交) (世代だけでなく)性別や職業の多様性という点でも、これまでは個別対応はあまりしておらず、また提供者目線での企画が中心だったと思います。今後は受け手目線で、求められる情報、イベントを提供していくべきでしょう。もし「参加しにくい」という理由や意見があれば、生の声を聞いて、それに対応できる仕組みが必要で、特に次世代、若手が参加しやすい環境づくりのためにも、コミュニケーションが大事です。是非、若手会員の皆様から感想や意見を出してほしいです。
 一方で、100周年の歴史の重み、伝統も大切ですので、先輩方の意見も尊重した応化会のブランド作りをする必要があります。そうやっていけば、自分達も今の若手も、シニアになった時に「参加してよかったな」と思えるようになるのかなと思います。

佐藤(広) 広報委員会は、学生委員が多いのですが、コロナ禍もあり、私は実際にお会いしたことがありません。会ったことのない学生さんに、いくら何かを発信しても、きっと伝わりにくいだろうし、学生さん自身のモチベーションも上がりにくいだろうと考えています。そういう意味でも、活動はできるだけリアルの方が実感もでき、もし良い印象を持っていただけたら、それをきっかけに参加者の裾野が広がるのではないかと期待しています。
 社内の稲門会を行うと、いつも皆が集まり交流ができ、世代を超えた仲間意識も生まれています。早稲田はそういう大学であり同窓会だと思うので、応化会活動でもそのような連帯感を形成できる場となると良いのではないでしょうか。

「世代を超えて」という視点で、学生さんからの要望やご意見ありますか。

森岡(学) 応化会では在学の先輩とは関われるのですが、卒業生とは応化委員でないとなかなか繋がれないので、このような機会は大切にしたいと思います。今日はオンラインですが、対面でもこのようなイベントがあるといいなと思います。

椎名(交) 応化会員の中では、年齢の上下はあっても立場はフラットと考え、積極的にいろいろな方に質問したり話を聞けますし、普通なら接点のないような他社の先輩や先生と話ができ、人柄を知る機会にもなります。サークルの先輩のように気軽にお声がけいただけると嬉しいです。

寺島(学) このような機会を与えていただかないと、いろいろな企画に参加できない現状があります。学生委員の中でも、参加する頻度の高い人、あまり参加しない人がいます。今日のような集まりは、いろいろな方の話を聞けるとても良い経験なので、学生委員は全員、一度は何かしら参加すると良いと思いました。また、委員会への参加機会もあると良いかもしれません。

椎名(交) 交流委員会としては学生や若手の意見や提案を吸い上げ、みんなでイベント企画を実現するシステムを構築したいと思います。若手から積極的に企画を提案して、参加していただくことに意義があります。

加来さんは学生委員も務められ、今も応化会委員をされています。長年ご覧になってきて、世代間の交流についてどのようにお考えでしょうか。

加来(広) 私が学生委員だった頃の応化会はイベントが少なく、その分、集中的に労力を掛けて皆で手を動かして行く楽しさがあったように思います。世代間交流については、卒業生も学生も入れるイベント、例えば野球の早慶戦の観戦など気軽に交流できればとよいと思います。そういったイベントの他、秋の応化展など準備から熱くかかわれる機会があるとよいと思います。私自身は(現在では難しいですが)、学内の施設を、時間を気にせず使える終夜の実験などで高揚感を味わった経験もありますが、先端の研究の一端を感じられる実験は学部の学生さんも楽しめるのではないでしょうか。この場合は、研究室の協力を得て行うことで、上下の繋がりが生まれることもメリットです。

学生委員さんには、委員間の交流、そして学生さんと応化会委員会との橋渡しを是非お願いします。では次に、「次世代の情報基盤の構築」について話題を移します。梅澤さん、具体的な課題はどのようなことですか。

梅澤(基) システム自体が古いので、ソフトも含めて変えていく必要があります。デジタルトランスフォーメーションに乗り遅れないように、次世代を担う若手主体で、今後の応化会のシステム改修を検討しています。また、議事録や活動記録、各支部の情報管理なども含めて、応化会の情報を一元管理する場所を設定し、年代や担当が変わっても記録を見られるようにしていきます。会員名簿情報はこれまでの事務局内での管理から、クラウド上に置き個人がアクセスできる管理に変える必要があります。これらの具体的な方法、コストを含めて検討していきます。

広報委員会に関する課題はどのようなことでしょうか。

佐藤(広) 次世代の新ホームページの構築ができるまで、今後2~3年の間、現行のホームページを滞りなく維持管理できるように対応していきます。現在、ホームページの管理は退職された先輩に担っていただいていますので、若手にも管理業務を分担、共有できるようにすることが課題です。

交流委員会に関連して、次世代情報基盤の構築がもたらす会員へのメリットをお聞かせください。

椎名(交) 名簿管理の改善は、会員の情報へのアクセス向上、イベントなどへの参加しやすさに繋がることが期待できます。いくら良い企画があっても、会員に伝わらなければ意味がありませんので、応化会活動の共有や、情報管理がスムーズになるのは、交流委員会としてもありがたいです。

では次に、応化会100周年記念行事に向けて、各委員会の準備状況についておうかがいします。

梅澤(基) 100周年記念行事への参加呼びかけを行うための、会員の情報収集、名簿の整備が重要と考えています。応化卒業生と繋がる様々なルート開拓が必要で、各企業の応化OB/OGや各世代の同窓会に合わせた情報発信を検討しています。

椎名(交) 100周年記念イベントの目的は、応化会の将来像を明らかにしていくことです。企画としては、田中愛治総長のご講演と、若手を含めたディスカッションなどを計画、検討しています。2023年の式典、宴会に多くの会員の皆様に参加していただき、「応化会にまた来たい、関わっていきたい」と感じていただけるイベントにしたいと考えています。そのためにも2022年から様々な発信を行い、それを通じて、皆様に興味を持って集まっていただき、100周年記念行事、そしてその後の活動も盛り上げていければと思います。

佐藤(広) 広報委員会では100周年記念誌の作成という役割があります。主要テーマに『次世代の応化会はどうあるべきか』を掲げて、執筆者の選定、「世代間の交流」の企画、また記念行事当日の報告記事を作成します。また、各研究室等に散らばっている写真やデータなどの情報のアーカイブ作成を進める予定です。2017年に応用化学科は創立100周年を迎えました。その記念事業に関連した情報も応化会100周年記念事業に継承していきます。

では最後に、委員長から会員の皆様へのメッセージをお願いします。

梅澤(基) 人生100年時代になり、会社・家庭の他にも、第2第3のキャリアを考える際に、どこのコミュニティに属しているかが大きく影響するように思います。応化会がその選択肢のひとつになり、それがきっかけで世界が開けたり、何かヒントを得てビジネスに繋がったり、新しい交流グループができたりしたらよいと思っています。応化会のイベントには、幅広い年齢層・知識・経験のOB/OGが多数参加されます。いろいろな方と出会い、話し、様々な見方、考え方に触れることで、自分の中の引き出しが増えることと思います。是非、応化会活動・委員会活動に参加してみて下さい。

椎名(交) 応化会は会員の皆様の会費によって運営されていますので、交流委員会は皆様に、興味を持って参加し楽しんでいただけるイベントを開催できるよう活動しています。しかし、イベントを盛り上げ、応化会を発展させるためには、皆様の積極的な参加とご意見、ご感想が必要です。できるだけ参加しやすく、会員同士も話しやすい、そんなイベントを考えていきたいと思いますので、是非ご参加いただき、卒業生、在校生、先生方との交流を深めていただければと思います。交流委員会で活動してみたい方は、お声かけください。

佐藤(広) 応化会活動への参画によって、それまでと異なる世代、業種、個性、才能を持った方々と、出会い交流ができますし、大学の先生や学生さんとも結びつきができます。このようなご縁は、私自身にとっての大きな財産となっています。会社にいるだけでは、こんな機会はなかなかありません。皆様にも是非応化会の活動に参加していだき、新しい交流を始めていただきたいと思います。

【おわりに】

加来(広) 大学の中でもいろいろな変化があり、時代の流れが積み増さなり歴史になるので、応化会の活動が、懐かしい感覚で世代を超えてコミュニケーションできる場になるとよいと思います。今は新しい委員長になり、委員会同士の交流も活発になっており、新しい時代を作っていくためにも、お互いに連携がしやすく良い状況にあると思います。今後の応化会活動も、このようなワセダらしい強みを活かしていけたら良いと思いました。今日は皆様ありがとうございました。

 

インタビュー後記:

OBとの初めての交流でしたが、ありがたい良いお話を聞けました。これまで応化会に参加したことのない周りの人にも勧めていきたいと思います。森岡(学)

今までこんなに応化会について考えたことがなかったので、良い機会になりましたし、皆さんのいろいろな意見も聞けて今後のためになりました。これからもいろいろな活動に参加したいです。寺島(学)

100周年という大きな節目に、応化会の未来を描く大切な時期にいることが実感できるインタビューとなりました。これを機に、多くの会員の皆様との新たな交流が始まりますことを祈念しております。原田(広)

第2回「先輩博士からのメッセージ」

【開催日時】 2021年12月18日(土) 13:00-16:00

【参加者】:39名(B2:1名、B3:6名、B4:9名、M1:19名、M2:4名)

Zoomにて開催

第1回の「先輩博士からのメッセージ」が現役の博士課程に在籍している先輩博士から修士課程や学部学生に対するメッセージとして企画されたのに対し、第2回に当たる今回の「先輩博士からのメッセージ」は社会人ドクターからの講演を中心にグループディスカッションを交えて実施された。 

開会の挨拶:下村 啓 副会長

下村 啓 副会長

皆さん、こんにちは。
早稲田応用化学会で100周年事業担当をしております新制34回の下村でございます。早稲田応用化学会では博士人材を育成・支援していくことをこの100周年を機に進めることとしております。
博士人材を増していくことによって、より良い世界をつくることにつながると思っているからです。まず、そのためには多くの人達に博士課程をより身近なものとしてとらえて頂くことが必要だと考え、このような企画を行うことに致しました。この開催にあたっては交流委員会の皆さん、教室の先生方、学生の皆さん、そして多くのOB/OGのご努力とご協力とがありました。本当にありがとうございます。この企画はまだ始まったばかりです、これからより良い企画にしていきたいと思いますので、是非ご協力をお願いします。
さて、博士人材支援の面では応化会給付奨学金の取り組みもございます。奨学金については後ほど説明がありますが、その応化会給付奨学金の資金拡充のための募金を始めています。OB/OGの皆さんはよろしくお願いいたします。
本日の会は皆さまにとって意義ある会となることを願っております。それでは今日は皆さま、よろしくお願いいたします。

講演会

講演者①;加藤 遼さん(中央大学助教、2017 西出・小柳津・須賀研究室 博士修了)
演題;『博士号を“取るまで”と“取ってから”』

加藤 遼さん

加藤遼さんは高分子化学研究室に所属され、修士課程修了後に新設された先進理工専攻一環博士課程(リーディングプログラム)に編入学され一貫性博士課程を修了されたのちにシカゴ大学博士研究員を経て中央大学の助教として活躍されている。

博士課程への進学を決めた理由としては自身の生活環境において周囲に教育者がいたことから大学入学当初より研究者かつ教育者でもある大学教員へのあこがれがあり、学部学生の時点で博士課程への進学を既に決断し、また進学にあたっては同期2名が博士課程への進学を決めたことによる安心感もあったとのこと。
一貫性博士課程へ進学した後には必修単位の多さに研究活動も加わり多忙ではあったものの専門分野と異なる座学や異分野の学生との対話によるナレッジ構築が自身の研究のヒントになることもあったとのことで、さらには海外インターンシップと海外研究機関実習の経験もその後の進路に与えた影響は大きかったそうです。インターンシップで訪れたアメリカ・オハイオ州のアクロンにある日本企業の米国中央研究所では全従業員のおよそ9割が学位取得者で海外での生活が大きな自信につながったとのこと。
一方、博士課程の研究では修士課程から研究テーマを大きく変更し、当初は手探り状態で成果がなかなか上がらない時期もあったが、試行錯誤を重ねてメディアにも取り上げられてもらえるような水素貯蔵プラスチックの作製に成功した。このことから、博士課程においては自由に挑戦と失敗が出来る貴重な時間であったと思っており、自分の行動次第でいくらでも能力を磨き、自分自身のやりたい研究が出来ることを学ぶ貴重な機会になったとのこと。
学位取得後のキャリアとしては、入学当初からの目標でもあった研究者かつ教育者の道を進むことを決断し、またインターンシップなどでの経験から海外で長期の研究に携わりたいとの思いから博士研究員の道に進むことを決断した。在籍したシカゴ大学の研究室では学位取得者は一人で研究が進められる人材とみられることとも合わせ、最も研究に集中できる時間を得ることが出来たとのこと。
以上を踏まえて、修士課程及び学部学生には何となく周囲と同じような進路選択をする漠然とした意識ではなく、自分自身での進路選択を考えて頂ければとのメッセージを頂いた。

<質疑応答>

海外生活におけるメンタルについて:一般学生でも対等に議論する雰囲気があった。ディスカッションについては真っ向から否定されるような場面もあったが基本的には真面目な議論の中でのやり取りであり普段はとても仲のいい仲間たちでメンタルについて気になるポイントはなかった。
国内では研究班を構成して同じ目的に何人かが携わることも多いが、海外における個人ベースでの研究と違いについて:アメリカでも2,3人でチームを組んで1人当たりでは2~3テーマを持つ。テーマ切り替えの判断は早かった印象がある。全体としての研究のスピード感を認識したのはこのシステムにも理由があったように思う。

講演者②;堀 圭佑さん(住友化学、2020 野田・花田研究室 博士修了)
演題;『企業研究者という選択』

堀 圭佑さん

堀 圭佑さんは、早稲田大学では化学工学を専攻され、軽量、高導電性を達成し、自立膜の形成が可能なカーボンナノチューブの構造制御によるリチウム二次電池電極のエネルギー密度を向上させる研究に従事されたのちに学位取得後、国内化学企業へ進まれている。

博士課程への進学に関しては研究室配属当初はグローバルな企業研究者として早く活躍したいという希望が強かったものの、研究を進めていくうちに、研究そのものの面白さに加えて国際学会に参加することで学位を有する研究者からのインプットや自身の研究内容を世界に発信できる喜びを体験し、研究の継続を強く望み博士課程への進学を決意したとのこと。
一方で、博士課程進学に関して、金銭面、就職活動、国内企業における博士号の有用性について不安もあった。これら不安材料については実際に博士課程進学後および就職後で考え方が大きく変わった。

不安点

不安内容

実際の状況

進学後の印象

金銭面

学費や生活費の工面への不安

早稲田の奨学金制度の充実、また大学からのサポート

奨学金制度などで学費の免除と助手にも採用されたことで収入も安定した。

就職活動

博士卒の就職内定率や採用企業数

化学系企業の多くは博士人材を採用

研究を通じた縁もある。

研究発表会で自身の研究内容に興味を持って頂いた。ひたむきに研究に没頭出来たためかもしれない。

博士号の有用性

修士卒との差別化、学位取得者のプレゼンス

自身の研究能力を高める、研究そのものの楽しさはモチベーションに影響しない

企業に進んでも周囲に学位取得者が多く(3人に1名程度)、具体的な実験計画や実験指示、結果分析及び次のステップでの実験方針決定など自分の裁量で研究内容を決定できる範囲が広く、主体的に考えて挑戦できる環境を頂けた。

また、博士課程に進学した利点として、
在学生数が多い応用化学科において個人個人に研究テーマがありディスカッションを通じて様々な分野の知識が身に付くことで、社内外のスタッフとの交流においても内容が理解できずに話についていけないということがないこと、
1つの研究テーマについて熟考することで論理的思考力を身につけることが出来、企業においてスピード感ある研究が求められる場面でも地力をつけていることで効率よく研究していくことが可能になった
のポイントをあげておられた。
以上を踏まえて、どの様な人生を歩みたいのかを考えて、博士課程進学は一つの選択肢としてじっくり考えて自分自身の進む道を選択してほしいとのメッセージを頂いた。

<質疑応答>

自分で実験を組んでいくことで大変だったと思ったことは:思った時にすぐにやりたいという気持ちが強くワクワク感があった。思った時に直ぐに動き始めた時に結果が伴わないことも多々あると思うが結果には必ず理由があることを突き詰める面白さをまた感じた。

講演者③;中村 夏希さん(東芝、門間研究室D3)
演題;『社会人博士に至るまで』

中村夏希さんは早稲田大学では物理化学(電気化学)専攻で修士課程で国際論文誌に第一著者としての研究論文を2報公開、小野梓賞受賞後企業に進まれ、研究所移転に伴い東京近郊に職場が配置転換されたのを機に博士後期課程に入学され、現在学位論文を取りまとめられている。現在の研究はイオン選択制の高い高分子フィルムを用いた効率性の高いリチウム-硫黄電池の開発である。

中村夏希さんは、修士課程の学生時代に論文投稿を既に行っていたことにより、博士課程にそのまま進んで研究を継続するより企業での新しいキャリア形成を求めて企業に就職という選択をされたが、一方で博士課程での研究推進についても強い興味を持っており論文投稿について学生に分かりやすく説明をされた。
学生時代に論文投稿する意義として、論文化出来るほどの成果ではないと考えたり論文にまとめるのが大変ではないかと躊躇したりする点について、学生時代に授業料を納付して学べる機会が与えられていないのにチャレンジし経験を積まないのはもったいないとのポジティブ思考で、論文誌も種類が多く、研究成果の内容に応じた投稿先を選ぶことや、現時点では評価されないと思われがちな成果であっても将来の糧になる可能性があること、また論文投稿の取りまとめのプロセスにおいて自身の研究成果の発表や公開を通じた成果の開示能力が身に付くといった利点を説明された。
そのためには研究の流れをしっかり見極めて十分な調査に基づき仮説を立て検証実験を実施することが重要で、結果分析とその発表により次の課題の見極めを行いまた十分な調査を実施することで研究を発展させていくことが出来ることを示された。
一方で、日本でのジェンダーギャップレベルは2021年次の調査においても先進国中で下位にある現実もあり、ライフイベントで研究活動の中断が発生する場合で企業内評価で有利に働かないなどの課題は存在することも指摘された。ただ、社会変動の大きな時代でもあり、将来を見越して有力な資格取得を考えるのも必要で博士課程でのスキルアップも考慮する選択肢であることを特に女子学生に向けてエールも送られた。

 <質疑応答>

社会人としてのキャリアを継続しながら学位取得を目指す選択肢について質問があり、社会人ドクターに関しても会社から学位取得のために派遣されてくるケースや中村さんの様に自分で希望して博士課程に進学される方もいることを説明された。中村さん自身は入社当初から博士課程を視野に入れていたことから、入社時にキャリアパスを設定する時に会社にも希望を出し、希望が通り社会人ドクターとして進学出来たので早めに動くことも一つの方法だと思うと回答された。
また、女子学生へのメッセージとして研究者を続ける過程でジェンダーギャップを感じたことはないとのこと。研究分野にもよると思うが全体数としてまだまだ研究機関においては女性数が少ない現実はあるがその点はポジティブに捉えているとのこと。

 

座談会

講演会のあと、講演者3名に加えて博士号を取得している卒業生と現在博士課程に在籍している在校生を交えてブレークアウトルーム6室に参加者を分けて、博士課程や関連する質問事項を取り上げ自由闊達な議論を実施した(20分間のブレークルームセッションを3回実施、参加者がなるべく多くの博士課程経験者から話を聞ける様に配慮した)。

座談会参加者は以下の通り(敬称略)

加藤      遼        西出・小柳津・須賀研究室出身
堀        圭佑      野田・花田研究室出身
大島      一真      関根研究室出身
伊知地   真澄      平沢・小堀研究室出身
徳江      洋        西出・小柳津研究室出身
山本      瑛祐      黒田・下嶋・和田研究室出身
村越      爽人      細川研究室出身
佐藤      陽日      細川研究室出身
梅澤      覚        木野研究室出身
吉岡      育哲      桐村研究室出身
村上      洸太      関根研究室出身
林        宏樹      門間研究室出身
中村      夏希      門間研究室
金子      健太郎   野田・花田研究室
齋藤      杏実      山口研究室
女部田   勇介      本間・福永研究室
林        泰毅      下嶋研究室
渡辺      清瑚      小柳津・須賀研究室
渡邊      太郎      木野・梅野研究室
曹        偉        桐村研究室
中軽米   純        細川研究室
加藤      弘基      山口研究室
松田      卓        関根研究室
疋野      拓也      下嶋研究室
クラーク   ヒュー     細川研究室

博士後期課程学生への支援体制:基盤委員会 斎藤ひとみ委員

斎藤ひとみ委員

応用化学会のサポートの目的は、経済的支援に加えて博士課程に進学したネットワークの強化にもある。2010年以降の博士後期課程修了者は約90名に達し、進学者の内訳は内部進学が85%、他大学からの編入が6%、社会人が9%であり、ほとんどが修士課程からそのまま博士後期課程に進学している。学位取得後の進路としては過半数が企業に就職している。早稲田応用化学会では、早期から博士人材との交流機会を増やし、博士後期課程に関する真の情報を共有することで、様々なキャリアパスを示す体制を構築している。
博士課程学生の支援体制としての奨学金制度は学外のプログラムとして貸与型、給付型などあり、学科内の奨学金制度は全て給付型で応用化学会の奨学金制度は充実している。学内では早稲田オープンイノベーションエコシステム挑戦的研究プログラムも新設された。奨学金制度を有意に活用して研究室生活の充実を達成頂きたいと考えている。世界的にも博士人材の需要は高くなっており、日本でも博士人材への需要は増加傾向にあることの説明があった。また、応化会奨学金制度は充実してきているので、対象を学部学生にも広げて博士課程に進学する学生を主に審査、奨学金供与を実施していく。

閉会挨拶:橋本 正明 副会長

橋本正明副会長

本日は大変内容の充実した、また意味のある催しを開催できたと思います。この企画を推進し、ご協力いただいた方々、お話をしてくださった博士の皆様に心からお礼を申し上げます。
いくつかの座談会に加わって、印象に残った質問に、いつのタイミングで博士進学を決めたか、また親にその進学をどのように説得したかというものがありました。
確かに私の世代もそうですが、皆さんのご両親の世代には、世の中に早く出て現場を知ることが第一という考え方がありました。戦後のかなり長い期間、日本を支えてきたエンジニアに対しては、自分の働く現場の知識をはやく身に着けて、その知識をベースとして、その生産性(効率)や品質、安全を日々改善し、国際的な競争力を築くことが使命でした。トヨタはまず顧客のニーズをよく知ること、自分の工場の現場の状況をよく見ることから継続的な日々のカイゼンに取り組み、競争優位を築きました。
しかし今日では状況が全く変わってきています。生産現場の機械化や自動化も進み、またISOをはじめとする管理システムが普及定着してきた結果、一定のフェーズ内における新たな改善は限定的になってきました。改善だけで大きな競争優位を得ることは難しくなっています。
今日の競争優位は、従来の制約であったものを飛び越えていく、言い換えれば従来より更に上位のフェーズにステップアップする新しい発想や技術が必要になっています。そこに博士人材の活躍が期待されています。国際間において学術論文数や被引用論文数が競争力の一つの指標になっているのはこうした背景からです。
博士になるというのは、一つの領域で先端の研究に携わるということです。先端の経験、即ち一つの山の頂上から周囲を見渡す視点を持つという経験は非常に大切で、社会に出て何か仕事上のミッションを与えられた時に、目先の作業課題ではなく、高所から全体を俯瞰するという視点をもって、大きなブレークスルーやジャンプアップの可能性を追求できるからです。
現在はこうした能力が、国や企業の競争力の基盤になっています。
皆さんの将来の活躍の可能性を広げるためにも、博士進学を選択肢の一つとして是非お考えいただきたいと思います。

博士人材交流会

講演や座談会にご参加いただいた博士人材の皆様にお集まりいただき、今後の開催に向けたご意見を収集する目的と、博士課程の皆様や博士号取得後社会で活躍されているOB/OGの皆さまとのコミュニケーションの場として交流会を開催した。今回はSpatial Chatをコミュニケーションツールとして設定し、自由に懇談していただいた。

Spatial Chat

(早稲田応用化学会 基盤委員会、交流委員会、広報委員会)

以上

早稲田応用化学会主催 第2回 先輩博士からのメッセージのご案内

2021年12月18日(土)13:00~16:00 (Zoomによるリモート開催)

前回8月に開催した「第1回 先輩博士からのメッセージ」で博士後期課程を身近に感じ、進学にご興味を持たれた方もいらっしゃるかと思います。今回は社会でご活躍されている先輩博士に、在学中の様子から学位取得後のキャリアパスまで幅広くお話ししていただき、学部生及び修士課程学生の皆様と交流する会を開催することといたしました。

普段はなかなか接する機会のない先輩博士と直接話すことができる機会ですので、奮ってご参加くださいますよう、お願い申し上げます。

講演者①;加藤 遼さん(中央大学助教、2017 西出・小柳津・須賀研究室 博士修了)
演題;『博士号を“取るまで”と“取ってから”』

加藤 遼さん

講演者②;堀 圭佑さん(住友化学、2020 野田・花田研究室 博士修了)
演題;『企業研究者という選択』

堀 圭佑さん

講演者③;中村 夏希さん(東芝、門間研究室D3)
演題;『社会人博士に至るまで』

中村 夏希さん

座談会参加予定者リスト
<講演者>
・加藤 遼さん    中央大学助教、2017 西出・小柳津・須賀研究室(高分子化学部門) 博士修了
・堀 圭佑さん    住友化学、2020 野田・花田研究室(化学工学部門) 博士修了
・中村 夏希さん   東芝、門間研究室(応用物理化学部門) D3
<OB/OG>
・大島 一真さん  九州大学助教、2015関根研究室(触媒化学部門) 博士修了
・伊知地 真澄さん 三菱マテリアル株式会社、2017平沢・小堀研究室(化学工学部門)、博士修了
・徳江 洋さん   三菱ケミカル株式会社、2017西出・小柳津須賀研究室(高分子化学部門)、博士修了
・山本 瑛祐さん  名古屋大学助教、2018黒田・下嶋・和田研究室(無機化学部門)、博士修了
・村越 爽人さん  塩野義製薬株式会社、2019細川研究室(有機合成化学部門)、博士修了
・佐藤 陽日さん  三井化学株式会社、2019細川研究室(有機合成化学部門)、博士修了
・梅澤 覚さん   長谷川香料株式会社、2020木野研究室(応用生物化学部門)、博士修了
・吉岡 育哲さん  学校法人早稲田大学 学振PD、2021桐村研究室(応用生物化学部門)、博士修了
・村上 洸太さん  三菱ケミカル株式会社、2021関根研究室(触媒化学部門)、博士修了
・林 宏樹さん   早稲田大学助教、2021門間研究室(応用物理化学部門)、博士修了
<博士後期課程>
・金子 健太郎さん D2  野田・花田研究室(化学工学部門)
・齊藤 杏実さん  D2  山口研究室(有機合成化学部門)
・女部田 勇介さん D2  本間・福永研究室(応用物理化学部門)
・林 泰毅さん   D1  下嶋研究室(無機化学部門)
・渡辺 清瑚さん  D1  小柳津・須賀研究室(高分子化学部門)
・渡邊 太郎さん  D1  木野・梅野研究室(応用生物化学部門)
・曹 偉さん    D1  桐村研究室(応用生物化学部門)
・中軽米 純さん  D1  細川研究室(有機合成化学部門)
・加藤 弘基さん       D1  山口研究室(有機合成化学部門)
・松田 卓さん   LD2   関根研究室(触媒化学部門)
・疋野 拓也さん  LD2  下嶋研究室(無機化学部門)

講演の日時、形式等

開催期日;     2021年12月18日(土)
講演形式;     遠隔会議用ソフト Zoomを使用したリモート講演
開会挨拶;     13:00~13:05
講演会・質疑応答; 13:05~14:35 (Zoom利用)
座談会;                   14:40~15:45 (Zoom Breakout Room利用)
応化奨学金の説明; 15:45~15:50
閉会挨拶;               15:50~16:00

その他 ;参加費無料.要事前申し込み(11月末締め切り)
     本講演ならびに座談会は日本語で実施いたします。

申し込み方法について

出席申し込みは、下記URLから11月末までにお願いします。
※申し込みの際は、wasedaメールのアドレスをご入力ください。
※今回のイベントは早稲田大学応用化学科学部1年~修士課程2年に在籍されている方が参加申し込みの対象となります。

    ⇒  https://forms.gle/BvkPS1jvfb6iUzCX9

参加申し込みをされた方には、ご入力いただいたwasedaメールアドレス宛に、参加のためのZoom情報 (URL、ミーティングID、パスコード)を12月15日頃に配信いたしますので、そちらからご参加をお願いします。

皆様、是非奮ってご参加下さい。
宜しくお願い致します。

――― 以上 ―――

(文責;交流委員会)

「先輩からのメッセージ2022」の開催日程

早稲田応用化学会 交流委員会

「先輩からのメッセージ」は、学生諸君の企業への理解を深める時期が余裕をもって確保できるよう、開催日を2022年1月22日(土)とし、準備を進めています。
 学生諸君には参加へ向けてのスケジュール調整をお願いいたします。
 当日は、「企業ガイダンス」ホームページ掲載中の日本を代表する各社に在籍されているOB・OGの皆様から直接に、学生諸君の疑問や不安について適切なアドバイスがいただけますので、将来の進路決定にも必ず役立つものと確信しております。
 本年度の実施形態は、対面、リモートの両面で準備し、新型コロナウィルスの状況により11月末に決定いたします。

 詳細な内容ならびに参加の申し込みは、改めて12月中旬にホームページおよびメールマガジンにてご案内いたします。

1.日 時 

2022年1月22日(土) 時間(開催形態により別途連絡)

2.実施方法

実施方法詳細は12月中旬にご案内いたします。 
「先輩からのメッセージ」は、一般の企業説明会と異なり、企業概要、仕事の紹介にとどまらず、応化OB/OGより直接に、会社生活や日常、普段考えていることや雰囲気などを親しく聞けることを特色としています。

3.対象学生 

学部生、大学院生(修士、博士、一貫制博士)
(進路決定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士、一貫制博士課程修了予定者を主体としていますが、将来へ備えての学部1・2・4年生、修士2年生の参加も大歓迎です。)

4.対象学科 

応用化学科および応用化学専攻、化学・生命化学科および専攻、生命医科学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等

5.お問合せ 

本件に関する問い合わせ・要望等は下記の専用アドレスまでお願いいたします。

       guidance_2021@waseda-oukakai.gr.jp

早稲田応用化学会給付奨学金への寄付のお願い

早稲田応用化学会会長 濱逸夫

趣旨

「応用化学会給付奨学金」は2005年度設立以降、「応用化学科卒業生による優秀な人材の発掘と育成の支援」を実現するために、応用化学会予算並びに卒業生有志からの寄付をもって博士後期課程進学予定の修士課程学生へ経済的な支援を行い、2020年度までに延べ48名の修士課程学生へ奨学金の給付を行なってまいりました。一方で、早稲田大学応用化学科に関わる多くの奨学金制度の整備により、博士後期課程進学者の経済的支援は充実してきました。

しかしながら、博士後期課程への進学者は年に10名程度と1割に届かず、私たちが期待するほどには増えていないのが現状です。早稲田応用化学会は、これからますます重要となってくる研究開発力や技術力を担う「博士人材を育てていく」ことで、母校早稲田大学や我が国、さらにはグローバル社会の発展に貢献致したいと考えています。

早稲田応用化学会100周年を期して、この「博士人材を育てていく」取り組みを新たに展開していく予定です。その一環として、下記のように「応用化学会給付奨学金」制度の拡充を行うとともに、制度継続のための「応用化学会給付奨学金」への募金を開始致しますので、応用化学会会員並びに応用化学会関係各位のご賛同とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

「応用化学会給付奨学金」制度の拡充

  • 給付対象を学部生まで拡大し、優秀で意欲のあるより多くの人材に対し早期から経済的な支援を行います。
  • 博士人材との交流イベント「先輩博士からのメッセージ」を新設し、早期から博士後期課程への啓蒙活動を推進します。

奨学金の構成

今回の募金活動は早稲田応用化学会100周年を期して「応用化学会給付奨学金」制度の拡充及び制度維持のために行うものであり、有志の寄付金及び応用化学会予算からの捻出を応用化学会給付奨学金に積み立てることにより制度の運用を図ります。

寄付目標総額

 目標総額:1000万円
 寄付金単位:一口 1万円より

寄付は一口1万円からお願いしております。また、寄付口数に1万円以下の端数を加えた寄付も可能です。早稲田応用化学会が100周年を迎える2023年8月末までに目標総額1000万円を達成できるよう、可能な範囲で複数口のご寄付を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

資金の管理

資金は、応用化学会の責任のもとに運用する奨学制度とし、早稲田大学理工学術院統合事務・技術センター 総務課に管理委託します。

寄付の手順

ご寄付頂ける場合は、銀行振込とインターネット利用(クレジットカード払い)の2通りからご都合の良い方法をお選びいただけます。

  • 銀行振込の場合:応用化学会事務局(oukakai@list.waseda.jp)にご一報頂ければ、寄付申込書と振込依頼書、返送用封書をご送付いたします。振込依頼書には手数料が無料となる口座情報が記載されています送付された振込依頼書を用いて指定口座に振込み、かつ記入・捺印した寄付申込書を同封された返送用封書で応用化学会宛てに郵送してください。
    必ず指定の振込用紙をご利用の上、下記銀行の指定口座にお振込ください。電信振込は手数料が発生するのでご注意ください。

手数料無料となる銀行の指定口座は以下の4つです。

      • みずほ銀行 高田馬場支店 普通1215058 口座名 早稲田大学
      • 三菱UFJ銀行 江戸川橋支店 普通0001029 口座名 早稲田大学
      • りそな銀行 早稲田支店 普通554909 口座名 早稲田大学
      • 三井住友銀行 高田馬場支店 普通1844080 口座名 早稲田大学

但し、寄付申込書を応化会宛てに郵送していただかない場合には、応化会指定寄付扱いの手続きが出来ませんのでくれぐれもご注意ください。(寄付申込書の中で指定先を応化会給付奨学金と記入する箇所があります)

  • インターネット利用の場合:大学HPから必要情報を入力することで、クレジットカード等を利用して寄付することが出来ます。
    インターネット利用の場合は、寄付申込書を郵送する必要はありません。ただし、応化会事務局で寄付情報を把握するため、寄付手続きとは別に卒業年次と氏名、寄付日および寄付金額を応化会事務局(Fax:03-5286-3892 E-mailoukakai@list.waseda.jp でご連絡ください。

大学寄付金申込サイトURL ⇒ https://kifu-form.waseda.jp/waseda/exp/explanation.htm
から進んでいただき、寄付情報入力画面で以下の内容を正確に選択してください。

・申込者区分:個人
・寄付の種類:大学各部門
・指定先:大学院
・指定先(部門):先進理工学研究科
・指定先(詳細):応用化学会給付奨学金

その後、寄付金額や寄付回数、クレジットカード情報などを入力する画面に進みます。

税額控除

なお、本奨学金への寄付金は、税額控除の対象となります。

税額控除額の算定についてはシミュレーションができます 
      ⇒ こちらhttps://kifu.waseda.jp/privilege/koujo_simulator

領収書および「寄付金控除の証明書(写)」発行については下記リンクの注意事項をご確認ください。  ⇒  寄附控除の注意事項

以上

 

 

第1回 先輩博士からのメッセージ

【開催日時】 2021年8月21日(土) 13:30-16:00
【参加者】:50名 (B1; 8名、B2; 5名、B3; 18名、B4; 9名、M1; 10名)

 Zoomにて開催

開会の挨拶:下村 啓 副会長

2023年の5月に早稲田応用化学会は100周年を迎えます。この応化会が次の世紀に向かうにあたり大切な取り組みとして「博士課程」に進む人材を増やしていくことに取り組んでいきたいということになりました。
全国的に修士から博士課程への進学率は低下する中でこれからの社会の変化に対応し、日本が世界の中で主要な役割を果たすために、早稲田大学の応用化学科においても博士課程に進む人材を増やしていくことで、より良い社会を作り出す力になるのではとの思いに至りました。
応化会では「先輩からのメッセージ」を企画し、多くの先輩方から様々な企業での働き方を紹介してもらっていますが、一方、博士課程に進む人たちがどの様なキャリアを積み、どの様な活躍をされているか、これを知る機会が少なかったと思います。そこで今回、「先輩博士からのメッセージ」と題して、博士課程の進んだ方々の話を聞き、交流する企画を立ち上げることと致しました。学部生の頃から博士課程、そしてその先のキャリアを身近に感じてもらうイベントにしたいと思っています。

講演会

講演者;加藤 弘基さん(D1 山口研究室)
演題;『有機化学に魅せられて』

加藤さんの現在の研究テーマは安定な芳香環を触媒的に脱芳香族的官能基化する手法の開発であり、インフルエンザ治療薬である「タミフル」や古くから鎮痛剤として使われているモルヒネなどの骨格を形成するシクロヘキセンといった化合物を芳香環から合成する手法であり、過剰量の芳香族や毒性を有する化合物を使用することなく複雑な三次元骨格分子の単工程合成への応用を可能にしています。

加藤さんが博士課程進学を意識するようになったのは研究室配属後、研究に没頭する中で結果が出た時の楽しさや達成感、また、研究室内での切磋琢磨といった環境因子もあり、有機化学を究めて人のためになる仕事をしたいという将来の目的がはっきりしてきた修士1年の5月頃に決意したとのこと。
とはいえ、研究室配属前から有機化学が勉強していて楽しく、勉強していく中で有機化学反応を徐々に理解していく様なった素地もあった様です。
研究室生活は教授・講師と学生との距離感が近く学年間や研究テーマに関わらず仕事のオンオフともに仲が良く、博士課程進学にあったては研究室としても背中を押してくれたとのことです。

博士課程においては自身で実験計画を立て、前日に設定した実験系の確認を午前中に実施、共同研究先とのオンライン会議に参加するなども合わせ、夕方に翌日に向けた実験系を組むなどしている。

博士課程に進学して感じたことは、奨学金制度が充実し、学費も自身で負担できるほどで研究に集中するバックグラウンドが出来上がっているほか、留学制度についても充実している様に思う。将来に対しては学位取得後に周囲から即戦力として見られるなど進路に関する部分や、研究成果を重ねていくことが求められる博士号取得への不安もあるが、周囲と議論していく中で解決策や新たな発見が得られることも楽しみであり、博士課程は遠い存在ではないことをこれから進路を模索する学部・修士の学生には理解頂ければよいと考えている。

講演者;疋野 拓也さん(LD2* 下嶋研究室)*LD:5年一貫制博士課程
演題;『無機合成って面白い』

疋野さんの研究テーマは精密に制御された無機骨格を組み上げて新たな機能を創出するもので、無機ナノ構造体の精密合成に特化した研究を行っている。ケイ素酸塩の層を有機あるいは無機化合物によるリンカーで結合することにより多孔質のサイズを調整、気体保持、光触媒、吸着剤、バイオメディカルへの応用など多岐に渡る用途に対応する素材を開発する研究であり、現在、シロキサン分子によるこれまでにない籠形の分子を合成し、リンカーには従来使用されている有機化合物ではなく金属分子を使用しているのが特徴である。

研究生は論文化まですべての過程を一人で対応することで様々な経験が出来るのも自分自身の力になっていることを実感している。分子をデザインする有機化学も面白いが一方で多様な機能を創出する分子設計を無機化合物で達成するのも強いインパクトを感じている。

疋野さんが在籍している一貫性博士課程は修士号を取得しない代わりに5年間掛けて博士号を取得するコースで進学に際しては試験もあるため、博士課程進学を決めたのは学部4年の5月頃で、進学にあたっては無機合成への好奇心、博士号取得による将来性(応化会活動の中で博士課程を取得している先輩から話を聞く機会などあり)、また研究を継続していく上で重要な環境など考慮して判断、また、博士課程進学を一つの精神的な障壁と考えた際に、そこを突破していく勢いのようなものもあったそうです。
博士号は専門性を高めたことを担保していく資格だけではなく国際性、リーダーシップ、問題解決能力なども身に着けるような訓練をされ世界で活躍する人材としてのスキルを自身の武器と出来る魅力もあると考えている。

2年間で修士号を取得して、その後の3年間で博士号を取得する区分制とは異なり、5年間で博士号を取得する一貫性博士課程は最初の2年間で通常のラボワークに加えて専門科目や俯瞰科目など受講し、資格試験(Qualifying Exam)をパスしたのちの複数指導体制下でのラボワークなどに従事し学位審査を受けるプロセスである。一貫性の先進理工学専攻のメリットとして区分制と比較しても経済的支援に恵まれているほか、インターンシップや研究留学、指導教員に加えて副指導教員からのナレッジにも触れることが出来るなどあると考えている。
学部生には研究が面白いと感じるなら博士課程進学を選択肢として考えてほしいこと、使える奨学金制度など経済的支援は活用すること、先進理工学専攻や卓越大学院プログラムに興味があれば積極的に説明会などに足を運んでほしいことなどメッセージとして伝えられた。

座談会

講演会のあと、講演者2名に加えて博士号を取得している卒業生と現在博士課程に在籍している在校生計12名を交えてブレークアウトルーム7室に参加者を分けて、博士課程や関連する質問事項を取り上げ自由闊達な議論を実施した(20分間のブレークルームセッションを3回実施、参加者がなるべく多くの博士課程経験者から話を聞ける様に配慮した)。

座談会参加者は以下の通り(敬称略)

金子 健太郎       (野田・花田研究室)
齊藤 杏実          (山口研究室)
女部田 勇介       (本間・福永研究室)
中村 夏希          (門間研究室)
林 泰毅             (下嶋研究室)
渡辺 清瑚          (小柳津・須賀研究室)
渡邊 太郎          (木野・梅野研究室)
曹 偉                (桐村研究室)
中軽米 純          (細川研究室)
松田 卓             (関根研究室)
加藤 遼             (西出・小柳津・須賀研究室 修了)
堀 圭佑             (野田・花田研究室 修了)

博士後期課程学生への支援体制:基盤委員 奨学生推薦委員 斎藤ひとみ委員

2010年以降の博士後期課程修了者は約90名に達し、進学者の内訳は内部進学が85%、他大学からの編入が6%、社会人が9%であり、ほとんどが修士課程からそのまま博士後期課程に進学している。学位取得後の進路としては過半数の約60%が企業に就職している。早稲田応用化学会では、早期から博士人材との交流機会を増やし、博士後期課程に関する真の情報を共有することで、様々なキャリアパスを示す体制を構築している。
博士課程学生の支援体制としての奨学金制度は学外のプログラムとして貸与型、給付型などあり、学科内の奨学金制度は全て給付型で応用化学会の奨学金制度は充実している。世界的にも博士人材の需要は高くなっており、日本でも博士人材への需要は増加傾向にあることの説明があった。

閉会挨拶:橋本 正明 副会長

本日のイベントを通して、博士課程についての具体的なイメージが、ある程度得られたのではないかと思います。今日の世界の情勢においては、Doctorレベルの研究者の活躍が国際競争力のキーとなっています。従来、日本で得意であった効率化や改善の積み重ねによる競争力は、IT技術や自動化の進展、そしてISOなどの標準化されたマネージメントシステムの普及によって以前ほどは大きな差を生まなくなりました。一方で技術的なブレークスルーを追求して大きな障壁を乗り越えていく力が今日の競争力の重要な基盤になっています。こうした状況からも、その技術力をベースに、世界において競合する技術分野の俯瞰的な視野を踏まえて活躍できるDoctorに対して、社会的な評価や期待は非常に高くなっています。特に日本だけではなくGlobalで活躍するためには、Doctorであることによってその活躍のポテンシャルは格段に高くなります。多くの人材が博士課程に興味を持って進学し実力をつけて、Globalのレベルで活躍していくことを期待しています。

講演や座談会を通じて参加者からは次のような意見があった。

博士人材交流会

講演や座談会にご参加いただいた博士人材の皆様にお集まりいただき、今後の開催に向けたご意見を収集する目的と、博士課程の皆様や博士号取得後社会で活躍されているOB/OGの皆さまとのコミュニケーションの場として交流会を開催した。ブレークアウトルームをいくつか設定し、自由に懇談していただいた。参加者からは良い刺激になったとのご意見を頂き、今後も皆様から頂いたご意見を参考に博士人材の交流の場として展開して参ります。

博士課程進学に対するハードル:

  • 能力の高い人物が進学すべきと考えていたが、研究が好きになれるかどうかが重要であるのではないかと思い、博士進学に対する精神的なハードルが下がったように感じた。
  • 博士課程は修士課程よりもハードルの高いイメージがあったけれど先輩方の話を聞いてイメージが変わった。博士課程進学の背中を押してもらえた気がした。
  • 博士は修士からさらに専門的になったものだろうと単純に考えていた。実際にはそれだけでなく企画する力や国際的な能力など、研究する専門分野の知識、能力以外にも様々な力を養う機会になることを講演を通して知ることができた。

博士課程進学におけるサポート体制

  • 博士における奨学金などの制度について詳細に知ることができてよかった。
  • 博士課程に進む上で経済的な不安があったが、話を聞いて和らいだ。
  • 企業就職後にアカデミアに戻られた方や社会人ドクター博士課程で研究されている方に対する奨学金制度に興味がある。

その他

  • 博士課程に進学後の生活が修士課程と大きくは変わらないと聞いて安心した。
  • 一貫性博士課程や卓越大学院プログラムなどを知ることができてとても勉強になった。
  • 博士課程に進学した後の進路選択や就活などにも興味がある。進路選択の理由や就職活動の流れについて社会人博士人材からも話が聞きたい。

次回開催は2021年12月18日予定

以上

(早稲田応用化学会 基盤委員会、交流委員会、広報委員会、奨学生推薦委員会)

 

 

 

「リモート学生企業施設・工場見学(DNP)」レポート

これまで、“バスツアー”で関東近郊の企業の工場を見学する企画で運営してきましたが、コロナ禍の環境で、大学サイド/企業サイドいずれも団体での行動が制限されており、今回は新たな試みとして、大学と企業をリモートで結んだ “企業訪問” を行いました。

以下文中では リモートにおける行動、役割であることを明確にする場合に“ ” を付しています。

リモートの利点を活用し参加者は約50名、また、OB、OG懇談会ではDNP各サイトからの参加がありました。

1.概要

【日程】 2021年6月10日(木) 16時40分~18時40分

【”訪問”先】大日本印刷株式会社:DNP 

1)     パート1;P&Iラボテクノロジー

P&I:Printing Technology & Information Technology
参加学生の個々のデバイス(ノートPC、スマホなど)とDNP五反田をリモート接続ツール:Teamsで接続

2)     パート2:OB、OG懇談会

【参加学生】対象:学部1年生、2年生の希望者
                  (3,4年生、修士学生からも希望者の参加がありました)

参加者:約50名

【”引率”】山口潤一郎教授、須賀健雄准教授

【DNP】ファインオプトロニクス事業部 鈴木智之@五反田 新31 1981年 加藤・黒田研
    研究開発センター 那須慎太郎@つくば 新52 2002年 黒田研
    高機能マテリアル事業部 住田裕代@北九州戸畑 新68 2018年 小柳津・須賀研

2.詳細

1) パート1;P&Iラボテクノロジーの説明(DNP ホームページより)

DNPの技術は、モノづくりの基礎となる「微細加工」「精密塗工」「後加工」と、それを支える「企画・設計」「情報処理」「材料開発」「評価・解析」に大きく分かれ、それぞれの技術が拡がり、高度化することで、さまざまな技術に発展しています。印刷から発展したDNPの技術は、現在も進化を続けています。
しかし、DNPの強みは多くの技術を持っていることだけではありません。これらの複数の技術を掛け合わせ、新しい価値を持つ製品やサービスを生み出せることが特長です。
例えば「本」をつくる際は、基礎となる印刷技術や製本技術を掛け合わせ、さらに素材となる紙を掛け合わせて作られています。その後、素材となる紙をフィルムや金属に置き換え、さらに高度化した技術を掛け合わせることで、パッケージ、建材、エレクトロニクス部材などの製品やサービスを生み出してきました。

◎技術の樹

◎DNPの製品例

  • ICカード
  • フォトブース
  • 食品パッケージ
  • 生活空間関連
  • リチウム電池用バッテリーパウチ
  • 電子デバイス関連

◎参加学生の感想(代表的なものをピックアップ)

  • 印刷事業のみならず、幅広い分野にひろがっており、大日本印刷のイメージが変わった。
  • 印刷と化学との結びつきが想像以上に広範囲であることがわかった。
  • 印刷技術が細胞培養や毛細血管シートなど医療分野にも応用されており驚いた。

2)   パート2:OB、OG懇談会

 参加学生からの下記の質問を中心に、OB、OG懇談会を実施しました。

    • P&Iラボテクノロジーに関連したDNPのビジネス・技術に関するもの
    • 学生時代に取り組んだこと/学生時代にしておいた方が良いこと
    • 仕事の内容/就職の考え方

また、山口先生から下記の質問があり、OB、OGの経験の中から具体的な回答・説明がありました。

    • 海外駐在員の経験について
    • 博士の活躍の場について
    • DNPの魅力について

◎ 参加学生の印象に残ったこと(代表的なものをピックアップ)

    • 1、2年生の勉強が大事であること
    • 機器分析・分析実験を含め基礎的な積み重ねの重要性と、それらが将来に繋がっていくこと
    • 博士課程に進んだことで、研究の段取りやアプローチを決められる仕事についたこと

最後に応化会の活動として

  • 企業ガイダンス/先輩からのメッセージ
  • 交流会講演会

の案内を行いました。

 

以上

早稲田応用化学会 交流委員会主催 第36回交流会講演会

2021年7月3日(土)15:00~16:30 (Zoomによるリモート開催)

講演者 上沼敏彦氏  ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
    NA事業部 カスタムバイオテック部 部長
演題 『COVID-19の現状と対策』
副題 「COVID-19にいかに立ち向かうか」

講演者 上沼敏彦氏

講演者略歴

1986年3月 早稲田大学 大学院 理工学研究科 応用化学専攻(宇佐美研究室)修了
1986年4月 株式会社 資生堂 基礎科学研究所
1989年1月 同社 ライフサイエンス研究所
1990-91年  東北大学 大学院 医学研究科 脳疾患研究施設 脳神経外科 留学
1996年    同社 スキンケア研究所
1997年    博士(工学)早稲田大学
1998年6月 旭硝子(現 AGC)株式会社 機能性商品開発研究所
2006年5月 ロシュ・ダイアグノスティックス(現在に至る)
2007年    ロンドンビジネススクール エグゼクティブプログラム
2015年    慶應義塾大学 理工学部 生命情報学科 非常勤講師

はじめに

 今回も前回と同様、リモート方式による交流会講演会として開催致しました。
参加者:134名(卒業生115名[講演者、先生を含む]、在校生19名)
本講演会には早稲田応用化学会の橋本副会長にもご参加頂き、ご挨拶を頂きました。

                               左:橋本副会長                                          右:椎名交流委員長

その内容については、本講演会の進行に合わせまして本文の最後のところに掲載させて頂きました。

まず椎名交流委員長による開会宣言、視聴に当たっての依頼事項、及び講演者の略歴紹介が行われた後、講演が始まりました。
なお、本講演会におきまして講演者が作成し、説明のために使用されましたプレゼンテーションファイルが応化会HP内の資料庫に格納されています。こちらのファイルも是非ご覧下さい。

(閲覧には資料庫のパスワードが必要です。)

講演会

ロシュグループについて

ロシュはスイス・バーゼルに本拠を置き、医療に関する早期発見から予防、診断、治療、さらにはQuality of Life(QOL)向上まで、患者と社会のための医療を体現している。

ウィルスについて

細菌や真菌の1/10~1/100ほどの大きさしか持たないウィルスは宿主に感染することで増殖し、COVID-19については、ウィルス膜タンパク上のスパイクが気道の感受性細胞のレセプター(アンジオテンシン変換酵素Ⅱ:ACE2)に結合することで細胞内に侵入することが知られている。このACE2は高血圧発症にも関与するレセプターであり、基礎疾患を有する患者へのリスク検討でも議論の対象となっている。

ウィルス感染から抗体獲得までの流れ

ワクチンの効能効果の基礎的な知識としてマクロファージやナチュラルキラー(NK)細胞による自然免疫と樹状細胞が認識した情報をもとにリンパ球で産生されるB細胞、T細胞による獲得免疫により浸入したウィルスは不活化されるが、mRNAしか有さないCOVID-19は遺伝情報の転写エラーにより変異を生じやすく、スパイクを形成する遺伝情報を持つアミノ酸配列の変異によりスパイクの形状が変化する(アミノ酸の変異個所と変異前後で入れ替わるアミノ酸の種類により変異株は命名されている:452番目のアミノ酸がロイシン(L)からアルギニン(R) に置換された場合L452R、など)。

感染・伝播性の懸念がある変異型ウィルス(VOC)はウィルスの変異株に国名を提示しないルールにより、確認されたイギリス、南アフリカ、ブラジル、インドそれぞれの変異種にα株、β株、γ株、δ株とそれぞれ命名され、感染伝播の懸念は確認されていないが直近で報告された変異株には注目すべき変異株(VOI)としてラムダ株が加えられた。

COVID-19の検査法

検査方法

PCR

抗原検査(定性)

抗原検査(定量)

抗体検査

検体採取

鼻腔・唾液

鼻腔

鼻腔

血液

検出対象

RNA

ウィルスタンパク

ウィルスタンパク

血中タンパク

精度・特徴

精度は高いがPCR走査に時間を要する

迅速で簡便だが精度が低く陰性判定のリスク

定性型抗原検査より精度は高いがPCRに及ばない

特異性低く、WHOも推奨なし

検出場所

検査機関・PCR導入機関であれば採取場所

採取場所

空港検疫など(採取場所)

検査機関

このほかにも新たな検査方法が各種研究機関により進められている。

ワクチンの種類と特長

ワクチンには弱毒化した生ワクチンや細菌毒素を取り出して無毒化したトキソイド、ウィルス遺伝子を除去し無毒化した膜タンパク(外殻部)のみで構成されるウィルス様粒子などもあるが、COVID-19に関しては不活化ワクチン、mRNAワクチン、ウィルスベクターワクチンが実用化されている。

不活化ワクチンは有精鶏卵にウィルスを接種増殖させたのちに回収してエーテルで不活化したものが使われ、mRNAワクチンはスパイクタンパクを標的としてその遺伝情報を持つmRNAをリポソーム内に封入しており、ウィルス遺伝子の本体は使用しないためウィルスによる感染リスクがない。ウィルスベクターワクチンはアデノウィルスの外殻部にCOVID-19ウィルスの遺伝情報の一部を封入することで抗原となるCOVID-19タンパクを創製し抗原抗体反応を惹起する。

世界のワクチン開発状況と接種効果

ファイザーやモデルナが開発したワクチンはmRNAによるもので、アストラゼネカ社やジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したワクチンはアデノウィルスベクターを利用したウィルスベクターワクチンになる。

スパイクタンパクの結合部位に対する中和抗体(抗RBD抗体)の産生はファイザーのmRNAワクチン接種後1週間ではベースラインからほぼ変動しないが、3週目に掛けて個人差のバラツキの大きな産生を示し、ここで2回目の接種をすることで4週目以降ほぼ定常状態に達する。モデルナ製のmRNAワクチンは4週目で2回目の接種を実施している。

また、一度COVID-19に感染した患者については既に体内で抗体が作られていることから、ファイザー製のワクチンを1回接種した段階(接種後7日)でほぼ定常状態に近い抗体値が得られていることも明らかになった。

ワクチン接種後の副反応についてもデータが集まりつつある。国内においては定期的に厚生労働省が副反応の発現状況について公開しているが、現時点(2021年6月13日時点)でmRNAに接種による集積データでは重大な懸念は認められないとの評価が下されている。

mRNAワクチンの製造

ロシュはファイザー製ワクチンの生産受注をしているため、ここではファイザー製mRNAワクチン製造に関して説明された。まず、mRNAを作成するために必要なコロナスパイクタンパク産生情報を持つ遺伝子をプラスミドに組み込み、E.coli(大腸菌)へ組み入れる。E.coliは20分ほどで倍増するため、7時間ほど培養を繰り返したのちに、E.coliを後処理しプラスミドを回収、この時点で品質管理を実施してプラスミドから制限酵素を用いてコロナスパイク遺伝子を切り出す。その後切り出したDNAからmRNAへの転写により作製したmRNAを精製、その後リポソームにmRNAを組み込んでワクチン原液となるが、300Lの培養で75万回分接種相当のmRNAが製造できるとのこと。

日本でのワクチン開発状況について

国内でもmRNA、組み換えタンパク、不活化ワクチンなどワクチンの開発が進んでいる。ただし、ワクチン開発費用に関して、米国で開発補助金として国家がサポートする金額は、日本における開発補助金の10倍程度もある。

また、欧米ではリスクベネフィットを考慮してベネフィットがリスクを上回ると判断された場合には積極的治療が実施されるが、日本はゼロリスク志向の国民性ということも、早期承認への障壁の一つになっている。

ワクチンと臨床状況

ワクチン接種による副反応について懸念する声が聞かれるが、糖尿病や高血圧といった基礎疾患がある場合の接種は可能、またワクチンやワクチンの添加剤(ポリエチレングリコールなど)に対するアレルギーやその他食物アレルギーの既往がある場合でも接種は可能とされている。ただし、アレルギーの既往に対しては接種後30分の経過観察が求められている。手術や臓器移植などで免疫抑制剤を使用している場合や免疫不全の既往がある場合も接種は可能だが、免疫抑制剤の影響は注意すべきとの指摘もある。

妊産婦、授乳婦については接種可能で、小児に関しては12歳以上の接種は承認されているが12歳未満の被験者については臨床試験が開始されたところである。

仮にCOVID-19に罹患してしまった場合、国内においては抗ウィルス治療薬が承認されているほかサイトカインストーム抑制などの対症療法として2剤が承認されており、コロナ抗体カクテル治療など国内で承認申請段階にある薬剤が控えている。

ある疫学調査の結果からはCOVID-19に罹患した患者の87.5%に何らかの後遺症が認められたとの報告もあり、感染症症状の寛解後も疲労が抜けない(ウィルス後疲労症候群)や、感染時に誘発された肺や心臓への臓器損傷や呼吸困難など、感染時の症状の持続といったものが複合的に持続した事例が紹介されている。

Global企業に思うこと

特に学生諸君に訴えたいのは、辛いことがあっても頑張って究めていけば色々新しいものを掴むことが出来る、ということです。そのための手段の一つとしてお勧めするのがPh.D.を持つことです。これにより私の場合はロシュの中で幹部となり、幹部でなければ得られない経験が得られたと思っています。またPh.D.を持つことにより世界中の色々な場所でどんな人とも対等に話が出来て、経営にも入っていくことが出来ると思います。これから社会に飛び立っていく皆さんの活躍を楽しみにしております。

私は今年60歳になりますが、ここで立ち止まることなく別の仕事に打ち込んでいこうと思っています。またいつかどこかでお会いしましょう。

FAQ、質疑応答

  • 複数のウィルスへの同時感染:

COVID-19の変異株との同時感染の事例はあるが、科学的な根拠はないとのこと。

  • 飛沫感染に関して、ウィルスを含んだ飛沫のサイズからは数時間にわたり飛沫は浮遊し、地表への落下は遅いと考えられるが感染のリスクは:

より長時間浮遊しているというデータもある。接触感染という観点からの注意は必要ではあるが、種々の環境因子なども考慮すべきで何とも言えない。

  • 海外で1回目と2回目で別のタイプのワクチンを接種することで中和抗体化が高くなったとの報告もあるようだが:

いくつかの地域においてそのような報告があるのは承知している。ただ、収集された情報を検討するに症例数が十分ではなく、それがエビデンスのあるデータとして見るべきかの検討には早計であると言われている。

  • 副反応について、年齢層、性差等は認められているのか:

日本国内における集積データ(疫学調査)が蓄積されてきている。現時点で発現率にそれぞれ差はあるようだが2回目接種における副反応発現は認められている。

質疑応答後、早稲田応用化学会の橋本副会長から閉会のご挨拶を頂きました。

橋本副会長からのご挨拶

 色々興味深いお話を有難う御座いました。
これまで1年半に亘り世界中がこの感染症に振り回されており、何が信頼出来て何がPriorityの高い情報なのか分からない状況下の中、今日のお話を伺って今後色々なことを判断する上での明確な基準が持てたように思います。また、今回のように参加者全員が自分自身に関わる問題としてまさに直面しているテーマを対象として説明を頂いた講演会は前例が無いように思います。皆さんが本日得られた知識等を元に適切な判断をして無事にこの状況を乗り切り、早い機会にこの感染症を抑え込める日が来ることを期待しております。
お忙しい中時間を取ってご講演して頂きました上沼さんに心からお礼申し上げます。有難う御座いました。

――― 以上 ―――

(文責;交流委員会)

第1回 先輩博士からのメッセージのご案内

2021年8月21日(土)13:30~16:00 (Zoomによるリモート開催)

このたび早稲田応用化学会主催の新しい試みとして、学部生及び修士課程学生の皆様と、先輩博士と交流する会を開催することといたしました。

第一回は、8月21日午後に開催し、博士後期課程学生2名による講演と、その他の研究室先輩博士を交えた座談会を行います。
次回以降は博士号を取得した先輩博士も講演予定です。
普段はなかなか接する機会のない先輩博士と直接話すことができる機会ですので、奮ってご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
また応化会より博士後期課程学生への支援体制についても説明させていただきます。

講演者①;加藤 弘基さん(D1 山口研究室)
演題;『有機化学に魅せられて』

加藤 弘基さん

講演者②;疋野 拓也さん(LD2* 下嶋研究室)*LD:5年一貫制博士課程
演題;『無機合成って面白い』

疋野 拓也さん

 

 

 

 

 

座談会参加予定者リスト

    • 金子 健太郎さん D2  野田・花田研究室
    • 齊藤 杏実さん  D2  山口研究室
    • 女部田 勇介さん D2  本間・福永研究室
    • 中村 夏希さん  D2  門間研究室
    • 林 泰毅さん   D1  下嶋研究室
    • 渡辺 清瑚さん  D1  小柳津・須賀研究室
    • 渡邊 太郎さん  D1  木野・梅野研究室
    • 曹 偉さん    D1  桐村研究室
    • 中軽米 純さん  M2  細川研究室
    • 松田 卓さん   LD2   関根研究室
    • 加藤 遼さん    中央大学助教、2017 西出・小柳津・須賀研究室 博士修了
    • 堀 圭佑さん         住友化学、2020 野田・花田研究室 博士修了

 講演の日時、形式等

開催期日;2021年8月21日(土)
講演形式;遠隔会議用ソフト Zoomを使用したリモート講演
講演会; 13:30~14:20 (Zoom利用)
座談会; 14:30~15:40 (Zoom Breakout Room利用)
博士後期課程学生への支援体制説明;15:40~15:50
質疑応答;15:50~15:55
閉会挨拶;15:55~16:00

その他 ;参加費無料.要事前申し込み(7月31日締め切り)

申し込み方法について 

出席申し込みは、下記URLから7月31日までにお願いします。
 ※申し込みの際は、wasedaメールのアドレスをご入力ください。
※今回のイベントは早稲田大学応用化学科学部1年~修士課程1年に在籍されている方が参加申し込みの対象となります。

  ⇒     https://forms.gle/6TkwE5jDAhXuecJ96

参加申し込みをされた方には、ご入力いただいたwasedaメールアドレス宛に、参加のためのZoom情報 (URL、ミーティングID、パスコード)を8月18日頃に配信いたしますので、そちらからご参加をお願いします。

皆様、是非奮ってご参加下さい。宜しくお願い致します。

――― 以上 ―――
(文責;交流委員会)

2021年度(36回)早桜会総会議事録

2021年度早桜会総会議事録

日時:2021年4月10日(土)14:30~15:00

会場:オンライン(ZOOM)にて実施

出席者:20名
関西支部:
津田實(新7回), 島雄(新7回),井上征四郎(新12回),前田泰昭(新14回),市橋宏(新17回),田中航次(新17回),井上昭夫(新17回),岡野泰則(新33回),斎藤幸一(新33回),和田昭英(新34回),脇田克也(新36回),高田隆裕(新37回),中野哲也(新37回),髙島圭介(新48回),數田昭典(新51回),澤村健一(新53回),陳鴻(新59回),三品建吾(新59回),古田武史(新61回),桜井沙織(新64回)  議長:
議案の前半(3)まで田中2020年度支部長、後半(4)以降斎藤2021年度支部長

議案
(1)2019,2020年度事業活動実績報告
[2019年総会及び特別講演会]:
       2019年3月16日実施(神戸大学六甲)
       講師:早稲田大学応用化学科 松方正彦教授、和田宏明教授
       演題:早稲田応用化学科100年史
[2020年度総会]:
       2020年9月26日実施(第1回役員会にて代替しZOOMにて実施)  [2019年度講演会]:
       2019年9月28日実施(中央電気倶楽部)
       講師:JXTGエネルギー 原敬氏(新36回)
       演題:石油精製技術の歴史と今後の展望 
[2020年度講演会]:未実施
[2019年度懇話会3回] (中央電気倶楽部)
       2019年6月1日
     講師:高田隆裕氏(新37回 村田製作所)
       演題:(株)村田製作所の電子部品とそれを支える材料技術
       2019年12月7日
    講師:前田泰昭氏(新14回 大阪府立大学)
       演題:原料をカスケード利用して軽油より安価なBDF (バイオディーゼル燃料)とバイオマス化成品を製造するプロセスの開発
      2020年2月15日 
      講師:市橋宏氏(新17回 元住友化学)
      演題:小学校理科教育の現状と課題
[2020年度懇話会2回] (ZOOM)
      2020年10月31日
      講師:岡野泰則氏(新33回 大阪大学)
      演題:当世学生気質
     2021年2月6日
   講師:野田優氏(早稲田大学)
     演題:持続可能なモノづくりとヒトづくり -化学工学者の試み-

 →2019年第1回以外は役員会も同時実施
 [中部支部との交流] :
     2019年3月26日 支部幹部意見交換会実施
     2019年4月6日 中部支部総会出席

(2)2019, 2020年度予算実行報告
    2019年・・・予算:198,000円,決算:88,025円
 2020年・・・通信費で460円

(3)関西支部(早桜会)役員改選
2020年度役員は本日をもって任期満了になることから、田中支部長より新役員候補として下記各位の推薦があった。

支部長:斎藤幸一(新33回)
副支部長:和田昭英(新34回)
監事:中野哲也(新37回)
事務局長:澤村健一(新53回)
理事:脇田克也(新36回),高田隆裕(新37回),數田昭典(新51回),陳鴻(新59回), 三品建吾(新59回),古田武文(新61回),桜井沙織(新64回)田中現支部長、市橋現副支部長は2021年度より顧問に就任

(4)2021年度事業計画
     2021.4.10 総会, 特別講演会(本日開催)
     2021.9~10 講演会(講師:新46回 大宮氏)
     2021.6, 2021.12, 2022.2の計3回懇話会及び役員会を実施予定
      ※2021年6月の中野氏の懇話会では哲学をテーマにした懇話を予定(6/26を候補日)
     ※中部支部会、懇親会に支部を代表して2名派遣予定

(5)2021年度予算(案)
2020年度予算案と同様に198,000円にて申請

議案はすべて承認された。

以上


斎藤幸一氏の特別講演

総会終了後に支部長の斎藤幸一氏より、「新型コロナウイルス感染症(Covid 19)を正しく理解するための基礎知識」が早桜会勉強会としてオンライン講演が行われた。要旨を以下に示します。

コロナ基礎(早桜会)サマリー