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新制12回 同期会報告(2019年3月13日)

昭和33年に応用化学科(05)に入学したので、私達は「3305クラス会」と名づけて、ここ20年ほど毎年クラス会を開催しております。

 今回は「銀座でワインを飲みながらフレンチを楽しもう!」とのコンセプト、「銀座 Sun-mi 高松本店」で12時から開催しました。参加者は、奈良から駆け付けた井上(征)さんを含め30名。

 森川幹事の開会挨拶と白ワインで乾杯の後、細田幹事の司会で30名全員がスピーチを。趣味の話、健康の話、108歳の母の話、18歳の愛犬の話、〇〇首相の批判など、談論風発。

3305クラス会では、「ネットによる連絡網」を始め「旅行」、「作品展」、「ゴルフ」などを行っており、スピーチの合間にそれぞれの幹事から今年の予定の案内があり、綱島さんの6弦ウクレレ・ギター伴奏により「花」、「思い出のグリーングラス」を皆で唄い、大変盛り上がりました。

 米田幹事の閉会挨拶と記念写真撮影の後、来年の再会を約し予定の14時30分に解散。翌朝、「雰囲気も良く、美味しい仏料理で楽しかった」との参加者半数以上からのメールで、幹事3名胸を撫で下ろしました。

                       (文責:森川、写真:米田)

集合写真

2018年度 応用化学専攻褒賞・奨学金授与式

司会:小堀 深 専任講師

 

3月7日木曜日、少し早い春の長雨が降り続く中、応用化学専攻褒賞・奨学金授与式が小堀深専任講師の司会により挙行された。若尾真治先進理工学研究科長の祝辞で始まり、水野賞・水野敏行奨学金、応用化学会給付奨学金、中曽根荘三奨学金、里見奨学金森村豊明会奨励賞の5つの褒賞・奨学金授与式が行われた。 22名の受賞者は、賞状を各代表者より直接渡され、緊張の面持ちの中に将来への自信のようなものが垣間見られた。

祝辞 若尾真治先進理工学研究科長

水野家代表、元応用化学会会長の河村宏様をはじめ、応用化学会副会長の橋本正明様、里見奨学会事務局長の田部修士様より受賞者を鼓舞する大変ありがたい祝辞を頂いた。また本年度より森村豊明会奨励賞が新設されたが、出席された森村豊明会の森村潔理事より、お祝辞と共に奨励賞新設の経緯が紹介された。応用化学科100周年を記念し、100年前の応用化学科設立の際多大な貢献をして頂いた森村豊明会と再び繋がることができ、その歴史的な意義に改めて深い感銘を受けた。  

最後に、水野賞受賞者の齋藤祥平君が、受賞者代表として御礼と今後の抱負を述べ約40分の式は閉会となった。

受賞者挨拶 齋藤 祥平君

 記念講演会では、東京大学の吉田亮教授から「インテリジェントゲル」に関する大変興味深いお話を聞くことができた。吉田先生は26年前に水野賞を受賞された我々の先輩でもある。講演では、吉田先生が大学院時代の恩師より受けた言葉を胸に、ゲルの世界を大きく展開していくお話に久しぶりに心が躍る思いがした。研究とは面白いものだということを再認識でき、特に聴講した受賞者には響いたのではないかと思う。

東京大学の吉田亮教授

 その後のポスター発表会では、参加者の活発な議論が展開されたが、受賞者同士がお互いの研究について熱く語り合っている姿が特に印象に残った。上からのアドバイスももちろん必要だろうが、横の繋がりから思わぬヒントも得られたのではないかと嬉しくなった。

Poster Session

 学科主任の門間教授の挨拶で始まった懇親会では、引き続き研究の話で盛り上がる場面もあったが、研究室での生活に関してや、今後の進路について忌憚のない意見交換がなされ、密度の濃い時間を過ごすことができた。

 受賞者の益々の発展を期待すると同時に、これだけ多くの褒賞・奨学金を独自に持つ応用化学専攻・応用化学科の力強さを改めて感じた一日であった。

(文責:広報委員会)

 

第19回 先生への突撃インタビュー(細川 誠二郎 准教授)

細川 誠二郎 准教授

 

「先生への突撃インタビュー」の第19回として細川 誠二郎 准教授にご登場願うことにしました。
今回も学生、現役OB にインタビュアーとして参加をしてもらい、応化会の本来の姿である先生・学生・OB /OGの3 者による合作を目指しました。細川先生にも快く賛同していただきましたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。

  細川先生のプロフィール:

  • 1991 年 北海道大学理学部化学科卒業
  • 1993 年 同大学院理学研究科 博士課程前期課程化学専攻 修了
  • 1996 年 名古屋大学 大学院農学研究科 博士課程後期 食品工業化学専攻修了・博士(農学)
  • 1996 年 日本学術振興会特別研究員(PhD)(名古屋大学、米国スクリプス研究所)
  • 1998 年 東京理科大学 薬学部 助手
  • 2003 年 早稲田大学 理工学部 応用化学科 専任講師
  • 2007年より 同 理工学術院 准教授

  受賞

  • 2003 年 有機合成化学協会研究企画賞
  • 2008 年 有機合成化学奨励賞
  • 2010 年 Thieme Journal Award 2010

・先生の現在に至るまでの足跡をお話頂けますか?
   ~将棋と有機合成に類似性がありますね~

今思い起こすと、小学生頃から将棋が好きでしたが、将棋の考え方や詰め方などは有機化学の多段階合成に似ていると感じることがありますね。手順前後ではだめで、ターゲットを決めて理詰めに組み立てるプロセスは非常に似ていると思います。将棋以外は、田舎育ちでしたので、子供会でソフトをやったり、虫取りや釣りなどに興味を持っていましたが、特に理科少年ではなかったと思います。自分は子供のころから体内時計が壊れているようで、幼虫から虫を育てる時には午前2 時、3 時まで観察を続けていたこともありました。育ちが岡山県の児島で、遠くに水島コンビナートの夜景が望めたのと、化学が得意だったこともあり、何となくそちらの方面に行くのかなと思っていたのが高校の始めのころでした。その後高分子化学に興味を持ち、北海道大学に進学したのですが、1,2 年次の授業の中で、低分子、特に天然物(キノコの毒など)が個体の運命を決めることに興味を強くもつ様になり、理学部の化学科に進みました。その一方で、天然物は得られる量が気象などに左右されるので、これを補完する意味で有機合成が役立ちますし、何よりも、モノを作る技術はとても強みになると思うようになりました。このような経過を辿り、有機合成の研究に強く興味を持つようになり、はまり込んでいきました。修士にも自然の流れで進みましたが、指導教授が間近に定年になることから博士課程には、当時、有機化学が全般的に強かった名古屋大学に進みました。当時、生え抜きでも博士課程3 年で博士号を修得するのが難しい中で、博士課程から所属を変えることになったのですが、有機化学をつきつめたいという思いと、3 年でやりきれなければどこでもやっていける研究者にはなれないだろうという覚悟をもって入りました。私が大学院生の時はちょうど大学院重点化の時期でして、企業からも博士の需要がとても高いことを肌で感じましたし、「博士を持って研究者とみなされる」という国際的な考えが日本で定着した時期でした。結果として3 年で博士号を修得しアカデミアの道に進むことになりました。博士課程の3 年間は、技術的にも学力的にも飛躍的に成長できましたし、これから生きていく自信と新しい世界観を得られた、今の自分に不可欠な時期となりました。

  • 関連質問ですが、ご自身でハイパー・ケミカル・クリエーターと仰っていたことを聞いたことありますが、未来を作っていると感じる研究はどういう時でしょうか?

勿論、難しい全合成を完成した時は達成感と「遂にこれができるようになった」という時代を進めた感触はあります。しかし、未来を創るという実感は、失敗した研究でも今までにない反応に出会った時とか、多段階の合成ルートを極端に短くした時にも感じますね。今の研究はどれも未来を作っているのに繋がっていると思います。

  • 先生の専門の中で大切に思われているポイントなり、理念なりをお聞かせください。
       ~「美しく、短く」 に重きを置いています~

有機合成化学では、戦略と戦術の組み合わせで良い研究や新しいルートが出来ます。戦術は個別の反応やネーム・リアクションなどですが、合成の戦略は非常に大切だと思っています。現在、進んでいる短工程合成の研究も使っている反応は既知のものですが、どう組み合わせるかという戦略で画期的な合成ルートが出来ています。自分の研究は新しい戦略を最重要と捉えて、結果として突き詰めると「美しく、短く」の言葉に代表されるのだと思います。

  • 先生の今後に向けての展望に関するお考えをお聞かせください。
      ~役立つ有用な化合物を提供し続けること~

分子量1,000 を超えるような巨大なポリケチド化合物群を、簡便に数多く提供出来るようにしていきたいと思っています。分かり易く言えば、今までは合成や取り扱いが難しくて生物活性物質の俎上に乗っていなかった分子量の大きい化合物が、最近の研究で画期的な作用を発現していることがわかってきています。そのような研究に多くの新しい候補化合物群を提供していきたいと思っています。

  • AI 等の活用は?

タンパク質の構造と生物活性の相関が明確になってくると、ビッグデータやAI が活躍する場面は出てくると思いますが、合成化学は実験が基盤になっていますので、現時点では多くの実験を経験している人間の方が利点が多いと思います。寧ろ、実験が自動ロボットに移行する方が早いかも知れませんが、現時点では自分の研究室では導入を考えていません。

  • 応用化学会への期待を聞かせてください。
      ~感謝のひとこと~

学生にとっても存在感が大きい会で、工場見学の機会を得たり、奨学金の提供を受けたりと、ありがたい会だと思っています。励ましてくれる方々がいるということは、とてもありがたいことです。

  • 100 周年を迎えた応用化学科についてコメントを聞かせてください。
      ~伝統は大切~

歴史の中で伝統や受け継がれるものを大切にすることは非常に重要だと思いますので、この流れを大切にし続けてほしいです。 

  • 21 世紀を担う皆さんへのメッセージをお願いします。
      ~専門性を大切に~

専門性を身に着けることに是非注力してほしいと思います。壁にぶつかっても、徹底して考え、実験をして、自分なりの方法論や解決法を体得するようにしてほしいと思っています。
モノつくりのベースを是非とも身に着けてほしいし、モノつくりには観察も重要ですのでこれも大切にしてほしいと思います。
最今の就職事情から、修士課程の学生はこの辺の時間が十分に取れていないという危惧を持っていますが、自覚をもって対処すれば十分に修得できると思っていますので、頑張ってほしいですね。

参考資料:

インタビュアー&文責:

佐藤 由弥(学生広報班)、西尾 博道(学生広報班)、新谷 幸司広報委員会副委員長(新34)、井上 健(新19 回)

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第31回早桜会懇話会の報告

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  第31回早桜会懇話会は2月9日(土)、大阪ガス(株)の桜井沙織(新64回)氏による「低温熱利用システム」を中心としたテーマで開催しました。

 

   

  大阪ガスでは燃焼技術を始めとし、水素製造触媒の開発や気象シミュレーション技術、ナノ材料合成技術、フードサイエンスなど様々な新技術の研究開発、実用化に向けて積極的に取り組んでいます。

  今回は、給湯器などから排出される「低温熱(〜80℃)の利活用技術」のひとつとしてデシカント空調の開発について紹介がありました。

  デシカント空調は、夏場の空気を除湿、冬場は加湿することで、快適な空気環境を作り出すことができるとのことで、近年は健康・睡眠ニーズの高まりから、その開発に力を入れていると述べられました。

  吸湿材が空気中の水分を吸収したのち、低温熱をあて、吸湿材を再生することで、省エネ性が高い空調の開発に取り組んでいるとのことでした。

  講演中は、適宜参加者からの質問や意見交換が相次ぎ、活発な議論が展開されました。新たな市場の開拓等ビジネスの観点から、材料の特性を踏まえた学術的な観点から、など幅広い議論となり、約2時間の講演となりました。

  講演終了後は、行きつけ食事処で懇親を深め、非常に賑やかな会となりました。

出席者

津田實(新7回)、前田泰昭(新14回)、市橋宏(新17回)、井上昭夫(新17回)、田中航次(新17回)、篠崎匡己(新30回)、岡野泰則(新33回)、原敬(新36回)、高田隆裕(新37回)、中野哲也(新37回)、古谷敦志(新38回)、遠藤文子(新50回)、數田昭典(新51回)、澤村健一(新53回)、陳鴻(新59回)、桜井沙織(新64回)、御手洗健太(新65回)

   (文責 田中)

早稲田応用化学会関西支部(早桜会)2019年度総会・懇親会開催のお知らせ

 

下記要領で開催しますので、奮ってご出席ください。

今回は、同時期甲南大学で開催される日本化学会春季年会に参加される応化 松方、和田両先生をお招きし、応化100年史を語っていただきます。

場所: 神戸大学 六甲台第2キャンパス内  理学部Z棟Z103教室   ( 阪急六甲、JR六甲道が最寄りですが、場所が分かりにくいので、出席者には詳細地図・案内図をメールにて送付します。)

日時: 2019 年 3 月 16 日(土)
    総 会:15:00~15:30
    講演会:15:30~17:15
   講師:早稲田大学応用化学科 松方正彦先生、和田宏明先生
   演題:早稲田応用化学科100年史
    懇親会:18:00~19:30
   懇親会会場:六甲道駅付近(決まり次第お知らせします)

          懇親会参加費:5,000円を予定しています。

早稲田応用化学会関西支部

支部長 岡野泰則

参加申し込みは、こちらから

準備の都合上、来る3月10日(日)までに申し込み願います。
お問い合わせ先:応化会関西支部事務局長 田中 航次
Tel. ; 090-1792-0629

kouji_t@mwd.biglobe.ne.jp

 

第10回早桜会講演会の報告

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  第10回早桜会講演会を2018年9月22日(土)に大阪・中央電気倶楽部で開催しました。

  演者は、古川直樹氏(新36回 城塚研 ㈱カネカ 常務理事R&D企画部長)にお願いし、企業の中での研究者・技術者のあるべき姿、心構え、考え方について、特に若手研究者・技術者向けにお話しいただきました。

   

  演者は、若い新入社員時代からいくつもの社内プロジェクトに参加する機会があり、特に社を挙げての大きなプロジェクトに参加できたときは、自らの成長を確信できるような感動があったそうです。

 企業研究者・技術者は、できれば学位を取得し、学会等で大学の先生や社外の研究者・技術者と交流し、人脈と知識の幅を広めていってほしい。 語学、特に英語については、ある程度堪能であることはこれからの時代は必須であり、自分なりの努力を続けて欲しい。

 会議等の場で、自分が正しいと考えている事象については、たとえ言いにくいことであっても勇気をもって主張しなければならない。 他にも多数参加してくれた若手からいろいろな質問が出され、一つ一つ丁寧に答えていただきました。

 講演会には、来阪中の応化会西出会長にもご出席いただきました。

講演終了後は、いつもの特別食堂に席を移し、和やかな歓談の場が持たれました。西出会長には、エールの音頭もとっていただき、フレーフレー応化会の叫びが大阪でこだましました。

出席者

古川直樹(新36回)、西出宏之(新20回)、津田實(新7回)、井上征四郎(新12回)、市橋宏(新17回)、井上昭夫(新17回)、田中航次(新17回)、岡野泰則(新33回)、斎藤幸一(新33回)、牧芳彦(新34回)、和田昭英(新34回)、原敬(新36回)、高田隆裕(新37回)、中野哲也(新37回)、髙島圭介(新48回)、荒井直樹(新50回)、遠藤文子(新50回)、數田昭典(新51回)、澤村健一(新53回)、吉原秀輔(新55回)、陳鴻(新59回)、猪村直子(新60回)、古山大貴(新65回)、前田傑(新65回)、御手洗健太(新65回)

以上 25名

   (文責 田中)

2019年度定期総会・先進研究講演会・交流会(懇親会)のご案内

早稲田応用化学会会員の皆様へ

2019年2月
早稲田応用化学会 会長 西出 宏之

今年は5月18日(土)の開催といたします。応用化学科の研究に関する理解を深めて頂くために、昨年に引き続き応用化学科と共催で先進研究講演会を企画いたしました。万障お繰り合わせの上、ご出席いただきますようお願い致します。
出席申込は、ご指定の住所へ応用化学会会報と共に4月20日過ぎに送付させていただきます。 「返信 用記入用紙」で返信頂くか、こちらからお申込下さい。
尚、個人情報に変更のある方は、必ず 会報同封の「返信用記入用紙」の個人情報を修正頂き返送下さい。

日 時: 2019年5月18日(土)13:00~19:00
場 所:

早稲田大学西早稲田キャンパス   
         57号館 2階教室(受付・会場)
                                                              ※予定:変更する可能性があります。
                                 63号館 1階カフェテリアー旧馬車道ー(交流会)

※定期総会              13時00分~14時30分
※先進研究講演会   14時45分~17時00分

「応用化学最前線-教員からのメッセージ」 プログラム

1. 有機合成化学部門 細川 誠二郎 准教授

2. 触媒化学部門 関根 泰 教授

3. 高分子化学部門 小柳津 研一 教授

4. 化学工学部門 平沢 泉 教授

※交流会(懇親会)  17時30分~19時00分
        懇親会費 3,000円(夫婦同伴の場合 5,000円)

総会会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。

以上

応化給付奨学金受給者の集い(第一回)

西出会長 開会の挨拶

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平成30年11月10日(土)午後、応用化学科給付の奨学金を受け博士号を授与されて、社会の様々な方面で奮闘されている面々が西早稲田キャンパスに集まって参りました。遡ること夏の盛りに、西出 宏之会長の声掛けを受け、河村 宏氏(元会長)、平林 浩介氏(元副会長)、下井 將惟氏(元副会長)ら有志が西早稲田キャンパスで、応化会として何か新しい企画が出来ないか検討を始め、それが応化会の将来を支える一つになればとの想いも交えて生まれたのが「応化給付奨学金受給者の集い」でした。

大学院で博士を目指して5年間に亘り修学、研究に没頭する応化学生を支援し、顕彰するため、応化会皆様の志をあつめて原資とした応化給付奨学金、および同じく水野 敏行、平田 彰、中曽根 荘三、里見奨学会奨学金受給者、古賀 憲司褒賞受賞者に呼びかけました。母校に参集し、近況を披露しあい、親交をあらためるホームカミングデーであり、奨学生選考に携わってきた方々も支援の思いを秘めてホストとして参加して、交流することを目的とした企画で、第一回は新51回生~新57回生(2001年~2007年学部卒相当)の博士修了者に声を掛けさせて頂きました。 ( 案内状 → こちら 

当日参集された奨学金受給者の皆さん

当日は、地方からの参加者も含め11名のかつての受給者が参加、平林 浩介氏(新10)の司会で、西出 宏之会長(新20)の挨拶でスタート致しました。会長からは、応化の博士奨学金の経緯を再度紹介、交流とネットワークに期待しているメッセージをいただきました。

続いて、黒田 一幸副会長(新24)のご挨拶では、以下のメッセージが伝えられた。ご自身が受けられた日本証券奨学財団の奨学金では、奨学生の同友会の会合が毎年あり、会報も発行している。台湾へ留学している人向けの台湾の団体からの奨学金では、台湾の人が日本留学時の日本ロータリークラブ会員からの支援への恩返しだそうである。応化会ではシニアの方々がお金のみならず貴重な時間も提供して下さっている。ご挨拶の最後は、貧しい家から托鉢に回るべきと諭した釈迦の話と「世の中のために喜ばれるようにお金を使っている人にお金を使う」という言葉を紹介されて締めくくられた。

黒田一幸副会長のご挨拶

続いて、奨学金受給者11名が自己紹介をしました。 最近の研究内容であったり、会社のことであったり、中には、同じ会社で働く応化OB/OGのメッセージを加えて紹介する人もあり、皆さんからわかりやすく紹介頂きました。  (参加奨学金受給者のリストは → こちら、 各奨学金受給者の自己紹介写真は → Galleryへ

奨学生からの近況報告

ここで司会を下井 將惟氏(新13)にバトンタッチし、今日の場のメインである交流の時間がスタートしました。河村 宏氏(新09)に乾杯をお願いしたが、まず乾杯をした上で、応化奨学金との関わり合いを紐解きながら、熱い想いを語られました。

河村元会長 乾杯

水野賞は 兄が管理していたが、2003年に応化との再会をした際に 自らの身体で体感しようと、博士課程の皆さんと関わり合いを持ったこと。水野賞の後を担うように2007年に応化会奨学金を創ったこと。就職談話室(今の先輩からのメッセージの前身)を立ち上げ、会社に入ってからも 配属先を報告してもらい、年末に「しのぶ」を借り切って、色々なフィールドの人に会う場を提供する「再会」をいう催しをしてきたこと。
大学に恩返しをしたいという父の想いを引き継いだが、応化会は、若い人は去り、年輩者は歳を取り、空洞化して来ている。中堅の皆さんにリターンしてもらい 同窓の良さを伝えたいという西出先生のアイデアに諸手を上げて賛成した。
今日参加出来ない博士からも連絡を受けて、是非来年は参加したいとも言われている。皆さんのような若い人に囲まれて酒をのんでいる人は仲間には居ない。皆さんとの関係は財産となっている。 横のネットワーク構築はやってきたが、縦の関係は出来ていない。研究室を超えて、ネットワークの再構築をしてほしい。これが応化会の理想形と思う。今日はキックオフ。来年は20~30人でやれるようにならないかと思う。」と締めくくられました。

河村 宏元会長の乾杯の挨拶の後を受け、懇親会の場で、まさに縦の会話が始まりました。
今日、集まった博士の皆さんからは 来年は誰を連れてこようとか コアの拡大の話が聞こえてきましたが、あっという間に時間が経ち 橋本 正明副会長(新21)の中締めの挨拶を頂き、受給者の田原 聖一氏(新51)の一本絞めでお開きとなりました。 その後、早稲田の街へ場を変えて、交流の続きをされたと聞いております。 来年、またお会いしましょう。 

懇親会

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(文責 事務局 高橋 宏)

広報委員会 北京訪問

広報委員会では昨年8月に急遽、佐々木委員長が北京勤務となったため、応用化学会報のデジタルアーカイブ化等の様々な課題についてメールを活用して協議を重ね、委員会を運営。転勤がある『現役世代』も参加出来る新たな委員会運営の形を模索しています。
委員会終了後の懇親会の際、夏休みを利用して広報委員会の有志で佐々木委員長を訪ねようという話で盛り上がり、佐々木委員長に相談したところ、快諾して戴いたため、9/1~6日で井上 健(前広報委員長 新19)と新谷(広報副委員長 新34)を含め4名で北京を訪問。委員長自らスケジュールを組んで戴き、北京で人気の料理やツアーでは行く事の出来ない観光地などをご案内戴き、改めて親交を深めました。
 9月3日は中国アフリカ協力フォーラムの首脳会議 (習近平ら国家主席が3年間で600億ドルの経済支援を発表)開催があり、北京市内では厳重な警戒体制の状況でしたが、この開催に向けて北京近郊の工場の操業を約1週間停止したため、PM2.5などの影響が全くなく、幸運にも雲一つない青空の北京を堪能しました。

広報委員会IN北京開催

 日本に留学経験があり、流暢な関西弁を話す王さん(佐々木委員長の部下)も参加して戴き、北京で人気の新鮮なマトン料理とアルコール度数50度超の白酒で懇親会をスタート。佐々木委員長は北京と上海に拠点を構えているため、中国の事業環境、キャッシュレスのスマホ(QRコード)やカードによる決済環境など、国家主導によるスピードで日本の先を行く中国の姿を垣間見ることが出来ました。


北京郊外観光(金山嶺長城)

 『金山嶺長城』は万里の長城の代表的な場所で、北京から約130km離れた場所にあり、全長10.5km、建築様式が異なる望楼が67、燈火台が2つある明代の長城です。中国の大型連休・国慶節では一日8万人訪れる『八達嶺長城』が有名ですが、金山嶺長城は観光地として現在整備中で、ツアー観光客が気軽に訪問出来ない場所です。見渡す限り人の姿が見えない絵葉書のような素晴らしい景観で、貴重な場所でした。

 全員揃っての最後の夕食では、北京ダック(北京では砂糖をつけて食べるのが流行だそうです)・蛙料理や最新のデザートなど雲南料理を含め、各地の色々な料理を楽しめました。

北京は日本に比べてセキュリティ(X線検査や手荷物検査など)が厳しいですが、地下鉄網が整備され、北京市内(紫禁城・頤和園・天壇公園など)は気軽に観光出来ます。
今回は初めての企画のため少人数での訪問となりましたが、学生たちが世界を身近に感じる機会提供として、海外で活躍するOBとの交流企画も面白いと思いました。
夏季休暇を調整して戴き、ご対応戴いた佐々木委員長、部下の王さん、林さんに改めて御礼申し上げると共に、益々の中国での事業ご隆盛を祈念しております。

(文責:広報委員会 新谷)

第15回応化会中部支部交流会報告書

平成30年11月10日(土)16時30分~19時30分、名古屋駅前ダイヤビル1号館会議室にて、会員17名参加の下、交流会(含懇親会)が執り行われた。

 まず山崎副支部長から今回の講演者である早稲田大学先進理工学部応用化学科松方正彦教授の略歴等の紹介があった。その後、三島支部長から参加者へのお礼と、8月3日の役員会(応用化学創立100年の歴史と経緯についての興味深いお話が合った)のお礼があり、以降、松方教授の講演に移った。演題「2050年を目指した炭素循環型産業について」の講演を頂いた。

 

講演の要旨

 近年、COP-21パリ協定のCO2排出量80%削減を目標として、自然エネルギー導入の他に、石炭・石油の時代を経て2010年頃からガスの時代に入っているが、これも50年程度とみられておるところから、ダイナミックな技術と社会システムの転換が急速に進むと思われる。

講演する松方教授

 未来型技術開発を考察する際の基準として、ビジョンを示す国連の合意を得たSDGS、Tokyo GSC Statement2015、COP-21があり、開発目標を提示するICEF21、NESTI2050がある。
 2050年に向け化学産業は国際競争力強化のため、国内コンビナートでは過剰設備の解消、統合運営等を行うこと、エクスポートパリティの確保、海外に売れる技術の確保、オープンイノベーションによる次世代の人材育成が必要となる。国内コンビナート事業の縮小・均衡は最先端技術の開発実現による国際競争力があってこそ可能となる。
 2050年にCO2削減80%を達成する技術を想定しバックキャストして、前述のフォアキャストした技術とすりあわせた開発の動向を定めていくことが重要である。
 NESTI2050では省エネルギー、畜エネルギー、創エネルギー、CO2固定化・有効利用のテーマを設けている。この中の省エネルギーでのテーマとなっている膜分離について、米国ジョージア大学での省エネ検討例、大型の産業・学会連携が推進されていることや、天然ガス中のCO2分離回収コストの試算例、膜利用によるCO2除去にかかる省エネ効果、各種分離膜のCO2/CH4分離性能についての紹介があった。
 併せて原油から高付加価値の化学品を作る革新的技術開発の潮流として、水蒸気分解、直接分解(RFCCなど)の他に、膜分離による原油からの炭化水素製造も検討されているらしいとのことである。
 炭素循環型化学産業とは、CO2の回収⇒CO2の水素化⇒基礎化学品の分離精製⇒ポリマー、エンプラ、ファインケミカルズの製造など高付加価値製品へと展開することである。膜材料としてのゼオライトに関しては、種々のゼオライトと分離対象物質の分子径の比較や蒸留塔が不要となるAg⁺イオン交換型のゼオライト膜のメカニズムが調査されている。
 CO2からのメタノール生産はすでにアイスランドで事業化されている。CO2分離技術は石油精製石油化学、ファインケミカルズ、製薬・溶剤リサイクル分野全体で行うことが必要である。

続いて、三井化学人事における女性活用の話をベースにした講演に移った。

人口減少が続く昨今、このままでいくと2100年には人口が2,500万人にまで減少する。仮に出生率が2,07になったとしても6,000万人程度にしかおよばず、労働力不足は明白である。
そこで、米国に比べ女性の労働人口が少ない日本では、女性だけでなく高齢者、障害者、LGBTの人、外国人等が働ける職場の構築が必要となる。
その状況下、発生してくる体力的・精神的諸問題についてはAI利用等のプロセス改善や設備改善などにより安全性を確保することになる。例えば、工場で働く人の半数を女性にすると決め、年齢構成、子供の数、学童保育など、何が必要になるかを抽出すれば、それを実現するための設備対応技術がみえ、女性の活用と技術開発が繋がってくる。

講演終了後は、松方教授との懇談や会員間の親睦を図った。  

全員写真

出席者(敬称略)

講師:松方正彦(34回生)
三島邦男(17回生)、堤正之(17回生)、後藤栄三(19回生)、小林俊夫(19回生)、秋山健(19回生)、柿野滋(19回生)、谷口至(22回生)、木内一壽(24回生)、山崎隆史(25回生)、浜名良三(29回生)、服部雅幸(32回生)、上宮成之(35回生)、櫛谷文彦(39回生)、大高康祐(41回生)、植村裕司(44回生)、若林隆太郎(57回)、以上17名

 

(文責:谷口)