石川研究室同門懇親会2018開催報告

第17回石川研究室同門懇親会が6月2日(土) ニュートーキョー第一田町ビル店で開催されました。

集合写真

見並幹事(42年卒)の開会宣言に続き、相川会員(34年卒)より乾杯の発声が行われ暫し歓談となりました。

その後 応用化学科野田/花田研究室の花田信子講師より、水素エネルギーの利用に係る研究についての講演がありました。

福岡県出身の花田講師は、広島大学・大学院(博士課程)、ドイツ・カールスルーエ研究所、上智大学、筑波大・大学院を経て昨年応用化学科に移籍、今年4月に結婚されたばかりで、研究の主テーマである液体系水素貯蔵媒体(特に液体アンモニア)につき熱く語られました。講演後 水素の安全性に纏わる質疑応答・会員間の議論等が相次ぎ、予定時刻をオーバー、質問打ち止めの展開となりました。

毎回恒例のアトラクションは、2016年に続き宝塚歌劇団78期生/劇団四季ご出身の渓なつきさんの再登場。すみれの花咲く頃、Sound of Music 、Westside Story 、また君に恋してる、愛の賛歌、Catsメロディー等々を披露願った後、ピアノ伴奏の大川さん作詞作曲の“ひかり~だいすきだよ” で歌い納めとなり、会場に響き渡る美声に皆が酔いしれました。

その後宴は終盤を迎え、卒寿を迎えられた上田会員(26年卒)を祝福して乾杯、上田会員より石川先生から化学工学の真髄を学んだ想い出話・お酒を飲んでいると長生きするよ、との話がありました。

最後に、大川さんの伴奏で校歌斉唱、室賀代表幹事(42年卒)より次期新井代表幹事(43年卒)、大根田副代表幹事(44年卒)の紹介、次いで 中西幹事(34年卒)より毎年の懇親会開催に特に貢献された小野幹事(44年卒)・佐藤幹事(47年卒)への謝辞がありました。
最後の最後タイムアウト寸前で、皆で琵琶湖周航の歌を合唱してお開きとなりました。

今年の参加者は31名で、余韻を楽しみたい方々は2次会へと流れました。

当懇親会(毎年6月開催)には石川研究室以外の卒業生も多数参加されておられますので、より多くの皆様に参加頂き、引き続き会が大いに盛り上がることを祈念しております
(記:堀江46年卒)。


2018年度総会Gallery

 

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先進研究講演会要旨

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「応用化学最前線―教員からのメッセージ」

共催: 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科、早稲田応用化学
於 : 早稲田大学 西早稲田キャンパス 57号館201教室

 

15:00-15:30  化学工学部門 花田信子 講師

  「演題 水素エネルギー活用に向けた水素貯蔵技術開発」

花田信子 講師

水素は再生可能エネルギーなどの様々な一次エネルギーから製造可能で、燃料電池などから電気や熱として効率よくエネルギーを取り出せる。しかし、二次エネルギーとしての水素がエネルギー媒体として普及するためには高密度に水素を貯蔵・輸送する技術が必要である。高体積水素密度を有する液体系の水素貯蔵物質としてアンモニアに着目して研究を進めており、水素を室温で簡便に取り出す技術を紹介する。また、定置用水素貯蔵タンク向けて高水素容量を有する水素化マグネシウムに着目している。水素吸蔵速度向上ための触媒添加による構造制御、及び貯蔵タンク適用に向けた取り組みについて紹介する。

15:30-16:00  無機合成化学部門 下嶋敦 教授

  「演題 精密構造制御に基づくシリカ系材料の機能開拓」

下嶋敦 教授

シリカ(SiO2)はありふれた化合物であるが、精密な構造制御によって多様な機能材料の創出が期待できる。本講演では、シロキサン骨格のミクロ-メソ構造制御法の進展と、新たな機能開拓の試みとして自己修復機能材料やフォトメカニカル材料の設計について紹介する。

 

16:00-16:30  応用生物化学部門 木野邦器 教授

  「演題 新たな酵素反応プロセスの開発」

木野邦器 教授

多様な酵素の緻密な連携・制御によって生物は特有の機能を発現している。これまでに開発されたバイオプロセスは、そのごく一部のシステムを利用しているにすぎない。未知の可能性を有するバイオの世界に描いた大きな夢は、その実現に向けた独創的な発想と巧みな戦略によって新たな酵素の発見や酵素反応システムの開発に繋がると考えている。最近の研究を紹介したい。

 

16:30-17:00  無機合成化学部門 菅原義之 教授

  「演題 無機ナノ材料と高分子材料のクロスロード」

菅原義之 教授

次世代の機能材料として盛んに研究されている有機-無機ハイブリッド材料は、無機ナノ材料と高分子材料のクロスロードに位置している。本講演では、金属酸化物系ナノ材料を起点とした有機-無機ハイブリッド材料への私たちのアプローチについて述べた後、ナノ粒子やナノシートを用いた有機-無機ハイブリッドの最近の作製例を紹介する。

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訃報 加藤忠蔵名誉教授

訃報 名誉教授 加藤忠蔵先生
謹んで故人のご冥福をお祈り申しあげます。

ご逝去日:4月24日(火)(享年96歳)
ご葬儀:すでに近親者にて執り行われました。
    後日(10月頃)「加藤忠蔵先生を偲ぶ会」が
    実施される予定です
喪主: ご令閨 加藤陽子様
ご略歴(学内のみ):
早稲田大学応用化学科教授、理工学研究所所長、理工学部学部長

環境保全センター 所長、商議員、理事、賛助員、名誉評議員
(学外略)

2018定期総会 西出新会長挨拶

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只今、会長の選任されましてひしひしと重責を感じております。新制20回卒の西出宏之でございます。この3月に最終講義をさせていただき、また同窓多くに集まっていただきまして区切りのお祝いをいただきました。この場を借りまして厚く御礼申しあげます。この3月末で応用化学科教室からは退任いたしました。

4月からは特任研究教授ということで幸いにも籍をいただきまして、大型プロジェクトの取りまとめと、また新たな誘致の可能性に努めておる現況でございます。

応用化学会の会長候補には内々に濱 逸夫副会長が内定しておったとの三浦会長のご紹介がございました。ただ、ライオンの代表取締役社長として超ご多忙であるということで、三浦会長より昨年末よりご相談を受けまして、(言葉を選ばなくてはいけないんですが)止むを得ずこの重責を引き受けさせていただくことになりました。是非、ご理解とご支援をお願いする次第でございます。

振り返ってみますと近いところでも棚橋会長、里見会長、そして特に河村会長には熱い情熱とご注力のもとに応用化学会が大きくなって、その存在感、また、レピュテーションも非常に高い、早稲田の総長がしばしばこの応用化学会を例に挙げて、あるべき同窓会の姿としてアピールいただいていたことは皆様ご承知のとおりでございます。

三浦前会長の強いリーダーシップのもとに例えば基盤、交流、広報の3委員会の委員長に現役OBにお願いして体制を強化し、そしてスピード感をもって活動することで前進を多く得ております。一方、学生委員の自主的な活動を支援することによってまた卒業直後の若手の卒業生を取り込むなど多くの新しい領域に応用化学会が踏み出すことができている訳でございます。

この後、三浦会長への深い感謝と名誉会員の推薦の場を設けましたので、後程もう一度述べさせていただきます。

一方、応化会の活動が活性化していくこととある意味で表裏の関係になる訳でございますが、基本的にボランティアによる活動ですので、事務局の仕事量は増加の傾向にあります。これをどのように対処していくかということも、大事な課題になっておる訳です。只今、田嶋先輩よりご指摘いただきました、少なくない保留金。税務上の対策としては恐らくこの5年後に控えました応化会百周年に向けて準備金として積み立てているといえばいいのかもしれませんが、ただ積立しているだけではしょうがない訳で、(かといって使いだすとすぐ底つくので、皆様の汗によって蓄えられたものであること肝に銘じてますが)大事に積極的に使っていくことによって拡げていくということ、これも残されたまたこれからの課題であると了解しております。

この総会また諸先輩がおられる場で恐縮ですが、私自身の振り返りをさせていただきます。

学位を取りまして2年学術振興財団に、あと2年ドイツのフンボルトに出かけておりまして、その後、早稲田に職をいただきまして助手として篠原功先生のもとに着任いたしました。篠原先生は、その当時応化会の副会長をなされておられた訳です。助手は、応用化学の教室では私一人でした。鈴木晴男先生が会計担当でした。鈴木先生は寡黙で厳しい先生ですが、これはちょうどいい後継者がきたということで、私に対しましてはニコニコとして黒い腕抜きをして沢山たまっている郵便振替の束を持ってこられまして、それを帳簿に書き込む、この作業を名簿と照らし合わせながらする。そして月々の貸借対照表を作っていくというようなことを教えていただきました。

応用化学会報は宇佐美先生のご尽力で応化会だよりとして続いておったのですが、これを会報として復刊したい。これが1980年で、応用化学会報が現在の姿でもう少し背表紙が厚い形で再度発行されるようになりました。応用化学会のそもそもの会則(お手元の資料にもあると思いますが)第1章第3条に、会員の学術の向上促進にあたるを最初に唱い、会員相互の親睦、教室への支援を・・・こうなっています。今日はあまり申しあげませんが、「学会」という形をとっていたということです。1号から始まって原著論文を沢山掲載している媒体であった。それを同窓会の形で応用化学会報を出版していいのかどうか議論をしながら、会報が再発行されたのに立ち会うことができております。ただ、その意向でもお金がありませんのでどうやって背表紙のあるものを印刷するのか?といことになりまして、これは大日本印刷さんに頼もうということで、確かその当時の古関専務にお願いに参りました。紙代だけの請求書を出すからその分だけ郵便振り込みで払ってくれで、格安の発行につながりました。

会長は、大友恒夫氏で秩父セメントを大きく発展させた方で非常に力強い先輩であられました。大友さんが三つのことを常に会長としておっしゃっておりました。組織をしっかり創り、財政の確立、そして事業の促進 これらは今でも全く同じである訳です。

大友会長は、私財500万円を応用化学会に寄付されました(申し訳ないですがと濱さんのほうに振り返って見て)。財政基盤をどう力強く作っていくかということです。今はなかなかそう簡単な寄付とはいきませんが、いつもいろいろな方法で考えていかなくてはいけないということです。

確か今頃の季節であったと思うのですが、平田 彰先生が庶務担当理事で、総会が近づいてきたので予習の会をしました。来られた大友会長が何か食べにいこうということで上野の伊豆榮に連れていってもらいました。それから程なく大友会長が急に逝去されました。その結果、空席ができましたので篠原先生は筆頭副会長ということで止むを得ず会長を引き継ぎ、そのあと岩城会長にきていただくまでリリーフを務められた訳でございます。

ある意味、私自身、先ほど三浦会長からご紹介がありました教室側からの会長は篠原先生以来三十何年ぶりということですが、ある意味リリーフ役としての因縁を感じる次第でございます。

さて、締めくくらせていただきます。この後、教室のほうから松方主任が応用化学科の百周年を振り返ってお話いただけると聞いております。昨秋、応用化学科百周年では応用化学会から参加、また志の多大なお力添えをいただいたことを当時の実行委員長として再度御礼申し上げます。おかげ様で早稲田の応用化学科のプレゼンスを広く訴えること、また、認めていただくことができました。応用化学会は、先ほどご紹介のように2023年に百周年を迎えます。この続く節目に向けて、教室、応用化学科はもちろんのこと、是非、大先輩、ベテラン、シニアそして現役、若い学生諸君とこの幅広い年齢層を結集して、皆が語り合い、そして過去を振り返り、またこれからの夢を気持ち良く語れる居心地の良いコミュニティとして応用化学会が進んでいきますよう、今までの歴代会長の熱情、これに沿いながら微力ですが努めて参ります。是非、会員皆様のご理解とご支援をお願いする次第でございます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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2018年度 定期総会

2018年5月12日(土) 13時~19時
場 所:    早稲田大学西早稲田キャンパス
                         57号館2階201教室(定期総会・先進研究講演会)
                  56号館1階カフェテリア(交流会)

本年度も、昨年同様、定期総会と、それに引き続き先進研究講演会「応用化学最前線-教員からのメッセージ」、そして交流会を開催した。
昨年は4月開催に変更して開催したが、本年は例年通り5月の開催となった。
出席者は、総会110名(OB・OG 74名、教員12名、学生24名)、講演会116名(OB・OG 80名、教員14名、学生22名)にご参加頂き、交流会(懇親会)では106名の会員の皆さんが集い、盛会な総会の一日となった。

スケジュール:

  13時00分~14時15分 定期総会
  14時30分~15時00分 応用化学科百年史
  15時00分~17時00分 先進研究講演会「応用化学最前線-教員からのメッセージ」
  17時30分~19時00分 交流会(懇親会)(56号館1階)

 

1. 定期総会

13時より和田庶務理事の司会で開催された定期総会では、最初に三浦千太郎応用化学会会長より挨拶が述べられた。三浦会長は二期会長職を勤められ、本総会をもって退職されるので、併せて退職の挨拶と新会長の推薦がおこなわれた。

三浦千太郎会長挨拶

 

引き続き、和田宏明庶務理事及び廣谷会計理事よりそれぞれ2017年度事業報告案及び決算案、2018度事業計画案及び予算案の説明がなされた。

和田宏明庶務理事

廣谷修会計理事

 

 

引き続き、河野恭一監事より監査の報告があった。5月8日(火)に廣谷修会計理事、和田宏明庶務理事および寺嶋事務局長の同席のもとに監査を実施し、会計部門においては領収書、通帳等の各種帳票を確認した結果、適正に処理されており決算書、貸借対照表は正当であると報告された。また、業務部門においても、各委員会議事録の閲覧ならびに、基盤委員会、広報委員会および交流委員会に時間が許す範囲で出席した結果、各委員会ともに当初計画に基づき概ね順調に業務が遂行されていること、特に学生委員の積極的な参加が顕著であったことが報告された。なお余剰金がある程度積みあがっている状況であるので、5年後の応化会100周年記念事業を含め有意義かつ適正な活用を検討されたいというコメントがなされた。

河野恭一監事による監査報告

以上により、一号議案:2017年度事業報告案及び決算案および二号議案:2018度事業計画案及び予算案が承認された。

引き続き、三号議案である会則の変更について説明があり、また会員名簿閲覧システムの運用にともない附則、細則の修正が役員会で決定されたことについて説明があった。
会則の変更は総会で承認された。

 

続いて、新会長として推薦された西出宏之教授の就任が総会において承認され、それを受けて、西出宏之新会長より就任の挨拶が行われた。

西出宏之新会長より就任挨拶

 

次に西出新会長より、新年度の新規役員体制と、その体制が決められた背景について説明があり、加えて退任される役員に対する謝辞があった。

新年度の新規役員体制の説明

退任される各役員より挨拶が述べられた。

退任 窪田信行監事

退任 廣谷修会計理事

新任の役員の紹介があり、新任の各役員から挨拶があった。

新任 黒田一幸副会長

新任 津田信悟会計理事

新任 関谷紘一理事

新任 新谷幸司理事

新任 椎名聡理事

新任 山口潤一郎理事

続いて、役員会より三浦前会長を名誉会員に推薦する提案があり総会において承認された。

また、名誉教授加藤忠蔵先生がご逝去された報告があり、参会者一同で黙祷を行った。

加藤忠蔵先生ご逝去のお知らせ

参会者による黙祷

 

最後に松方正彦副会長から応化会給付奨学生、里見奨学生の紹介があり、加えて応用化学科の近況報告、および新任の山口潤一郎教授の紹介があった。

松方教授による奨学生の紹介

 

  1. 応用化学科百年史

松方正彦教授により貴重な歴史的写真が多数紹介され、併せて題記の講演が行われた。

応用化学科百年史  松方正彦主任教授

  1. 先進研究講演会 「応用化学最前線教員からのメッセージ」 (応用化学科と共催)

先進研究講演会「応用化学最前線-教員からのメッセージ」(応用化学科と共催)は、応用化学科の各研究室応用化学科の教員が、企業の研究者・技術者や学生に、自らの研究分野を紹介し、その先進性、先導性を熱く語りかけるもので、 その後の交流会(懇親会)で、教員、社会人および学生との交流や懇談を深め、早稲田応用化学科の研究に関する理解を深めていただくために、毎年総会とあわせて企画される。本年は下記の4先生にご講演をいただいた。

1.15:00-15:30  化学工学分野 花田 信子 講師
 「演題 水素エネルギー活用に向けた水素貯蔵技術開発」

  2.  15:30-16:00  無機合成化学分野 下嶋 敦 教授

   「演題 精密構造制御に基づくシリカ系材料の機能開拓」

  3.  16:00-16:30  応用生物化学分野 木野 邦器 教授

    「演題 新たな酵素反応プロセスの開発」

  4.  16:30-17:00  無機合成化学分野 菅原 義之 教授

    「演題 無機ナノ材料と高分子材料のクロスロード」

 

 

  1. 交流会(懇親会)

2時間の講演会の後、場所をロームスクウェアへ移し、橋本副会長の司会で、西出宏之新会長の開会挨拶、そして黒田一幸教授(応化会新副会長)からは応用化学会の益々の発展を願って乾杯のご発声を頂き、交流会(懇親会)がスタートした。  

開会の挨拶:西出宏之新会長

乾杯:黒田一幸副会長

応化会給付奨学生・里見奨学生(小池正和、吉岡育哲、海野城衣、池勇樹、小松田雅晃の諸君)の紹介と、奨学生の挨拶があった。

応化会給付奨学生・里見奨学生の紹介

今年の交流会は卒業生・教員・学生合わせ106名の会員の皆さんで和気あいあいとした雰囲気で進み、司会橋本副会長の中締めに続いて政本浩幸学生交流委員長の一本締めにて散会となった。

司会:橋本正明副会長

一本締め:政本浩幸学生委員長

 

 

(文責:広報委員会・応化会事務局)

2018 年度総会三浦会長挨拶

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本日はご多忙の中 定期総会にご出席賜り、誠に有り難うございます。

会の開催に先立ちまして、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年は応用化学科創立百周年を迎え、記念祝賀会をはじめとする様々な記念事業が滞りなく盛大に執り行われたことはご存じの通りで、我々卒業生一同にとりましても誠に喜ばしく、また誇らしい出来事でありました。

そして、5年後の2023年には、いよいよ応用化学会も創立百周年を迎えることになり、どのようなお祝いの形にしていくのか、真剣に考えていく時期になって参りました。

その折でもありますが、私の会長就任も2014年以来2期4年を迎え、当初から申し上げておりましたとおり本総会をもって退任させて頂くことに致しました。

百周年事業もさることながら、様々な課題を残したままではありますが、応化会のような組織(OB/OG、教員、学生)は適任な卒業生が持ち回りで代替わりをしながら会の発展のために尽くしていくことが母校への恩返し・義務である、と私は考えており、昨年来後任候補者を探して参りました。

いずれ会長になっていただきたい思いから昨年からライオンの濱さんに副会長をお願いしてきましたが、さすがに好調な企業の社長では現状すぐに会長就任は難しく、後継者探しは難航しておりました。そこで今年退官された西出先生にご無理をお願いして、会のためなら、とようやくお引き受けして頂き、後ほど皆様のご承認を図る運びとなりました。

教員からの会長就任は篠原先生が一番直近の事例でありますが、過去には初代の小林久平先生に始まり6名の先生方が務めてきておられます。

私の期待は、まず盛況な活動を続けている高研会を初めとする先生の同門、教え子達への影響力であります。この4年間現役、シニアの卒業生達の新たなボランティア参加の厳しさをお伝えしてきましたが、やはり先生からの招聘は我々企業出身の卒業生よりはるかに強力で、断りにくかろう、と考えております。

また、厳しい運営を続けている会の引き締めを図っていくために、応用化学科の今日の繁栄の原動力、中心軸として活躍してこられた西出先生の手腕、指導力に大いに期待するものであります。

私の任期中は、ベテランボランティアの世代交代が進んだため、現役シフトを進めて参りましたが、想定通り多忙な中での活動となることから、より多くのボランティアの参加が望まれてきた4年間でもありました。

また、同様に「チェック&レビュー」による活動の見直し、リソースの効果的活用などにより、多くの会員にとって魅力のある会とすべく活動のあり方を同志諸君と議論し、進めて参りました。

その結果、産学連携を目指す「未来社会創成フォーラム」、学生部会の活性化と学生自主企画によるフォーラムの実施、若手現役の会の立ち上げ、現役OB・OGによる委員会の執行体制など応化会を取り巻く環境変化に対応した新しい姿への試行を続け、ようやく骨組みだけは出来上がってきたものと考えております。

これも現執行部を支えている理事や委員の皆さん、長きに亘り会の活動を支えているベテランボランティアの皆さん、そして何よりも本日お集まりの会員の皆さまのご理解とご支援によるものと、この場をお借りして厚くお礼を申し上げる次第であります。

また、理事から会長になるまでの助走期間が1年半と短かった私の未熟な、そして強引とも受け取られる運営にご理解をいただき、多くの場面でご助言・ご助力をいただいた河村前会長や平林前副会長には感謝の言葉もございません。

後ほどご紹介されると思いますが、西出新会長には昨年編成しました現行体制をほぼそのまま引き継いで頂き、若い世代による課題解決を進め、応化会のさらなる発展につなげていくことをお約束いただきました。

百年を迎えようとしている応用化学会は、他に類を見ない活性化された組織(OB/OG、教員、学生)です。そしてその原点は学生を軸とする若手後輩達への先輩達からの支援の場であるという立ち位置にあります。これからもさらなる活動が起案そして実行されていくものと期待しております。応用化学会が多くの学生・卒業生たちの交流の場として、ますます発展されていくことを心より祈念申し上げまして、開会および退任のご挨拶とさせて頂きます。

4年間のご協力・ご支援、誠に有り難うございました。

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第11回中部支部総会と交流会の報告

 2018年4月14日(土)「北京料理百楽名古屋店」にて、第11回中部支部総会と交流会を開催しました。東北大学名誉教授有山達郎氏をお招きし、関西支部よりは市橋宏副支部長と前田泰昭理事に参加して頂きました。

第11回支部総会

 三島支部長の開会挨拶に引き続き。堤幹事より、2017年度の中部支部の活動および経費実績と来年度の活動計画の報告があり、参加者の賛同を頂いた。
報告内容の抜粋を別紙-1に添付する。(別紙-1はこちらから)

 


有山達郎氏による講演
「鉄の生い立ちと歴史との関わり、そしてこれからの鉄鋼業の将来」

講演する有山東北大学名誉教授

日本鋼管(株)からJFEスチール(株)を経て、その後 東北大学で高炉など鉄鋼の上工程プロセスの研究開発、 加えてエネルギー、Co2削減、廃棄物リサイクルなど 環境技術の研究に携わって来られた有山達郎氏に講演 を頂いた。
講演は、製鉄技術の開発史、世界の製鉄産業の変遷、環境問題(CO2削減)の各国の取組み状況および素材 産業の将来について、多くのデータや写真・イラスト や映像を用い、種々のエピソードを含めた解り易く興 味尽きないものであった。
最後に大学の研究環境や海外との交流を含めた活動内 容と氏が新しく開発した溶鉱炉のシミュレーション モデルの動画による紹介があった。
基幹素材産業である製鉄業に関する講演は、今回初めての事であり、参加会員の関心は高く大変満足した様子であった。 講演の要点の纏めを、別紙-2に添付する。(こちらから→)(別紙-2)講演の要点のまとめ(PDF)


懇談会

近藤顧問の挨拶と乾杯の音頭で懇談会に入った。関西支部の市橋宏副支部長と海外プロジェクトに取り組んでいる前田理事、シンガポールで事業展開されている伊藤理氏および台湾で仕事をされていた友野博美理事より海外事情や外から見た日本観等のスピーチを頂いた。テーブル毎の懇談が盛んで、2時間があっという間に過ぎてしまいました。
全員写真を撮った後、フィナーレは木内幹事の「1本締め」で、母校および早化会の発展と各位のご活躍を期し散会しました。

参加者(敬称略)

(講 師)有山達郎(新23回)
(関西支部会員)市橋宏(新17回)、前田泰昭(新14回)
(中部支部会員)近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、柿野滋(新19回)、秋山健(新19回)、谷口至(新22回)、須藤雅夫(新22回)、友野博美(新22回)、木内一壽(新24回)、山崎隆史(新25回)、名塚達男(新26回)、伊藤理(新26回)、服部雅幸(新32回)、金原和秀(新32回)、大高康裕(新41回)、植村裕司(新44回)

(文責:大高、堤)