卒業生へのインタビュー(第2回)

北九州アッシュリサイクルシステムズ(株) 山形武さん

卒業生へのインタビュー企画:
多くの応用化学科卒業生が社会に出られて活躍されています。実社会での経験は業種や職種によっても様々であり、卒業生の体験談は実社会で日々活躍されている卒業生の新たな視点への着眼点になったり、在校生にもこれから進むべき未来において貴重な体験が含まれていると思います。 そこで、各方面で活躍している卒業生に現在の自分の立ち位置について語っていただくとともに、インタビュー形式をとることで現役学生を含めた各世代の応化会会員間のコミュニケーションラインの構築と、社会における経験値をほかの卒業生にも共有していただくことを目的とした企画になります。

山形武さんには、近年注目されている環境に配慮したSDGs(持続可能な開発目標)に関連したこれまでの取り組みや、企業内起業に際して自らの考えを実現していくための仕事に対する信念やそれを実行するためのキーワード、社内起業後の苦労した点やこれから社会で活躍が期待される若手に向けてのメッセージなど伺いました。

 

山形武さん 《ご略歴》
1994年3月 応用化学科 豊倉・平沢研究室(修了) 1994年4月 三菱マテリアル(株)入社 入社後、北九州の黒崎地区事業所に配属、セメント開発センターで下水汚泥処理事業に始まりセメント事業カンパニーでリサイクル全般の営業・新規事業を模索され、全国のセメント工場のリサイクル営業統括、主に汚染土壌対応に従事されたのちに生産技術部・地球環境エネルギー室にて会社全体の地球温暖化対策の立案実行、太陽光発電事業にも携われました。その間、セメント協会において生産環境幹事会幹事としても活躍されました。 2015年4月 環境エネルギー事業本部のリサイクル事業部・リサイクル統括部の配属となり、現業であるごみ焼却飛灰のセメント資源化事業のプロジェクトマネージャーを拝命 2017年12月 北九州アッシュリサイクルズシステム(株)取締役工場長、2018年4月に代表取締役社長、現在に至る。 行動の規範として「セレンディピリティ」「マドルスルー」「アサーティブ」「セキュアベース」の4つの柱を大切にしておられます。

Q. 会社の志望動機などについてお聞かせください。

A: 学生時代は電導性塗料に興味があり、化学系の学生として化成品製造を担っていきたいという希望もありました。就職時は自分の思いだけではなく事業開発も含めて幅広く自分が活躍できる場を求めるのもいいかも知れないと思いながら社会に出て行きました。

Q. SDGsが定着して循環型社会の実現が企業にも課せられる課題となってきました。これまでの取り組みについてご説明頂けますでしょうか

A: セメント事業に配属となり、SDGsが提唱されるずっと前からセメント工場を活用した埋立処分場の要らないリサイクルに非常に魅力を感じそれを推進したいと思いました。難しい技術ではありましたが、だからこそ挑戦する意欲もわいたと思います。
ロンドン条約で海洋投棄が禁止になった下水汚泥、土壌汚染対策法から産まれた汚染土壌など時代のニーズとセメント工場のシーズがマッチしたリサイクルに取り組んできました。社会的には廃棄物として扱われる物質が素材として社会のために役立つのは素晴らしいことで、常に社会の変化がつきまとう中で自分が持っている知識や技術で何が出来るかを一生懸命考えました。今ではSDGsとして注目されるようにはなりましたがこれは結果としてこれまで自分が手掛けてきたものについてきてくれたものだと思っています。

Q. 仕事に対する信念はどのように構築されたのでしょうか

A: 行きついた仕事に対する信念は、「賢慮」です。
それを実行するためには、「セレンディピティ1)、「マドルスルー2)、「アサーティブ3)、「セキュアベース4)という4つの行動を大切にしてきました。
様々な本を読み、様々な人と出会い、いろいろな経験をして構築されてきたと思います。
もちろん、妻や子供たちの支えに依るものも大きいです。
必要な情報はインターネットで容易に取得出来るようになりましたが、逆に得られる情報の見極めという意味でもセレンティピティは重要なポイントになってくるように思います。また、仕事をしていると開き直りが必要な場面にも遭遇します。従来のやり方に拘らずプロセスをどう構築していくか考える力が求められる場面もありマドルスルーを意識しています。コミュニケーションにおいては、異分野で従事されている方々とも積極的に会話するように心掛けています。自分に足りない武器をどん欲に収集するように努めることでステップアップしていく道が開けると思うからです。
(学生委員からの「研究を進めていくうえでどう実用化を意識していますか」、の質問に対して)消費者を意識しながら最終製品を作るようにイメージしています。さらにその製品がどの様に役立つのかも意識するとそこに到るプロセスも見えてくる様に思います。製品の性能のみに目を奪われないようにする視点が重要と考えています。

1)  セレンディピティ:常に何か目的を意識することで偶然の発見などに結びつくものでポロニウム抽出後の鉱物残渣に強い電離作用があることを見逃さなかったことからラジウムを発見したキュリー夫妻、やノーベルのダイナマイト開発、フレミングによるペニシリンの発見など事例は多い。意識しているとチャンスは必ずやってくるという事例に使われます
2)  マドルスルー:行動することで大きな山を突破することが出来る解決方法でブレークスルーの対極にある課題に対する突破方法で起業に対して深い知己を与える言葉です
3)  アサーティブ:相手の気持ちを尊重しつつ自分の意見を率直に主張できる状態で、誠実、率直、対等、自己責任を明確にしたチームビルディングに欠かせないコミュニケーションスタイル
4)  セキュアベース:挑戦や変化に二の足を踏んだり不安に駆られる状況で安心感を与える場になることで、積極的な行動を通した組織の成長につなげるために有用な概念

Q. 起業後現在に至るまで苦労した点など教えてください

A: 最初は前任者の異動に伴い、それまでの自分自身の経歴から白羽が立った事業ではありましたが、実際にプロジェクトを立ち上げてみると技術の構築だけではなく、組織構築(採用、育成、定着)や集荷のための営業など、何でもやる必要がありました。
特に、歴史のある会社になるほど新規事業に対しては保守的に振り子が振れることもあるように思われ、その中で運よく巡ってきたチャンスに周囲をうまく巻き込んで、社外関係者とのコミュニケーションも構築することで難関を突破することが出来たのだと思います。実際にプロジェクトが頓挫するのではと思うこともありました。スピード的にパイロットプラントを作ることが出来ない事業であったため手探りでプロセス構築する必要もあり、完璧さを求めるのではなく妥協も加えながらとにかく前進することを考えたこともあります。

Q: 今振り返ってみて達成感や楽しかったことも教えてください

A: 現在の組織は専門的な知識を持ったスタッフが配属されてもいますが、現地採用しているスタッフもいます。組織構築の中で、地元採用した人が育ってきたのを実感したり、安全目標である「休業災害ゼロ一年」(現在、2年以上継続中)を達成した時は達成感があります。

Q. 学生時代にもっとやっておけばよかったと思うことは

A: 起業についてもっと勉強すればよかったし、機会を見つけて、在学時に起業すればよかったのかもしれません。研究室時代には恩師が「社長になれ」と説いてくださっていましたが、その当時は自分自身がそのポジションにつくことは想像だにしていませんでした。知識を知恵に変えていくのが大学での研究における違う考え方を持つ人との協業であったりしますのでより広いコミュニケーションラインを作ってもよかったと思います。

Q. 後輩に対して伝えたいことを教えて下さい。

A: 今は、新型コロナ禍により誰も知らない難しい時代になっています。
それでも、Webミーティングなど生の情報を交換する機会はいくらでも存在しますので、まずは行動を起こしてほしいと思います。行動を起こした分だけ何か得られると思います。
実体験の事例ですが、国内では希少な自動車に興味を持ち、いろいろ調べたり買ったら何しようと思いを馳せたりしていると、いつもの通勤路で今まで見たことがない(目に入らなかった)その車種をしばしば見かけるようになったということがありました。アイディアについても同様だと思います。
リサイクル事業に関しては、一時期日本が最先端を走っていた時期がありましたが、現在は北欧にその中心が移っています。リサイクルに対する意識づけなど世界を見てコミュニケーションを取り、知恵を取り入れていくことの重要性を感じています。

インタビュー後記:

山形武さんが分かりやすく、前向きに多くの経験談を語ってくださったことで学生委員の方からもそれぞれ活発な質問があり刺激の多い経験が出来たのではないかと思います。インタビュー後にも、参考になる書籍など学生委員へ紹介頂き、その言葉の一つ一つの重みを体感できたと思います。

(聞き手) B4.西尾博道、B4.伊藤陸哉、B1.庄司萌華、B1.高藤茜、新39.加来恭彦(広報委員)

教室会員受賞

2020年度

2021-04-10掲載

神場 未菜(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M1)
2020年度 第7回ZAIKENフェスタ
奨励賞
2020年度

村瀬 菜々子(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M1)
2020年度 第7回ZAIKENフェスタ
奨励賞
2020年度

2021-04-08掲載

野田大貴(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M1)

第36回ゼオライト研究発表会
2若手優秀講演賞
2020年度

 

 

 

 

 

土井 咲英(応用化学科  学部4年 関根研究室)
触媒学会
20第127回触媒討論会
学生ポスター発表賞

関根 泰 (応用化学科 教授)
イギリス王立化学会フェロー
2020年度

 

 

 

 

 

2021-02-03掲載

上宇宿雄哉(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M2)
第49回結晶成長国内会議
学生ポスター賞
2020年度

2021-01-20掲載

野田 優(応用化学科 教授)
2020年度大隈記念学術褒賞(奨励賞)
表彰データベース – 早稲田大学 (waseda.jp) 

2020-12-22掲載

加藤弘基  (応用化学専攻  山口研究室 M2)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

会田和広  (応用化学専攻  山口研究室 M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

加藤弘基  (応用化学専攻  山口研究室 M2)
第11回サブウェイセミナー
優秀ポスター賞
2020年度

2020-12-18掲載

梅木桃花  (応用化学専攻  小柳津・須賀研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
最優秀ポスター発表賞
2020年度

中村大智  (応用化学専攻  小柳津・須賀研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

2020-12-15掲載

神場未菜  (応用化学専攻  黒田・下嶋・和田研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

2020-12-12掲載

桐田奏  (応用化学専攻 細川研究室  M2)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

宇田川裕多郎  (応用化学専攻 細川研究室  D1)
日本農芸化学会関東支部2020年度大会
優秀発表賞
2020年度

2020-11-13掲載

工藤亮介 (応用化学専攻 黒田・本間研究室  M2)
表面技術協会 第142回講演大会
第9回学生優秀講演賞
2020年度

2020-11-05掲載

神場未菜 (応用化学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 M1)
日本セラミックス協会 第33回秋季シンポジウム
Presentation Incentive Award
2020年度

村瀬菜々子 (応用化学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 M1)
日本セラミックス協会 第33回秋季シンポジウム
学生優秀講演賞
2020年度

2020-10-10掲載

関根泰 (応用化学科 教授)
Innovation for Cool Earth Forum
ICEF Top 10 Innovations
2020年度

2020-09-05掲載

木野 邦器 (応用化学科 教授)
公益社団法人 日本生物工学会
第39回 生物工学賞
2020年度

2020-07-24掲載

松方正彦 (応用化学科 教授)
日本工学会
フェロー
2020年度

2020-06-29掲載

菅原 義之 (応用化学科 教授)
公益社団法人日本セラミックス協会
第5回日本セラミックス協会フェロー
2019年度

村松 佳祐 (先進理工学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 一貫制博士課程5年)
The 4 th Asian Clay Conference (ACC 2020)
Student Award
2020年度

小池 正和 (応用科学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 D3)
The 4 th Asian Clay Conference (ACC 2020)
Student Award
2020年度

2020-04-08掲載

関根 泰 (応用化学科 教授)
文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門
2020年度


 

 

 

 

 

教室会員受賞 2020年度

2020年度

2021-04-10掲載

神場 未菜(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M1)
2020年度 第7回ZAIKENフェスタ
奨励賞
2020年度

村瀬 菜々子(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M1)
2020年度 第7回ZAIKENフェスタ
奨励賞
2020年度

2021-04-08掲載

野田大貴(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M1)
第36回ゼオライト研究発表会
2若手優秀講演賞
2020年度

 

 

 

 

 

土井 咲英(応用化学科  学部4年 関根研究室)
触媒学会
20第127回触媒討論会
学生ポスター発表賞

関根 泰 (応用化学科 教授)
イギリス王立化学会フェロー
2020年度

 

 

 

 

 

2021-02-03掲載

上宇宿雄哉(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M2)
第49回結晶成長国内会議
学生ポスター賞
2020年度

2021-01-20掲載

野田 優(応用化学科 教授)
2020年度大隈記念学術褒賞(奨励賞)
表彰データベース – 早稲田大学 (waseda.jp) 

2020-12-22掲載

加藤弘基  (応用化学専攻  山口研究室 M2)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

会田和広  (応用化学専攻  山口研究室 M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

加藤弘基  (応用化学専攻  山口研究室 M2)
第11回サブウェイセミナー
優秀ポスター賞
2020年度

2020-12-18掲載

梅木桃花  (応用化学専攻  小柳津・須賀研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
最優秀ポスター発表賞
2020年度

中村大智  (応用化学専攻  小柳津・須賀研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

2020-12-15掲載

神場未菜  (応用化学専攻  黒田・下嶋・和田研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

2020-12-12掲載

桐田奏  (応用化学専攻 細川研究室  M2)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

宇田川裕多郎  (応用化学専攻 細川研究室  D1)
日本農芸化学会関東支部2020年度大会
優秀発表賞
2020年度

2020-11-13掲載

工藤亮介 (応用化学専攻 黒田・本間研究室  M2)
表面技術協会 第142回講演大会
第9回学生優秀講演賞
2020年度

2020-11-05掲載

神場未菜 (応用化学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 M1)
日本セラミックス協会 第33回秋季シンポジウム
Presentation Incentive Award
2020年度

村瀬菜々子 (応用化学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 M1)
日本セラミックス協会 第33回秋季シンポジウム
学生優秀講演賞
2020年度

2020-10-10掲載

関根泰 (応用化学科 教授)
Innovation for Cool Earth Forum
ICEF Top 10 Innovations
2020年度

2020-09-05掲載

木野 邦器 (応用化学科 教授)
公益社団法人 日本生物工学会
第39回 生物工学賞
2020年度

2020-07-24掲載

松方正彦 (応用化学科 教授)
日本工学会
フェロー
2020年度

2020-06-29掲載

菅原 義之 (応用化学科 教授)
公益社団法人日本セラミックス協会
第5回日本セラミックス協会フェロー
2019年度

村松 佳祐 (先進理工学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 一貫制博士課程5年)
The 4 th Asian Clay Conference (ACC 2020)
Student Award
2020年度

小池 正和 (応用科学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 D3)
The 4 th Asian Clay Conference (ACC 2020)
Student Award
2020年度

2020-04-08掲載

関根 泰 (応用化学科 教授)
文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門
2020年度


 

 

 

 

 

第35回交流会講演会(2021年4月24日)のご案内

講演者;桜井公美氏  プレモパートナー株式会社 創業者・代表取締役  演題;『デザイン思考で医療機器開発を!』  副題;「テクノロジーPushか、ニーズDrivenか」

今回は、交流会講演会として初のリモート方式による開催となります。
女性起業家として標記の会社を設立しご活躍されている桜井公美氏をお迎えし、『デザイン思考で医療機器開発を!』というテーマにてご講演をして頂きます。
“デザイン思考”とは、課題発見のための思考法のひとつで、副題の「テクノロジーPushか、ニーズDrivenか」と共に講演の中で詳しい説明があります。

プレモパートナー株式会社について(同社HPからの抜粋)
Premoはラテン語で寄り添うということを意味します。 患者様に必要とされる医療機器を少しでも早くお届けするために、独自の国内外のネットワークを活用し、私たちが持つ医療機器開発の専門スキルでニーズを見つけ、シーズを独り立ち出来るまで育て、出口まで導きます。 プレモパートナーのインキュベーション機能は、製品事業化に必要な全てのサービスを提供出来ます。企業の皆様には「新規事業の創出」を、またスタートアップ企業の皆様には「新製品の導出」を支援します。 プレモパートナーには、医療機器企業での実務経験が長いスタッフ、現在も厚労省や経産省などの行政機関のWGメンバーであるスタッフ、PMDA  注1) に在籍経験のあるスタッフなど、医療現場を熟知し、薬事承認から製造販売、市販後のマーケティングに至るまで幅広い分野に包括的に対応出来る様々な専門家が在籍しています。 医療機器企業で長年マーケティングに携わり、そこで培った他事業部との「HUB」としての経験を、今度はもっと広い医療機器という海原で、新規事業開発の「HUB」として、人の繋がりを大切に、医療のイノベーションに貢献したいと思っています。
注1):Pharmaceuticals and Medical Devices Agency、独立行政法人 医薬品医療機器 総合機構 医薬品や生物由来成分、医療機器の有効性や安全性を監視統括する独立法人

本講演の概要(講演者から寄せられた紹介文より)

日本は世界の医療機器市場で米国に続き2位ですが、その規模は大きく引き離されています。日本で患者さまに医療機器を届けるために「医療イノベーションを社会実装する」「医療機器の事業化を絵に描いた餅で終わらせない」という気持ちをもとに、約2年前、医療機器に特化した「インキュベーター」を起業しました。医療機器開発にはいくつものハードルがあります。今回は、開発に必要なプロセス、米国が強い理由、トレンドを提示するとともに、デザイン思考や未来思考による「視点」や「アプローチ」の重要性についてお話します。

講演者略歴

1991年    早稲田大学 理工学部 応用化学科 卒業(新制41回.酒井研究室)
1993年    早稲田大学 大学院 理工学研究科 応用化学専攻 修了
1993-2005年 慶應義塾大学病院 特別研究員
2005-2007年 ベックマンコールター(株)マーケティング部
2007-2015年 日本メドトロニック コロナリー事業部 マーケティング部
2015-2019年 セントジュードメディカルCV事業部 マーケティング部
           (2018年アボットメディカルジャパンに社名変更)
2019年    プレモパートナー株式会社 創業 代表取締役

その他、株式会社INOPASE取締役、株式会社ジョコネ取締役、東京都委託事業 先端医療機器アクセラレーションプロジェクト カタライザーなど兼任

早稲田大学大学院にて工学修士を取得後、アカデミアで12年間血液凝固の研究。その後、大手外資系医療機器企業で就業。体外診断機器および植込機器のマーケティングに約13年従事。数々の新製品をリーダーとして上市。学術のバックグランドを活かした循環器領域でのプロモーションとKOL 注2)  マネジメントが得意。2019年プレモパートナー株式会社を起業。現在、大企業の新製品上市に関わるコンサルティング、スタートアップの支援他、シリコンバレーなどの海外ベンチャー企業の日本進出のサポートも行っている。

注2):Key Opinion Leader、医薬品・医療機器の導入促進に影響を持つ医師・医療関係者

講演の日時、形式等

開催期日;2021年4月24日(土)
講演形式;遠隔会議用ソフト Zoomを使用したリモート講演
開会挨拶、講師紹介、及び講演;15:00~16:00
パネルディスカッション;16:10~16:40
パネルディスカッションのテーマ;「未来をつくる人になろう」
パネルディスカッションの司会;吉見靖男先生(芝浦工業大学工学部応用化学科教授[新制40回.酒井研])
学生パネリスト;M1 西尾博道、M1 本村彩香、B4 五十嵐優翔
質疑応答、等;16:40~16:50
閉会挨拶;16:50~17:00
その他 ;参加費無料.要事前申し込み.

 

申し込み方法について

応用化学科の学生、及び早稲田応用化学会会員であるOB/OGの皆様は、別途送付されるメルマガからの申し込みをお願いします。
上記以外で、本学の学生、卒業生・修了生、教職員の方は下記のリンク先から申し込みをお願いします。

申し込み先 ⇒  こちらから

折り返し、申し込みメールアドレス宛にZoomの参加方法等が配信されます。
皆様、是非奮ってご参加下さい。
宜しくお願い致します。

企業ガイダンス更新

下記の企業ガイダンスを更新しました。

HPへの掲載日順です。

           2021-03-11

     株式会社 日立ハイテク (更新掲載)

           2021-03-06

     株式会社 日立製作所 (更新掲載)

           2021-01-13

     AGC株式会社 (更新掲載)

           2021-01-07

     大日本印刷株式会社 (更新掲載)

     住友化学株式会社 (更新掲載)

            2021-01-05

     共同印刷株式会社(更新掲載)     

            2020-12-22

     日本製鉄株式会社(更新掲載)     

           2020-12-16

     藤森工業株式会社(更新掲載)

            長瀬産業株式会社(更新掲載)

          2020-12-09

    王子ホールディングス株式会社(更新掲載)

          2020-12-08

    株式会社クレハ(更新掲載)

         2020-12-03

    凸版印刷株式会社(更新掲載)

         2020-12-01

    昭和電工株式会社(更新掲載)

           LIXIL株式会社(新規掲載)

          トヨタ自動車株式会社(更新掲載)

         2020-11-30

    ENEOS株式会社(旧 JXTG株式会社)(更新掲載) 

        2020-11-23

    サカタインクス株式会社(新規掲載)

  2020-11-21

    ダウ・ケミカル日本株式会社(更新掲載)

  2020-11-19

    NOK株式会社(更新掲載)

   三菱ケミカル株式会社(更新掲載)

2020-11-17
トッパン・フォームズ株式会社(更新掲載)
富士フィルム株式会社(更新掲載)
2020-11-15
株式会社 東芝(更新掲載)
2020-11-12
三菱マテリアル株式会社(更新掲載)
住友電気工業株式会社(更新掲載)
古河電気工業株式会社(更新掲載)
昭和電工株式会社(更新掲載)
2020-11-05
三菱ガス化学株式会社(更新掲載)
DIC株式会社(更新掲載)
2020-11-01
旭化成株式会社(更新掲載)
信越化学工業株式会社(更新掲載)
オージー株式会社(更新掲載)
2020-10-26
東ソー株式会社(更新掲載)
古河電気工業株式会社(更新掲載)
エリーパワー株式会社(更新掲載)
JFEエンジニアリング株式会社(更新掲載)
2020-10-23
スズキ株式会社(更新掲載)
2020-10-17
テルモ株式会社(更新掲載)
2020-10-13
蝶理株式会社(更新掲載)
デンカ株式会社(更新掲載)
2020-10-12
日本シーエムケイ株式会社(更新掲載)

*****************************************

2021年度定期総会と先進研究講演会について

早稲田応用化学会会員の皆様へ

2021年3月
早稲田応用化学会 会長 濱 逸夫

今年の定期総会につきましては下記予定で開催すべく準備を進めておりますが、新型コロナウィルス感染状況によりWEB開催に変更となる場合がございます。変更された場合には、開催内容につきまして改めて 「早稲田応用化学会 ホームページ」、あるいは「メール配信」等でお知らせいたします。
尚、出席申込は、”早稲田応用化学会 ホームページ”からお申込下さい。
申込みはこちらから⇒  https://secure.waseda-oukakai.gr.jp/teikisoukai-mousikomi.html

日時:2021年5月29日(土) 13時30分~17時00分

場所:理工学部西早稲田キャンパス(旧称「大久保キャンパス」※)
   ※副都心線「西早稲田」駅はキャンパスと直結しています。
受付:57号館2階 開催教室前

<詳細スケジュール>  

  • 13時30分~14時30分   定期総会(57号館2階202教室を予定) 
  • 14時45分~16時15分        先進研究講演会(同上)

■定期総会

 議題:1)2020年度事業及び会計報告     
              2)2021年度事業計画及び予算案
      3)執行部体制 
             4)応用化学会百周年行事 等
 

■先進研究講演会「応用化学最前線 - 教員からのメッセージ」プログラム 

 1)応用物理化学部門  福永 明彦 教授  
            演題「エネルギー問題と材料開発」

 

 

 

2)無機合成化学部門  ゲガン・レジス 准教授   
     演題「自己組織化物質の界面や構造の理解とその応用

 

 

 

3)化学工学部門    小堀 深 専任講師
      演題「いかに結晶をつくるか、いかに結晶をつくらせないか」

 

 

 

以上

「先輩からのメッセージ2021」開催報告

 

2021116日(土)第13回フォーラム「先輩からのメッセージ2021」を開催しました。その概要をここに報告いたします。

  文部科学省の「採用選考に関する指針」において会社説明会等の広報活動開始時期は本年も3月とされていますが、本フォーラムは、採用に向けた会社説明会とは異なり、先輩の眼を通じた各企業のアクティヴィティ、社会人としての過ごし方や後輩への期待等を話していただく、学生の進路選定の一助、キャリア教育の一環であることから、大学側と慎重に協議いたしました結果、開催日を1月16日(土)とすることで予定しました。しかしながら、コロナ禍のなか、例年通りの対面での開催は難しく、ZOOMによりますリモート開催といたしました。これに基づき、「企業ガイダンス」掲載企業に「先輩からのメッセージ2021」への参加をお願いしたところ、51社からご賛同をいただき第13回の開催の運びとなりました。早稲田応用化学会のホームページには学生向けのコンテンツの一つとして「企業ガイダンス」掲載欄を設けており69社に参加いただいています。

 本イベントの特色は就職活動に向けた企業説明会とは異なり、企業様概要、仕事のご紹介にとどまらず、OB/OGの皆様から直接に、会社生活、日常や、普段感じていること、職場の雰囲気から余暇の過ごし方、配属や休暇・福利厚生に至るまで身近な事柄を含めて親しくお話が聞けることと理解しております。

 そのため、例年は、各社には13分/回の講演を2回実施して頂き、全社の講演終了後、ロームスクエアで一堂に会し、企業名の表示柱の下、学生たちが思い思いの先輩や企業参加者からお話を聞かせて頂く懇談会を実施しています。本年はこの懇談会が実施できませんので、講演の時に質疑応答などの懇談時間が十分とれるように、講演時間を40分/回としました。更に、学生との直接のやりとりの時間を増やすため、必要に応じ事前に動画を配信し講演時間を懇談に回すことができるよう、次の3形式から選んでいただき実施しました。

形式① 事前動画を配信 当日は懇談に直接入る。
形式② 事前動画を配信し、当日は追加講演、続いて懇談にはいる。
形式③ 事前動画は配信せず、当日講演と引き続き懇談を実施する。

形式① 1社、形式② 16社、形式③ 34社となりました。

 各社の講演時間を40分、2回としたことで、全体のタイムスケジュールは、後述の通り6時間枠を2回、各時間枠における同時開催数は9Roomとなりました。

 講演では、ビジネス現場の第一線で活躍中の身近な世代の先輩が、それぞれの企業の特徴、ビジネスモデル、講演者自身のビジネスライフの様態、キャリア開発実績、求められる人材像などを講演いただきました。講演に引き続き、学生からの多岐にわたる質問に丁寧にご対応いただきました。企業からは講演者、同時参加者を合わせて約110名に参加いただきました。内OB/OGの参加は講演者を含めて67名でした。学生の参加数は総数140名で、平均一人当たり5社の講演を聴講しました。積極的な質疑応答がなされ、企業や、将来のイメージなど理解を深めることができたと思います。

オンラインでの開催となり、講演から懇談会まで学校に詰めている例年と異なり、自宅からの参加で、一人当たりの聴講社数が少なくなったこと、また、講演時間を長くしたことにより同一時間枠でのRoom数が9となったことで同一講演の聴講者数が減ったのは課題となりました。

 初めてのオンラインでの大規模な講演会の開催となり、また例年と異なり講演と懇談を続けて行うことになったこともあり、ZOOMの運営、懇談のファシリテーション等について種々準備をしてきました。応化会シニア委員、学生委員、応援学生が一体となりテスト会議も4回実施し、改善をしてきました。当日は、ZOOM運営とトラブルに備えたバックアップ部隊を52号館302教室に十分な距離をとって設営し、自宅での運営参加者と連携して対応に当たりました。お陰様で大きなトラブルもなく、時間通りに実施完了することができました。詳細準備にあたった委員、参加申込システムなどで広報委員、当日の運営に奮闘した学生委員、応援学生に感謝します。

今回のフォーラムにご賛同、ご支援いただきました企業様、および熱気溢れる講演、懇談において後輩を思いやる親身なアドバイスをいただきました先輩と、同時参加された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

                             (文責 交流委員会)

                

Ⅰ プログラム概要

1.日時  2021年1月16日(土) 9時~19時10分
2.実施内容

本年はZOOMによるリモート会議となりました。
下記タイムスケジュール通り、9Roomで実施、各社40分の講演、懇談を2回実施して頂きました。

3.対象学生 学部生、大学院生(修士、博士、一貫制博士)およびポスドク

(進路選定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程、一貫制博士課程修了予定者およびポスドクを参加の主体とし、将来へ備えての学部1,2,4年、修士2年の参加を呼びかけました)

4.対象学科 応用化学科、応用化学専攻、化学・生命化学科および専攻、生命医科学科および専攻、電気・情報生命専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻

Ⅱ 「2021」タイムスケジュール

図をクリックで拡大表示

 Ⅲ 参加した学生

他学科は生命医科学専攻

Ⅳ アンケートを踏まえての総括

1.今回のフォーラムの全体的な評価

アンケート回答者では、参加企業の88%、学生の98%が、「満足」「ほぼ満足」と回答しており、フォーラムは評価されていると考えられます。
質問に対し多岐にわたる回答がありましたが多かったものは次の通りです。

1)学生からの回答

 ①いろいろな企業が一堂に会していて、多くの企業を知ることができてよかった。
 ②OB・OGからは、仕事や生活の具体的な話が聞けて参考になった。

2)企業参加者からの回答

 ①学生の熱心な質問等積極的な姿勢を評価。
  (一方、オンラインに伴い、踏み込んだ話ができなかったとの感想もあった)
 ②会社の理解を深めてもらえた。

2.運営について

 今回はリモート会議とならざるをえませんでしたが、参加企業の85%、学生の70%が参加し易かったと回答されました。一方、例年のような全体の懇談会の要望も企業、学生共にあり、ブレークアウトルームの要望もありました。また、企業側からは例年通り講演部分の他社聴講を望まれた意見もありました。
 今回は講演と懇談を一体化したため、応化会としてファシリテーターを設けましたが、質問がスムースだった等、概ね好評でした。

3.まとめと次回開催に向けた課題

  本年はリモート開催のなか、51社にご参加いただき、学生も140名が参加しました。学生にとっては優良企業からの具体的な情報が得られ、企業側も自社に対する理解を深めてもらうという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価につながっていると思われます。
  同一時間帯での企業割り振りなど改善希望点も指摘されています。今後とも参加企業を増やしていくことと、日程を含めた運営方法との調整が課題となります。
  今後の参加企業として、医薬、化粧品などが希望されており、また電機やIT、自動車、精密機器など現在参加が少ない業種へのアプローチも課題です。一方、施設面、運営人員面での課題も大きく、教室側と連携をとって次年度の運営を早めに議論していくことが求められています。

なお、「先輩からのメッセージ」及び「企業ガイダンス」に関するお問い合わせならびにご要望等は下記メールアドレスの交流委員会または事務局宛お願いいたします。

  E-Mail :guidance_2020@waseda-oukakai.gr.jp
      〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
  早稲田大学 先進理工学部応用化学科内 早稲田応用化学会 事務局長 寺嶋正夫
  TEL 03-3209-3211 内線 5253
  FAX 03-5286-3892
  E-Mail: oukakai@list.waseda.jp
      URL  http://www.waseda-oukakai.gr.jp

教室会員受賞

 

 

2020年度

2021-02-03掲載

上宇宿雄哉(応用化学専攻 黒田・下嶋・和田研究室 M2)
第49回結晶成長国内会議
学生ポスター賞
2020年度

2021-01-20掲載

野田 優(応用化学科 教授)
2020年度大隈記念学術褒賞(奨励賞)
表彰データベース – 早稲田大学 (waseda.jp) 

2020-12-22掲載

加藤弘基  (応用化学専攻  山口研究室 M2)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

会田和広  (応用化学専攻  山口研究室 M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

加藤弘基  (応用化学専攻  山口研究室 M2)
第11回サブウェイセミナー
優秀ポスター賞
2020年度

2020-12-18掲載

梅木桃花  (応用化学専攻  小柳津・須賀研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
最優秀ポスター発表賞
2020年度

中村大智  (応用化学専攻  小柳津・須賀研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

2020-12-15掲載

神場未菜  (応用化学専攻  黒田・下嶋・和田研究室  M1)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

2020-12-12掲載

桐田奏  (応用化学専攻 細川研究室  M2)
第10回CSJ化学フェスタ2020
優秀ポスター発表賞
2020年度

宇田川裕多郎  (応用化学専攻 細川研究室  D1)
日本農芸化学会関東支部2020年度大会
優秀発表賞
2020年度

2020-11-13掲載

工藤亮介 (応用化学専攻 黒田・本間研究室  M2)
表面技術協会 第142回講演大会
第9回学生優秀講演賞
2020年度

2020-11-05掲載

神場未菜 (応用化学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 M1)
日本セラミックス協会 第33回秋季シンポジウム
Presentation Incentive Award
2020年度

村瀬菜々子 (応用化学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 M1)
日本セラミックス協会 第33回秋季シンポジウム
学生優秀講演賞
2020年度

2020-10-10掲載

関根泰 (応用化学科 教授)
Innovation for Cool Earth Forum
ICEF Top 10 Innovations
2020年度

2020-09-05掲載

木野 邦器 (応用化学科 教授)
公益社団法人 日本生物工学会
第39回 生物工学賞
2020年度

2020-07-24掲載

松方正彦 (応用化学科 教授)
日本工学会
フェロー
2020年度

2020-06-29掲載

菅原 義之 (応用化学科 教授)
公益社団法人日本セラミックス協会
第5回日本セラミックス協会フェロー
2019年度

村松 佳祐 (先進理工学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 一貫制博士課程5年)
The 4 th Asian Clay Conference (ACC 2020)
Student Award
2020年度

小池 正和 (応用科学専攻 黒田・下嶋・和田 研究室 D3)
The 4 th Asian Clay Conference (ACC 2020)
Student Award
2020年度

2020-04-08掲載

関根 泰 (応用化学科 教授)
文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門
2020年度