会員の皆様から個人情報の確認・総会出席シートの通信欄に頂きました近況、ご意見を掲載しました。会報誌No.96にも掲載されています。
旧制・工経・燃料卒業生
●上田 忠雄(昭和26年卒・旧3回)
応用化学科創立百周年をむかえられおめでとうございます。これから先益々のご発展とご活動を心から祈念申し上げます。私も今年6月に満89才をむかえます。まだまだ元気に頑張るつもりでおります。
新制卒業生(1回~10回)
●佐野 和夫(昭和27年卒・新2回)
米寿間近となりましたが、元気に過ごしております。
87才になりました。相模原は森の町ですので春は殆んど毎日カメラを持って風景を写し歩いております。
●嶋根 政彦(昭和30年卒・新5回)
アパート駐車場等の不動産管理をして元気に過しております。
●高野 不二雄(昭和30年・新5回)
昨年9月に設立しました㈱先進工学研究所ですがfirst projectである脂肪酸アミドの新製法は日本の石化産業の停退で、国内は実現困難でしたがお隣の中国では花咲いており、こちらに1号成約見込です。
●清水 固(昭和31年卒・新6回)
85歳になり、歩行の疲れがひどく困っていますが何とか暮らしいます。皆様の後活躍を今後も期待しています。
●杉田 米藏(昭和32年卒・新7回)
事務局の皆様、いつもご苦労様です。私共新制7回卒のメンバーも大分少なくなって参りましたが、毎年5月にはそれでも20名程が集まり、旧交をあたためています。皆夫々に元気ですが、小生も相変わらずです。末筆乍ら応化会の益々の発展を祈念して居ります。
●鈴木 博(昭和33年卒・新8回)
貴会の益々の発展を祈念致します。
●髙柳 晴夫(昭和33年卒・新8回)
一身上の都合で、一昨年末に千葉県柏市から宮城県仙台市に引越して来ましたが、やっと慣れて来て元気で過しております。応用化学会の益々の発展を祈念しております。
●阿武 靖彦(昭和34年卒・新9回)
イャー 歳を取りました。私も、家族も、友達も、、、毎日やってる身のまわりの作業の手順を間違えたり、忘れたり、、、でも全く稼いでいないのに、当たり前に生活出来ます。社会制度と若い人のお陰です。でも長寿化が進むとどうなるのでしょうか?
●小林 裕(昭和34年卒・新9回)
卒業以来の岡山住まいです。
●速水 清之進(昭和34年卒・新9回)
80才の大台を越えながら、まだゴルフと囲碁と飲み会を続けています。これも交友の皆様のお陰です。
新制卒業生(11回~20回)
●岩井 義昌(昭和36年卒・新11回)
2年前より体調不良!遠方への外出は不可!
超高齢化時代を何とか生きていますが、これからの不確実性の多い時代はやはり、頭の柔らかい若い人に期待しています。
●王 義雄(昭和38年卒・新13回)
化学工学会-エネルギー検討グループ、過去の仕事上の問題点の記録作成、語学(中国語)の研修、機具を利用したステップ体操(毎日)
●小川 弘(昭和39年卒・新14回)
私は三菱重工の研究所に45年間勤務しましたが、その内35年間は排ガス処理装置(環境装置)の開発に従事しました。 そのため、中国の「大気汚染」が気になります。 日欧米の先進工業国は日本企業が開発した環境技術(排煙脱硫・脱硝装置等)によって「大気汚染」問題を解決しました。中国はこの問題を解決できると思いますか? 私は現状の中国の社会体制ではだめだと思います。
●福島 騏一(昭和40年卒・新15回)
男女1人ずつの孫と年相応に元気で過しております。
●鶴岡 洋幸(昭和43年卒・新18回)
薫陶を受けて参りました豊倉賢先生が、今年の春に叙勲を綬賞されました。7月29日(土)にリーガロイヤルホテルにての祝賀会の準備で忙しくしております。
●柿野 滋(昭和44年卒・新19回)
退職後、岐阜に移り住み丸6年を迎えます。可児市というすばらしい自然の中で日々人との触れ合いを大切に、楽しくやっています。
●重谷 恒久(昭和44年卒・新19回)
退職後5年たち、日々散歩、読書して過しています。
新制卒業生(21回~30回)
●山本 浩一(昭和45年卒・新20回)
中国からファインケミカル、ウレタン原料の輸入の仕事をしています。中国でも人件費や公害対策費が高騰していて、競争力が無くなりつつあるようです。
この3月で大学を退職しました。退職すると日々の風景が変わって見えてきますね。自然を楽しんでいます。
●宮崎 慎司(昭和47年卒・新22回)
2015年3月に科学技術振興機構を退職しました。今は町会の役員になり、けっこう忙しくしております。
●有山 達郎(昭和48年卒・新23回)
最近、中国の鉄鋼企業に数日滞在しました。彼らの熱意には心を打たれます。
●大澤 悟(昭和48年卒・新23回)
2015年3月に42年間の宮仕え(㈱竹中工務店 技術研究所)を卒業し、自宅にて建築仕上コンサルタントを起業しています。現在、大学の非常勤講師(建築材料)、民間企業の技術顧問等今だにけっこう多忙な日々を送っています。
●西川 和子(昭和48年卒・新23回)
40代からスペイン史に興味を持ち出版を重ねてきましたが、化学の仕事を退職した今、「スペイン史著述家」として執筆・講演を続けています。最新作『スペイン レコンキスタ時代の王たち』(彩流社刊)は、スペイン中世800年の歴史を描いたものです。お読みいただければ幸いです。
●長谷川 悦雄(昭和48年卒・新23回)
昨秋に四半世紀ぶりに鳴門を訪れました。OBとして大塚グループ迎ひん館「潮騒荘」に夫婦で泊まり、道路向かいにある「大塚国際美術館」で大型陶板に焼き付けられた世界の名画を堪能しました。永遠の色彩を保つ名画を一見してみては。
●佐田 洋(昭和49年卒・新24回)
入学時のクラス分けのクラスNo.18クラス(応化+機械)の同窓会を年1~2回開いています。まだまだ皆んな若く、飲み会、カラオケ張切って楽しんでます。
●角 仁(昭和49年卒・新24回)
最近は囲碁にハマっており、応化会の「棋友会」へも可能であれば参加したいと思っています。
●福田 隆(昭和49年卒・新24回)
応化も百周年のごとく、勤務していたデンカ社も一昨年同じく百周年を迎え、たまたま百年史の編纂に携わりました。奇遇を感じます。
●大澤 伸行(昭和50年卒・新25回)
3月でJXグループから卒業しました。4月からは畑違いの横浜家庭裁判所の調停委員として頑張っています。
●加藤 宏(昭和50年卒・新25回)
本年3月末に退職しました。これからは、いくつかのボランティアに参加させてい頂きながら、家族と供に過ごしていくつもりです。
●前田 哲郎(昭和50年卒・新25回)
会社人生40年目で会長職というセミリタイアの地位に辿り着きました。このクールダウン期間を上手に使って異分野への挑戦の準備を進めたいと思っています。
●荻野 和男(昭和52年卒・新27回)
再雇用3年目に入りました。まだ元気で働いています。
●藤井 進一(昭和52年卒・新27回)
インド国ハイデラバード市に2013年11月より駐在しています。二回目のインド赴任ですが、今回は合弁会社への出向で製造に直接たずさわっており、毎日が新鮮です。会員各位のご健勝をお祈りしております。
●井上 和雄(昭和53年卒・新28回)
10年振りに開発に戻りました。あと残り少ないですが頑張るつもりです。
●木村 賢一(昭和54年卒・新29回)
ひとまわり(60)が過ぎた。おもて向きは何ら変わらぬが、「その日」は確実にやって来る。今は、今やれるだけの事を日々精進あるのみ!!です。
●森本 聡(昭和55年卒・新30回)
2016年3月に現在の会社に移り再生医療に取り組んでいます。
新制卒業生(31回~40回)
●濱田 和人(昭和59年卒・新34回)
5月より㈱協和に転職しました。化粧品とサプリメントの会社になります。これからも変らぬご指導・ご鞭撻を賜わります様、宜しくお願い致します。
タンタル業界は、厳しい状況ではありますが、漸く、上向きに成り始めました。Taコンデンサーの用途も、大きく変わりつつある様です。
●相田 冬樹(昭和61年卒・新36回)
勤務先で4月に統合があり、さらに大所帯となりました。業務はあいかわらず「研究一直線」です。
●中野 哲也(昭和62年卒・新37回)
昨年12月よりラインに復帰しました。管理業務は忙しいですが、充実した日々を過しています。
新制卒業生(41回~)
●酒井 優(平成3年卒・新41回)
2014年度まではプロセス系の部署にいたのですが、2015年3月末から、社内のITツールのとりまとめをする部署に異動しました。
秋田勤務6年目になりました。
●穐山 徹(平成6年卒・新44回)
日立製作所からリストラされ、三菱グループに入りました。給料上がりました。
●増田 直人(平成7年卒・新45回)
創立100周年誠におめでとうございます。地方自治体で環境行政に従事しています。化学の専門から離れましたが、気象予報士と技術士(環境部門)の資格を取得し、業務に活かしています。
●関根 優子(平成9年卒・新47回)
100周年おめでとうございます。(本年、弊社も創立100周年を迎えます)
大修修了博取得生
●横田 昌明(昭和54年修・大27回)
満期定年で外科部長職を引退し、半官半民の診療
所で第2(3?)の人生です。吉田研で勉強して
いた頃が遠い日の夢のようです。
新制17回(昭和42年(1967))卒業同期会報告(10月7日)
新制17回(昭和42年(1967))応用化学科卒業同期会報告
2017年10月7日(土)に同期会を、応用化学100周年の記念式典の前に開催しました。式典参加ができるようにと、高田馬場駅近くのBIG BOX 9F 「わん」 で、13時30分から15時30分まで昼食を摂りながらの集まりでした。参加者は15名と、昨年と同様に寂しい人数でしたが、中部支部から1名参加してくれました。
同期会を始める前に、今年2月に、72歳で逝去された濱田義治氏のご冥福をお祈りし、1分間の黙祷を捧げました。
司会は、金子四郎が担当し、石井利典の開会挨拶と乾杯でスタートしました。 順番に話を始めると50年以前の在校時の記憶が次々と戻ってくるようで、色々と声がかかっておりました。各人が近況を報告すると、それに合わせて色々な話題が出てきて、花を咲かせていました。余り触れないように最初に釘を刺したのですが、ご多分に漏れず病気の話題が飛び交いました。
予定の時刻はあっという間に過ぎ、来年も10月の土曜日に同じ場所で開催するようにとの強い要望が出ました。閉会の挨拶は、見並勝佳が行い、早稲田大学の校歌を全員で合唱しました。そして、集合写真を撮り、来年もまた会おうと同期会の会場を後に、帰路につきました。
参加者 : 石井利典、大林秀仁、押田信昭、金子四郎、木寺洋一、小山範征、高橋志郎、高畑忠男、坪田正行、西海英雄、藤本隆之、三島邦男、見並勝佳、室賀五郎、鶴岡洋行 (15名) (文責:石井利典)
見並追記
鶴岡君は同時に入学したのですが、3年次に病気のため学部卒業は1年遅れましたが、今回参加して貰いました。その鶴岡君が持参してくれた入学して間もない頃の写真を下に掲載します。(54年前の写真です。クリックで拡大できます。)
第9回早桜会講演会の報告
第9回早桜会講演会は9月9日(土)、講師に岐阜大学名誉教授 木内一壽先生をお迎えし、開催いたしました。木内先生は平田研究室にて「活性汚泥法による廃水処理」についてご研究される中で、酵素を中心とする生化学の研究に進まれたのち、神経化学分野で長年に渡りご研究をされています。今回は、“ヒト脳の特性”と題し、神経細胞や脳に関する基本的な知識から、脳機能の解明に至るまで幅広くご講演いただきました。
皆さまは脳の存在を意識して過ごされていますか?日本人にとって脳を身近に感じる機会は滅多にありませんが、アメリカではなんと小学校教育の中で、神経信号の伝搬の仕方や、前頭葉の機能など“brain power 脳力”に関する授業が行われているそうです。
人間は他の動物よりも脳が非常に発達していますが、チンパンジーと我々ホモ・サピエンスの遺伝子はわずか1.23%しか変わらないと言われています。霊長類の進化とともに、脳は非常に大きく進化し、20万年前からホモ・サピエンスは約1350mLサイズの脳を持っていると解説いただきました。
ではヒトの脳はなぜここまで成長しているか、それは他の動物よりも未熟な状態で生まれてくるからこそ、学習することで脳を鍛え、成長できるのだそうです。人間の脳は遺伝子の影響50%、外部環境の影響50%で決まり、脳のネットワーク形成が人類の進化の始まりにつながっていると解説いただきました。さらに大脳皮質前頭葉の働きが人間の脳の発達につながっていると述べられました。
最後に、脳神経細胞に関する最新の研究動向もご紹介いただきました。f MRIによる脳の位置ごとの機能の解明、脳内の信号のやりとりの可視化など大変刺激的な内容でした。
“研究は気力、体力、知力だ”という木内先生の研究スタイルを象徴するような大変広く深い内容で、質疑の時間が予定をオーバーするなど参加者一同、探究心を刺激されるご講演でした。
講演終了後は、集合写真を撮り、特別食堂での懇親会に移りました。初めてご参加の方、お久しぶりの方のスピーチを挟み、大変賑やかな会となりました。筋肉と同じように脳も鍛え続けるべし、との木内先生のお言葉を持ち、大盛況の中閉会いたしました。
(文責 桜井)
出席者:
木内一壽(新24回)、津田實(新7回)、井上征四郎(新12回)、市橋宏(新17回)、田中航次(新17回)、岡野泰則(新33回)、和田昭英(新34回)、原敬(新36回)、中野哲也(新37回)、柘植知彦(新41回)、髙島圭介(新48回)、數田昭典(新51回)、陳鴻(新59回)、桜井沙織(新64回)、御手洗健太(新65回)
応用化学科創立百周年記念展示
「江戸後期 知の探究者たちが切り拓いた世界」
2017年10月5日より11月9日まで
10:00~18:00
早稲田大学総合学術情報センター2F
応用化学科の創立100周年を記念して題記記念展示が開催されます。会場は早稲田大学総合学術情報センター(早稲田大学中央図書館の建物)の2階展示室です。
江戸末期の貴重な文物が展示されます。
特に宇田川榕菴は江戸末期(1798 – 1846)の蘭学者で、今日我々が使っている基本的な化学用語を翻訳し、日本に定着させた人です。
その宇田川榕菴の主要著作である『舎密開宗』(せいみかいそう)も展示されます。
またシーボルトから榕菴に贈られた顕微鏡なども展示される予定です。
江戸末期には本草学をはじめ多くの自然科学者たちが知のネットワークを作って活躍しました。
日本の化学も、そうした知の探求者たちによって基礎が作られました。
我々の学問のルーツを是非この機会に訪ねてみましょう。
応用化学科の創立100周年につきましては、いろいろな催しや行事が企画されています。10月7日(土)には記念祝賀会も開催されます。下のLinkの応用化学科のHPにて詳細をご参照の上、本記念事業への積極的なご参加をお願いいたします。
豊倉賢名誉教授 瑞宝小綬章 叙勲
2017年4月29日、豊倉賢名誉教授は、瑞宝小綬章を叙勲され、5月11日に、伝達式が行われた。
先生のご功績は、工業装置内晶析現象で新しく考案した無次元結晶粒径・溶液過飽和度を用いて所望結晶製品を工業規模で生産出来る晶析装置・操作の設計理論を世界に先駆けて確立したことに加え、工業晶析装置内の2次核発生や結晶精製の新現象も発表して製品結晶品質向上や生産コスト削減を容易にし、世界の晶析研究・結晶生産工業の発展に貢献した点にある。
豊倉名誉教授に、ご薫陶を受けたOBが、2017年7月29日(土)リーガロイヤル東京 サファイアに参集し、盛大な祝賀会を実施した。海外から、マルティンルター大学 ヨアヒムウーリッヒ教授も、急遽来日し、OBとともに、恩師の叙勲をお祝いした。同門のOB会としては、先生のご退職以来の実施であり、18年ぶりの再会に話が盛り上がり、飲食も忘れて昔話に花が咲いた。
(新18回 鶴岡洋幸、新26回 平沢 泉)
早稲田応用化学会中部支部第14回交流会開催のご案内
早稲田応用化学会中部支部第14回交流会
早稲田大学 特任教授 逢坂哲彌氏
“最近のエネルギー・蓄電池の話題~自動車EV化に伴って~”
第14回中部支部交流会を下記要領で開催致します。今回の講師は、現在、特任研究教授の一号としてスマートエネルギーシステム・イノベーションセンター長としてご活躍中の逢坂哲彌先生にお願いしました。
講演内容は何方様にとっても大変興味ある内容となっております。講演後は懇親会も予定しております。お誘いわせの上、多数ご出席下さいますようご案内致します。
早稲田応用化学会中部支部
支部長 三島 邦男
1.演題 最近のエネルギー・蓄電池の話題~特に自動車EV化に伴って~
2.講師 逢坂哲彌先生
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構特任研究教授・名誉機構長
早稲田大学理工学術院名誉教授
3.日時 2017年10月14日(土)
受付16:00より
講演会 16:30~18:00
懇親会 18:00~20:00
4.場所 名古屋ダイヤビル1号館 (JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
アクセスはこちら(リンク終了)
講演会 131号室
懇親会 同ビル1階喫茶「サンディア」
5.会費 講演会 無料
懇親会 3,000円
参加申し込みはこちらから→ここをクリック。
準備の都合上、来る10月6日( 金)までに申し込み願います。
お問い合わせ先:応化会中部支部幹事 堤 正之
Tel. ;059-353-7639
E-mail; m.tsutsumi @fuga.ocn.ne.jp
先進理工学部応用化学科創立百周年
明治41年(1908)早稲田大学に理工科が設置され、機械、電気、採鉱、建築の各科に続く五番目の学科として大正6年(1917)9月に応用化学科1期生の授業が始まりました。これを以て発足の時とし、本年は創立100周年になります。
これを記念し、応用化学科では下記のような記念事業を計画しております。
- 記念祝賀会
- キャンパスツアー
- 記念展示会
- メッセージ寄稿
-
寄付・寄贈
下のLinkの応用化学科のHPにて詳細をご参照の上、本記念事業への積極的なご参加をお願いいたします。
第9回早桜会講演会・懇親会のお知らせ
早桜会(早稲田応用化学会関西支部)では、第9回講演会を下記要領で開催します。今回の講師には、岐阜大学特任教授の木内一壽先生(新24回 平田研究室)にお願いしています。どなたにとっても大変興味深い講演内容と思います。講演後は、同倶楽部で懇親会も予定しています。初めての方もぜひ奮ってご参加ください。
演題 |
ヒト脳の特性 |
講師 |
木内一壽先生 (岐阜大学生命科学総合研究支援センター 放射性同位元素実験分野 特任教授) |
日時 |
2017年9月9日(土) 講演会 15:00 ~ 17:00 懇親会 17:00 ~ 19:00 |
場所 |
中央電気倶楽部(大阪・堂島浜) 大阪市北区堂島浜2-1-25 06‐6345‐6351 講演会 215号室 懇親会 特別食堂 |
会費 |
講演会 無料 懇親会 5,000円 (ただし、学部卒業後または大学院修了後2年間は、2,000円) |
講演要旨:
この講演では、最初に、脳を構成する神経細胞について簡単に説明します。次に、ヒト脳の進化に影響を及ぼした遺伝子について例を挙げ、分かり易く解説します。最後に、ヒトで発達した前頭葉について、エピソードを交え、その機能について話していきたいと思います。
第15回 先生への突撃インタビュー(野田 優 教授)
「先生への突撃インタビュー」の再開の3番バッター(第15回)として野田優教授にご登場願うことにしました。
今回は学生にもインタビュアーとして参加をしてもらうと同時に新任の佐々木広報委員長にも参加を願い、応化会の本来の姿である先生・学生・OBの3者による合作の新バージョンを目指しました。野田先生もこの試みに快く賛同していただきましたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。
野田先生は、1994年東京大学工学部卒業、99年同大学院工学系研究科 化学システム工学専攻博士後期課程修了・工学博士、1999年~2007年東京大学助手2007年~2012年同准教授を経て2012年より早稲田大学理工学術院教授、2009年~2013年JSTさきがけ研究員(兼任)をされています。また、2005年には化学工学会奨励賞を、2014年度春学期と2016年度春学期に早稲田大学ティーチングアワードを受賞されています。
・先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?
~中学は科学部、高校は化学部に~
子供のころから自然科学に関心がありました。高校時代には、エネルギー問題に加え、温暖化、オゾン層破壊、酸性雨などの環境問題がクローズアップされ、クリーンエネルギー技術に携わりたいという想いを持つようになりました。この考えで、化学工学系の学科(東京大学 工学部 化学工学科・現 化学システム工学科)に進学、大気環境技術の故・定方正毅先生の研究室に入りました。学生の自主性を重んじ、自由に研究させてくれたこともあり、研究の面白さに目覚め、博士課程まで研究に没頭しました。
学位取得後は、縁あって隣の研究室の小宮山宏先生の助手に採用され、材料研究へと転身しました。半導体産業での各種薄膜の気相プロセスによる製膜研究と知の構造化に従事、このときのプロジェクトで松方正彦先生にも大変お世話になりました。丸山茂夫先生との共同研究でカーボンナノチューブに着手、山口由岐夫先生のもとでのナノテク研究を通じ、「小さなモノを大きく創る」ナノ材料の実用合成、材料プロセス工学に本格的に取り組み始めました。2012年9月に縁あって応用化学科に着任後は、エネルギー技術を専門とされる先生方も多く、お力添えを頂きながら、蓄電デバイスや太陽電池などのクリーンエネルギー技術の性能とコストを、実用的なナノ材料プロセス技術により革新すべく研究に取り組んでいます。
・技術的内容で先生がポイントと考えておられる点はなんですか?
~基礎と応用の相互コミュニケーションとシナジーが重要~
ナノテクは広範な技術革新を起こすと大いに期待されている反面、実用例が限られることが問題とされています。新たなナノ構造体を創製し、新規な特性・機能を見出す0から1を生む研究はもちろん重要ですが、分かり易いオリジナリティーを優先するあまり、1を100に仕上げる研究が立ち遅れていると考えます。後者の仕事は、従来は企業の役目と考えられがちでしたが、多様な候補材料がある中、数ナノメートルという微小スケールで企業単独で実用技術に仕上げるのは困難です。例えば、ナノチューブ1本を測定したら素晴らしい物性が出た、こんな夢のデバイスができそうといった論文がよくあります。それだけで、企業に製品を作って下さいというのは無理があります。基礎はますます基礎に向い、応用は複雑・高度化し、両者の距離が開いてしまっています。良いものを上手く作るのが化学工学の本来の役割であり、ナノ材料の特性を保ったまま、簡易に大規模に創ることが自分のミッションと考えています。
もう一つは考え方のベクトルです。オリジナリティーはもとより重要ですが、シーズ志向がとても強いと感じます。例えば、我が国発の技術で○○を解決する、我が国の強い△△を更に発展させるといった具合です。また、過去に専門家が設定したロードマップを重視し、ロードマップを達成することが目的になっていないかも危惧します。これらはフォアキャスト型と言えると思います。一方で、社会にとってみれば、課題解決が重要であり手段は問いません。既にある知識・技術を適切に組み合わせてプランを策定し解決すれば幸いですし、どうしても要素が足りない場合はその要素を研究・開発する考え方も重要と思います。課題が明確になっている場合はニーズ志向ですが、今の日本は解決した後の未来像をはっきりと持てない状況にもあると思います。理想的な未来社会像を描き、それに至るシナリオを描き、個別課題を設定し、研究計画を立案し取り組む、バックキャスト型も重要です。急激に変化する世界の情勢も踏まえロードマップは随時更新、バックキャストとフォアキャストを行き来し臨機応変に取り組むこと、また個々人が基礎研究、応用研究、課題解決研究の違いを意識しつつ、それらに取り組むことが重要と思っています。私自身も得意技術に頼り過ぎないよう、自戒しています。
・先生の研究理念を教えてください。
~社会に対し価値を生む研究を~
基礎研究であっても、応用、課題解決研究であっても、先人の財産である既存の知識・技術を有り難く使わせて頂き、できることは速やかに済ませる。それだけではできないところに、新たな発見や発明が生まれると思っています。オリジナルな研究をするのが目的ではなく、既存知識・技術で解決できないところにオリジナルなものが生まれる。また、新物質・新材料などは分かり易いオリジナリティーですが、それら要素の新たな組み合わせもオリジナリティーの筈です。研究のための研究ではなく、社会に対し価値を生む(経済価値だけでなく知的価値を始めとした質的な価値も)研究をしたく思っています。
先人の財産を学びつつも納得できない場合は、自ら考え直すことも重要です。頭の中は自由です。学生さんを始め皆さんと一緒に、良く学び、自由に考え、大胆に挑戦していきたく思います。
・これからの研究の展望を聞かせてください。
~現実解を求めるために、汎用の炭素・珪素に注力~
世界全体が豊かになることは、当然の目標と思っています。すると化学による物質生産も膨大になり、既にレアメタル・レアアースなど資源問題が顕在化しています。20世紀は多様な元素を使って物質的豊かさを実現してきましたが、ナノテクでは同じ化学組成でも構造を変えることで物性・機能を制御でき、この点が持続可能社会の実現にとても重要と思っています。性能で記録更新を目指すだけでなく、良いものを広く行き渡らせたく思います。
現在は、特に炭素と珪素に注力しています。資源的に豊富ですし、周期表で隣通しです。特にグラフェンシートを基本骨格としたナノカーボンは、表面にダングリングボンドを持たないため、ナノ構造でも本質的に安定です。炭素により軽量でナノ構造により柔軟という有機材料の特徴と、強固なσ結合による熱的・化学的安定性や優れた導電性といった無機材料の特徴を併せ持ちます。良質なカーボンナノチューブは、1 gあたり10万円前後もします。原料は炭化水素です。作り方が余りにも稚拙です。我々は、アセチレンを原料に、0.3秒の滞留時間で、収率70%で良質なカーボンナノチューブを半連続合成する流動層技術を開発しました。エチレンでも高収率で合成する技術も開発中で、また得られたナノチューブからスポンジ状自立膜を作製し三次元集電体とする新型蓄電池の開発などに取り組んでいます。また、シリコンも丁寧に作るのが従来の常識でしたが、1分で厚さ10 μmの単結晶膜や大粒径多結晶膜を製膜し、バルクから数秒でナノ粒子を合成することも可能となりました。前者は太陽電池に、後者は蓄電池に向けた技術です。エネルギー技術は安い技術で、広く使われてこそ課題解決に貢献できます。資源的制約の緩いこれらの材料を用い、画期的に安価で設置容易な太陽電池や安価・軽量・高容量の蓄電池を実現し、自然エネルギー利用拡大に貢献したく思っています。
・大学と企業の関係についてコメントをお願いします。
~オープンな協力関係でステップアップを~
現在の世界の流れは、オープンな相互協力が主流になっています。日本の企業はまだまだ閉鎖性を残している所が見受けられますが、はっきりした目標や目的を共有することが大切だと感じています。得意技術を守っている間に世界は先へ進んでしまいます。積極的に訪問して狙いを話し、アイディアを出し合い議論し、相互の信頼関係を醸成してより踏み込んだ議論をするサイクルを回し、スピーディーに次の一手を打つと、できることが大きく広がると思っています。
・応用化学会の活動への期待を聞かせてください。
~世代や分野を繋ぐコミュニケーション、相互刺激は重要~
応用化学会はとても充実したOBOG会で、幅広い世代と分野の先輩たちのネットワークを有していますので、応用化学科の教員・学生の貴重な財産だと思います。学生の活動も活発ですので、是非、この流れを継続・発展させて頂きたく思います。学生さんが早いうちから多様な人と交流し、多様な意見を聞き、相手を尊重しつつ自身の考え・意見・価値観を持つ。すると社会に出てからもアイデンティティーを持って活躍できると思います。大学はどうしても独特の文化がありますので、応用化学会を通じて視野を広げて欲しいと思います。
・100周年を迎える応用化学科についてコメントを聞かせてください。
~自ら考え、動き、挑戦できる人材の育成に貢献を~
100年は迫力のある素晴らしい歴史です。この間、9000名を超える人材を育成してきた諸先生方に敬意を表します。大学の本来の使命は人材育成ですし、これからの我が国にはますます重要です。応用化学科の一員として、自ら考え、動き、挑戦できる人材の育成に貢献したく思います。
・21世紀を担う皆さんへのメッセージをお願いします。
~方法論を自分のものにし、果敢に挑戦を~
課題山積と言われる時代ですが、一方で、先人の財産で沢山のことができるようになりました。課題があることは、活躍の場があることにほかなりません。課題解決や価値創生を目的に、蓄積された知見・技術を道具に、自らの考えで動き挑戦し、活躍して欲しく思います。研究室での数年間は、自らの方法論を培う貴重な期間です。是非、意欲的に挑戦し、失敗とその克服など、多くの経験を積んでほしいと思います。
―了―
6月30日インタビュー(聞き手&文責:広報委員会 井上健(新19回)・佐々木一彰(新31回)・五十嵐怜(広報班学部3年))
研究室及び研究概要紹介
http://www.f.waseda.jp/noda/
過去の突撃インタビュー
第26回早桜会懇話会(今年度第1回)の開催報告
第26回懇話会を、6月24日(土)15時~17時、中央電気倶楽部(大阪堂島浜)で開催しました。
今回の講師は、株式会社オー・ジー(新59回平沢研)の陳鴻氏で「台湾海峡西岸経済区」(以下海西経済区)と題して、急速に経済発展を遂げている該地区の様子について、その地理的、歴史的な観点も取り入れて解説されました。
海西経済区は主体地位を有する福建省と周辺の広東、浙江、江西3省の一部から構成されており、その人口は約6,500万人で、東は台湾と海を隔てて向き合っていて、北は長江デルタ、南は珠江デルタに隣接している。中国沿海の経済帯を構成する重要な地域であるとともに、科挙の制度があった時代には最も多くの進士を産み、現代では、学者、専門家を輩出する教育レベルの高い地域である。また客家人、華僑の故郷で億万長者が多く商売に長けた人の多い地域でもある。
かつては経済的に遅れていたが、台湾と向き合う地域で戦略的にも重要視されて2009年5月に中国国家レベルの事業として戦略的に経済を発展させる決定がなされました。その狙いは 「海西経済区」の開発を加速させて、珠江デルタ、長江デルタと一体化し、太平洋西岸最大経済地帯を形成させることにある。発展は驚くほど急速で、決定から10年足らずで既に長江デルタ、珠江デルタと台湾海峡西岸地域を結ぶ高速鉄道、高速道路を完成させ、主体の福建省の2016年のGDPは、2009年より倍増、人当たりGDPは1万ドルを突破している。
講師の陳鴻氏は海西経済区の中心部に位置する福州の出身で、豊富な経験に裏付けられた語りに引き込まれました。ことに「華僑が成功している要因として、ネットワークの活用と共に、功夫茶と言って商売を焦らずお茶を飲みながらゆっくり話し、情報交換して新しい商機につなげるのが彼らのスタイルである」との言葉が印象に残りました。
講演の後は、今年卒業して関西に着任した4名の新人の歓迎会を兼ねて、いつもの居酒屋で懇親を深めました。
出席者
津田實(新7回)、前田泰昭(新14回)、市橋宏(新17回)、岡野泰則(新33回)、斉藤幸一(新33回)、斉藤広美(新35回)、脇田克也(新36回)、中野哲也(新37回)、髙島圭介(新48回)、澤村健一(新53回)、陳鴻(新59回)、桜井沙織(新64回)、前田駿(新65回)、御手洗健太(新65回)、古山大貴(新65回)、前田傑(新65回)