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2017年度総会 三浦会長挨拶

本日は御多忙の中、定期総会にご出席頂き、誠に有り難う御座います。
会の開会に先立ちまして一言ご挨拶と新年度への抱負を述べさせて頂きます。

本年度は我が応用化学科本科創設100周年に当たる誠に喜ばしい記念すべき年に当たります。後ほど紹介があると思いますが、10月7日に記念式典が予定されており、教員の皆さんがその準備に奮闘されておられます。私たち応用化学会でも直接のご協力はあまり出来ませんが、応化会からの志をご寄付させて頂き式典の成功をご支援申し上げることを先ほど総会に先立つ第1回役員会で承認を頂いたことをご報告申し上げます。
大正6年河合、富井両教授が立ち上げ、そして翌7年に小林先生が主任教授として応用化学科の今日の隆盛の基盤をお作りになったことは皆さん周知のことと思いますが、この小林久平先生が6年後の大正12年に創設された我が応用化学会初代会長となられたわけであります。蛇足ではありますが、以来私で丁度18代目にあたることになります。
この諸先輩達の活躍により応用化学科は日本の化学分野におけるトップランナーとして常に学会、工業界を牽引し続けてきた訳であります。この応用化学科は今「役立つ化学、役立てる化学」の理念の下、まさに世界に向かって発信を始めており、その原動力である教員の皆さんへの高い評価はホームページなどで皆さまもよくご存じのことと思います。100年から先を目指して益々応用化学科が発展していくために、私たちOB・OGも大いに支援をしていこうではありませんか?

さて、会長就任の11月に「運用の円滑化と体制改革について」の方針を発表・実施して今年で3年になりますが、現役OB・OGの委員会への参加、学生委員会の自主企画運営による活性化、ホームページの大幅刷新、産学連携推進のための4回に亘る「未来社会創成フォーラム」の実施など現役若手、学生にも魅力ある企画とその遂行を推し進めて参りました。それぞれ昨年、一昨年の総会挨拶でも報告させて頂きましたように、各委員会メンバーのご尽力により予想を超える成功を収めてきたものと確信しております。
さりながら、これも毎回申し上げておりますようにこの「改革」を実施しなければならなかった根本原因であるリソースの欠如、すなわち「金、人」の不足が未だに期待していた程改善されていないことも、また事実であります。
後ほど事業会計報告そして計画の説明にありますように、会費納付の長期的漸減傾向に歯止めは掛かっておらず、イベント収入に依存する傾向が進むという財務的にはあまり望ましくない状況になっております。

また、人に関しましては現役OB・OGそして学生委員は着実に増加しているものの、いわゆるシニアOB・OGの参加は高齢者就労環境の大幅な変化により厳しい状況は続いております。
そのため、本年度は役員・委員改選期ではありませんが、後ほど説明致しますように主要メンバーの現役シフトを軸に一部交代を実施させて頂きました。
まず、第一に副会長に倉持さんから濱逸夫さんへの交代であります。
濱さんは言うまでなく現役のライオンの社長であり、2012年就任以来4期続けて売り上げ、利益共に増収を続けている大変御多忙な方であります。本日も残念ながら先に決まっていた海外出張のため出席できず、皆さまへの就任のコメントを託されており、後ほど紹介の予定であります。
濱さんの母校、応化に対する熱い思いは交流講演会に出て頂いたときから以降、何度となくお会いしてきましたが都度強く私の胸に伝わって参りました。御多忙の中、副会長をお受け頂けたのも、全くのこの彼の熱意に他なりません。しかしながら、現状のままの会運営では現役社長の多忙さから思うように活動に参加出来ないことも当然であります。現役の活躍を期待する今年度方針の中で多かれ少なかれ現役OB・OGには共通した課題であるとも言えます。
従来のシニアの善意に依存する運営に限界が出てきている中、現役とのコラボによる運営方法への転換は喫緊の課題であり、今回現役の立場から会の運営を考え試行して頂くため3委員長を敢えて現役OBにお願いすることに致しました。この方針には様々リスクのあることは承知ですが、幸いシニアOBもこの3年間で新規参加頂いた方々が活動になれて会の中心として活躍してきており、現役およびシニアの両輪によるワークシェアリングへの思い切った挑戦をするのはまさに今であると考え、今年度から進めて行くことを決断致しました。
新委員長の下村、町野、佐々木3氏はそれぞれ会社の要職にあり多忙な職務をこなしておられますが、有り難いことに是非改革に協力をしたいと熱意を持って引き受けて頂きました。また、応化会活動の要である多くのベテラン委員の皆さんも彼ら共に会の運営を進めていくとのご理解を頂きました。 

挑戦をしてみなければ何も変わりません。現に学生委員会においては自主運営と言う重いミッションが却って学生達のモチベーションを向上し、この3年間で多くのイベントを立ち上げ、成功裡に実施してきました。
是非会員の皆さまに置かれましても本方針をご理解の上、温かく見守っていただきますと共に従来に増しますご支援の程よろしくお願い致します。

次にリソースの中の「金」の部分でありますが、これは言うまでもなく会運営の基盤である会費納付であります。
冒頭申し上げたとおり漸減傾向が進んでおり、とくに現役若手の無関心化が顕著であり、これが大きな要因になっていると考えております。もともと卒業してからは世事に忙しく、学生時代の校友達、先生方とも離れ、過去のものとなっている大学関係には関心を持ちにくいのはある意味当然のことでありますが、それでも近年の漸減傾向はゆゆしき問題と考えざるを得ません。まずは所在確定し、接触することから始めなければなりませんが、ご存じのとおり個人情報保護法もあって大変やりにくい時代になっております。同門会や同期或いは企業の中からの信頼関係の下の情報が頼りで、皆さんが知っておられる情報をいただければ、と期待しております。ご協力の程、よろしくお願い致します。
学生委員会卒業の若手現役は応用化学科・応化会への帰属意識が高いので本年度は学生委員会および教室側の協力を得てこの世代のオルグ化を進めたいと考えております。また、現役にとって魅力ある応化会でなければ会費を払ってまで戻ってきたいとは思わないもので、彼らを魅了する場としての機能をどう持たせるか、これが次の大きな課題です。この二つの意味でも世代が近い現役委員長の知見、役割は大きいものと期待している次第であります。

百周年の話題から改革推進まで多くのテーマに触れ、長い挨拶になりました。
何度も申し上げますとおり、シニアと現役OB・OGの両輪による会の運営、この改革の成功により、応化会を持続的に発展させて、今年の応用化学科百周年に続く2023年の応化会百周年に繋げていきたいと願っております。
今回の総会は事前に通知メールでご案内しましたが、1ヶ月前倒しをすることになりいつもご参加頂いている皆さまには多少の混乱があったかも知れません。理由については申し上げたとおりで、いろいろ議論を行った上での判断ですので、改めてご理解を賜りたいと思います。

最後に感謝の言葉を述べさせて頂きます。
ご案内のように倉持さんがこの度退任されますが、彼には多忙な現役時代から当会の交流委員および理事を勤め、私が会長就任時から副会長として会運営の重責を担って頂きました。広島からと言う遠距離のハンディがある中で、私費で西早稲田に通いご活躍頂いたことは皆さんのご存じのとおりです。また、TV会議で幹部会会議に参加するなど新しい形の会運営のやり方を試行しても頂きました。ここに、その功績に対しまして功労者として感謝申し上げます。会員一同お礼を申し上げます。 

以上で、総会に先立ちまして私の思いを述べさせて頂き、併せて開会のご挨拶とさせて頂きました。有り難うございました。

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第16回石川研究室同門懇親会開催報告

第16回石川研究室同門懇親会が6月10日(土)JR田町駅から程近いニュートーキョーで開催されました。 

石井幹事/司会役(42年卒)の開会宣言に続き、室賀代表幹事(42年卒)より石川先生の生い立ち・お人柄を偲ぶ話を込めた挨拶、その後出席者最年長の高橋会員(33年卒)より乾杯の発声が行われました。

暫し歓談後、応用化学科応用物理化学分野の門間聰之教授より、研究キーワードの1つである電気化学エネルギーデバイス(特に蓄電)につき分かり易く解説頂きました。

1.5V乾電池 → 携帯電話・無線通信用蓄電 → ハイブリッド車・電気自動車蓄電という技術イノベーションの説明の後、蓄電装置のプラスマイナス端子間に微小信号(10mV)を送りその周波数を変えた際の応答チェックにより、ハードを解体することなくどのパーツに不具合があるのかといった健康診断・寿命診断研究の一端を覗かせて頂きました。

ガソリン自動車が仮に火を噴いても余りニュースにはならず、一方携帯電話やノートパソコンでちょっと煙が出たくらいでニュースになるのは如何なものか? 狭いスペースに230 ~400V(直列)の電池を搭載し、しかもガソリン車以上の出力が出る蓄電タイプの車は、ガソリン車より安全では? との本音も聞こえてきました。

最後に、相次いだ震災から学んだこととして、トイレの水くらいは自給自足しようと、趣味として週末自宅の庭に穴を掘り始め 4mほどで水位に到達、その後緑粘度層(鉄分)、砂層(1万年前のくるみが発見される層)を経て現在10m余りの深さまで掘り下げ、ポンプアップ間近との話も披露されました。

毎回恒例のアトラクションは、早稲田フラメンコサークルVamos(1年~3年生の6名)
による見事なタップ(全員総出の際は準備したベニヤ板が割れんばかりの迫力でした)、時に激しく時に華麗なダンスが披露され、ギター生演奏・哀愁に満ちた歌声、色とりどりの衣装と相俟って、参加者は彼女達のパッフォーマンスに釘付けとなりました。

その後宴は終盤を迎え、恒例の高橋会員によるハーモニカ名演奏、“ここはお江戸か新宿の町か”(戯れ歌)の合唱(Vamosの皆さんが微笑む場面も)、集合写真撮影、全員で高らかに校歌斉唱、新井幹事(43年卒)の閉会の挨拶と続き1本締めで中締めとなりました。今年の参加者は25名で、その半数以上の方が2次会へと流れました。

(記:堀江 芳文 46年卒)
 

「第5回 未来社会創成フォーラム」開催報告

第5回 未来社会創成フォーラム ―低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望- が下記にて開催された。
日時:2017年6月2日(金)13:30~19:30
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05室、及び1F-Rohm Square
主催:早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
早稲田応用化学会
参加数:参加企業/団体/組織等総数=40
フォーラム参加者(講演者は除く)=71名 (内 応用化学科OB/OGは10名、14%)
応用化学科研究室の参加学生・教員=48名

1. 今回のフォーラムについて

 「未来社会創成フォーラム」は平成25年に第1回を開催し、今回で第5回目を迎えた。
 (未来社会創成フォーラムの趣旨は、こちら)。
今回のフォーラムは、早稲田大学応用化学科創立100周年記念事業の1つとして開催されたもので、Worldwideな対応が必要とされている「地球温暖化対策のために実行すべき低炭素化と、それを支える材料技術」をテーマとして設定し、従来のフォーラムと同様に産学官の各方面から次のような視点に立った講演が行われた。

  • : 炭素繊維    -省エネルギー最前線

       黒鉛負極    -蓄エネルギー最前線

  • : ナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池      -蓄・創エネルギー萌芽技術
       太陽電池の世界情勢    -創エネルギー世界情勢と日本の課題

  • : 低炭素社会と素材産業   -日本の戦略

今回のフォーラムは応用化学科 野田教授が主管となり、また先進理工学部 若尾学部長を講師としてお招きする等、産学官の多彩な講師陣にて多方面からの切り口により本テーマに関する講演が行われた。

2.  今回のフォーラムのプログラム

1) 13:30-14:15 
   「航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開」
    大皷 寛(東レ株式会社 ACM技術部 航空・宇宙技術室 主席部員)

2) 14:15-15:00 
    「リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開」
   西田達也(日立化成株式会社
      機能材料事業部 開発統括部 蓄電摺動材料開発 部長)

3) 15:00-15:45  
     「 材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術: 
         カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池」
    野田 優(早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 教授)

**15:45-16:00 休憩

4) 16:00-16:45 
    「太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望
              ~さらなる大量導入に向けて~ 」
   若尾真治(早稲田大学 先進理工学部 学部長、同研究科長)

5) 16:45-17:30 
    「低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略」
    井上悟志(経済産業省 製造産業局 素材産業課 革新素材室長)

6) 17:30-17:45 おわりに
    松方正彦(早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 主任教授)

##18:00-19:30交流懇親会(名刺交換および質問・懇談):63号館1F-Rohm Square

3. 各講演の内容について

参加者には各テーマの講演の内容を一冊に纏めた要旨集が配布され、各講演は基本的にそこに記載された内容に沿ってご説明頂いた。ここでは各講演における概要を記した。

1) 「航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開」          大皷 寛 主席部員

大皷 寛氏

炭素繊維の開発の歴史、市場の現状(航空機中心)から今後の展開まで、幅広く講演を頂いた。炭素繊維の素材本体の構造制御と高強度化に加えてマトリクス樹脂および犠牲粒子層などとの複合化など、技術的な積み上げにより多くの課題を解決し航空機への本格採用を実現した経緯は、我が国のものづくりの強みの根源を理解する上で貴重であった。また、現在注目されている航空機での省エネルギーと低炭素化に加え、風力発電でのブレードによる創エネルギーや建築物の構造体による快適・安全など多様な展開があることが限られた時間内で紹介され、他の追従を許さない世界トップの材料技術は東レという大企業の事業の新しい柱になることが良く分かる講演であった。

2)「リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開」        西田達也 部長

西田達也 氏

リチウムイオン電池と負極の開発の歴史、市場の現状(モバイル中心)と今後の予測(自動車)まで、幅広く講演を頂いた。リチウムイオン電池は日本発の技術で当初は日本がシェアを独占していたものの、中韓との厳しい競争にさらされていること、日立化成も厳しい競争の中で日進月歩の高容量化と高出力化により負極材料のトップシェアを維持してることが紹介された。高容量化は充填率向上により可能だが、一方で空隙減少と黒鉛の面内配向化により低出力化を招くこと、このトレードオフを面直配向という理想ではなく不規則化という現実解で解決した技術思想も紹介された。更なる高容量化に向けた新材料の動向やそれに対する取り組みなど、トップを維持するものづくりの在り方が良く分かる講演であった。

3)「 材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術: 
                     カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池」
                                                                 野田 優 教授

野田 優 教授

注目を集める新材料の概略と実用化への取り組み、蓄・創エネルギーの革新を目指した萌芽技術など、大学の最新の研究開発の一端が紹介された。カーボンナノチューブに期待される多様な応用、製造技術の現状と課題、および高速高収率な独自の合成技術が紹介された。また、リチウムイオン電池や電気化学キャパシタの現状、新材料の適用の際の課題、ナノチューブを基盤とした新構造の電池の構想と開発状況が紹介された。現在の太陽電池技術の概略、鍵となる高結晶性シリコン膜の独創的な高速製膜技術、簡易なシリコン-ナノチューブヘテロ接合の萌芽技術とフレキシブル太陽電池への挑戦の状況が紹介された。低炭素化とそれを担う材料技術の次の一手と、1を100にする化学工学の貢献と展開が分かる講演であった。

4)「太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望 ~さらなる大量導入に向けて~」
                                                           若尾真治 学部長

若尾真治 先進理工学部学部長

太陽光発電の世界情勢と我が国の現状・課題から、更なる大規模導入と電力安定供給まで、包括的な視点とシステムの立場から講演を頂いた。海外での太陽光発電の急速な低コストと我が国の割高な現状、その低コスト化に向けた多様な取り組みの重要性、今後の目標、および太陽光発電以外への多角化の重要性などが説明された。また、太陽光発電の大規模導入に向け、狭域および広域での異なる問題、電力システム全体での安定化、負荷追従制御から負荷予測制御、さらには柔軟なシステム設計のための蓄電技術の重要性なども解説された。化学が担う材料・デバイスのハードを社会で活かすソフト・システム面と、両者の協働の重要性が良く分かる講演であった。

5)「低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略」
                                                               井上悟志 室長

井上悟志 氏

低炭素化と材料技術の具体論から、オープン・イノベーションの方法論まで、幅広く経済産業省の戦略を講演頂いた。まず、低炭素化での環境制約と成長の両立の重要性と、それに対するマルチマテリアル化の機運が紹介された。続けて、川上の素材企業に対して積極的・主体的な提案を期待する川下のユーザー企業の要望と、そのためのオープン・イノベーションの重要性と大企業の抱える課題が紹介された。それに対し、材料の革新ではなく材料による革新という考えが示され、研究開発の加速のためのシミュレーションやAIの重要性が説明された。最後にSociety 5.0を実現するためのConnected Industriesというパラダイムが解説され、経済産業省の戦略が良く分かる講演であった。

6)「おわりに」                        松方正彦 主任教授

松方正彦 応用化学科 主任教授

フォーラムに御参加いただいた方へのご挨拶と御礼、および応用化学科の紹介があった。

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4. 講演後の交流会について

各テーマの講演の後、63号館1F-Rohm Squareに場所を移して名刺交換・質問・懇談等による活発な交流会が行われた。講師側としては講演で伝え切れなかった情報の提供、また参加者側としては聴講だけでは不十分と感じた情報の獲得が出来たのではないかと考える。また、当然ながら今後進展が期待される新しい人と人との繋がりが得られたと考える。 

交流会場Galleryへ

5. 総括

各講師の講演とも本フォーラムの趣旨に沿った広範囲のもので、且つ本フォーラムのテーマにあるように「最前線」の情報を盛り込んだものであり、参加者に対して極めて説得力のある講演が行われたと考える。従ってこれまでの4回のフォーラムと同様、「研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元」というフォーラムの目的達成のために、今後大いに貢献することを期待したい。 

<参加者よりのアンケート結果概要>

本フォーラムの参加者にはアンケートの記入をお願いした。特筆すべきコメントの幾つかを下記する。

*先端材料の知見を得ることができた。
*他企業との交流が図れた。
*開発、研究、世の中の動きが見えて、バランスのあるフォーラムだと思う。
*産官学の講演をまとめて聴講できた。
*中・長期かつ広い範囲の視点やアカデミックな内容に触れることができた。
                                           ~~等々

総じて、前回と同様参加者には本フォーラムの趣旨について認めて頂き、開催が有意義であったことについて賛同が得られたと考える。
その他多くの参加者から、本フォーラムに対する好意的なコメントや、今後もこのような企画を期待する旨の言葉をいただいた。

(文責:未来社会創成フォーラム実行委員会)

 

 

第10回中部支部総会と交流会の報告

2017年4月15日(土)「北京料理百楽名古屋店」にて、第10回中部支部総会と交流会を開催しました。東京大学総合研究博物館特招研究員吉田邦夫氏をお招きし、関西支部よりは市橋宏副支部長と田中航次事務局長に参加して頂いた。

第10回支部総会

三島支部長の開会挨拶に引き続き、 堤幹事より、2016年度の活動および経費実績並びに2017年度活動計画案が上程され出席者全員の賛同が得られました。→第10回中部支部総会上程資料(HP掲載用)


吉田邦夫氏による講演「縄文人の食卓~同位体食生分析~」

吉田氏は放射性炭素(C-14)が規則正しく壊れる現象を時計として使うことによって、人間と自然の営みに関する時間情報について研究してこられ、考古学、環境学、美術史など幅広い分野で研究活動を行っておられます。今回の講演では、人骨と土器に残された炭素・窒素同位体情報をもとにして、縄文人の食卓を再現されました。

①あなたは、あなたが食べたもの(同位体食性分析)

地球にある炭素、窒素には、わずかに重さが違う 兄弟原子「同位体」が存在し、その比率(安定同位 体比)は炭素については12C(98.90%)、13C (1.10%)、素については14N(99.63%)、15N (0.37%)である。これら炭素や窒素の同位体は 質量が異なるため、植物に取り込まれてセルロースや デンプンに変化したり、タンパク質に合成される際に、 反応速度の違いから安定同位体比からずれることが わかっている。これを同位体分別効果といい、食材の グループによって同位体の割合がわずかに違う。 この違いを利用して、人が食べていた食材を推定するのが、同位体食性分析である。例えば人の髪の毛の炭素・窒素同位体比を分析すると、ベジタリアンの人かどうかを調べることができる。(ベジタリアンの場合、重い13C、重い15Nの同位体比は共に低く、一般的な人と比較して特異なデータが得られる。)安定同位体比の測定は、分析試料を燃やして出来る気体、二酸化炭素と窒素ガスを質量分析計で測定する元素分析計-質量分析計システムによって行う。

②縄文人の食卓への二つのアプローチと日本列島の食料資源

縄文人の食卓を推定するため、「人骨のコラーゲンの分析」(長期間の情報、年齢、男女差などの個体の情報)と「土器付着物の分析」(短期間の情報、一回または複数回の調理の情報)」の二つのアプローチを行い、過去の日本列島の食料資源の炭素・窒素同位体比の情報(C3植物、C4植物、草食動物、海産貝類、海産魚類、海産哺乳類)から、縄文人の食卓を推定した。

③縄文人骨に残された痕跡

縄文人骨から硬タンパク質(コラーゲン)を取り出し、同位体比を分析すると、居住地域による特徴が見られる。北海道では、およそ6000年の間、海獣に依存した食生活が続いていた。内陸部では、草食動物に依存していた。貝塚人は、海産物の依存が多いものの、貝類のみを食していたわけではなく、草食動物を多く食していたことがわった。また、人骨分析を行った集団の中で、集団から離れた個体の存在が見つかった。異なる食文化をもつ個体(シャーマンなど)? あるいは、食文化が異なる集団から移り住んだ個体?があったと推定される。

④土器に残された痕跡

火炎土器は祭祀のため、神に献げるものの煮炊きに使用されていたと推定される。火炎土器に付着した炭化物(調理した食材のおこげ)の炭素同位体比とC/N比の分布を測定することで、食材の種類を特定することができる。火炎土器付着物から次のことがわかった。堅果類(どんぐり、トチの実など)を単独で煮炊きした例はない。遺跡ごとにややまとまりが見られる(祭祀のために決められた特別なメニューはなかった)。(信濃川)上流部では、主としてC3植物と陸上動物が調理されていた。(信濃川)下流部と(佐渡)島では、海洋魚、サケ・マスを含む食材が調理されていた。

最後に新たな展開として、脂質分析(分子レベル炭素同位体比分析)の紹介があった。


懇談会

後藤顧問の挨拶と乾杯の音頭で懇談会に入った。両関西支部来賓および大高理事、新村理事および初めて参加頂いた浜名氏にスピーチを頂いた。テーブル毎や吉田氏を囲んだ懇談が盛んで、2時間があっという間に過ぎてしまいました。全員写真を撮った後、フィナーレは堤幹事の「1本締め」で、母校及び早化会の発展と各位のご活躍を期し散会しました。

参加者(敬称略)

(講 師)吉田邦夫(新21回) (関西支部会員)市橋宏(新17回)、田中航次(新17回)、
(中部支部会員)澤田祥充(旧31回)、近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、柿野滋(新 19回)、秋山健(新19回)、谷口至(新22回)、須藤雅夫(新22回)、木内一壽(新24 回)、山崎隆史(新25回)、浜名良三(新29回)、服部雅幸(新32回)、新村多加也(新 39回)、大高康裕(新41回)。

(文責:大高、堤)


第3回早稲田応用化学会シニア会開催報告

早稲田応用化学会シニア会は、最長老の中岡敏雄先輩(旧制17回)を筆頭に太田 昭先輩、中曽根荘三先輩(中曽根荘三奨学金設立者)、加藤忠蔵先生、山本明夫先生など錚々たる顔ぶれがメンバーに名を連ねております。

15年続いた前身のWGS会(早稲田応化会グランドシニア会)の世話役をされた百目鬼清先輩は、応化会行事に積極的にご支援、ご協力を頂き、活動を進め、前会長の河村 宏氏に バトンタッチされました。

さて、第3回会合は、2017年4月19日(水)新宿中村屋ビル8階のGranna(グランナ)にて12時から開催されました。予定では26名の参加でしたが、諸般の事情で3名が急遽欠席で参加者は23名となりました。

下井將惟氏が司会役を務め、本年6月で92歳となられる最長老の百目鬼清先輩にご挨拶をいただき、併せて乾杯のご発声を頂戴し、会がスタートしました。今回は学校側から竜田邦明栄誉フェロー、豊倉 賢名誉教授、逢坂哲彌特任研究教授が参加されました。

引き続き司会者から2017年10月7日(土)にリーガロイヤルホテル東京にて開催予定の応用化学科創立100周年記念事業の進捗状況を実行委員の和田宏明教授から聴取した内容の説明があり、追加として寄付口座*も用意してありますので本会ご参加の皆様方のご理解、寄付、支援を賜りたい旨のお願いと教室側の現況説明がありました。トッピクスとして昨年は山口潤一郎准教授(有機合成、前名古屋大学准教授)及び須賀健雄専任講師(高分子化学、 前早稲田大学高等研究所助教授)が新加入、今年は下嶋敦准教授(無機化学)が教授に昇格、また花田信子講師(化学工学、前筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻助教)が新加入し、応用化学科初の女性講師が誕生したとの報告がありました。

 暫しの会食とご歓談を経て司会者の指名により窪田信行氏から応化会の新しい基本方針となる役員改選の方針、会費納入促進、新規評議員選任等について説明があり、続いてHP管理者育成に今も務めている平中勇三郎氏から広報委員会も新体制に移行し、トップページ他をワードプレスの利用によりスマートフォン対応に改訂するとともに学生委員の活動を推進していくようにしたいとの報告がありました(http://www.waseda-oukakai.gr.jp/)。引き続き応化会監事の河野恭一氏から交流委員会業務のうち企業とのコンタクトを綿密にした結果、企業ガイダンス掲載企業が76社に増加、先輩からのメッセージの開催に際し、教室の準備や各企業の発表時間の調整にもうれしい苦労している等の説明がありました。

 世話役から欠席者からのメッセージ数件が披露された後、引き続き会食を進めながら大林秀仁氏からは応化会にはできるだけ奨学金の寄付等で協力したい旨のご奇特なお話があり、逢坂特任研究教授は、総長室参与から身を引き、イノベーションセンターの研究推進に注力しているとのこと。長田義仁氏は、北海道大学副学長を経て、現在理化学研究所で顧問及び文部科学省関係業務に勤しんでいる状況の説明があり、アジアで初めての新元素ニホニウム合成を記念して理化学研究所から和光市駅までニホニウム通りが整備される旨の話がありました。最後に元事務局長の森川忠正氏からは当時の応用化学会の状況を含め近況の報告がありました。

出席者間での懇親が深まるなか、アイスクリームほかの氷菓のデザートをいただいた後、司会者から次回本年10月18日(水)に同じ場所を予約した旨の知らせがあり、お開きとなりました。

今回は、都合により集合写真が撮影できず、下記URLの映像により会の雰囲気をご覧ください。→こちら

 

*寄付口座:ゆうちょ銀行、店番018、普通預金、口座番号78759931、口座名義:「早稲田応化百周年記念事業」

世話役:河村 宏(新9)、下井將惟(新13)、相馬威宣(新13)

(写真:広報委員会 相馬威宣、文責:相馬威宣)

*(発言された方々)⇒ こちら

昭和33年卒業・新制8回同期生クラス会報告(平成29年4月19日開催)

卒業後、毎年1回開催している題記のクラス会を、今年もまた早稲田大学学生会館内の楠亭で開催した。集まった18名の仲間は、皆、相変わらず元気で、和やかな雰囲気であった。

 

交通事故の重症で1ヶ月間、意識不明の後、見事に復活した中野宗太君。数年前、脚立の転倒による頚椎損傷で生死の境にいた小松原道彦君も元気に出席した。運の強い人が多い。我々は81歳を越えた現在も、まだまだ「若」年寄りだと自分では思っているのだが、各人の近況報告の時には、「耳が遠いから大きな声で言ってくれ」との注文もあった。

 それぞれ個性的なスピーチであったが、特に印象に残ったものは、昭和24年(1949年)夏の甲子園で真紅の旗が初めて箱根の山を越えたときの湘南高校野球部のメンバーだった設楽卓也君の話で、同じく当時の野球少年だったクラスメイトたちの興奮を呼び覚ました。

 最後に余語盛男から「般若心経」の新しい解釈についてのエッセイ小冊子が配られた後、柳澤亘君の音頭で「早稲田大学校歌」が歌われ、応化へのエールが挙げられた。
 なお、当日の幹事は平晋作、永井晃一および平子堅一の3君でした。

                      (記;余語盛男、 写真;高橋信男)

第72回早稲田応用化学会ゴルフ会

 

 4月13日に開催されました72回早稲田応化会のゴルフ会の報告です。東京よりかなり遅く満開を迎えた桜が迎えてくれた千葉県立野クラシックゴルフ倶楽部で、華麗な(加齢な?)プレーが展開されました。

桜をバックにスタート前の参加者

 直前の事情により何人かの不参加がでて総勢9人というやや寂しい陣容でしたが、天候に恵まれたこともあり皆さん好スコアーを残しました。グロスでは9人中6人が92から95打の間にひしめき合うという大混戦になりました。その中で、やや不本意なスコアー(本人の感想)ながら、新々ペリアという今回のハンデ付けの妙もあり、中井基盤委員長が優勝し百目鬼杯を獲得しました。

百目鬼杯は中井さんの手に

 懇親会では、大病を克服しゴルフに復帰できるようになった方々の成功譚や毎年参加者が減少傾向にある本会を今後どうするか等話し合いました。 来年春のゴルフ会は豊田さん中井さんの幹事のもと、4月12日(水)同じ立野クラシックゴルフ倶楽部で開催することとしました。なお、今年秋のゴルフ会は若手も参加しやすくするよう9月9日の土曜日に行うことに決まっております。

(野際 記)

 

2016年度 学位記・褒賞授与式

応用化学科学位記授与式

応用化学科および応用科学専攻研究科の2016年度学位記・褒賞授与式は、2017年3 月24 日(金) 13時半より、西早稲田キャンパス 63号館2F大教室にて式次第に従い野田優教授の司会で執り行なわれました。

写真: 式次第(左:応用化学科褒賞授与式  右:学位記・褒賞授与式)

今年も学部卒業生、修士修了生の研究室代表者に学位記が授与されました。

 

応用化学科褒賞授与式

引き続き、応用化学科褒賞の授与式が行われました。松方正彦主任教授から以下のような本賞設立の経緯、主旨等の説明があり、本賞および副賞が江戸倫子さんよりに授与されました。
「優れた業績をあげた学生を表彰して更に人間的な成長を促すことを主旨として設定した褒賞で、学業成績と人物の総合的評価で一人ということになりました。この褒賞は、OBの皆さんと我々教員および教員OBの寄付によって成り立っているもので、私達教員の気持ちを込めて対象の方に授与するものです。おめでとうございます。副賞を用意させていただきました。江戸さんの名前と先進理工学部応用化学科の名前を刻んだバカラのグラスです。」

褒賞の授与の後、受賞者の江戸倫子さんより受賞の挨拶がありました。

褒賞受賞挨拶 江戸倫子

 

祝辞:松方正彦主任教授

祝辞 応用化学科主任

松方正彦主任教授から祝辞がありました。

 

祝辞:三浦 千太郎早稲田応用化学会長

祝辞 応用化学会会長

ついで、早稲田応用化学会 三浦千太郎会長から祝辞がありました。

 

在校生代表からの送辞

送辞 政本浩幸

今年の送辞は 在校生を代表して、学部3年生 政本浩幸君が、卒業生に向かって感謝の気持ちを伝える送辞を述べました。

 

学部卒業生の答辞

卒業生答辞 春原晴香

これに答えて、学部卒業生を代表して春原晴香さんが答辞を述べました。

 

修了生からの答辞

修了生答辞 大谷貴洋

引き続き、修了生を代表して大谷貴洋君から在校生に向けて答辞がありました。

 

乾杯

乾杯の言葉 西出宏之教授

応用化学科褒賞授与式及び受賞挨拶を終え、恒例の乾杯へと式が進みました。

校歌斉唱

校歌斉唱 指揮:飯島啓太

卒業生を代表して飯島啓太君の指揮による校歌斉唱、と応援部員を彷彿とさせる大声によるエール「フレー、フレー応化」、「フレー、フレー早稲田」でお開きとなりました。

 

 

(文責:広報委員会)

第10回「στの会」開催報告3月18日(土)

 第10回の開催を記念する「στの会」を3月18日(土)に大隈会館教職員食堂「楠亭」で開催しました。早稲田ゆかりの地で気軽に参加できるようにと、立食パーティ形式をとっていますが、今回は初めて楠亭を使用する運びとなり、参加者は30名超となりました。

 多田先生、佐藤先生のご家族をはじめ、幅広い年代層の集いとなりました。佐藤研と多田研は純正有機化学をメインにしていたことから、実験器具や薬品の相互融通、ゼミや卒業旅行の共同開催など、親密な交流と相互啓発が続いた研究室同士であり、出席者はその繋がりを再確認しました。

 会は10回目を数える事となりましたので、従来の話題提供を止め、参加者の近況報告の時間を多くとることで相互の親睦を図ると同時に10回と会を重ねて来られたことを記念しようということにしました。冒頭には多田先生からご挨拶を頂きましたが、先生のご配慮から乾杯を先にし、飲みながらご挨拶を聞くという進行となりました。全員によるスピーチでは、近況報告を含め、趣味や社会貢献、本の出版や、健康維持方法など話題も多彩で、相互刺激にも一役買った時間となりました。この会は新入会員が入らない平行移動で年を重ねる会ですが、社会参加への意欲が強く、そして相変わらず笑顔の多い会で3時間の会食時間もあっという間に過ぎ、集合写真を撮った後、名残惜しげに散会となりました。

 今後も、毎年3月の第3土曜日を開催候補日としますので、是非、会員の皆様におかれましてはスケジュール調整にお含みください。

 末尾になりますが、今回のこの同門会便りで開催を知った方も居られると思いますが、メールアドレスの判明している方々への呼びかけで開催に漕ぎ着けていますので、ご理解を頂きたいと同時に、不備のあったことはお詫びしたいと思います。次回以降に向けてメール連絡網を整備するためにも、会員の方々のアドレス登録を幹事役の井上まで(下記アドレス)お願いいたします。

(文責:幹事役、新制19回井上健:takeshi.inoue@akane.waseda.jp
集合写真

集合写真

笑顔の多い会

多田先生と佐藤先生のご家族


2016年度 総長招待 学生の集い 報告

 左より 安藤英悟、福井宏佳、鎌田薫総長、石原真由

  3月16日、早稲田大学大隈ガーデンハウスにて、2016年度総長招待学生の集いが行われました。200名以上を超える招待者が一堂に会し、早稲田大学の鎌田薫総長を囲んで食事を楽しみました。応用化学会学生委員会からも、3名の学生(M1 安藤英悟、B4 石原真由、B4 福井宏佳) が学術院推薦者として招かれました。

 初めに鎌田総長からのご挨拶があり、乾杯をした後には鎌田総長と写真を撮ろうと長蛇の列ができ、われわれ学生委員もその列に並んで総長と写真を撮らせていただきました。

その後は、普段あまり交流のない様々な学部・学科から招待された学生たちと交流し、有意義な時間を過ごすことができました。

 会も終盤になり、招待された学生たちには記念品として招待者限定のUSBを授与されました。また、早稲田大学応援部の先導で、全員で校歌を1-3番まで斉唱しました。司会者の方の「早稲田大学校歌は第二の国歌である」という言葉が印象的でした。最後に学生部長からのご挨拶で会は締めくくられました。

 応用化学科は今年で100周年ということもあり、今回のイベントにわれわれ学生委員が招待されたことはとても名誉なことで、記念すべき経験だと感じました。

文責 石原 真由