* 講演会場
松方先生との質疑応答(概要)
松方先生
先程フランクフルトから帰りました。
やることは速いですがドイツも迷って困っていることを目の当たりにしました。特にカーボンニュートラルについてそう言えます。今までやって積み上げてきたものが一気にひっくり返された状況です。天然ガスは国のエネルギー消費の9%位まで下がっていて、どうしましょうという状況です。
一方でカーボンニュートラルに関し、ナフサクラッカーを電炉方式で行う方法があります。現地で見ていてびっくりしたのですが、日本の研究所では多分ベンチ装置を作ってデータを取ってぼちぼち始めると思うのですが、現地ではBSFの本体のクラッカーの横に実装設備が既に出来ていて、動いています。日本ではアンモニアで加熱することが国の方針としてあります。但しそのような設備を誰かが作ろうという話は聞いたことがありません。速いとか遅いとかの次元を超えて、全然ダメと思って帰ってきました。ドイツで行動が速いのは、多分国のお金ではなく自分のお金を使っているからだと思います。ナフサクラッカーに何かを実装することは日本でもドイツでも同じですが、それを出来る国と出来ない国は決定的に違うなと思い、帰ってきました。
変わる方法ですが、ドイツのように個人主義になる必要もないと思います。我々が携わる応用化学や化学工学の分野は重厚長大で古い産業ですが、これを変えるきっかけがあるのかどうか、暗澹たる気持ちで帰ってきました。どうでしょうか。
小岩先生
ドイツの大学はスケールアップした研究をしなければならない、と決められているようです。私がいましたアーヘン大学でアルミをリサイクルする時、アルミを溶かす小さい炉が1立方メートルあるそうです。1立方メートルのアルミを溶かす、というのは無茶苦茶ですよね。日本では多分どこも出来ないと思います。そこまでスケールアップしなければならない、ということが明確に決まっているからやっているのだと思います。
例えばエアランゲン大学では、実装の組み立てライン、すなわち実際に製品を作れる組み立てラインが4本あります。日本の大学では実装の組み立てラインを1ラインも持っていません。ドイツでは持たなければならないという制約があるのだと思います。生産もしていないのに実装の組み立てラインを4本も持っていて何になるのか、という疑問は持ちます。でもそれがあれば、ドイツの研究者で実際に組み立てをしたいという人がエアランゲン大学に行けば、それが出来るわけです。1立方メートルのアルミを試作したければ、アーヘン大学が炉を貸し出しするそうなのでそれが利用可能です。そういう機関を分野毎に無理やり作っているのだと思います。これは良い面と悪い面があると思いますが、結果的に良いことだと思います。
松方先生
小岩先生がおられたアーヘン工科大学は私の分野である分離膜において極めて強力なセンターです。大きな体育館のところに膜の評価装置がずらっと並んでいます。日本は、産総研も含めてそういう所はどこにもありません。従って日本のメーカーさんが膜を作るとアーヘンに送って評価してもらいます。何が起きるかと言うと、世界中から膜が集まって来て、世界中の膜の実力が全部アーヘンに集まります。全部データが取られます。それはダメと20年位前から言っていても何も起きません。
小岩先生
それがIMECモデルなんですよ。EUVに興味のある世界中の人たちがIMECに集まってきます。IMECは、どこがEUVにどれだけ興味があってどれだけの実力があって何をやるか、全部分かるわけです。日本が半導体に強かった80年代に何でそれをやらなかったのか、非常におかしいと思います。出来れば日本国内でやりたいですね。
松方先生
そうです。日本に情報を集めたいのに、日本からドイツに全部情報が出ていく仕組みになっています。
もう一点ですが、日本の過剰な規制と既得権についてです。
ドイツの大学を見に行ったら高圧の水素ボンベを自転車に積んで走らせていました。こんなことは日本では絶対に出来ないですよね。規制の在り方が全然違うと思いました。
小岩先生
その通りだと思います。
ドイツから帰ってきたときに、「ドイツ流仕事術」というテーマで講演したら、経産省の方からお呼びが掛かりました。そこで護送船団方式はダメです、ということを説明しました。この指止まれ方式を採用し、本当に興味があってお金を出すという人を集めてやらないと、いくらお金を使っても無駄です、ということを訴えたのですが、税金は平等に配らなければならない、ということで聞き入れてもらえませんでした。
B4 北村さんとの質疑応答(概要)
北村さん
ご講演、有難うございました。
後半部分で目的の明確化とWork Hardについてお話しがありました。努力ということについては果たしていると思っているのですが、目的意識を鍛えるには日頃どのようなことを意識すれば良いのか教えて下さい。
小岩先生
常に自分が将来何になりたいか、という意識を持ち、それに近付けるような努力を怠らないようにすることだと思います。目標は変わっても良いですが、基本となる軸を持つことが必要だと思います。
北村さん
目的と言うよりVisionを明確化して視野を広げ、研究していきたいと思います。
有難うございました。
第20回石川研究室同門懇談会が6月8日ニュートーキョー数寄屋橋本店で開催されました。冒頭大根田代表幹事(44年卒)の開会宣言に続き、出席最年長野際幹事(39年卒)より乾杯の発声が行われ暫し歓談となりました。
懇談会には毎回講師をお招きしており、今回は斎藤恭一先生(1952年平田研卒、1994年2月まで東大、2019年3月まで千葉大、2024年3月まで早大)、ご専門は放射線グラフト重合法による高分子吸着剤の開発、演題は「40年間水からモノを採るぞ!除くぞ!の話」。
ハイライトは、2011年東日本大震災発生後3ヶ月で水中の放射性セシウムを吸着除去出来る繊維の製法を確立した経緯についての講話。この吸着繊維は鮮やかな緑色を呈し、その色が震災後日本を訪れ支援を続けていたレディー・ガガさんの当時の髪色に似ていたことから、謝意を込めて吸着繊維“ガガ”と名付けたと。詳細については化学工学2020年9月出典記事をご参照。
1時間を超える熱演でしたが、「ダジャレ王」「BTS(ベストティーチャー斎藤)」と自称されるだけあって爆笑の連続。近著「大学教授が研究だけしていると思ったら大間違いだ!」の紹介もあり一同拍手をもって感謝の気持ちを伝えました。
最後に全員で高々と校歌斉唱、今回の参加者は総勢20名、年を追うごとに減少しつつありますが、1年後の再会を誓ってお開きとなりました。
文責:堀江 芳文
現在早稲田応用化学会シニア会は、早稲田応用化学会活動に参加してきたシニアの対象を(70歳以上)として開催致しております。第11回シニア会は新宿中村屋Grannaで6月15日(土)、最長老田中照浩氏(新05、今も年30回ゴルフというご壮健)を筆頭に20名が参加して開催されました(ただし一人は交流委員会主催の講演会の準備のために途中退出し19名となりましたが)。
大学関係者としては応用化学会前会長の西出宏之特任研究教授(新20)がお忙しい中駆けつけて下さいました。
先ずは今年3月にご逝去された趙錫来氏(新09)、近藤晋一郎氏(新20)のご冥福をお祈りしシニア会として1分間の黙祷をさせて頂きました。
最初に河村宏氏(新9)の乾杯ご発声で懇親会は開始されました。百目鬼清氏(新01)がとりしきってこられたグランドシニア会を2016年に引き継ぎ、名称をシニア会として発足してはや8年が経過し、これからも末永く継続されることを祈念されました。食事やお酒を楽しみながら会員同士の会話が各テーブルで盛り上がりました。応化会役員として注力を傾けた当時の活性化活動や当時の思いまた現在のそれぞれのアクティビティが各テーブルで盛んに会話が交わされていました。ここでこの度新たにシニア会メンバーなられた御三方が司会者から紹介されました。平沢泉先生(新26)と岸本信一氏(新27)は先約があり、欠席となりましたが、皆様によろしくお伝え下さいとのメッセージが披露されました。もう一方、橋本正明氏(新21)からは今春の総会にて執行役の副会長を退任され、ご挨拶と近況をお聞きしました。各テーブルでは歓談が盛んに継続され、席も移動して久し振りの再開を喜び、また新たな話題で歓談が続きました。
司会者から2つのメッセージが有りました。一つは秋季シニア会懇親会の日程は10月5日(土)開催に決定したこと、もう一つは給付奨学金受給者社会人(新50~新63)の里帰り企画が8月31日(土)15:00~に開催予定であり、都合のつけられるシニア会メンバーは参観していただきたい旨の案内が有ました。
その後も歓談が尽きることは有りませんでしたが、里見多一氏(新22)による中締めのご挨拶では、シニア会メンバーには様々の趣味のグループを作り楽しくすごしたらどうかというご提案もあり、あっという間にお開きの時間を迎えてしまいました。記念の総合写真を撮影し今秋のシニア会10月5日の再会を約して散会となりました。
シニア会は早稲田応用化学会に関与してきたシニア同士の懇親をあたためる場となっております。毎年新たな会員をお迎えすることになります。応用化学会の発展をあたたかく見守り、影ながら支援するコミュニティとして今後とも存続できればと念じております。
世話人:下井將惟(新13)、河野恭一(新14)、河野善行(新25)
文責:世話役一同、写真:相馬威宣(新13)、平中勇三郎(新14)
2024年度応化ゼミが6月4日、6日、7日に開催されました。例年、応化ゼミは各研究室についての講演会の後、同日に研究室ツアーを行っていましたが、今年は形式を変更し、研究室ツアーを4日と7日に、講演会を6日にそれぞれ単独で行いました。
詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら
【早桜会(2024/6/22)】2024年度新人歓迎会 早稲田応用化学会 関西支部(早桜会)Welcome Party
早稲田応用化学会 関西支部(早桜会)では、下記の日時で交流会を開催致します。
特に若手会員(35歳未満)については、今回有志会員より会費補助を頂いておりますので、会費は半額以下とさせて頂きました。
まだ早桜会イベントに未参加な方は、これを機にぜひご参加頂ければと思います。
こちらのサイトでも確認できます。→早桜会(関西支部)
日時:2024年6月22日土曜日 18時〜20時
場所:中央電気倶楽部 大食堂
〒530-0004 大阪市北区堂島浜2丁目1番25
アクセス:
https://www.chuodenki-club.or.jp/about/access/
会費:
・一般(35歳以上): 6,000円
・若手①(30歳以上35歳未満): 2,000円 (初回参加):1,000円
・若手②(30歳未満): 500円 (初回参加):無料
人数制限:最大30名程度まで
申込期日:2024年6月15日(土)
申込方法:申込フォーム(←こちらをクリック)
ご不明な点は下記までご連絡お願い致します。
<連絡先>
office@waseda-saoukai.org
早稲田大学応用化学会 関西支部(早桜会) 事務局:三品、澤村
開催日時:2024年6月2日(日)
開催場所:明治神宮野球場
日頃、学業や研究活動で忙しい中、交流委員会のお手伝いをしてくれている学生委員の皆さんが、コロナ禍もあって早慶戦を観戦した事がないと言う話を聞き、交流委員会のレクリエーション活動を兼ねてOB 4人、学生7人、合わせて11名で観戦した。
昼過ぎから雨予報だったため、雨具を用意し昼食に崎陽軒シウマイ弁当を食べて準備万端、優勝を信じて応援開始。
初回裏、慶應に1点先制されたが、最終的には早稲田が打ちまくって19安打12得点。早稲田12-2慶應の圧勝で完全優勝。
5回途中から雨も大降りになり、びしょびしょになりながら紺碧の空や校歌を歌いまくり、優勝の瞬間に立ち会えた事は最高の思い出となった。
試合後、OB 4人で春秋連覇を達成した2015(平成27)年以来、約9年ぶりに開催された恒例行事の優勝パレード「ちょうちん行列」に参加。
雨が降り続く中、応援部が先導し17時15分ごろ聖徳記念絵画館前から大学に向けて出発。沿道の多くの方から祝福を受けながら応援歌を歌って練り歩く。気分爽快だ。我々はお互いの体調を考慮して途中で行列を離れ.大久保界隈で祝杯をあげて今回の観戦イベントを振り返り大いに盛り上がった。
今回、交流委員会レクとして早慶戦観戦を企画しましたが、会員の皆さんからの希望があれば応化会としての観戦を検討しても良いと思っています。
これからも応化会は会員の皆さまにとって参加し易いコミュニケーションの場を企画して参ります。
是非、お気軽にご参加ください!
参加者:
OB: 関谷さん(新18) 、保谷さん(新19)、重谷さん(新19)、椎名(新36)
学生委員: M1:石﨑さん、輿石さん、内藤さん、B4:筒井さん、B3:水垣さん、B2:大澤さん、大山さん
(文責:交流委員会 新制36回 椎名)
下記の要領で学内講演会が開催されます。
演 題 | Thermoelectric Polymers: Design, Synthesis, and Applications |
講 師 | Cheng-Liang Liu |
所属・資格 | 国立台湾大学 教授 |
日 時 | 2024年6月27日(木)16:30~18:10 |
場 所 | 西早稲田キャンパス 55号館N棟 1F 第一会議室 |
参加方法 | 入場無料、直接会場へお越しください。 |
対 象 | 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方 |
主 催 | 早稲田大学先進理工学部 応用化学科 |
問合せ先 | 早稲田大学 理工センター 総務課 TEL:03-5286-3000 |
2024年6月8日に縦割り交流会が開催されました。学生がOB, OGと気軽に交流できる場において世代を超えた様々な人の意見を聞き、見分を広げることを目的としています。今年度は対面のみでの開催となりましたが,学生が27名、OB・OGが16名と多くの方々にご参加いただきました。
詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら