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「第3回先端化学知の社会実装コロキウム」開催のご案内


10月24日の開催は、やむを得ない事情によりまして延期させて頂きます。開催の日程が決まり次第、改めてご案内を掲載いたします。

 

 

本コロキウムでは、科学技術の社会実装の方法論や化学が貢献できる社会的課題および化学技術の社会実装例を学ぶとともに、具体的なテーマを設定しながら、課題解決のシナリオを議論し社会との連携・協働を図る事を目的とします。今回は、化学分野でSDGsに先導的に取り組まれている東京大学・平尾雅彦教授にご講演頂き、SDGsに向けた化学の役割を議論します。

【開催概要】

日時:2018年10月24日(水) 16:00~17:30

会場:早稲田大学西早稲田キャンパス  55号館N棟1F 大会議室
<キャンパスマップ>
  https://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus
講師:東京大学 平尾雅彦氏(工学系研究科・教授)
演題:SDGs達成に向けた化学技術への期待

「持続可能な開発目標」(SDGs)は、17の目標からなり、People, Planet, Prosperity,Peaceのための目標をPartnershipで実現することを目指している。SDGsは、すべての関係者の行動を求めているが、産業に対しては課題解決のための創造性とイノベーションの発揮を期待している。化学産業の社会貢献は、産業活動にともなう環境負荷の補償という発想から、イノベーション、すなわち化学知によってソリューションを提供する形に転換することが求められている。コロキウムでは、どのように転換できるか、どのようにSDGsに貢献できるかを議論したい。

主催:理工・重点研究領域 先端化学知の社会実装研究所
共催:化学工学会 社会実装学研究会
   化学工学会 SDGs検討委員会
後援:理工学術院総合研究所 早稲田地球再生塾

参加費:無料

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お問合せ先:早稲田大学 応用化学科  野田 優
 E-Mail:noda◎waseda.jp
※「◎」を「@」に置き換えてお送りください。
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教室会員受賞

2018年度

2018-09-26掲載

杉山 朋陽(応用化学専攻・黒田・下嶋・和田研究室・M2)
日本ゾル・ゲル学会
第16回討論会 ベストポスター賞
2018年度
廣田 佳弥 (応用化学専攻・黒田・下嶋・和田研究室・M2)
日本ゾル・ゲル学会
第16回討論会 ベストポスター賞
2018年度

2018-08-23掲載

齊籐 杏実(応用化学専攻・山口研究室・M1)
第9回サブウエイセミナー
優秀ポスター賞
2018年8月
矢部 智宏(応用化学専攻・関根研究室・講師(理工総研次席研究員))
TOCATS(触媒学会)
BEST POSTER AWARD
2018年度
堺 竜哉(応用化学専攻・関根研究室・M1)
TOCATS(触媒学会)
Catal. Sci. Technol. Awrd (Royal Society of Chemistry)
2018年度
川上 慧(応用化学専攻・野田・花田研究室・LD1)
化学工学会 北海道支部・東北支部・関東支部
化学工学会室蘭大会2018 学生特別賞 
2018年8月
金澤 優貴(応用化学専攻・野田・花田研究室・M1)
化学工学会 北海道支部・東北支部・関東支部
化学工学会室蘭大会2018 学生奨励賞 
2018年8月
野田 優(野田・花田研究室・教授)
日本学術振興会
特別研究員等審査会専門委員(書面堪能)表彰 
2018年8月

2018-07-22掲載

堤 優也(応用化学専攻・本間研究室 M1)
電子情報通信学会
磁気記録・情報ストレージ研究専門委員長賞 2018年度

2018-07-2 掲載

真鍋 亮(先進理工学専攻・応化 関根研究室 D3修了)
先端技術大賞
フジテレビジョン賞 2018年度
高田 要(応用化学専攻・小栁津・須賀研究室 M2)
The 8th International Symposium on Polymer Chemistry (PC2018)
優秀ポスター発表賞 2018年度

2018-06-04掲載

引間 雅菜(応用化学科・本間研究室 B4)
電気化学会 第85回大会 ポスター賞
2017年度
2017年度の受賞ですが掲載しています。
鳥本 万貴(応用化学専攻・関根研究室 M2)
石油学会 最優秀ポスター賞
2018年度
福田 紘征(応用化学専攻・松方研究室 M2)
日本膜学会 第40回総会学生賞
2018年度
猪村 直子(応用化学専攻・平沢・小堀研究室 博士課程)
化学工学会
「Jouranal of Chemical Engineering of Japan]
 Outstanding Paper Award 2017
2018年度

 

 

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早稲田応用化学会中部支部第15回交流会開催のご案内

早稲田大学先進理工学部応用化学科教授 松方正彦氏
“2050年を目指した炭素循環型化学産業について”

   第15回中部支部交流会は、母校の松方正彦教授をお招き致します。
日本は、2030年に26%、2050年には80%のC02削減目標を国際的約束としております。C02削減80%を目指すには、製造業の全CO2排出量の20%を占める化学産業において、C02を回収して水素化し、化学製品製造の原料とする炭素循環型の化学産業を創造することが必要と考えられていす。
講演では、炭素循環型化学産業の内容とこの産業の創造に向けての種々の研究テーマにつき、その最先端を紹介いただきます。
仕事で何らかの形でCO2削減研究に取り組んでおられる現役会員をはじめ、会員皆様にとっては大変切実な内容で興味深い講演となっております。
講演後は松方教授との懇談会も予定しておりまので、お誘いあわせの上、多数ご出席下さいますようご案内致します。
                             早稲田応用化学会中部支部
                             支部長 三島 邦男

1.演題  “2050年を目指した炭素循環型化学産業について”

2.講師  松方正彦教授

3.日時  2018年11月10日(土) 受付16:00より
       講演会 16:30~18:00
       懇親会 18:00~20:00

4.場所  名古屋ダイヤビル1号館 (JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
      講演会 133号室
      懇談会 同ビル1階喫茶「サンディア」

5.会費  講演会 無料
                     懇談会 3,000円

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参加申し込みは、こちらから

準備の都合上、来る11月2日(金)までに申し込み願います。
お問い合わせ先:応化会中部支部代表幹事 堤 正之
Tel. ;059-353-7639
E-mail; m.tsutsumi @fuga.ocn.ne.jp

教室会員受賞

2018年度

2018-08-23掲載

齊籐 杏実(応用化学専攻・山口研究室・M1)
第9回サブウエイセミナー
優秀ポスター賞
2018年8月
矢部 智宏(応用化学専攻・関根研究室・講師(理工総研次席研究員))
TOCATS(触媒学会)
BEST POSTER AWARD
2018年度
堺 竜哉(応用化学専攻・関根研究室・M1)
TOCATS(触媒学会)
Catal. Sci. Technol. Awrd (Royal Society of Chemistry)
2018年度
川上 慧(応用化学専攻・野田・花田研究室・LD1)
化学工学会 北海道支部・東北支部・関東支部
化学工学会室蘭大会2018 学生特別賞 
2018年8月
金澤 優貴(応用化学専攻・野田・花田研究室・M1)
化学工学会 北海道支部・東北支部・関東支部
化学工学会室蘭大会2018 学生奨励賞 
2018年8月
野田 優(野田・花田研究室・教授)
日本学術振興会
特別研究員等審査会専門委員(書面堪能)表彰 
2018年8月

2018-07-22掲載

堤 優也(応用化学専攻・本間研究室 M1)
電子情報通信学会
磁気記録・情報ストレージ研究専門委員長賞 2018年度

2018-07-2 掲載

真鍋 亮(先進理工学専攻・応化 関根研究室 D3修了)
先端技術大賞
フジテレビジョン賞 2018年度
高田 要(応用化学専攻・小栁津・須賀研究室 M2)
The 8th International Symposium on Polymer Chemistry (PC2018)
優秀ポスター発表賞 2018年度

2018-06-04掲載

引間 雅菜(応用化学科・本間研究室 B4)
電気化学会 第85回大会 ポスター賞
2017年度
2017年度の受賞ですが掲載しています。
鳥本 万貴(応用化学専攻・関根研究室 M2)
石油学会 最優秀ポスター賞
2018年度
福田 紘征(応用化学専攻・松方研究室 M2)
日本膜学会 第40回総会学生賞
2018年度
猪村 直子(応用化学専攻・平沢・小堀研究室 博士課程)
化学工学会
「Jouranal of Chemical Engineering of Japan]
 Outstanding Paper Award 2017
2018年度

 

 

第10回早桜会講演会のご案内

 

 毎年秋に開催している早桜会講演会を第10回として、下記要領で開催します。今回の講師は、企業研究者・技術者としてご活躍中の(株)カネカ 古川直樹氏です。

 本会員の多くは、企業研究者・技術者として仕事をしておられることと思います。いろいろ参考になることがあろうかと思います。ぜひ奮ってご出席ください。

 本講演会には、応用化学科西出宏之教授(早稲田応用化学会会長)が出席されます。西出先生は、懇親会にも出席いただきます。

第10回早桜会講演会

日時

2018年9月22日(土)15:00~17:00

場所

 

中央電気倶楽部(大阪・堂島浜)
大阪市北区堂島浜2-1-25  06‐6345‐6351

講師

古川直樹(新36回)氏 (株)カネカ 常務理事 R&D企画部長

演題

「Big Projectを動かせ!」

懇親会

17:00~19:00
中央電気倶楽部特別食堂
会費 5,000円

講師からのメッセージ:

1988年3月 博士前期課程(城塚研究室)を修了後、同年4月に(株)カネカに入社。生産技術R&D、技術行政、製造ライン長等のキャリアを歩む。
本会では、若手時代の研究開発Projectでの経験を中心に話題提供させていただきます。

加藤忠蔵先⽣を偲ぶ会のご案内

拝啓 連⽇厳しい暑さが続いております
皆様におかれましてお変わりなくお過ごしのことと存じます
すでにご存知のことと存じますが 加藤忠蔵先⽣は 去る4 ⽉24 ⽇ 96 歳でご逝去されました
葬儀は⽣前の先⽣のご遺志により近親者にて執り⾏われました
この度⾨下⽣が集まり先⽣のご功績とご⾜跡を偲びたく 加藤忠蔵先⽣を偲ぶ会を開催する運びとなりました
ご多⽤中とは存じますが ご参集いただきたく ご案内申し上げます

敬具

世話⼈代表    
⿊⽥ ⼀幸

開催日:平成30 年10 ⽉6 ⽇(⼟)

第⼀部:偲ぶ会
時間:16 時から17 時
会場:早稲⽥奉仕園 スコットホール
        (東京都新宿区⻄早稲⽥2-3-1 電話 03-3205-5411)
会費:無料

第⼆部:⼣⾷会
時間:17 時半から19 時半
会場:リーガロイヤルホテル東京 3 階 ロイヤルホールⅡ
       (東京都新宿区⼾塚町1-104-19 電話 03-5285-1121)
会費 10,000 円

  •  当⽇はご家族にご出席をお願いしております
  •  当⽇は平服でご参加いただきますようお願い申し上げます
  •  第⼀部会場には駐⾞場がございませんので電⾞バス等の公共交通機関のご利⽤をお願い申し上げます
  •  当⽇はできましたら受付でお名刺を申し受けたく存じますので ご持参いただきますようお願い申し上げます(他の⽅法での受付も準備いたします)
  • 準備の都合上8 ⽉20 ⽇までに電⼦メールまたはFAX にてご都合をお知らせいただければ幸いです
  • ⼤学関係を中⼼にご連絡を申し上げておりますので 先⽣とご縁が深かった⽅にご連絡の漏れがある可能性がございます お気づきの⽅にご連絡をいただければ⼤変ありがたく存じます

お問い合わせ先

〒169-8555 東京都新宿区⼤久保3-4-1
早稲⽥⼤学理⼯学術院
応⽤化学科 ⿊⽥研究室内
早稲⽥無機会事務局
電話/FAX:03-5286-3199
電子メール:wasedamukikai※list.waseda.jp(※を@にご変更ください)

ご参加いただける場合は、下記申込書の要領にて、8月20日までにFAXあるいはメールを早稲田無機会事務局にご送付いただきますようお願い申し上げます。
(申込書は下記クリックにて開きます)

加藤忠蔵先生を偲ぶ会参加申込書

以上

「第2回先端化学知の社会実装コロキウム」開催のご案内

この度、早稲田地球再生塾(WERS)が開催するコロキウムでは、科学技術の社会実装の方法論や化学が貢献できる社会的課題および化学技術の社会実装例を学ぶとともに、具体的なテーマを設定しながら、課題解決のシナリオを議論し社会との連携・協働を図る事を目的とします。
今回は、SDGsに積極的に取り組まれている住友化学株式会社様に先進事例をご紹介いただき議論をいたします。

【開催概要】

日時:2018年8月30日(木) 16:00~17:30
会場:早稲田大学西早稲田キャンパス 52号館2F 202講義室

   <キャンパスマップ>   https://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus

講師:住友化学株式会社・赤堀金吾氏

(常務執行役員就任 エネルギー・機能材料品質保証室、無機材料事業部 機能樹脂事業部、電池部材事業部 担当)

演題:住友化学のSDGsの取り組み
   「リチウムイオン二次電池用耐熱セパレータ『ペルヴィオ®』の事業化」

 住友化学は、企業理念の中心をなす「自利利他公私一如」(住友の事業は自らを 利するとともに社会を利するものでなければならない)という住友の事業精神をDNAとして地球課題を解決するソリューションの提供に取り組んできました。
今回は、その事例として耐熱セパレータの事業化についてご紹介いただきたいと思います。耐熱セパレータは、リチウムイオン二次電池の高容量化と安全性を両立し、電気自動車の普及に貢献する素材であり、クリーンエネルギー社会の実現と いうSDGsの達成にもつながるものです。

  • 主催:理工・重点研究領域 先端化学知の社会実装研究所
  • 共催:化学工学会 社会実装学研究会
       化学工学会 SDGs検討委員会
       理工学術院総合研究所 早稲田地球再生塾

費用:無料

お申込み:下記URLの申し込みフォームよりお申し込みください。

     http://bit.ly/2M72xW4

     定員になり次第、お申し込み終了とさせていただきます。

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※お問合せ:理工学術院総合研究所・早稲田地球再生塾(WERS)事務局
 E-Mail:wers@list.waseda.jp
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第18回 先生への突撃インタビュー(関根泰 教授)

関根 泰 教授

「先生への突撃インタビュー」の第18回として関根泰教授にご登場願うことにしました。
今回も学生、現役OBにインタビュアーとして参加をしてもらい、応化会の本来の姿である先生・学生・OBの3者による合作を目指しました。関根先生にも快く賛同していただきましたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。
関根先生のプロフィール: 1998年東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程修了(工学博士)、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻助手、早稲田大学理工学部応用化学科助手、同・ナノ理工学研究機構講師、同・理工学術院応用化学科准教授などを経て、2012年より早稲田大学理工学術院教授(先進理工学部)。また、2011年よりJST(科学技術振興機構)フェローを兼務、石油学会論文賞、触媒学会奨励賞、日本エネルギー学会進歩賞などを受賞。

・先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?

 ~入り口は修士1年で研究の面白さに目覚めたこと、次の転機は早稲田に移ったこと~

もともとは建築志望として大学を目指した学生でしたが、配属学科を決める時に化学しか行けない状況となり、比較的単純な分子であるメタンや水素などを扱う研究室に入りました。

あまり好きでない化学でしたので、学部で就職をするつもりでいましたが、たまたま奨学金付きで修士に進むことになりました。この修士1年で非常に面白い研究成果が出て、海外からも注目をされるようなことになり、この辺から前のめりに研究に取り組むようになりました。

これが研究に進む入り口としてのキッカケになったと思います。

博士課程から助手になりましたが、正直言って、今から思えば漫然と取り組んでいたと思える状況でした。しかし、所属している研究室が廃止になるという事を半年前になって外部の主任教授から聞かされ、青天の霹靂で慌てて就職先を探しました。

なかなか難しかったのですが、たまたま国際会議で菊地先生にお誘いを受け早稲田に来られることになったのが32歳で、これが第2の大きな転機になりました。それこそ背水の陣で、遮二無二取り組んできたというか、取り組まざるを得なかったことにより幅広く、何にでも深く取り組むという時期になり、いわゆる基礎体力が育まれました。 具体例としては、3つのアクションが挙げられます。一つは若手研究者の勉強会(大学横断的)、二つ目はベンチャーの立ち上げ、3つ目はイランとの資源外交への参画が上がられます。その一方で、イオニクスと電場という現在の柱となる研究の基礎も芽生え始めた時期でもありました。

 

技術的内容で先生がポイントと考えておられる点はなんですか?

 ~「鳴かぬなら鳴かせてみよう」型の触媒をつくる~

固体触媒の性能を如何に引き出すか?のために、一つの方法としては固体の構造を綺麗(整理された形で)に歪ませるなどで、表面エネルギーを変化させるなどの方法や、二つ目としては吸着種が出来た場合に、外部から動かしてしまうという考え方で電場を与えるなどの新しい手法つまり積極的に分子を動かすなどの手法を使うことがポイントになります。これが「鳴かせてみよう」型の触媒のイメージです。測定法なども特殊な装置を工夫してオペランド測定、すなわち活きたままの触媒状態の観測を進めています。

・先生の研究理念を教えてください。

 ~化学の領域を限定せずに可能性を追求していきたい~

ライフワークとして水素を研究してきましたが、応用技術にも範囲を拡げて検討を深めており、再生可能エネルギーの貯蔵などにも研究の輪が拡がっています。研究を深化させると同時に、国の政策提言に関与したり、海外動向の把握や共同研究などを通して、俯瞰的な視野が必須であることも体感しており、何が必要でどこを向いて研究すればよいかのイメージは出来ているので、学際というか今まであまり研究が進んでいない領域で、自分たちが培った技術内容をベースに従来技術に限定せずに化学の領域を拡げながらのブレークスルーを目指しています。

・これからの研究の展望を聞かせてください。

 ~俯瞰の視野を大切に進めたいと思っています~

前にも触れましたが国レベルでの政策提言を長く続けていますので、方向性のイメージはかなり明確です。よって、それをどう研究に落とし込むかと言う流れで先々を読みながら研究を展開していきたいと思っています。いずれにしても、俯瞰的見方の重要性を多くの研究者や教育者と共有したいとも思っています。

・応用化学会への期待を聞かせてください。

 ~学生にとっては有意義な会~

8000人のOBOGが支えている会は素晴らしいと思いますが、若干中抜けになっていることが勿体ないと思いますね。特に30代から40代のOBOGと学生が上手く繋がりを持てるようになると、より素晴らしい会になると思います。

勿論、今でも学生にとっては非常に有意義な行事や繋がりがあるとは思っています。ヒトの早稲田を体現している会でもありますよね。

 

・100周年を迎えた応用化学科についてコメントを聞かせてください。

 ~オリジナリティの高い学科~

小林久平先生の流れから派生してきた応用化学は、オリジナリティの高い学科として誇るべきものであるでしょうし、今、属している我々はそのオリジナリティを大切にしながらヒトの早稲田やその校風・精神の良さを最大限に活かしていきたいですね。

・21世紀を担う皆さんへのメッセージをお願いします。

 ~常に紙の新聞に目を通すような視野を広げる努力を~

研究に俯瞰的視野が必要なことを何度も繰り返してきましたが、海外にも目を向けて欲しいし、日本の良さを世界の中で確認して欲しいと思います。また、是非とも紙媒体の新聞を、毎日目を通すような努力を続けて欲しいと思いますね。

また、均質化された情報の蓄積だけになることを避け、積極的に新しい情報を取りに行くことや、アイデンティティやオリジナリティへの思いを大切にして欲しいと思います。

若い皆さんには、次の歴史を作る気概を持って、是非頑張ってください。

 

参考資料:

応用化学科 教員・研究紹介:研究者WEB紹介
http://www.f.waseda.jp/ysekine/index.htm

早稲田大学 特集 Feature Vol. 19(全4回配信)
https://www.waseda.jp/top/news/56052

早稲田大学 研究活動紹介https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2017/07/dcf0145aba6d975906ee91d2519ee7d9-1.pdf

 

インタビュアー&文責: 武者 樹(学生広報班)、新谷 幸司 広報委員会副委員長(新34)、井上 健(新19回)

 

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第17回 先生への突撃インタビュー(山口潤一郎教授)

山口潤一郎教授

「先生への突撃インタビュー」の再開5番バッター(第17回)として山口潤一郎教授にご登場願うことにしました。
今回も学生にインタビュアーとして参加をしてもらい、応化会の本来の姿である先生・学生・OBの3者による合作を目指しました。山口先生にも快く賛同していただきましたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。

山口先生は、2002年03月東京理科大学 工学部 工業化学科卒、2007年03月東京理科大学大学院 工学研究科 工業化学専攻修了、 博士(工学) 東京理科大学、2007年04月-2008年07月日本学術振興会海外特別研究員(海外PD)、2008年08月-2012年03月名古屋大学理学研究科助教、2012年04月-2016年03月名古屋大学理学研究科准教授、2016年04月-2018年3月早稲田大学理工学術院准教授、2018年4月より同大学理工学術院教授 となられています。また、2013年3月に日本化学会進歩賞、 2017年04月に文部科学大臣若手科学者賞、2017年07月にアジア化学連合(FACS)ディスティングィッシュ若手化学者賞 等を受賞されています。

・先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?

 ~恩師の「有機って本当に面白いよね!」に引き寄せられましたね~

実は1-2年は余り勉強熱心ではなかったのです。3年で一念発起して勉強を始めたものの唯一必修科目の有機化学A(1年生の科目)の単位を落とし、留年となり研究室には入れませんでした。当時の興味は化学工学や物理化学の方面にあり、有機化学は単位を落としましたし、それほどではありませんでした。しかし、3年の時にゼミに参加をする機会を得、その後お世話になる林雄二郎先生の「有機って本当に面白いよね!」と熱く語る言葉が心に残り、結局その研究室を選んでしまいました。研究室に入って、有機化学のものづくりが楽しくなり、研究成果を出して世界に論文を出せるという流れにのめり込んでいきました。それでも当初は研究職でなく、人との交流や関わりのあるMR(医薬系営業職)になりたいと思っていました。しかし、修士1年時に夏の勉強会(多くの大学の修士から博士課程の学生がメインで参加)に参加した時に転機が訪れました。同世代の仲間との話では就職活動の話ばかり。研究職につきたいのに早く研究室を出たいだとか、研究が面白くないと言う不満。一方で博士課程の先輩方は自分の研究をどうしたいか、どれだけ面白いのか、研究に前向きに熱く語っているという対照的な姿を目の当たりにしました。そして、自分も研究は面白かったし、後者の博士課程の人たちのようになりたいと思ったわけです。同時に人との関わりもある教育現場にいたいと考えて企業の研究員ではなく大学教員を目指しました。

・技術的内容で先生がポイントと考えておられる点はなんですか?

 ~ユニークさやクレージーさを大切にしたい~

分子レベルでモノづくりを出来るのは、合成化学者のみというスタンスは大切にしたいと思っています。一方で、当然、技術や知識を高めるのも必須ですが、機械的な繰り返しは今後AIを利用することによって人間が凌駕される可能性もあり得ます。それを考えると、人、研究者にしかできない方向性を追求したいと思っています。ある面では非常識な道筋を考えられるようにしていきたい。ただし、非常識と判断できることは、常識を十二分に熟知している必要があります。その延長線上のユニークさやクレージーさを大切にしたいと思っています。

一例としては、6置換ベンゼンを合成する際にチオフェンを原料にしてチオフェンを壊して6置換ベンゼンを合成するルートの開発を挙げることは出来ると思います。6置換ベンゼン(ヘキサアリールベンゼン)は学生実験でも合成できそうな化合物。ただし、6つ異なる炭素置換基(アリール基)を導入しようと思うと、既知の方法では不可能でした。一方で、我々の研究室ではチオフェンに異なる4つのアリール基を直接導入することはできた。チオフェンは4炭素なので、2炭素をぶつけてやれば6つの炭素からなるベンゼンができるわけです。つまりチオフェンを「壊して」ベンゼンをつくる。言われてみれば普通なのですが(常識)、機能の宿るチオフェン骨格を好き好んで壊そうという研究者はこれまでほとんどいませんでした(非常識)。それにより、前人未到の6つのアリール基が異なるヘキサアリールベンゼンを世界ではじめて作ることができたのです。

・先生の研究理念を教えてください。

 ~モノづくりを極める匠になりたい~

「分子レベルでのモノづくりを極めたい」というのが、一貫した考え方です。平たく言うとこの分野でのブラックジャックになりたいと思っています。標的さえ与えられればなんでもうまくつくれるといった人。どこの分野でも重宝されますよね。ヒトには不可能に思えるような効率的なルートの可能性を追求して、実験を繰り返しながら可能にする面白さを極めていきたいですし、最終的には匠になりたいと思っています。 匠と言いながら、専門の深化だけではなく俯瞰する広い見識も重要と思っています。

・これからの研究の展望を聞かせてください。

 ~未知の領域とのコラボレーションから成果を産みだしたい~

現状ではバイオロジーとのコラボレーションを中心に研究を展開しています。特に、化学的アプローチを殆どしていない学問領域とのコラボレーションは積極的に行いたいと考えています。ほとんどの現象が分子(集合体)との関わり合いですので、分子を設計できる合成化学者がその学問領域に興味をもてば、未踏の課題をすぐに解決できたり、現象を分子レベルで説明できるようになります。学際という中で、自分にしか考えられないような手法を開発したり、世界を変える分子を作りたいと思っています。そういう意味では、学会もそうですが他分野の学会や研究会にも顔を出し続けたいと思っています。

 
・応用化学会の活動への期待を聞かせてください。

 ~学生にとって素晴らしい機会~

OB・OGと先生および学生が一緒に活動できる会は珍しい会であり、これまでいくつかの大学を渡り歩いてきましたが、このような組織にはありませんでした。応化にいるひとにとっては普通なのかもしれないですが、普通ではないです。その存在の重要性を認識して欲しいと思います。特に、学生にとっては大変良い機会だと思います。 

・100周年を迎えた応用化学科についてコメントを聞かせてください。

 ~次の100年に向けて足跡を残したい~

素晴らしい歴史であり、学ぶことも多いと思います。しかし、振り返ることも重要ですが、このまま早稲田にお世話になることとなると30年以上ありますので、100年の歴史を汚さないように、自分の役割を全うしたいです。次の100年に向けて新しい足跡を残したいと思います。

・21世紀を担う皆さんへのメッセージをお願いします。

 ~教育者としては、自分より優れた研究者を世に送り出したい~

自分としては研究のみではなく、教育者としてのスタンスも大切にしており、自分より優れた研究者や、リーダーとなれる人をできるかぎり多く世に送り出したいと強く思っています。また、情報化時代と言われていますが、情報の把握と発信が重要だとの認識は学生時代から思っており、ケムステーションという化学ウェブサイトを作り現状でも続いています。内容は添付資料に任せることにしますが。

学生にとっては、今はインターネットを調べれば詳細な情報に簡単にアクセス可能です。つまり、情報を集めやすい環境にもあるため、自分で集中して没頭できるような分野や領域を是非見出して欲しいし、それが見つかると更に面白くなる良い循環が出来る筈です。是非とも、自ら学べるような分野を見つけて欲しいですね。

 

 

参考資料:

 

応用化学科・教員・研究紹介

インタビュアー&文責: 村瀬菜々子(学生広報班チーフ)、井上 健(新19回)

 

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教室会員受賞

2018年度

2018-07-22掲載

堤 優也(応用化学専攻・本間研究室 M1)
電子情報通信学会
磁気記録・情報ストレージ研究専門委員長賞 2018年度

2018-07-2 掲載

真鍋 亮(先進理工学専攻・応化 関根研究室 D3修了)
先端技術大賞
フジテレビジョン賞 2018年度
高田 要(応用化学専攻・小栁津・須賀研究室 M2)
The 8th International Symposium on Polymer Chemistry (PC2018)
優秀ポスター発表賞 2018年度

2018-06-04掲載

引間 雅菜(応用化学科・本間研究室 B4)
電気化学会 第85回大会 ポスター賞
2017年度
2017年度の受賞ですが掲載しています。
鳥本 万貴(応用化学専攻・関根研究室 M2)
石油学会 最優秀ポスター賞
2018年度
福田 紘征(応用化学専攻・松方研究室 M2)
日本膜学会 第40回総会学生賞
2018年度
猪村 直子(応用化学専攻・平沢・小堀研究室 博士課程)
化学工学会
「Jouranal of Chemical Engineering of Japan]
 Outstanding Paper Award 2017
2018年度

 

 

2015