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早稲田応用化学会 交流委員会主催 第31回交流会講演会の報告

『タケダのグローバル化への挑戦』
~ 世界をとりまくパラダイムシフトのなかで ~

講演日時:2017年7月13日(木)17:00~19:00(学生代表とのパネルディスカッションを含む)
講演会場:63号館2階03室、04室、05室  引き続き63号館1階ロームスクエアで懇親会を実施

講演者;長谷川 閑史 (はせがわ やすちか) 氏 武田薬品工業株式会社 相談役

1970年 早稲田大学 政治経済学部卒業
 同   年 武田薬品工業株式会社入社
1998年 医薬国際本部長
1999年 取締役
2003年 代表取締役社長
2011年 公益社団法人 経済同友会 代表幹事(2015年まで)
2014年 代表取締役 取締役会長
2015年 東京電力株式会社(現 東京電力ホールディングス株式会社) 社外取締役
2015年 取締役会長(2017年まで)
2016年 旭硝子株式会社 社外取締役
2017年 相談役

保谷交流副委員長の司会のもと、まず早稲田大学名誉教授である竜田邦明・栄誉フェローから講師紹介が行われた後、教員・OB/OG・講演会関係者67名、学生73名、合計140名(来場者ベース)の聴講者を対象に講演が始まった。なお、講演会場内で投影された説明資料は印刷物としても用意して頂き、聴講者一人ひとりに配布された。講演は基本的にこの説明資料に基いて順を追ってなされており、本報告書でもこの説明資料を引用した部分がある。

保谷交流副委員長からは、竜田邦明先生が、武田薬品と深い関係にあり育英事業を行う公益財団法人尚志社において長年評議員及び理事の役職にあり、長谷川閑史氏ともお付き合いが長いこと、また竜田邦明先生ご自身も尚志社から奨学金を受けた奨学生であることが紹介された。

竜田邦明氏による講師の紹介

長谷川閑史氏の講演

長谷川閑史氏の講演

講演内容は下記の3項目に大別されている。
(講演内容要旨は下記の項目をクリックしてご覧になれます)

1.世界のパラダイム・シフト

2.医薬品産業の現状と今後

3.タケダのグローバル化への挑戦

 

質疑応答(要旨)

講演の最後に聴講者の1人から次のような質問があった。

*研究拠点を湘南Research Centerからアメリカに移した、という話があったが、武田薬品において創薬が出てこなかった原因は何か? また、拠点を海外に移した理由は何か?

これに対して講師から下記のような説明があった。

*2つ理由がある。

1つは、1990年代の初頭位まで、市場に出ている製品の9割は低分子化合物で、錠剤とかカプセルとかの経口薬であった。ところが、Unmet Medical Needsとして残された病気は治療が難しく原因の究明も難しい。ましてや治療法が出てきてもそれは注射剤であり、経口剤では難しい。経口ということは水に溶けなければいけないが、それが中々難しい。そのスペースを埋めたのが抗体を中心とした生物学的製剤である。日本は低分子化合物でTopであったが、それだけに生物学的製剤への切り替えが遅れた。例えば抗体のTechnologyは1970年代の半ばに分かっていたが、そのTechnologyを使って具体的に治療薬を出すのに約20年位掛かった。当社も含めて日本の企業は抗体の研究を行ったが、うまくいかず途中で投げ出してしまった。ところが欧米の企業は、自分のところで出来なければHigh Risk、High Returnを覚悟のBio Ventureを取り込むことによって、抗体の技術を自らのものにしていった。日本は、某製薬会社1社を除いては抗体の研究を最後まで続けて製品化したという成功体験のある企業は無い。成功体験のある所へ行って取って来ることも難しい。
残念であるが、Bostonが世界のResearch Hubでinnovativeな薬の6~7割を出している。そういうEco Systemを作れない日本で頑張るといっても、それは根拠のないGambleのようなものである。今は、そういう世界のResearch Hubに行ってInsiderになって研究開発を行う道を選んだ。それが究極的に正しいかどうか分からない。ただ、今の延長線上で行く将来の姿と比べて、何かの改革をやることで成功確率、あるいは将来の絵姿が少しでも良くなるのであればそれに賭ける、というのが経営者としての判断であると思うので、そういう改革を行ったという事である。

講演の後、講師を囲んで学生によるパネルディスカッションが開催された。

学生によるパネルディスカッション

テーマ「私達のパラダイムシフト」

パネルディスカッション

参加学生:

M1 田中 徳裕(Facilitator)
M1 石原 真由
M1 福井 宏佳
B4 政本 浩幸
B4 柳川 洋晟

パネルディスカッション

学生によるパネルディスカッションの内容、および学生の講演会に対する印象については、学生交流委員のページで報告されています。   ⇒ 学生のページはこちら

第31回交流講演会Gallery

懇親会

学生によるパネルディスカッションの後、会場を63号館1階ロームスクエアに移して懇親会を開催した。(懇親会参加者;教員・OB/OG・講演会関係者51名、学生60名、合計111名)

町野交流委員長の司会のもと、応用化学会三浦会長の挨拶、そして竜田栄誉フェローの乾杯のご発声の後、懇親会が始まった。今回は特に講師所属の会社説明のため、武田薬品工業株式会社 社長室から下記4名の方にも参加して頂いた。

渉外・秘書担当部長 田村 聖彦 様
主席部員 小泉 雄介 様
課長代理 高際 辰之 様
課長代理 片野 詩子 様

また今回は学生参加者も多く、講師を取り囲んでの輪は勿論、上記4名の方を取り囲んでの輪も会場のあちこちに開いて盛大な催しとなった。帰国子女である学生が講師と英語で話している姿も見られた。

懇親会

橋本副会長の中締めの挨拶の後、松方主任教授から閉会の挨拶を頂いた。松方先生はこの日海外出張からの帰りの日で、空港から直ちに懇親会場まで駆けつけて頂いたとのことである。最後に上宇宿学生交流委員による、武田薬品の製品を引用した魅力ある挨拶と一本締めにて解散となった。

第31回交流講演会懇親会Gallery

(文責:交流委員 小林幸治、写真撮影:相馬威宣、橋本正明)

――― 以上 ―――

 

 

7月13日(木)第31回交流会講演会のご案内

早稲田応用化学会 交流委員会主催 第31回交流会講演会のご案内(7月13日(木))

講演者 :長谷川閑史(はせがわやすちか)氏 武田薬品工業株式会社 取締役会長
演題 :『タケダのグローバル化への挑戦』
 副題 ;「世界をとりまくパラダイムシフトのなかで」

今回は、売上高において国内トップであり、世界的にも著名な医薬品企業である武田薬品工業株式会社の取締役会長であり、経済同友会代表幹事等の要職も歴任された長谷川閑史氏をお迎えし、『タケダのグローバル化への挑戦』という魅力あるテーマにてご講演をして頂きます。

講演者ご略歴
1970年 早稲田大学 政治経済学部卒業
同年 武田薬品工業株式会社入社
1998年 医薬国際本部長
1999年 取締役
2003年 代表取締役社長
2011年 公益社団法人 経済同友会 代表幹事(2015年まで)
2014年 代表取締役 取締役会長
2015年 東京電力株式会社(現 東京電力ホールディングス株式会社) 社外取締役
2015年 取締役会長
2016年 旭硝子株式会社 社外取締役
その他、日本経済団体連合会、日本製薬工業協会等で要職を歴任され、日本を代表する経営者の一人として幅広く活躍しておられます。

武田薬品工業株式会社の概要
売上高において国内一位の医薬品企業
設立;1925年(創業;1781年)
資本金;652億円(2017年3月末時点)
2017年3月期の連結決算内容;
 売上高;1,732,051百万円、営業利益;155,867百万円
医療用医薬品が売上高の大半を占めています。
そのうち、潰瘍性大腸炎、癌、高血圧症、消化性潰瘍等の治療薬が主な製品です。
国内に下記の技術・生産事業所を保有しています。
 湘南研究所(神奈川県藤沢市)
 大阪工場(大阪市淀川区)、光工場(山口県光市)

ご講演の趣旨
「近年、人口動態の変化、経済のドライバーの新興国への移行、AI(人工知能)を含めたIT化といった劇的なパラダイムシフトが起こりつつある。このように加速度的に変化していく世界のなかで、「何もしないこと」は、結果として、国家、企業、個人にとって、「最大のリスクテーキング」となる。
医薬品業界においても近年、劇的な環境変化が起こっている。そのような変化に対応するためにタケダがとってきたグローバル化戦略、リーダーの役割、経営の基本精神などについて紹介する。」

日本の経済界の重鎮であり、政治経済学部卒業の大先輩と身近に接することの出来る貴重な機会です。長谷川会長は医薬品企業の役員ですので化学関連のお話も期待出来ますし、学生にとって興味のある大学時代のお話も期待出来ます。従いまして学生諸君は勿論ですが、社会で活躍中のOB/OG諸君、更にはシニアOB/OGの方々にとっても大変貴重なお話しを聞くことが出来る絶好の機会であると確信致します。
なお、講演開始時に講演者の簡単な紹介を下記の方にお願いしております。
竜田邦明様(早稲田大学名誉教授・栄誉フェロー、第99回日本学士院賞受賞、第13回交流会
講演会講師)
皆様お誘いの上、是非奮ってご参加ください。

講演期日;2017年 7月13日(木)
講演会場;早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階03室、04室、05室
講演時間;17:00~18:15(受付開始 16:30、参加自由、無料)
学生代表とのパネルディスカッション
;18:15~19:00
懇親会 ;19:15~20:30 (63号館1階 Rohm Square)
講演者を囲んで懇親会を開催します。(懇親会費:3千円、学生無料)

申込みはこちらから

 

事前登録を7月9日(日)までに頂いた方には、当日受付で名札をお渡しいたします。
それ以降の登録の場合は、名札の準備が出来ませんので自筆でお書き頂く事になりますことをご了解ください。
講演会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。
また講演会場ではビデオ撮影も予定しております。

「先輩からのメッセージ2017」開催報告

フォーラム 第9回「先輩からのメッセージ2017」 を2017年1月21日(土)に開催致しました。
その概要をここに報告いたします。
 

 早稲田応用化学会のホームページには学生向けのコンテンツの一つとして「企業ガイダンス」掲載欄を設けており、新規企業7社が加わって76社に参加いただいている。本年の経団連の「採用選考に関する指針(2016.9.20改訂)」は昨年と変わらず、会社説明会等の広報活動開始時期は3月とされましたが、本セミナーは、採用に向けた会社説明会とは異なり、先輩の眼を通じた各企業のアクティヴィティ、社会人としての過ごし方や後輩への期待等を話していただく、学生の進路選定の一助、キャリア教育の一環であることから、大学側と慎重に協議いたしました結果、開催日を1月21日(土)といたしました。これに基づき、掲載企業に「先輩からのメッセージ2017」への参加をお願いしたところ、64社からご賛同をいただき第9回の開催の運びとなりました。

挨拶 魚森交流委員長

ビジネス現場の第一線で活躍中の身近な世代の先輩がそれぞれの企業の特徴、ビジネスモデル、講演者自身のビジネスライフの様態、キャリア開発の実績、求められる人材像など、限られた時間内でコンパクトにまとめて講演いただきました。企業からの参加者は講演者、同行者を合わせて約130名に参加いただきました。学生の参加数は年度ごとの修士人数変動もあり総数は209名と昨年比92%となりましたが、昨年に比し早目の1月の開催ということもあり、10社以上の講演を聴講した学生比率が増え、1社あたりの講演聴講者数は昨年の120%と大盛会となりました。この中には学部1、2、3年生および他学部・他学科の参加も多く見られました。  

オリエンテーション 和田宏明教授

 

フォーラム開始前のオリエンテーションで主催者を代表して魚森交流委員長の開会挨拶、教室を代表して和田宏明教授から参加企業への感謝とご挨拶、保谷交流副委員長から講演についての注意・お願い事項の説明後、12:30より一斉に講演のスタートが切られました。会場は6教室で、これまでと同様に前半と後半の2部制として各社2回の講演を行っていただき、参加学生が希望する企業の講演をできる限り聴講できるようにしております。また、企業控室として使用の教室では、特別講演として桐村光太郎教授による「応用化学科・応用化学専攻の現状とこれから(創立100周年を迎えて)」と和田宏明教授による「応用化学科の就職関連活動および早稲田応用化学会の活動」をそれぞれ30分で2回講演いただきました。

特別講演 桐村光太郎教授

特別講演 和田宏明教授

(各企業のショートトークのGalleryは下のボタンから)

201、202教室 203、301教室  302、303教室

 講演会終了後は参加いただきました企業在籍のOB・OGおよび同行者を囲んで懇談会を催しました。企業側、学生出席者多数で大盛況の懇談会となりました。主催者を代表して三浦会長から参加企業への御礼挨拶、西出教授の乾杯発声をかわきりに懇親を深め、フォーラムの延長となる学生と企業との質疑応答を含めて話が弾み、会場は熱気にあふれました。学生にとっては昼間のフォーラム、夕刻からの懇談会を通して、日常の学習、研究に加えて、将来の進路選定への貴重なアドバイスを先輩諸兄から頂戴し、学んだことも多かったものと確信しています。橋本副会長の中締めの挨拶、田中学生交流委員長の一本締めをもって全プログラムを盛況のうちに終了いたしました。

懇談会の模様(懇談会のスナップ写真は下のボタンから)

  懇談会場 

今回のフォーラムにご賛同、ご支援いただきました企業、および熱気溢れる講演、懇談会における後輩を思いやる親身なアドバイスをいただきました先輩と、同行された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

(文責 交流委員会 写真 広報委員会)

 

 

Ⅰ プログラム概要

  1. 日時  2017年1月21日(土) 
  2. 会場  西早稲田キャンパス54号館2F、3F、4F教室
  3. 受付  企業関係者は講演会場にて11:00から、学生は54号館101教室で12:00から
  4. 内容  オリエンテーション    12:00~12:20(企業関係者)
          講演会(第1部)     12:30~15:13
          講演会(第2部)     15:30~18:13
          懇談会          18:30~20;00(63号館)
  5. 対象学生 学部生、大学院生(修士、博士)およびポスドク
    (進路選定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程修了予定者およびポスドクを参加の主体とし、将来へ備えての学部1,2,4年、修士2年の参加も歓迎)
  6. 対象学科 応用化学科、応用化学専攻、化学・生命科学科および専攻、生命医科学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等(学部、研究科、学科、専攻を問いません)

Ⅱ 「先輩からのメッセージ2017」教室番号、タイムスケジュール(54号館)

Ⅲ 「先輩からのメッセージ2017」特別講演スケジュール

Ⅳ 参加した学生(フォーラム参加学生の詳細)

それ以外の学生は化学・生命化学専攻、生命医科学専攻、ナノ理工学専攻、先進理工学部研究科、地球・環境資源理工学専攻、電気・情報生命工学科、人間科学研究科、理学科

Ⅴ アンケート」を踏まえての総括

1.今回のフォーラムの全体的な評価

学生は満足とほぼ満足を合計すると98%、企業参加者の回答では満足とほぼ満足の合計で97%と 参加者はほぼ満足との評価であった。
質問に対し多岐にわたる回答があったが多かったものをまとめると次の通りである。

1) 学生からの回答

  1. いろいろな企業が一堂に会していて業界を知ることができてよかった。  また知らなかった企業、化学系以外の企業も知ることができた。
  2. OB・OGから仕事や生活の具体的な話が聞けて参考になった。

2) 企業参加者からの回答

  1. 1月開催で、学生が就職先を絞り込む前に聞いてもらえて良かった。学生にとっても業界研究の時間が確保されると思う。
  2. 学生が積極的に話しかけてきたこと、志望度の高い学生と話せたことなどが好印象であった。

2.運営について

  1. 講演時間の13分/社については企業の76%、学生の72%が適当と答えたものの、短いとの回答が1/4程度ある。また、学生の入れ替え時間が短いとの意見も多い。参加企業数も増えてきており、施設規模、運営陣容を含め今後の課題となる。
  2. 会場については学生の26%が講演企業によるが狭いと回答しており、オリエンテーション会場も含めて改善が必要と思われる。
  3. 開催時期は、学生の70%が1月開催で良かったと回答。企業からも、絞り込む前に幅広く知ってもらうということを評価する声も多い。 本フォーラムは、経団連指針による会社説明会と趣旨を分けていることもあり、来年の開催時期については教室側と充分協議のうえ早めに情報発信したい。
  4. 懇談会は年々参加者が増え、会場が狭いという意見が多いが、学校側の方針でロームスクエア全部を懇談会に使えないことで今後の課題となる。

3.まとめと次回開催に向けた課題

  本年は教室からの積極的な紹介もあり新規参加7社を加え64社と最大の参加となった。学生も200名を超え、1月開催ということもあり、83%が10社以上を聴講するという熱気にあふれたフォーラムとなった。学生は優良企業からの具体的な情報が得られ、企業側も自社に対する理解を深めてもらうという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価につながったものと思われる。

  学生側からは講演時間が短い、会場移動があわただしい、企業によっては会場が狭い、企業側からは講演時間が短い、待機時間が長いといった相反する改善希望点も指摘されている。

  今後の参加企業として、食品・飲料、医薬・化粧品、自動車などが希望されており、また電機やITなど現在参加が少ない業種へのアプローチも課題となる。一方、今回のオブザーバ参加会社を含め、次年度の参加を検討いただいている企業もあり、講演時間の要望も考慮すると、施設面、運営人員面での課題も大きく、複数日開催も視野に、教室側と連携をとって次年度の運営を早めに議論していくことが求められている。

なお、「先輩からのメッセージ」及び「企業ガイダンス」に関するお問い合わせならびにご要望等は下記メールアドレスに交流委員会または事務局宛お願いいたします。

  E-Mail :guidance@waseda-oukakai.gr.jp
    〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
  早稲田大学 先進理工学部応用化学科内 早稲田応用化学会 事務局長 寺嶋正夫
  TEL 03-3209-3211 内線 5253
  FAX 03-5286-3892
  E-Mail: oukakai@kurenai.waseda.jp
     URL  http://www.waseda-oukakai.gr.jp

(文責 交流委員会)

企業ガイダンス更新

下記の企業ガイダンスを更新しました。(HP上で更新した日付順に掲載)

2017-01-20
大日本印刷株式会社(更新掲載)
2017-01-19
テルモ株式会社(更新掲載)
ダウ・ケミカル日本株式会社(新規掲載)
2017-01-17
凸版印刷株式会社(更新掲載)
2017-01-16
日本たばこ産業株式会社(新規掲載)
2017-01-12
エリーパワー株式会社(更新掲載)
2017-01-05
クラレ株式会社(更新掲載)
日本リファイン株式会社(更新掲載)
2016-12-21
ヤンマー株式会社(更新掲載)
JSR株式会社(更新掲載)
日本シイエムケイ株式会社(新規掲載)
日本曹達株式会社(新規掲載)
2016-12-15
住友電気工業株式会社(更新掲載)
三菱マテリアル株式会社(更新掲載)
2016-12-06
明治グループ(㈱明治・Meiji Seika ファルマ㈱)(更新掲載)
株式会社デンソー(新規掲載)
オー・ジー株式会社(更新掲載)
JFEケミカル株式会社(更新掲載)
2016-11-30
信越化学工業株式会社(更新掲載)
株式会社ADEKA(更新掲載)
DIC株式会社(更新掲載)
2016-11-23
花王株式会社(更新掲載)
ライオン株式会社(更新掲載)
デンカ株式会社(更新掲載)
2016-11-14
株式会社カネカ(更新掲載)
富士ゼロックス株式会社(更新掲載)
2016-11-07
三菱ガス化学株式会社(新規掲載)
王子ホールディングス株式会社(更新掲載)
2016-11-01
NOK株式会社(更新掲載)
ライオン株式会社(更新掲載)
2016-10-10
新日鉄住金マテリアルズ株式会社(新規掲載)
日産化学工業株式会社(更新掲載)
*************************************

ガイダンスの利用に際しては、次の留意事項を読んでから閲覧してください

    • ★ このガイダンスには 企業から提供された情報がそのまま載せてあります。
    • ★ このガイダンスは就職を斡旋するものではありません。
    • ★ 就職の為の情報として利用するに際しては学生諸君自身の判断で利用する事。
    • ★ このガイダンスは「学生会員」、「教室会員」および「事務局関係者」のみに開示されます。
    • 閲覧には認証が必要です。
2016年4月1日より2016年度パスワードに変わりました。
2016年度のパスワードを入手していない方は応化会事務局までお問い合わせください。

「先輩からのメッセージ2017」タイムスケジュール

交流委員会

 先にご案内いたしました「先輩からのメッセージ2017」のタイムスケジュールならびに部屋割りが決定いたしましたので、お知らせいたします。

1.日 時
2017年1月21日(土)12:00より受け付け開始
2.会 場
西早稲田キャンパス 54号館2F~3F教室
3.受 付
学生諸君の受付は54号館101教室にて12:00より
4.内 容
講 演 会:12:30~15:13  【第一部】
【休 憩】:15:15~15:28
講 演 会:15:30~18:13 【第二部】
懇 談 会:18:30~20:20 【63号館1F】
5.対象学生
学部生、大学院生(修士、博士)およびポスドク
進路決定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程修了予定者およびポスドクを参加の主体としますが、将来へ備えての学部1・2・4年、修士2年生の参加も歓迎します。
6.対象学科
応用化学科、応用化学専攻、化学・生命化学科および専攻、生命医科学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等 (学部・研究科・学科・専攻を問いません。)
7.事前登録方法
当日の受付混乱を回避するため、参加希望の学生は事前登録にご協力をお願いいたします。早稲田応用化学会ホームページから登録下さい。
先輩からのメッセージ2017の事前登録はこちら
8.事前確認
参加企業の中には知名度が低い、あるいは社名と業態との関係が明確でないケースも含まれますが、その専門分野ではオンリーワン企業として高度な技術力と強固な経営基盤を有する企業が数多くあります。聴講を希望する企業および懇談会で個別対話を希望する企業については事前にHP掲載の「企業ガイダンス」にて情報の確認をお願いします。
Legacyホームページの企業ガイダンスリストへ
IDおよびPW不明の場合は応化会事務局まで問い合わせください。 新規参加企業を含め70社が掲載されています。
応化会事務局E-mail;oukakai@kurenai.waseda.jp
電話:TEL 03-3209-3211 (内線 5253)
9.タイムスケジュール
タイムスケジュールおよび部屋割りは下記のとおりです。

入場は自由、無料ですので、奮ってのご参加をお待ちしています。 なお、服装はリクルートスーツ厳禁としていますのでご協力ください。

先輩からのメッセージ2017の事前登録はこちら

なお、講演会場、懇談会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。

2016年度学生工場見学報告

応用化学科 専任講師 須賀 健雄
応用化学会 交流委員 関谷 紘一
保谷 敬夫

1.見学趣旨

  • 大学側の教育行事として、応化学生に対し学部2年生を対象に、工場見学を催行し、企業の製造、生産管理、研究開発等の実態を学ばせ、今後の勉学への動機付を行うことを目的とする。開催時期は夏休み中の後半の平日とし、西早稲田キャンパスから日帰りで往復可能な地区の企業事業所・工場を対象とする。昨年は鹿島地区であったが、今年は湘南・小田原地区を選定した。
  • 主管は教室、交流委員は支援。先生が引率、交流委員は同伴。

2.開催日時

  9月12日(月) 7:45 西早稲田、理工キャンパス63号館カフェテリア前集合
  8:00 バスに乗車・出発
  19:00 理工キャンパス帰着・解散

3.参加者

  • 先進理工学部応用化学科2年生 33名
  • 引率教員 B2担任 須賀健雄専任講師
  • 同伴交流委員 関谷紘一(新18回、元昭和電工)、保谷敬夫(新19回、元三菱化学)

4.工場見学先 (湘南・小田原地区2社)と見学概要

① AM 10:00~13;00 古河電気工業株式会社 平塚事業所・平塚研究所
           住所:〒254-0016 平塚市東八幡5丁目1番9号

 ・事業所製品:巻線、電力機器、システム機器、光機器部品、光ネットワークシステム、
  プラスチック製品、他
 ・研究所:自動車・エレクトロニクス、先端技術、コア技術総合、情報通信・エネルギー

(見学スケジュール)

 9:30 バス到着、入場
 9:30〜10:20 会社・事業所の紹介、見学にあたり注意事項等の説明。
 10:20〜11:30 工場・研究所見学、学生の人数が多いので、2班に分かれて移動。
  Ⅰフォーム製品工場、Ⅱ被覆線工場、Ⅲ自動車・エレクトロニクス研究所
 11:30〜12:00 早稲田応化OB技術者による座談会
 12:00〜12:50 応化OB技術者数名と面談しながらの昼食会、参加OBは以下の3氏
   ・自動車・エレクトロニクス研究所 樹脂製品開発部長 伊藤正康 (新36回、平田研)
   ・生産技術・設備設計部門 足立 賢 (新53回、常田研
   ・先端技術研究所 新素材研究部 関根 可織 (新61回、黒田研)
 12:50〜13:00 事務所前で集合写真撮影。
 13:00 バスに乗車、午後の見学先に向けて出発。

② PM 13:40~16:30富士フイルム株式会社 神奈川工場・小田原サイト
                     住所:〒250-0001 小田原市扇町2-12-1

 ・小田原製品:記録メデイア、データストレージ商品、プラスチック製品、他
 ・小田原研究所:記録メデイア開発

(見学スケジュール)

 13:40 バス到着、入場
 13:40〜13:45 事務所庭で集合写真撮影
 13;45〜14:00 該社及び事業所の紹介、見学工程・見学にあたり注意事項の説明。
 14:00〜15:40 工場見学(3グループに分かれて記録メデイア磁気テープ工場見学)
   AG:塗布工程⇒スリット工程⇒加工工程・ショウルーム⇒人事説明
   BG:加工工程・ショウルーム⇒塗布工程⇒スリット工程⇒人事説明
   CG:人事説明⇒加工工程・ショウルーム⇒塗布工程⇒スリット工程
 15:40〜15:45 休憩
 15:45〜16:35 応化OBを交えた技術者数名と質疑応答、参加者OBは以下の3氏
   ・人事部(異動前は研究開発部門) 澤田 真 (新55回、黒田研)
   ・研究開発部門 石山 淳(新58回、西出・小柳津研)
   ・生産技術部門 成林 美里(新64回、野田研)
 16:35 バスに乗車、西早稲田キャンパスに向け出発
 18:45 西早稲田キャンパスに帰還・解散

 

第30回交流会講演会 パネルディスカッション

戻る

日時;2016年9月24日(土)17:15~17:45

場所:57号館 201教室

講演者:株式会社キャステム代表取締役社長 戸田拓夫氏

ファシリテーター:田中徳裕さん(B4)

パネリスト:西田穂高さん(M1)、安藤英悟さん(M1)、野口詩織さん(M1)、石原真由さん(B4)

rdsc05379 

rdsc05361田中) 今回の講演会の中でタイトルに突破力とあるようにたくさんの壁を越えてきたと思いますが、石原さん何かそのようなエピソードはありますか?

 石原) 戸田社長の講演会の中でもたくさんの壁を越えていらっしゃるという印象を受けました。私も高校時代のこととなりますがリーダーを任され、壁に当たったことがあります。それは、文化祭においてクラスで行う劇の完成を優先してこのまま突き進んでいくのか、それとも、クラス内の雰囲気を優先して劇の演目を決め直すのか選択を迫られたことです。そこで私は、クラスの雰囲気を優先し、劇の演目を決め直しました。戸田社長もリーダーとして様々なものを秤に掛けて決断を下さなければならないことがあると思いますが、どのように決断を下していますか?

rdsc05354戸田社長) まずすることとしては、徹底的に不満を出させることです。何が不満であるのか、先ほどのエピソードでしたら、やりたいことが皆ぶつかってしまい結果的に崩壊してしまう。このような場合はやりたいものをみんなの前で書き出し、そのポイントを徹底的に議論することです。皆が納得しないまま本番に臨んでしまうのが一番良くないですね。情熱をもって意見を主張してもらうしかない。中途半端にはさせず、いい加減なところで決定をしないことが大切です。あとになればなるほどやりにくくなるので、するのであれば最初から徹底的にやってもらいます。最初はバラバラになろうが恐れずに言いたいことを言わせて、本音のぶつかり合いをさせた方がいいと思います。その方が結果的には正解に近づくと思います。

rdsc05356西田) 戸田社長の今の答えに質問なのですが、不満を徹底的に出させ、その後はどのように答えに収束させていくのですか?

戸田社長) まず、意見をした人はその人が本当に責任を持てるのか確認し、本人が持てるというのであれば行うべきであると思います。しかし、途中で異変を感じたら、もう一度集まりどうするか検討をします。ミーティングは確実に行わないといけません。口先だけの場合もありえます。会議において初めは黙って聞きに徹している人がいるかもしれない。多くの人が様々な意見を出し行き詰っているときに、ぼそっと意見を出し解決に導いていく本当のリーダーが現れることがあります。

西田) 様々なパターンがあるということですか?

戸田社長) そうです。様々なパターンがあり、一つだけの正解というものはないと思います。悪戦苦闘するしかないと思います。失敗をしてしまったとしても、次にするときはこうしようと反省が生まれたらそれはそれでいいと思いますよ。学生のうちは特に。その結果、会社がつぶれることになるのであればまた話は別ですが。

田中) ありがとうございます。ここで紙飛行機などの趣味といった側面から伺いたいと思います。野口さんはそういった趣味などはございますか?

rdsc05371野口) 私にとって趣味とは楽しいもの、喜びを得るものです。何かに行き詰ったとき趣味のことを考え、それが活力となるものでもあります。戸田社長はその趣味を本業と呼べるまでにしていますが、趣味を持っているということがプラスになったことがありましたら教えて頂きたいと思います。

戸田社長) どこまでが趣味というのかは難しい所ではあります。私、本業が紙飛行機で趣味がキャステムと言われていますが、最近名刺も表が紙飛行機、裏がキャステム、開いたら紙飛行機が飛び出すという風になっています。趣味が仕事となれば一番いいです。そうではなく趣味が趣味で終わってもいいですが、とことんまでやってみたいというのがあります。たとえば、私はケーキ屋さんに行くとイチゴショートケーキしか食べません。それで、イチゴショートケーキのダメなケーキ屋さんはダメなケーキ屋さんと言い切ってしまいます。シンプルなものがダメなものはダメです。この曲は様々な人が指揮しているが、この指揮者の時が一番など、なにか一つのことを比べてしまうわけです。それで、凄いななどと思うわけです。自分だったら紙飛行機がそうです。やるのであれば一番を目指します。そして、一番を取るにはギネスを取るということとなり、意地でもギネスを越えなければならなくなり、ギネスを超えました。ギネスを超えるとまた世界が変わります。その道のトップの人と対談ができます。紙飛行機ギネス保持者と宇宙飛行士若田さんとの対談など、対談を通してその人が何故トップかを感じ取れます。それによって一番は更に強くなれます。だから、子供たちに一番を目指しなさいと伝えていますね。小さな世界でもいいからその道のトップになれば他の道のトップに対等に会えます。ギネスを取ったことによって、他の道のトップの人と対談することができました。それがプラスになっていますね。その人脈が活力にもなったりします。一生懸命何かを目指すことで、自分の人生が豊かになることがあると思います。中途半端ではなく、するのであればトコトンしてみなさいということを子供たち、若い人に言いたいですね。直ぐ、出来ない、設備がないから、お金がないから、などと言い出す人間では困ります。やはり徹底的にやれるところまでやる姿勢は欲しいです。

rdsc05357安藤) トコトンするところで気になるところがあります。今、研究室に所属しています。本業は研究で、趣味は時間の空いた時にしています。戸田社長が会社の経営を立て直す際に、紙飛行機を飛ばそうと思い立った理由と、ギネスを超えるまでに、時間がない中、紙飛行機の試行錯誤をどのように行っていたのか教えていただきたいです。

戸田社長) もちろん社長ですので、君たちは仕事をしろ、私は紙飛行機を飛ばしていると言いますが、日中は社員と一緒にあがいています。夜に体育館を借り切って、4時間通しで投げ切っているというのを、社員が知るわけです。社長はトコトンまでやっている、私たちももうひと踏ん張りしなければと社員たちも思ってくれるわけです。夜中まで約束のためにボロボロになっている、そういう後ろ姿に社員はついてきます。それが、逃げているわけではなく、約束は約束で夜中に悪戦苦闘している、それを社員が見に来る、そういうことで社内にもうひと踏ん張りという空気が生まれてきます。社訓に挑戦と掲げるだけでは社員は挑戦しません。社訓に酔い痴れて終わるだけです。必死に挑戦するときは言葉ではなく実際に行動に移していますから、社訓に挑戦という言葉を選びません。日々が挑戦であれば挑戦という言葉は必要ないです。姿で見せるしかない。そういうことであると思います。

安藤) ギネスに向けて挑戦をするというのは楽しかったですか?

戸田社長) どうですかね。楽しかったというか、集中できました。一機一機折るたびに少しずつ工夫を行い、データを揃えていく。折り方から投げ方に至るまでデータで勝負をしていく、そういった事を行っていると仕事の苦しみや不安など忘れられるというのがあり、それが精神の安定剤にはなっていました。登山をしていた一つの理由としては、山を登っている間は悩んでいる暇がありません。登っている間は会社のことを忘れられるので、降りてきたころにはストレスが抜けているわけです。紙飛行機も同じで、集中している時間が経営者としての不安から解き放ってくれている時間になっているのかもしれないです。

田中) ありがとうございます。本日のご講演の中で様々な方に粘り強くアタックされていましたが、私はアタックの回数を重ねるほど冷たくあしらわれてしまうことが多くありました。相手に熱意を伝える秘訣などはありますか?

戸田社長) だんだん邪険にされるわけですね。確かに邪険にされる事もあります。それはその人と馬が合わないということです。それはしょうがないです。最初は邪険にされてもだんだんと分かってくれて、話を聞いてくれる人を見つけたらしがみつく。嫌われていると感じたらそこから巻き返すのは難しいです。そういう場合はあきらめた方がいいです。合わないものは合わないですから。全部そうなる場合はあなたの中に何か問題があるかもしれないです。言葉の中に本気度が足りないのか、言葉に一押しがないのかもしれない。窮地に本当に追い込まれていなかったのかも知れないですね。どうでした?

田中) 実は恋愛の話でして。

戸田社長) あ、恋愛の話ですか。それは、嫌われているときはどう考えても難しいですね。恋愛の話は私も不得意でして。嫌われているところから好かれるところに変えるのはなかなか難しいです。よほど何か違うパターンを考えないと難しいですね。女性に聞いた方がいいかもしれないですね。いままで嫌いだった人が好きになった瞬間ってありますか?

田中) もしあったらエピソードをお願いします。

rdsc05363石原) そういった方に出会ったことがないので。

戸田社長) 一つポイントがあります。その子に嫌われても毎日一言ジョークを飛ばすことです。急にそれが止まった場合、急に気になることがあります。一か月ぐらい経ったらもう一度繰り返す。そうするとぐっと引き込まれる。そういう時に、大事にしなければいけない候補の一つとして考えなければいけない、となることもあります。

田中) 戸田社長も利用されたのですか?

戸田社長) どうかな?それは。企業などでもよく使う手です。ずっと通っていてパタッと行くのをやめます。そうすると相手は気になってしまいます。それで半年後再び行くと、注文を出してくれることがあります。何度も繰り返し言って急にやめるのがいいです。そうすると気になる存在になりますから。その手は使えますよ。

田中) ありがとうございます。今後、使っていきたいと思います。

戸田社長) 失敗しても僕のせいじゃないですよ。

田中) 西田さん、何か感想などあればお願いします。

西田) もし商談などで諦めるということができない場合もあると思うのですが、その時はどのようにされていますか?

戸田社長) 商談ではそこまでしつこくなる必要がないです。というのも、お客さんは無限にいます。別のところで取れればそれが自信になって、通用するかもしれない別の方法のヒントが得られたりします。ユーザーの変更等様々な工夫をすることでお客さんを攻め落とすノウハウが得られます。洋服屋さんでも店員さんにひっついてこられたら嫌ではないですか?逆に、お客さんの方から店員さん来てくれないかな、というタイミングがありますよね。だから、あんまりしつこくなりすぎない方がいいですね。

田中) 安藤さんも感想や質問があればお願いします。

安藤) ご講演の中でどん底の時の友は強いとおっしゃっていましたが、何か出会いによってターニングポイントになったことなどありますか?

戸田社長) ターニングポイントですか。紙飛行機であれば中村栄治さんという方が書いた本を買ったのですが、その人の紙飛行機を折ったのですが全部飛びませんでした。その人の住所が書いてあったのでその人の家まで押しかけました。飛ばないと。すると「君はどのように飛ばしたのか」と言われたので、折って飛ばしたら「そんなの飛ぶわけない」と言われました。「君は飛行機の後ろを微妙にひねるということを知っているか?」と言われた。「本に書いてないじゃないですか」と言ったら、「それは常識だよ」と言われました。そこから紙飛行機の魅力を語ってくれました。「君にとって紙飛行機がどのような存在になるのかはわからないが、将来第一人者になって、やっていて良かったなという時が来るかもしれない」という言葉をそこで投げられました。紙飛行機に対するこだわりなど話してもらって、語り合ったのがいい出会いだったのかなと思います。

田中) 野口さんも感想や聞きたいことなどはありますか?

野口) 戸田社長は努力とともにアイディアが必要なことも多々あったと思いますが、そのアイディアの出どころやポイントなどがあれば伺いたいです。

戸田社長) 紙飛行機の飛ばし方や折り方などは方程式です。長方形の中心線を元に折る飛行機と、真横にして折る飛行機と、それを斜めにして折る飛行機があります。一つの紙の中に様々な中心線が隠されています。それを見つけて重心を考え記録に挑戦していく。やみくもに行うのではなく、自分の中でルールを決める必要があります。僕が独学で早稲田に来たのは、数学なんかは自分の勉強法を生み出した結果です。解けない問題を解けるようにする。試験官の狙いを考えるために、自分が苦手な問題を自分で生み出す。自分で工夫して作っていく。自分で出題者の立場で考えるようになると、どんな問題にも対応ができるようになります。それで方程式などを生きるように使うことができます。参考書をこなすだけでは新しい問題が解けない。それが紙飛行機であろうが仕事であろうが与えられた方程式を解くだけではダメで、使い込む練習をする。それが道を拓く方法だと思います。

田中) ありがとうございました。

hikouki

(文責: 交流委員会 小林幸治)

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第30回交流会講演会 『突破力』

早稲田応用化学会・第30回交流会講演会の報告

日時 ;2016年9月24日(土)15:00~17:45
場所 :57号館 201教室 引き続き 理工カフェテリアで懇親会
講演者:戸田拓夫氏
株式会社キャステム代表取締役社長
戸田社長の主な経歴
 1980年 早稲田大学理工学部応用化学科中退
   同年 キングインベスト株式会社(現 株式会社キャステム)入社
 1995年 キャステムフィリピン(当時 K2ファインメタル) 社長就任
 2001年 キャステムタイランド 社長に就任
 2006年 株式会社キャステム 代表取締役に就任
 2009年 紙ヒコーキの滞空時間ギネス記録を更新
 2010年 自身の記録をさらに更新

演題:『突破力』

「数々の経営危機を乗り越えて、紙ヒコーキのごとく舞いあがれ」

魚森交流委員長が司会を務め、講演会の案内、講師の紹介、三浦応用化学会会長の挨拶に続き、教員・OB・一般53名、学生19名、合計72名の聴衆を対象に講演が始まった。

講演会場Gallery

戸田拓夫氏の講演要旨

講演は、あこがれていた早稲田大学に入学したものの体調不良でやむなく中退した経緯から始まり、実家の会社に入社後、社業の不振、会社幹部の引き抜き、社員の士気低下、自分自身の体調不良等最悪の状態に陥った時、いかに危機を乗り越えられたかをユーモアを交えお話された。また、入院療養時に紙ヒコーキの魅力に魅せられ熱中した経験が「紙コーキの滞空時間ギネス記録更新」へのチャレンジに繋がり、危機に直面した自分自身と社員の鼓舞のために大いに役立った事、さらに海外事業への展開、紙ヒコーキの凱旋門や宇宙からの飛行等、飽くなき挑戦についてお話をいただいた。

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*工業高校からG大学、早稲田そして入院

早稲田大学、M大学、G大学を受験するも、早稲田大学は受からずG大学に入学し馬術部に入ったが、静かな大学の雰囲気になじめず再受験し、あこがれの早稲田大学に入学した。山岳部に入部し活動していたが、体調を崩し病院に入退院を繰り返し、病院で暇つぶしに紙ヒコーキを折っては飛ばす日々を続けた。病室から100m先の向かいの家に飛ばす目標を持ち試行錯誤を繰り返し、航空力学の本も買って紙ヒコーキに熱中した。

*会社への入社

その後も体調が回復せず、大学を中退し実家の部品工場に入社したが、入社後も体調がすぐれず、会社で一時間程度ペンキ塗りをする毎日だった。入社した会社は乱雑で汚れがひどく、従業員もばらばらな状態。会社の中は従業員の気が緩み、工場長、技術部長は社長の言うことを聞かず、社長の父親は「しょうがない」とあきらめ状態。社員は自分の会社に夢を持てない状態にあった。また会社は製品の質も悪く納期も守らない状態であったため、取引していた商社がその製品の新工場を造り、中核社員を引き抜かれる事態となった。このため26歳で部長の代わりをすることになったが、従業員に夢を語ることは出来なかった。

この状況で思った事

*ノウハウ「0」からの出発

会社にはものを造り上げる技術がない。この確立が急務。製造のノウハウ、原料の調合方法等を得るために、原料の調達先や競合他社、引き抜かれた工場長、技術部長にも直接聞きに行くが、分からない状況が続いた。しかし諦めず、技術情報を集め続けた結果、たまたまある工場に早大の先輩がおり、大学の先輩だけの関係で助けられノウハウを得た。

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*品質の向上

工場は荒れて非常に汚い状況で、最初に工場の整理・整頓・清潔を先頭に立って実践した。また、人材の確保が難しい状況で、自分の行動する姿を見て信じてついて来てくれる少数の部下を見出し、一緒に品質の向上に取り組んでいった。

*体調悪化と克服

工場の整備中体調が悪化し整形へ入院。背骨に大きなずれが生じていると指摘を受けた。医師より矯正の指導を受けたが、自分も矯正法に熱心に取り組み体調が回復。今では自分で背骨の矯正が出来るようになっている。その後登山を再開し体の強化に努めた。

*評価の獲得からMIMの立ち上げ

28歳頃何とか会社として製品が造れるようになり、鋳造品で大型ハードディスク部品を造る技術を確立して品質や価格で大手と渡り合い、評価を獲得し受注が入ってくるようになったが、米国特許による新しい技術のMIM(メタルインジェクション)が出現した。特許料が2億円と高く、資金不足のため技術導入、設備購入が出来なかった。

独自で技術開発を行うしか方法がなく、技術情報を得るためにあらゆる関係先をまわり、試行錯誤を続けた。早稲田での化学専攻の経験を活かし、いろいろな材料の配合などを検討した。京都のある先生にしつこく聞くことでヒントを得て技術を確立。また製造設備を持たないなかで、多くの関係工場を回り製品の製造につなげていった。しかしながら、あるメーカーから米国特許技術の侵害指摘の手紙が回り、国内大手からは注文を断られる事態になってしまった。このため日本中の名もないユーザーを回り、大手MIMメーカーが手を出せない低額の金型の受注を積み上げていった。

この業績を特許侵害の手紙を出状したグループから評価されるまでになり、グループの一員となって設備の導入が可能となり事業が軌道に乗って行った。

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*フィリピンへの海外進出を決意

バブル崩壊の真っ只中で、当時進出先として評価されていなかったフィリピンへ海外進出した。しかしながら97年頃製品在庫が大幅にふくらみ工場運営が悪化した。

*国内外の大幅な改善

「在庫をしない」、「工場の改善・トップセール」をしなければ会社がない」を徹底して社員に教育し、「自分達の作りたいものを作る部署」を設け製品造りを推進した。ミニチュア工具、100万円の名刺、ミニチュア戦艦大和等様々なアイデア製品を開発した。また、あらゆる機会をとらえて自社の技術を売り込んで行った。たとえばバックル商品を開発し、大手ユーザーのH社に飛び込み商品を売り込みに行ったこともある。逆に厳しい品質要求を受け、その対応に苦労し、受注は出来なかったが結果的に他社に納入することが出来た。

*ギネス世界記録への挑戦

リーマンショック当時多くの赤字を抱え社内に元気が無くなった。「社風の暗い会社は良くならない」と考え、社長の戦う姿を見せ社員を鼓舞したいと思い立ち、「紙ヒコーキの滞空時間20秒を超える飛行記録を持つ男は世界に2人」でハードルが高かったギネス記録に、社長として挑戦することを宣言した。

ギネス世界記録の折り紙ヒコーキ室内滞空時間競技には、紙の大きさ、重量、投げ方等様々なルールがある。機体のデザイン、紙材質、投げ方等細部にわたって徹底的に研究していった。滞空時間を伸ばすにはいかに高く機体を投げるかがポイントで、このため自身の減量、筋力・柔軟性の強化等“しなり”を出せる体型造りを行ったり、投げ上げるフォームの開発(イナヴァウアー投げ)も行った。

この結果、2009年4月11日27.9秒と、当時の世界記録を0.3秒短縮しギネス記録と認められた。さらに、この僅差のギネス記録にクレームがありこれに反発。さらにトライし2010年12月19日29.2秒の記録を達成した。

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*更なる挑戦

「安倍首相との出会いと海外進出」

安倍首相が首相を辞任しボロボロの状態の時にお会いし意気投合。2014年に安倍首相の誘いを受け、大手会社社長とコロンビアへのミッションに参加、その後2016年にコロンビアに工場を竣工させた。

「折り紙ヒコーキを凱旋門から」

テレビ番組でトライした。普通許可されないところを関係部署に粘って許可を得て飛ばすも29回失敗。失敗の原因をよく考えることが重要で、凱旋門のアーチの気流の巻き込みに気づき、ピッチング飛行で成功。

「折り紙ヒコーキを宇宙から」

体調が悪い学生時代に考えたMission「折り紙ヒコーキを燃やさずに宇宙ステーションから帰還させる」にトライ。2008年3月JAXAの「宇宙オープンラボ」の公募選考で東京大学共同プロジェクトとして承認され、極超音速風洞でマッハ7での実験で実行可能を確証したが許可が出ず、自力で気球から飛行機を飛ばし実証した。

バカであろうがやること、そして夢をもつこと。その後どうするかが重要なことだ。たとえば1円の紙から作ったスペースシャトルの紙ヒコーキが100円で売れれば100倍の付加価値が生まれる。日本の国は付加価値を得て成り立っている。ものづくりは難しいが、例えば良品率の低いものが上がれば収益は大幅に向上する。無理だと思ったらダメで、もてる知識・人脈を使っていかに粘るかがポイントとなる。将来を担う子供たちには自分の人生は自分で考えなければならないことを教える必要がある。

パネルディスカッションの概要 panel

講演の後、学生5名に登壇をいただき、講演内容を踏まえたパネルディスカッションを行った。ファシリテーターはB4の田中徳裕さんが務め、学生代表としてM1安藤栄悟さん、西田穂高さん、野口詩織さん、B4石原真由さんが登壇した。ファシリテーターより、今回の演題「突破力」について各人の経験を踏まえた思いを発言してもらうことからディスカッションが始まった。

 パネルディスカッション詳細については別に報告があります。

パネルディスカッションの詳細

パネルディスカッション終了時、戸田氏と共にパネリスト全員で聴講者席に向かって紙ヒコーキを飛ばした。もちろん戸田氏の紙ヒコーキが最後まで長く飛んでいた。

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 <懇親会>

交流委員会 関谷副委員長司会のもと、応用化学会 三浦会長の開会挨拶、倉持副会長の音頭による乾杯の後懇親会が開始され、多くの聴講者が参加した。戸田拓夫氏も懇親会に参加され、教員・OB・学生との絆を深めた。橋本副会長の中締め、和田教授の閉会挨拶の後、田中徳裕学生部会副委員長の一本締めで閉会となった。

懇親会場Gallery

 (文責:交流委員 小林幸治)

――― 以上 ―――

「先輩からのメッセージ2017」の開催日程

「先輩からのメッセージ2017」の開催日程

早稲田応用化学会 交流委員会

 経団連より通達されます「採用選考に関する指針」等は、2017年も企業による面接等の選考解禁が6月、会社説明会の開始時期は3月と前年度から変更されない見込みです。

これに伴い、昨年3月に開催しましたフォーラム「先輩からのメッセージ」は、対象となる学生諸君の企業への理解を深める期間が余裕を持って確保出来るよう大学側と慎重に協議いたしました結果、開催日を2017年1月21日(土)と前回より二カ月ほど早め、会場もこれまでと同じく西早稲田キャンパス内で諸準備を進めております。

学生諸君には毎年のように開催日程が変更するため、計画予定を立てにくい事態となりますが諸事情をご理解のうえ、参加へ向けてのスケジュール調整をお願いいたします。
当日は「企業ガイダンス」ホームページ掲載中の日本を代表する化学系を中心とした約60社 (新規優良企業も複数社参加が見込まれています) に在籍されている応化OB・OGの皆様に日常の仕事や自身の転勤・異動経験等を学部学生でも理解できるよう紹介していただきます。また、終了後には講演いただいた先輩およびご同行の皆様を囲んでの懇談会を開催し、その場で学生諸君の疑問や不安について適切なアドバイスがいただけますので、将来の進路決定にも必ず役立つものと確信しております。

 詳細な内容ならびに参加の申し込みは、改めて12月上旬にホームページおよびメールマガジンにてご案内いたします。

  • 1.日 時
    2017年1月21日(土) 
  • 2.会 場
    西早稲田キャンパス54号館(予定)
  • 3.内 容
    • 受付開始:12:30~13:00(予定)【54号館1F教室】
    • 講 演 会 :13:00~18:30 (予定)【54号館2~3F教室】
    • 懇 談 会 :18:30~20:00(予定)【63号館カフェテリア】
  • 4.対象学生
    学部生、大学院生(修士、博士)およびポスドク(進路決定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程修了予定者およびポスドクを主体としていますが、将来へ備えて学部1・2・4年、修士2年生の参加も大歓迎です。)
  • 5.対象学科
    応用化学科および応用化学専攻、化学・生命化学科および専攻、生命医化学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等 (その他学部・研究科・学科・専攻を問いません。)
  • 6.お問合せ
    本件に関する問合わせ、要望等は下記の専用アドレスまでお願いいたします。

    guidance@waseda-oukakai.gr.jp

第30回交流会講演会のご案内

第30回 交流会講演会 (2016年 9月24日(土))

申し込みはこちら

講演者 : 戸田 拓夫氏 株式会社キャステム代表取締役社長 (1980年応用化学科中退)
演題 : 『突破力』
副題 ; 「数々の経営危機を乗り越えて、紙ヒコーキのごとく舞い上がれ」

今回は、諸般の事情から応用化学科での学業を中途で諦めねばならなかったにも拘らず、その後就職した鋳造関連企業での精密鋳造部品、射出焼結部品、FRP射出成形品等の製造事業分野において目覚しい活躍をされ、衰退産業と言われていたこの分野での発展に尽くし、現在は当該企業の代表取締役社長を勤めておられます戸田拓夫氏をお迎えし、これまでに直面した数々の危機に対しその折々の境遇にていかに考え、乗り越えてきたかをお話して頂きます。

また戸田拓夫氏は、手投げによる紙ヒコーキ室内滞空時間競技のギネス記録保持者です。(滞空時間=29.2秒)この魅力的な特技についてはこれまで多数出演されたテレビ番組や、20冊に及ぶ著作(代表作として「親子で作る紙ヒコーキBook」宝島社)で紹介されていますが、今回は直接ご本人からお話を聞くことが出来るチャンスです。

学生諸君はもとより、社会で活躍中の若いOB/OG諸君にとっても興味深く、これからの人生設計を考える上で大変貴重なお話しを聞くことが出来る絶好の機会であると確信致します。
皆様お誘いの上、是非奮ってご参加ください。

月日 : 2016年 9月24日(土)
場所 : 早稲田大学西早稲田キャンパス 57号館201教室
開場 :   14:30(受付開始)
講演 :   15:00~17:00(参加自由、無料)
      17:15~17:45(代表学生とのパネル討論)
懇親会 : 18:00 ~19:30 懇親会場:理工カフェテリア
講師を囲んで懇親会を開催します。(懇親会費:3千円、学生無料)

* 事前登録を、9月20日(火)までに頂いた方には、当日 受付で名札をお渡しいたします。
それ以降の登録の場合は、名札の準備が出来ませんので、自筆でお書き頂く事になりますことご了解ください。

申し込みはこちら

講演会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。
また講演会場ではビデオ撮影も予定しております。

(文責 交流委員会 小林 幸治)