卒業生会員」カテゴリーアーカイブ

岡野光夫氏(新24 東京女子医大名誉教授)TV対談番組出演報告

岡野光夫氏(新24 東京女子医大名誉教授)は7月11日、18日(再放送)、BSテレ東において「最先端医療から考える前例主義とイノベーション」と題して対談番組「一柳良雄が問う 日本の未来」に出演されました。以下その趣旨を報告します。

岡野光夫先生には、応用化学会第4回交流委員会講演会(2006年3月22日、早稲田国際会議場)でご講演を頂いております。
本番組においては岡野先生の現在の活動状況として、再生医療としての細胞シートを用いた従来の医薬品に依らない疾患の根本治療のための研究を継続されていることを説明され、細胞シートを三次元に積み重ねていくことにより臓器の代替としても使用可能になること、また一つの細胞から多人数への移植も可能とする臨床実験も開始していることを説明されました。

ユタ大学CSTEC提供

医療におけるテクノロジー活用の重要性

外科領域において「神の手」を持つスーパー外科医の技術に治療を委ねていたようなものも、5、6年の教育期間を経て神の手を持つ外科医の養成と手技の向上に外科医の視点が集中すると、その技術を支える周辺のテクノロジーへの注意が鈍化してしまうことへの懸念、日本の医学において医療技術の産業化という視点が弱いことを岡野先生は述べられておりました。テクノロジーが多くの患者を救うことにより医療も進歩していくという視点は斬新でした。
日本には技術の種は多く優秀な研究者も多いが、これらの種をどう使っていくかという戦略はこれから考慮していく余地があり、異なる分野の技術の組み合わせによる再発明は重要とのことでした。

将来的な視点

内視鏡など日本の技術が海外に進出している分野がある反面、人工呼吸器や手術用ロボットといった医療機器、医療デバイスについては欧米の製品を導入するのがまだ日本においては主流である。
日本には技術そのものはあるが医療機器の創生などへ日本のシステムはまだハードルが高く、医療システムの変革が必要。ただ、日本においては日本医療研究開発機構(AMED)といった新しい組織、システムを作る環境整備が進みつつあり意識改革は進んできているように思う。

日本人は前例のあるものについては緻密で高度な回答を作成していくが、現在の様に社会構造が変革する時期において前例主義に捉われない発想を進めていく教育の必要性についても不可欠である。細胞に関してはこれまで医薬品という概念で考慮する土台がなく、人、場所、資金の確保を戦略的に仕組み立てしていくのが国家の対応で重要だが日本人は従来から非連続的な進化についての対応が弱く、欧米との大きな違いがある様に思う。先端医療はグローバル展開していかないと進まないので、日本の技術を活かす為に欧米との連動による産業化への活動も重要とのこと。
研究成果においては従来の成功体験や規則に基づいて評価される傾向はまだ残っており自由闊達な議論と長期的な戦略として医学専門家が新しいテクノロジーを学習、あるいは医師とエンジニアが一体となって新たな治療法を考えることが重要。そのためには長期的なゴールを設定して目標達成のための異なる分野の専門家との連携を、より強化していく必要がある。

医療においては現在でも治癒不能とされる疾患領域が存在し、現在の技術で現在の患者を救命する医療と、治癒できない未来の患者を救命していく医療との融合が全体的な医療として求められている点であり世界に誇れるシステムを作っていきたい。そのためにはまずは岡野先生自身が風穴をいま開けて、次の時代を牽引する人材やテクノロジーの育成につなげて行きたいということを強調されていました。

文責:広報委員(新39 加来恭彦)

 

新制36回オンライン同期会開催報告

新36回 On-line同期会

2020年6月27日(土)開催

6月27日(土)に1986年学士卒業および1988年修士修了の新制36回期は、2017年の第1回同期会から3年振りにZoomを利用したオンライン同期会を開催しました。
今回はメールで連絡が取れる仲間に協力してもらい、語学クラスや研究室の仲間に連絡を取り合ってもらう事で連絡網を作成しました。
同期120名のうち約50名の連絡先を確認し、最終的に17名の参加となりました。
オンライン同期会は、遠方の仲間が気軽に参加出来る点が最大のメリットであり、卒業以来久しぶりに再会した仲間、学生時代あまりお付き合いのなかった仲間とも話すことも出来て楽しく有意義な会となりました。
皆さんから卒業以来の業務、趣味、家族、運動不足解消で始めた運動、転職、応化会活動、コロナウィルス対策などの近況報告があり、予定の2時間はあっという間に過ぎて、有志でさらに1時間延長して歓談しました。
「つながる」というのは大事で、久しぶりに仲間と連絡を取り合えた事は、コミュニケーションを広げる意味で大きな成果だったと思います。
今後、同期会で飲み会、ゴルフ、早慶戦観戦など交流活動のリクエストもありましたので、企画して参りたいと思います。
今回参加出来なかった同期の皆様、次回は是非ご参加ください!
(参加者(敬称略):相田、井村、臼田、梅澤、加藤(幾)、叶内、北岡、兒玉、鈴木、高橋、辻浦(矢内)、原、原村、廣渡、古川、水野、椎名)

(文責:幹事 椎名 聡)

第34回早桜会懇話会の報告

関西支部(早桜会)第34回懇話会報告

第34回早桜会懇話会を2020年2月15日(土)15時~17時、中央電気倶楽部(大阪堂島浜)にて開催しました。
今回の講師は2007年から小学校で理科実験の指導を続けておられる市橋 宏氏(新17回)で「小学校理科教育の現状と課題」と題して、豊富な経験を基に現場の状況とそこから見えてくる課題について話されました。
出席者間で活発に意見交換がなされ小学生の理科離れについて認識を新たにしました。以下に要点を記します。
1.なぜ理科離れが起こったか
1)理科授業時間の削減
40年前までは5年生で年間140コマ理科の授業があった。しかし1980年からは105に、2002年からは95に減り、2009年からは105コマに戻ったが昔と比べると時間数が25%も減ったままである。教えることが増えているのに時間が少なくなって、実験に十分な時間を取り難くなっている。
2)教員の質の変化
小学校教員の80%が理科に苦手意識を持っている。一方で子どもの80%は理科実験が好きであるとの報告がある(日本科学教育学会 科教研報Vol24, No.2, 95)。

近の教員はおそらく小学生時代に十分な理科実験を経験していなかったため実験を敬遠し苦手意識が生まれているのであろう。
2. 理科授業の支援
小学生の理科離れ対策として文部科学省は2007 年から理科支援員等配置事業を始めた(予算20億円)。これは小学校5,6年生の理科授業に大学院生や会社、学校のOB/OG を理科支援員として教育現場に立たせて理科実験を充実させ、合わせて教員のスキルを向上させること目的としていた。大いに意義のある事業と思われたが、2009 年行政刷新会議事業仕分けで廃止と結論され中止になった。この事業は子どもたちに理科の魅力を伝え、教員の指導力を高め、OG/OB技術者に退職後も社会と繋がりを持って生活に張りを与えるよい場であったが今はない。
3.小学校理科教育を充実させるために
 実験が苦手の教師と実験大好きな子どもたちとのミスマッチを改める必要があると思うが、教師の苦手意識を変えることは容易ではない。理科離れ世代、ゆとり教育世代が教員になり始めており、(理科時間数の削減)→(理科離れ)→(理科離れ世代の教師)→(理科教育の弱体化)→(理科離れ)と負のスパイラルが始まっているように思う。
小学校ではクラス担任が全ての教科を教えるのが原則である。理科の前後に別の教科の授業があれば、教員は準備も後片付けも出来ないし予備実験で確かめる時間も取れない。従って実験は最小限になり知識として教える授業が中心になってしまいがちである。実験で子どもたちに好奇心を掻き立て、自分の頭で何故だろうと考え、学びの意欲を高めるタイプの指導をすればよいものを、多くの学校で知識注入型の授業になっているように思う。これでは子ども達は面白くない。理科を学習する意欲も湧かない。おそらく今後も理科苦手意識の教員は増え続けるであろう。どこかで悪循環を断ち切らねばならない。
教科専任制が好ましいと思い、これまでいろいろな機会でことに理科については専任制であるべきと主張してきた。幸い2019年4月に文部科学省は中教審へ小学校における教科担任制を諮問したので、近い将来理科を得意とする教員が十分な科学実験を取り入れ授業を進めるようになるだろうと期待している。しかし理科に長けた教員を確保することは容易ではなく、教科担任制が効果を発揮するまでには相当の時間を要すると思われる。
理科支援員を経験して積極的に小学校理科教育を支援しようと考えるOG/OB が少なからずいることに気付いた。数年前に終了となった理科支援員等配置事業を復活させることが出来れば有効な手立てと思うが、ボランテアを活用する手段もあると思う。行政機関の中にボランテアを受け付ける窓口を用意し、希望する小学校へ派遣する制度を作りシニアエンジニアを活用するなどどうであろうか。会社や大学のOG/OB 技術者、小中高等学校で理科を得意としたOG/OB 教員が小学校での理科授業(特に実験)に加わりボランテアとして積極的に支援するシステムを作ることを提案したい。

(文責 新53回 澤村)

出席者: 
津田實(新7回)、市橋宏(新17回)、井上昭夫(新17回)、田中航次(新17回)、加藤文義(新20回)、岡野泰則(新33回)、斎藤幸一(新33回)、高田隆裕(新37回)、中野哲也(新37回)、高島圭介(新48回)、遠藤文子(新50回)、數田昭典(新51回)、澤村健一(新53年)、陳鴻(新59回)、古田武史(新61回)

懇親会 風景

第33回早桜会懇話会の報告

第33回早桜会懇話会を2019年12月7日(土)に中央電気倶楽部にて開催いたしました。

今回の講師には前田泰昭先生(新14回、大阪府立大学 工学部名誉教授)をお迎えし、「右手(研究費)と左手(趣味)の研究」と題して、原料をカスケード利用して軽油より安価なBDF(バイオディーゼル燃料)とバイオマス化成品を製造するプロセスの開発を中心に、ご講演いただきました。
前田先生は、ゴムの実を始めとするバイオマスからバイオディーゼル燃料への転換をテーマに、ベトナムを拠点に長きに渡りご研究されております。バイオマス由来燃料の最大の課題は、現行の石油由来燃料と比べ経済的に不利である点であり、燃料化の過程で得られる残渣の高付加価値利用が必要です。

今回のご講演では、燃料化プロセスの残渣から得られる金属石鹸やリノレン酸油といった有用成分を見出すことに成功し、ビジネス化に向けてプロセスのスケールアップを進められていることをご紹介いただきました。

講演終了後は、再生可能エネルギーへの関心の高さから、活発な議論が行われ、今後の技術展望に向けて各企業・大学等の立場からメンバー間で意見交換するなど、非常に盛り上がる会となりました。
懇話会終了後は、松方教授がボーカルとして出演されるWinter liveに向かい、懇親を深めました。(文責桜井)

出席者
前田泰昭(新14)、津田實(新7)、井上征四郎(新12)、市橋宏(新17)、井上昭夫(新17)、田中航次(新17)、篠崎匡己(新30)、斎藤幸一(新33)、高田隆裕(新37)、中野哲也(新37)、古谷敦志(新38)、髙島圭介(新48)、數田昭典(新51)、澤村健一(新53)、桜井沙織(新64)

2020年高研会総会のご報告

高研会会員の皆さまにはご健勝でお過ごしのこととお慶び申し上げます。

2020年の高研会総会のご報告を申し上げます。

通例に従って1月の第2土曜日(2020年1月11日)、早稲田大学大隈会館1階レストラン「楠亭」にて開催致しました。

今年は老若あわせて70名余の参加で盛会となりました。赤真正人会長の開会ご挨拶と乾杯のご発声に続き、新井敏先生の金沢大学テニュアトラック准教授ご就任、田中学先生の首都大学東京准教授ご就任のお祝いを執り行い、賑やかにして和やかな参加者の歓談へ進みました。

更には小栁津研一教授から研究室活動状況のご紹介があり、活発な研究活動に参加者一同感銘を受けました。須賀健雄専任講師から新卒者の就職状況のご報告があり、続いて西出宏之特任研究教授から「土田英俊先生記念奨学賞」開設のお披露目と、早速に今年度学位取得予定者に対する記念奨学賞の授与を執り行いました。

会の最後に若松久人様、黄映霖様、髙田亮介様、庄司雅己様、岩崎知一様から近況のご挨拶を頂き、応援部指揮の下に全員での校歌斉唱とエール、続いて常見宏一副会長の閉会の辞により盛会のまま散会と致しました。

なお、来年(2021年)の総会は1月9日(土)開催です。本年にも増して多くの会員様のご参加をお待ちしております。

高研会会長 赤真 正人

  

第16回応化会中部支部交流会報告書

令和元年11月23日(土)名古屋駅前ダイヤビル2号館会議室にて、早稲田大学先進理工学部応用化学科平沢泉教授の講演会とその後の教授との懇談と会員相互の懇親を行った。

 まず三島支部長から挨拶を、山崎副支部長より平沢教授の紹介があり、演題「晶析工学の知恵を利用して社会に貢献する」の講演へ移った。宮坂悦子(旧姓)氏の参加や、若手・中堅の方々の参加を頂き総勢22名と久しぶりの盛会となった。

講演では晶析技術が広い分野に展開・実用化されていることに驚くと同時に、化学、医薬、食品、環境およびエネルギー産業において、今後の高付加価値・高機能化や省エネ・省資源化への取り組みの重要なプロセス技術であることを強く認識させられた。

講演会(16:30~18:00)

講演する平沢教授

 冒頭、大学で「晶析」と出会った縁で、環境問題と晶析との接点が出来、 以後荏原製作所での10年の水処理技術の研究開発と、その後母校での30 年と延べ40年間におよぶ晶析の研究開発人生を、恩師豊倉先生とのエピソ ードをまじえた自己紹介が行われた。
現在、晶析の研究や早大環境保全センター長と私学環境保全協会の理事 を務める関係から、官民の各方面から晶析に関する非常に多くの相談を受 けている。内容は、既に確立された技術に関するものに加え、食品分野の 冷凍技術や医薬分野での有機溶剤からの無機結晶の生成などが多く、新し い所では、アルツハイマー病の原因となるβアミロイドの形成等生化学分 野など広範囲の分野に及んでいる。具体的な例を挙げ、晶析技術の伝承と 多方面での実践と貢献が強く求められている現状を紹介され演題の講演に入った。以下にその概要を纏める。

  晶析工学研究もアートと呼ばれた時代より、粒形を操作し得る定量化が豊倉教授らの功績で進められてきたが、平沢教授は「希望の結晶を自在に創るための操作・装置・プロセスの研究開発」と、更に高度で精緻な結晶の品質設計する工学理論を模索し活用してきている。具体的には大学での研究と企業の求めるものとのギャップを埋めるべく、1967年より25社におよぶ企業との共同研究を主体に活動され社会へ貢献して来られた。その代表的な以下の事例について晶析技術の知恵を含めた説明がなされた。

(事例-1)未利用エネルギーの有効利用(蓄熱分野)  
融液晶析における過冷却の安定化と核化促進剤や核化スイッチとなる超音波誘導核化法の開発が、埼玉での床暖房やみなと未来や福岡ドームの冷房システムに適用されている。最近では自動車メーカーと寒冷地での車のコールドスタートへの適用も取り進めている。
(事例-2)排水中よりの未利用資源の回収(環境分野)
カルシュウムやマグネシュウム塩を使用する反応晶析法が、産業や生活排水中のリン、フッ素、ニッケル及びアルミニュムの回収に適用されている。核燃料廃棄物からのウラン回収のパイロットプラントも実証運転中で99.9%の回収率が得られている。
これらは晶析技術の過飽和度の制御法、種結晶のシーディング法および不純物の除去等に改良を加えることで、粗大な難解性結晶を得る事が出来たことによるものである。
リン回収としてのMAP法やHAP法のプロセス、半導体とフッ素と排水処理設備の3メーカー連携によるフッ素回収プロセスとその効果(蛍石の輸入量減1.5KT/Y)および大手アルミサッシメーカでのアルミ回収と排水再利用プロセスなどの成功例が紹介された。
(事例-3)医薬品・食品分野への展開
結晶品質設計に高度な制御が求められている領域で、粒径、純度、多形、CV(粒形分布)、晶壁などの制御法の最適化を模索している。医薬の場合は、後段のろ過工程を円滑にする為、出来やすい針状より短径で粗大化結晶の生成が求められている。両分野とも、回分式なので刻刻変化する過飽和度をどのように安定化させるかが鍵であり、その他スケーリング防止およびオイルアウトなどの運転トラブルの解消も求められている。
  製薬メーカーとの共同研究で成功し、2014年Ultrasonic Sonochemistry の特集号に発表され注目された、超音波誘導核化法について発核速度やCVのデータの紹介があった。
  結晶品質を自在に制御するための鍵は「核化」に尽きるのであるが、バラツキが多く確率的で核化の過程とその制御が良くわかっておらず今後の研究に待たれると述べられた。
 過飽和度の制御について、冷却パターン(自然、制限)の影響、原料フィーディングおよび核種シーディング(パーシャル、フル)の各ファクターの核化、粒径および過飽和度変化への影響を調べた実験室での解析データをベースにそのデリケート性が紹介された。現在、原料フィーディングと核種シーディングに焦点を絞り研究中との事である。
平沢研究室の研究テーマの紹介
 
現在取り取り組んでいる2つのテーマ、即ち、金属ナノサイズ粒子の創成とスケーリングの防止についてその内容紹介があった。
 反応晶析法による金属ナノサイズ結晶は、溶解度が低く良い結晶が出来づらい傾向にあるが、過飽和の生成速度の制御と高分子電解質(PEI)を添加することでナノサイズ結晶が得られ、50~500nm領域を狙った研究を行っている。実用化例として、農林省生物資源研が取り組んでいる稲の遺伝子組み換えに使われる遺伝子銃の銃弾として、研究室で作られた金粒子が採用された。塩化金酸とアスコルビン酸を同時にフィードするダブルジェット方式により目標とする300~400nmの粒径が得られ採用された。一般的な回分方式やシングルジェット方式では150nm以下の小粒径であった。
 装置内のスケーリングは、原理的には溶液内に十分な種結晶があればある程度発生を抑えられるが、現実はスケーリングが起き晶析技術の永遠のテーマとなっている。防止策として、別のものを添加しその表面にスケール結晶を析出させるヘテロ核化を検討中である。更に、海外の原子燃料再処理プロセスで、深刻な問題となっているモリブデン酸ジルコニウムの付着問題に取り組んでおり、特許化を視野に入れた研究成果の紹介があった。

今後は、現場をよく見ることを必須条件に、広い分野の実プロセスでの課題解決に貢献したいこと並びに得られた晶析工学の知恵を若い人に伝承して行きたいとの熱い抱負を述べられた。
最後に、写真を使用しながら平沢研究室メンバーの紹介とベネルクス3国とタイ訪問時の興味深いトピックスを披露して講演を終えた。

懇談会(18:00~20:00)

後藤栄三顧問より、早稲田応用化学科よりノーベル賞受賞者を輩出できます様エールの挨拶で乾杯し懇談会に入った。平沢研究室卒の宮坂悦子氏と加藤昌史氏をはじめ、現役第一線で活躍されている方々からのスピーチがあり和気あいあいの雰囲気で進み、友野博美幹事より中締めの挨拶と一本絞めで閉会とした。最後に全員の記念写真を撮り散会した。

出席者(敬称略、カッコ内数値は卒業回)

講師:平沢泉(26)、三島邦男(17)、堤正之(17)、白川浩(18)、後藤栄三(19)、小林俊夫(19)、柿野滋(19)、秋山健(19)、谷口至(22)、友野博美(22)、須藤雅夫(22)、木内一壽(24)、山崎隆史(25)、 浜名良三(29)、服部雅幸(32)、箕浦雅史(37)、加藤昌史(41)、中山一朗(41)、鵜飼健司(43)、植村裕司(44)、宮坂悦子(53)、山本瑛祐(63)、以上合計22名。

(付属資料)

講演会配布資料 「晶析の知恵を実践する」  1部2葉

以上 (文責 堤)

 


集合写真

集合写真

応用化学会による学生企画フォーラム2019

投稿:交流委員 加来 恭彦
 
応化会学生部会が企画し、比較的世代が近い社会人OB/OGを招いてのフォーラムになります。
第5回に当たる今年の学生企画フォーラムは、ライオン(株)から講演者を招いての講演とパネルディスカッションとなりました。
  • 仲田篤史さん:  
      「日用品メーカーの製品開発と大学で学んだ考え方・行動の仕方との繋がり」
  • 西山美香子さん:  
      「合成からパッケージ開発まで ~12年目を迎えたワークライフバランス~」

仲田篤史さん

仲田さんは研究から研究開発戦略を考える立場に移ってからの企業における重要だと思える点2点を中心に学生さんに自身の体験や考えを話されました。
1) 外部の力をうまく使う
2) 論理的に考える力
学部生・大学院生の研究と企業の研究開発で大きく異なる点は研究室時代に個別の研究テーマが与えられるのに対して社会ではチームでの成果につなげている点で成果につながるには専門的な知識を外に求めてそれをうまく使うという点、また理路整然と物事を整理して考える習慣が学生時代のレポート作成や研究室におけるディスカッションにおいて培われることを説明されていました。
 
 
 

西山美香子さん

西山さんは研究部門を異動される中で学んだ自分のやりがい(仕事をしていてうれしいと感じたこと、厳しいと感じたこと)を通じて学生時代に学んでいたことで有用だと思われたことや社会人となって重要と感じたことを話されました。特に学生時代の幅広く学習した基礎的な知識は研究部門で様々な職種を異動する中では強く感じる部分であり、研究室時代に会得する報告書の書き方や定期的な業務報告、ディスカッション、PDCAサイクルの回し方は社会人になっても活用出来るスキルであることに思えます。
そして
ワークライフバランスはどこの企業においても取り上げられるものですがアットホームな雰囲気の会社において効果的に機能することも説明されていました。
 
お二方の話を伺って大学時代の知識についてどれだけ役に立っているかという点で若干の相違がありましたが、戦略部門と研究畑では環境が違うという点ではそれぞれ必要とされる知識やスキルが違うことが理解出来たかと思います。学生からは会社を選んだ理由やテレワーク導入の印象など活発な質問が飛んでいましたが、消費者が手に取って役に立つものを自分の手で作りたいという意思は共通したもので学生にも強いメッセージ性を持っていたと思います。
 
このあと基盤委員の梅澤宏明さんの司会で本日のお二人の講演者に、Lionデータサイエンス室の黒川博史さん、オーラルケア事業部の黒澤清夏さんを加えてパネルディスカッションが行われました。

左より 仲田篤史さん、西山美香子さん、黒澤清夏さん、黒川博史さん

最後に西出応化会会長からの挨拶があり、記念写真を撮ってフォーラムは終了となりました。そのあとの懇親会ではさらに交流を深めて充実した時間を過ごすことができました。
 
今回の催しには応化会の各委員会のシニア委員も参加されていましたが、大多数が現役学生で大盛況でした。この企画が継続されていくのを強く熱望します。

 

学生委員会によるフォーラムの報告は ⇒ こちら

新18回(昭和43年卒)応化同期会開催報告

2019年11月13日

2019年11月11日(月)、大隈会館202号室で同期会を開催しました。業務多忙、体調不良等で欠席された方もあり、出席者は昨年よりも3名少ない28名でした。

保坂君の司会、竹下の挨拶につづいて全員で乾杯して会が始まり、暫しの会食・歓談の後、参加者全員の近況報告、中井君や関谷君からの応化会関連の活動紹介、竹下からの会計報告と続きました。和気藹々の楽しい時間が流れて15時過ぎに保坂君の挨拶に続き、玄関ホールで記念写真を撮ってお開きになりました。

今回の同期会は、昨年に続き参加者全員による近況報告がメインでした。どの参加者のお話しも日本人の平均健康寿命を超えた我々同期にとって身近で関心の高いものばかりで大変参考になるものでした。

その中からいくつかを紹介します。

  1. 会社勤務、自然観察ガイド等のボランティア活動、企業コンサルタント業務、海外での共同会社経営 等  
  2. 胃がん・膀胱がん、大動脈解離や心臓バイパス等の手術からの快復、白内障の手術、腰痛・膝痛等に伴う体調管理、県対抗野球参加、ウォーキング、テニス、筋トレ等の体力維持・増強 
  3. 超大型台風被害からの復旧、相続への備え、スマートカーの購入や運転免許証返納の勧め、約150ヶ国の海外旅行経験 等

参加者全員、自分の身に置き換えてメモを取ったり、質問したりして熱心に聞き入っていました。“いろいろあるが、青春とは心の若さであり今が青春真っ只中では?”との思いを共有し、それぞれが明日への新たな一歩と来年の再会を誓った一時でした。

末筆になりましたが、新18回応化同期会として、2023年の応化会100周年に合わせてこれまでに積み立てた会費残高を寄付させて頂く予定にしていますことをご報告いたします。

尚、2014年には応化会給付奨学金へ300K¥を会費残高から寄付させて頂きました。

(注)次回は2020年11月吉日を予定しています。詳細は各研究室の幹事から後日、ご連絡致します。同期の皆さん全員の参加をお持ちしています。

(幹事:杉本、進、品田、永田、関谷、曽根、鶴岡、小久保、渡辺(壮太郎)、渡部、中井、山形、長島、金山、保坂、竹下)

以上

(文責 竹下哲生)

                                     

 

応化展見学報告(第66回理工展)

投稿:交流委員 加来 恭彦

2019年11月2,3日、第66回理工展の展示の一部として応化展も開催されました。会場は54号館102、56号館5階実験室、模擬店6の三か所です。

54号館1階では応用化学科を紹介するブースとして、学部生の授業で使用される一般化学、有機化学などの紹介や学生実験の内容説明、カードゲームなどのイベントに加えて、学生生活や研究室紹介などが展示されており受験を控える高校生など、多くの人で賑わっておりました。


無機化学の研究室で有機化学や高分子化学を取り入れたり、高分子化学で電気化学のノウハウを使ったり、触媒化学に無機化学で研究されていたアイデアを応用したりとそれぞれの分野での垣根がなく幅広いナレッジの融合が進んでいることが分かります。

来場される高校生がイメージ出来るような説明もお願いできればさらに視線をくぎ付けに出来るかも知れませんね。


これからを背負って立つ才能多き人材です。

それにしても机に並んでいる教科書群ですが、現在使われているアトキンスの物理化学の教科書が文字の羅列ではなく複色刷りの工夫された読みやすい教科書になっていることに驚きでした。

 

また、56号館5階の学生実験室では

  • 「芳香剤を作ろう」
  • 「電気を通すプラスチックを作ろう」
  • 「アントシアニンで考える色とは」
  • 「人工イクラでスノードームを作ろう」

の4つのテーマでの実験展示が行われていました。

 

 

 

 

日常生活で普遍的に使用されている吸水性高分子にアロマオイルを加えてゲル化させる実験など体験型の展示や共有系高分子による電子の保持、またpHを調節することで色の変化を見るなど多種多様な実験に多くの来場者が列を作って貴重な体験をされていたかと思います。

電気を通すプラスチックはポリアニリンを使用した実験でした。ポリチオフェン系とともに製膜性にも優れたポリアニリンを使用することで視覚的な効果も上げていましたし、また電気を通すだけでなくボーイング787にも採用された航空機用電子カーテンに使われるエレクトロクロミックの説明も秀逸でした。

展示の妨げにならないように一部の写真しか撮れず今日まで準備に努力してきたスタッフ全員を紹介することが出来ず申し訳ありません。
応化展は学部生が準備してきた成果を発表する機会であると同時に一般の方が科学に興味を持ってもらう場を提供する意味でも貴重なもので基礎研究からその応用まで各研究室のサポートも欠かせません。研究室と学部生の近い距離間を維持しながら今後もクオリティの高い展示を継続して頂ければと思います。
なお、応化展には応化会や理工展からの補助も出ているとのことですが、学生さんがプレゼンをする機会を得るという意味でも教育的見地から意義のある企画だと思います。応化会費が有効に使われている一例であるとともに、予算としてもより充実してくれるとさらにプレゼンの選択肢が増えるものと期待します。

 

応用化学会による学生企画フォーラム2019のご案内(第二報)

 

 

早稲田大学応用化学会 学生委員会委員長 神守広一郎(修士1年)
学生委員会学部生部会部会長 岡康太(学部3年)

昨年、JXTGエネルギー様をお招きし催した第四回学生企画フォーラムに引き続き、今年も学生委員会が企画し、運営するフォーラムを開催することとなりました。その第五回目として、ライオン様の絶大なるご協力のもと、下記の通り開催いたしますので、多数ご参加をお願いいたします。

<正会員の皆様へ>
学生企画というイベントではありますが、是非昨年度と同様、日頃より学生委員会にご支援いただいております多くのOB、OGの皆様に参加していただきたいと思っております。

<学生会員の皆様へ>
 本講演会は、応用化学科が標榜する「役立つ化学、役立てる化学」を、身近な企業から学んでいただけると思います。また、会社で現役で働いている先輩の生の声を聞くことができますので、今後の学生生活のモチベーション向上や進路選択および将来設計の助けになることを期待しております。是非、ご参加ください!

1, 講師

 講師1:仲田 篤史 氏

         「日用品メーカーの製品開発と大学での学びとの繋がり」

2013年 早稲田大学大学院 応用化学専攻修了(菅原研究室)
2013年 ライオン株式会社 入社
2013年 研究開発本部 リビングケア研究所
2019年 研究開発本部 戦略統括部
現在に至る

  講師2:西山 美香子 氏

          「合成からパッケージ開発まで ~12年目を迎えたワークライフバランス~」

2008年 早稲田大学大学院 応用化学専攻修了(黒田研究室)
2008年 ライオン株式会社入社
2008年 研究開発本部 プロセス開発研究所
2012年 研究開発本部 オーラルケア研究所
2015年 研究開発本部 包装・容器技術研究所
2018年 生産技術研究本部 容器・包装技術研究所
 現在に至る

2. 日程・開催場所

2019年12月7日(土) 早稲田大学西早稲田キャンパス 52号館 52-102

3. 時間

14:30-15:00 受付
15:00-15:10 会社概要説明
15:15-15:50 第一講演者講演
16:00-16:35 第二講演者講演
16:45-17:15 社員の方によるパネルディスカッション
17:30-19:00 懇親会

4.懇親会

・会場:63号館1階ロームスクウェア
・会費:3000円、学生会員は無料

準備の都合上、来る11月29日(金)までに申し込み願います。
上記期日以降の申し込みですと名札を準備できない可能性もございますので、ご了承ください。

以上