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早稲田応用化学会主催 「2025年度第1回先輩博士からのメッセージ」開催報告

【イベント名】

2025年度第1回先輩博士からのメッセージ

【イベント詳細】

開催期日;2025年7月26日(土)

会場:西早稲田キャンパス63号館202室+63号館ロームスクエア

講演形式;対面

14:00~14:05;開会挨拶

14:05~14:45;先輩博士・博士学生による講演(20分×2件、質疑込)

15:00~16:00;座談会(20分×3セット)

16:05~16:15;応化及び応化会関連の奨学金説明

16:35~17:55;懇親会

17:55~18:00;閉会挨拶

応化会会長による開会挨拶後、企業で活躍されている博士OG、および現役の博士後期課程に在籍している学生から、博士後期課程に進んだ動機、留学経験、企業と大学の研究の違いなどについて講演いただいた。座談会では参加者を学部~修士学生、および現役博士学生〜先輩博士を交えた少人数のグループに分け、講演に関わる質疑応答や博士後期課程での生活などに関して活発な意見交換が行われた。加えて、懇親会では様々な立場の学生·先輩博士の間で交流が深まった。様々な場所で本イベントに対して早めにアナウンスいただいたことで、幅広く各学年からの学生参加に繋がり、学生·先輩博士·応化会関係者合わせて70名程度が出席し、盛会に終わった。

開会挨拶: 下村 会長

下村 会長

夏季休暇中ながら、多くの学生さんに参加いただき大変うれしく思っている。今年も猛暑が続いているが、温暖化については同期の松方教授と話すことが多く、色々なデータを踏まえた話になる。一方で最近の世の中を見ていると、データに基づいて説明する人が少ないように感じる(米騒動の話題にも触れつつ)。皆さんは化学に携わる以上、データに基づいて議論することの大切さを認識して欲しい。また、そのような人が上に立ち、今後の日本を引っ張っていくことを期待している。今回は博士学生·博士人材の方々から博士について、色々な話を聞くことができるのではないかと思う。自分自身は、博士号を取得していないが、社会人を40年続けてその重要性を実感してきた。特に、博士人材にはクリエイティブに物事を創造して欲しい。皆さんを応援していきたいので、この会がその第一歩となることを願っている。

先輩博士·博士学生による講演:

企業で働く博士OGと現役の博士学生の2名に、学部·修士課程での過ごし方や研究室の選び方、研究室生活、博士進学の動機、博士研究を通じて得た経験、アカデミックと企業の研究方法の違いなどについてご講演いただいた。

講演者①;中原 輝さん(博士後期課程3年,山口研究室(有機合成化学部門))
題目:「チャンスの神様は前髪しかない」

中原 輝さん

中原 輝さんは、有機合成化学研究室の博士学生及び日本学術振興会特別研究員(DC2)として研究に従事されている。国内外の学会参加やアメリカへの研究留学など、幅広い経験をされている。また、国内最大の化学ポータルサイトであるChem-Station内のYouTube動画も作成されているとのこと。題目は、チャンスの神様であるカイロスは前髪しかないことから、チャンスは一瞬で訪れ、逃さず掴む必要があるという意味。

研究室での研究内容、及び大学·研究室を選んだ動機

山口研究室の研究方針「分子をつなぐ、分子をぶっ壊す、革新的な分子をつくる」の中で、「芳香族化合物における置換基の位置を制御する新規変換反応の開発」の研究に従事している。化学に携わりたいと考えた発端には、祖父の難病があり、「難病治療薬を創りたい」という強い想いがあった。本学応用化学科を選んだのは、見学した時や受験の会場に、面白そうな人が多かったため。山口研究室に惹かれた決め手は、応用化学科が主催するオリエンテーション(グループミーティング)で、山口教授の第一声が「好きなラーメンは何?」だったから。フレンドリーに接してくれる教授から色々学べると期待して山口研究室を選択した。山口研究室は研究の進展スピードが非常に速く、一見大変に思われるかもしれないが、まだ見ぬ反応設計·分子合成の追求に面白さを感じている。研究に打ち込める時間は今しかなく、大事にしたいと考えている。

博士進学を選んだ動機、博士後期課程に進んで実感していること

博士進学を選んだのは、自身の難病治療薬創薬の夢を達成するうえで、製薬業界で活躍するために学位取得が必須と考えたから。山口研究室は研究活動と研究室生活の両面で充実した環境が整っており、博士号取得への支援が豊富であったことも進学を後押しした。博士後期課程では、8時半に研究室に到着してから食事以外はほぼ実験という日々が続いているものの、応化会および応用化学科の奨学金制度が充実しており、手厚い支援を受けているため経済的な不安はほとんどない。

博士進学後の実感として、自身の研究の深化や、専門的な知識や実験技術の習得等がよく話題にあがるが、自身が最も実感したのは「人から頼られる場面が増えた」ことである。研究室内では最高学年となるため、後輩や他の学生の面倒を見る場面が非常に増えたと感じている。また、博士後期課程までにため込んできた研究成果を、国際学会·留学等で自信をもって発表できるという経験も博士後期課程でしか得られないと考えている。(日本化学会年会でも学生優秀講演賞を受賞)

留学経験

博士後期課程2年の10月に、米シカゴ大のM. Levin研究室に日本学術振興会(JSPS)の制度を活用して、3か月間の短期留学を経験した。JSPSや里見奨学会からの支援を受けたことで、資金面も工面できた(本制度はすでに終了しており、前髪(チャンス)を掴んでおいて良かったエピソードの1つ)。英語はもともと苦手であり、院試合格に必要なTOEICも締め切り間際にボーダーラインに到達した経験がある。研究室配属後は、英語の習得に継続して取り組み、学会等での発表経験や、海外研究者の方とのコミュニケーションを通じて習得した。

実際に留学してみて、研究室では最高学年としての自負があったが、夕方に研究室に来て実験するだけでハイレベルな研究成果を生み出す研究者が何人もいて、米国研究者の思考能力の高さや教育の成熟度の違いを感じる等、海外での経験を通じて、「逆立ちしても敵わないレベルの研究者」と出会い、価値観の違いや、日本の外から見る日本の魅力に気づくことができた。

将来のキャリアと学生へのメッセージ

将来は製薬企業への就職を予定している。応用化学科に所属する私たちの環境は本当にチャンスに恵まれている。未来はどうなるかわからないが、題目にも示した通り、後悔のないように今目の前にある“前髪”を掴んでみて欲しい。

講演者②;斉藤 ひとみさん(株式会社 東芝, 菅原研究室(無機化学部門), 2013年修了)
題目:「人生の岐路での巡り合わせ」

斉藤 ひとみさん

斉藤ひとみさんは、無機化学部門(ゾル-ゲル反応を用いた多孔質無機-有機ハイブリッド材料)が専門で、博士後期課程後半は早稲田大学 理工学術院 助手も兼任されていた。在学中は文部科学省グローバルCOEプログラムに参加され、海外インターンも経験。学位取得後は株式会社東芝の研究開発センターで長年研究開発に従事され、現在は東芝エネルギーシステムズ株式会社にて研究企画·管理に従事されている。

研究室での研究内容、及び研究室·博士進学を選んだ動機(一つ目の岐路)

学部では様々な化学の存在を知り、毎日新しいことを学べてワクワクしていた。特に無機化合物の結晶構造の美しさに惹かれ、3年の研究室配属では無機化学研究室を志望した。配属後のアンケートで結晶性層状化合物を希望したにも拘わらず、アモルファス(非晶質)の多孔質ハイブリッド材料が研究テーマとなった。当時は修士課程までは進学を決めていたが、博士進学は考えていなかった。

ゾル-ゲル反応を用いた無機-有機ハイブリッド材料は、組み合わせ次第で無機と有機双方のメリットを生かした材料となり得ることに無限の可能性を感じ、段々アモルファス材料が面白くなり、博士進学に興味を持ち始めた。当時の研究テーマで用いる予定だった原料が諸事情により中々入手できなかったため、入手までの期間は原料を模擬した架橋型モノマーが重合していく時に形成されるSi–O–Si (シロキサン) 結合の素反応を核磁気共鳴(NMR)法により追跡することになった。様々な条件を試したものの、上手く反応課程を分離できず、なかなか成果に結び付かなかった。

微妙な結果のまま臨んだ学会発表では他大の先生から的確かつ厳しい指摘を受け、挫折を味わった。しかし、この時の挫折から一念発起し、博士進学を決心することになった。当時は、経済的な理由から就職後の学位取得を考えていたが、就職活動直前に発生したリーマンショックで各社の採用活動が急激に鈍化·停止し、悩みに悩んだ末に就職せずに博士後期課程に進学することに決めた。この時、博士キャリアセンター(当時)や応化会のイベントに直接足を運んで、積極的に情報収集したおかげで、経済的な不安が解消され、安心して進学を決断することができた。

博士後期課程での経験(海外インターン)、学位取得後の進路(二つ目の岐路)

博士後期課程では、大学や応化会の奨学金を受けつつ、文部科学省のグローバルCOEプログラムを通して、フランス国立科学研究センター(CNRS)のDr. P. Hubert. Mutin及びモンペリエ第二大学のProf. B. Bouryの元で海外インターン(約3ヶ月)を経験した。(CNRSはモンペリエ第二大学内に設置され、同じ建物内に大学教員とCNRS研究者、ベンチャー企業の経営者が同居する不思議な環境だった。) 語学学習も間に合わないまま初めての海外滞在で、最初は意思疎通が難しかったが、ボディランゲージを駆使しつつ、自ら教員や現地の先生、CNRSの研究員、大学スタッフと積極的にコミュニケーションをはかった。 研究では、「徹底的なディスカッションありき」のフランスの研究方針と、「まずはやってみる」方式の日本との違いに大きな衝撃を受けた。徹底的に議論を尽くしてから実験を開始することで、短時間でより大きな成果をあげ、時間のメリハリを大切にする考えにも感銘を受けた。また、多国籍のスタッフ·研究員との交流を通じて、日本人を自覚するとともに、語学スキルよりも「自分は何を考え、何をしたいか」を明確にすることが何より大切であることを学んだ。

学位取得後の進路としてアカデミックと企業を考えた。助手業務を通じてアカデミックは僅かながら体験できたので、全く異分野の人々と仕事ができ、かつ、化学が少数派の企業で活躍したいと考え、たまたま応化会イベントで自社の面白さを熱弁した先輩OGと巡り合ったことで東芝への入社を決めた。入社後は無機材料系のラボラトリーで太陽電池の開発からスタートし、その後、多孔質材を用いた分離技術開発を一貫して行ってきた。現在は事業部に出向し、水素事業の研究企画·管理を行なっている。

企業と大学との研究の違い

企業では社員の安全·健康管理等の観点から、徹夜を含む長時間の残業は推奨されていない。従って標準勤務時間内で効率よく研究業務を行い、目標を達成する必要がある。そのためには、電気や物理、機械といった専門分野が全く異なるだけでなく、国籍も異なる仲間をいかに多く集め、上手くコミュニケーションとっていくかが重要となる。また、企業での研究は「いつまでに、どのような性能で、何を、いくらで作るか」を常に考えて動く必要があるが、世の中の潜在的なニーズをいち早く察知し、製品化やサービス提供までのプロセスに直接関与できることは企業研究の醍醐味の一つと感じている。

学生へのメッセージ

博士学生だった当時、何を考えてどんな行動をとったのか時系列に沿って説明したが、学生の方には、下記のアドバイスをしたい。

(1)今(幅広く)学んでいることを好き嫌いせずに確実に習得して欲しい、(2)SNS等の二次情報に惑わされることなく、自分自身で直接情報収集を行って欲しい、(3)真贋を見極める目を養って欲しい、(4)なるべく多く自分で体験してほしい。自分が経験できない部分は経験者の話を聞くようにして欲しい(応化会イベントは最適)

座談会

学部1年生~修士2年生と博士学生と先輩博士がそれぞれ5~6名程度の小グループに分かれて座談会を20分ずつ3セット実施した。講演会を踏まえて気になったことや、研究生活や博士進学のきっかけなど、各自が疑問に思ったことを博士人材に直接聞く良い機会となった。

応用化学科及び応化会関連の奨学金説明:須賀 先生

須賀 先生

最新の博士後期課程への進学率とその後の進路先の割合、及び博士進学を目指す学生に向けた応用化学科及び応化会の奨学金を含む支援制度について紹介があった。現在、博士後期課程への進学率は1割弱であり、進学率の向上は本学としても注力していきたい課題と考えている。博士号取得者のおよそ6割は企業で活躍しており、次いで国内大学、省庁·研究機関、海外大学となっている。就職先の企業としては化学·材料分野への就職が多い。博士後期課程に進むと将来の進路の幅が狭まるわけではなく、むしろ博士後期課程でのキャリア·経験を積極的に活かすことで活躍している。博士後期課程の支援体制として、学外では日本学生支援機構(JASSO)、日本学術振興会特別研究員、学内では早稲田オープンイノベーションエコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)、大学院博士後期課程養成奨学金がある。W-SPRINGは応用化学科のかなりの分野で毎年採択されている。応用化学科および応化会独自の奨学制度は早稲田大学の中でも群を抜いて充実しており、全て給付型となっている。水野敏行奨学金、里見奨学金、中曽根荘三奨学金、森村豊明会奨励賞(成績優秀者対象、定員増)などの支援制度に加え、応化会給付奨学金がある。また最近では、応化会100周年に伴う多大な寄付を受け、「応用化学科卒業生による優秀な人材の発掘と育成の支援」のために、応化会給付奨学金は給付対象を学部生まで拡大しており、博士進学を決心した学生だけではなく、優秀な学生を早期支援するためにも充実させている。以上の通り、博士進学への支援は充実しており、経済的な面での不安は少ないはずである。学部生の方もぜひ今一度博士後期課程への進学を検討してみて欲しい。

乾杯の挨拶(懇親会):米久田 奨学生推薦委員会副委員長

米久田 奨学生推薦委員会副委員長

本日の講演であったように、生のリアルな情報を自分自身の手で積極的に取得するようにして欲しい。本日の講演会や座談会で聞けた情報は、ネットやSNSから得ることは非常に難しく、貴重であり、皆さんの成長にもつながると思う。懇親会でも、横と縦の交流を深めて生の情報を見聞きして欲しい。また、今秋11月29日にパネルディスカッションを含めた第2回博士イベントがあるので積極的な参加を期待している。

閉会挨拶:臼田 基盤委員長

臼田 基盤委員長

博士後期課程への進学に関して、多くの方が興味を持っているということは何よりも重要なことと思う。本イベントの冒頭にもあった通り、多くの情報に惑わされることなく、本イベントのようなリアルな場で先輩方·経験者に聞いて判断するのが良い。その上で皆さんが今後何をしてどのような人生を切り開いていきたいのか考えて欲しい。中原さんの講演にあったように、本イベントに来た皆さんはチャンスを掴んでいると思う。加えて同講演では、やりたいことをしっかりやり遂げることが大事であること、また、博士後期課程に行って人に頼られることが増えたと述べられていた。博士学生や博士人材となってからは、いかに人望を集めてリーダーシップを発揮できるかが大事である。斉藤さんの講演では、人生の岐路としてのフランス留学の際に、まず話したいことがなければ英会話の技能は発揮されないこと、そして異文化を体験することが大切と述べられていた。これは博士後期課程に進学しなければなかなか経験できない貴重な体験である。

講演にはなかったが、名刺にPhDが入るか入らないかで相手からの印象が全然異なる。これも、学位取得のメリットの一つと思う。学生の皆さんには、やりたい研究を見つけて(斉藤さんのように学部4年生の時に研究成果が芳しくなくとも逆転の道はある)、面白いと思ったら博士後期課程進学を考えてみて欲しい。

懇親会の様子

懇親会での集合写真

 

以上

早稲田応用化学会中部支部総会及び第23回交流講演会(門間聰之先生講演会)のご報告

開催日時: 2025年4月12日(土)15:30-17:00

開催場所: ウインクあいち(愛知県産業労働センター)1307号室

出席者: 31名(オンラインでの出席者9名)

演者: 門間 聰之先生

演題: 「大学での研究から社会に貢献するには -電気化学編-」

要旨:

  • 初めに、司会の渡部幹事より門間先生のご略歴が紹介されました。続けて、門間先生より本日のご講演概要についてご説明があり、本題に入られました。
  • 電気化学は、社会実装という観点から、非常に身近な化学です。近年では電気自動車やドローンに蓄電池が用いられていますし、古くから、めっき、乾電池、あるいはトタンといった電気化学を利用して作られた部材や、電気化学を利用したデバイスが身近にありました。
  • 私の研究室では、電気化学センサーや蓄電デバイスなどの応用を目的とした材料やデバイスの研究、また、その評価のための測定法の開発を行なってきていますが、分析手法の開発を含めて、何より研究が楽しいことが重要です。大学教授は研究テーマを自由に選べることも大切ですが、本日の講演では、その一端を紹介したいと思います。
  • 将来の電池用電極を改良するためには、その反応場の評価が重要です。このために、当時としては新しい測定技術を開発し、電極反応の評価を行なってきています。その際に知った、より良い反応場の知見を基に、理想的な材料に思いを巡らし、新しい材料の設計から合成へと展開しました。頭で想像していた特性以上のデータが出てきて、楽しい研究となりました。
  • 電気化学デバイス:電気化学の反応場まで反応が進行するためのリード線や電極/電解液界面といった電気化学測定に必要なパーツは揃っています。
  • 如何に「反応場の情報を取り出せるのか?」を工夫することで、有益な情報を得ることも可能になる・・ことがあります。
  • 得られた情報を上手に展開することで、新しい電極の形成も可能となる・・ことがあります。
  • 研究に必要な設備や装置、また電池自体を手配できなくなり、自前で、自分の研究室で製作するようになったので、大学やアカデミックとしては企業並みの設備を有しています。
  • 研究結果から派生した「物」は、実態として社会貢献していると自負します。
  • 高くても、良いから買ってくれる「物」を開発することが「社会実装」に繋がります。
  • 分析手法からフィードバックすること。これも、一つのキーポイントだと思います。

講演内容: 詳細はこちらからご覧ください

会場出席者と記念撮影

以上

文責:中部支部

[詳細版]早稲田応用化学会中部支部総会及び第23回交流講演会(門間聰之先生講演会)のご報告

開催日時: 2025年4月12日(土)15:30-17:00

開催場所: ウインクあいち(愛知県産業労働センター)1307号室

出席者: 31名(オンラインでの出席者9名)

演者: 門間 聰之先生

演題: 「大学での研究から社会に貢献するには -電気化学編-」

要旨:

初めに、司会の渡部幹事より門間先生のご略歴が紹介されました。続けて、門間先生より本日のご講演概要についてご説明があり、本題に入られました。

  • 電気化学は、社会実装という観点から、非常に身近な化学です。近年では電気自動車やドローンに蓄電池が用いられていますし、古くから、めっき、乾電池、あるいはトタンといった電気化学を利用して作られた部材や、電気化学を利用したデバイスが身近にありました。
  • 私の研究室では、電気化学センサーや蓄電デバイスなどの応用を目的とした材料やデバイスの研究、また、その評価のための測定法の開発を行なってきていますが、分析手法の開発を含めて、何より研究が楽しいことが重要です。大学教授は研究テーマを自由に選べることも大切ですが、本日の講演では、その一端を紹介したいと思います。
  • 将来の電池用電極を改良するためには、その反応場の評価が重要です。このために、当時としては新しい測定技術を開発し、電極反応の評価を行なってきています。その際に知った、より良い反応場の知見を基に、理想的な材料に思いを巡らし、新しい材料の設計から合成へと展開しました。頭で想像していた特性以上のデータが出てきて、楽しい研究となりました。

電気化学とは:

  • 化学反応:一種またはそれ以上の物質が、それ自身あるいは相互に電子の組み換えを行ない、元と異なる物質を生成する変化[理化学辞典]。化学反応と電子のやり取りが、酸化還元反応を起こす。
  • 電気化学:反応場に電極を挿入し、電子のやり取りを反応物と電極間とで行なう。電極を外部の回路に接続することで、反応の制御と測定が可能となる。

何ができるのか:

  • 反応させたい物を選ぶことで、選択的に反応できます。Σ電気量=反応量といえます。使用するデバイスで「物づくり」が可能です。電気化学センサーは電池がメインで、アプリケーションが豊富です。
  • 電気化学反応を利用するデバイス
  • 電気化学反応を利用した物づくり

     化学状態(特定物質の酸化状態や濃度など)

      ⇔電位・電流といった電気信号へ変換 ・・電気化学センサー

     高い化学エネルギー状態(酸化状態や濃度など)

      ⇔電位・電流といった電力へ変換 ・・燃料電池、電池

     電気エネルギーから化学エネルギーへの直接変換

      ⇔電力を使って合成、物づくり ・・精錬、食塩電解、水素/酸素ガス製造、めっき

LiBの特徴:

  • 高いエネルギー密度

    – 高い重量エネルギー密度・・電池の軽量化可能

    – 高い体積エネルギー密度・・電池の小型化可能

    – ロッキングチェアー型作動・・電解液は少量でOK

  • 塗布工程を基本として、初回充電で完了する電池形成プロセス・・製造が安全で容易
  • LiB2次電池の構成:その昔、フロッピーディスクがあり、花王が参入しました。何故、花王ができたのでしょうか? 答えは、スラリーや固体をきれいに分散させる技術=花王が持つ「界面活性剤技術」の適用です。しかし、塗布して乾燥させるだけで、どこの誰でも真似ができる技術なので他国へ流出しました。
  • 「初回充電で完了する」がキーワードでしたが、「取り扱いし易い」ことは、「真似され易い」の意味でした。

SEI[Solid Electrolyte Interface]のこと:

  • 負極と電解液の界面に、主に充電時に形成される層状の被膜が活性物質を保護します。私の研究室では、ある方法で倍以上、また約10倍の効果を得ました。すなわち、材料を1/10に減らす軽量化が可能になりました。微粉化するなら最初から、電子レベルでSEIになるように混合させる方法も開発しました。しかし、良い物を開発しても、世の中が受け入れないこともあります。軽量化の結果、充放電が20年OKとなると、LiBを新しく作ることは不要となり、製造工場が停止することを意味します。

直接めっき法で活物質形成:

  • 活物質[SiCl4]を形成するためには、水の無いドライルームが必要です。SiCl4は水と反応するとHClが発生します。そのため、特殊すぎる製造環境が必要ですが、特性が良くても大量生産となると、ドライルームだけで数億円かかります。その他にも欠点があり、数年で止めました。
  • 硫黄電池:LiS電池[Li2Sx(4<S<8)]が期待されています。日本は大量に原油を輸入するので、石油精製の脱硫により硫黄が大量に得られることで、その活用に関する技術開発が進んでいます。
  • Li2S8は「溶媒に溶け易い」という問題があり、溶けにくい溶媒、溶けにくくする膜を提案しました。具体的には、ポリピロールをコーティングした正極構造で充放電が上手く回ることが分かりました。
  • 電解液ではなくイオン交換膜で解決させるため、理想は電子が流れる薄膜を細孔に塗ることですが、導電性のあるポリピロールとアセトンを使いました。アセトンは‐70℃でも固体にならず、細孔にピロールが入るのは、室温へ温度上昇する状態で化学反応が起こる、と信じています。これまでの実験で「ドライアイス-アセトンは凍らない」ということ、また「拡散」も含めて、昔に習った知見が役立ちました。

LiBの解析:

  • 2次電池の反応素過程を知りたい・・診断をしたい。しかし、電池を開封すると壊れて、元に戻りません。
  • 電気化学インピーダンス法:対象とする電極に微小な正弦波交流を与え,その伝達関数としてインピーダンスを求めることにより電極反応機構などを解析する非定常測定法の一つですが、交流電流は周波数を変えられます。高周波でも電子は付いてくるので、反応の素過程を分離できます。この技術開発は「測定法としての社会実装」を果たしたと思います。
  • 電池メーカーから製品の提供が得られなくなり、自分たちで電池の製作を行なったことも、その後の開発に役立つこととなりました。

まとめ:

  • 電気化学デバイス:電気化学の反応場まで反応が進行するためのリード線や電極/電解液界面といった電気化学測定に必要なパーツは揃っています。
  • 如何に「反応場の情報を取り出せるのか?」を工夫することで、有益な情報を得ることも可能になる・・ことがあります。
  • 得られた情報を上手に展開することで、新しい電極の形成も可能となる・・ことがあります。
  • 研究に必要な設備や装置、また電池自体を手配できなくなり、自前で、自分の研究室で製作するようになったので、大学やアカデミックとしては企業並みの設備を有しています。
  • 研究結果から派生した「物」は、実態として社会貢献していると自負します。
  • 高くても、良いから買ってくれる「物」を開発することが「社会実装」に繋がります。
  • 分析手法からフィードバックすること。これも、一つのキーポイントだと思います。

Q&A

Q1: LiBの再使用には活性化が必要だと思いますが、完全放電すると元に戻りませんか?

A: ある程度は復活するはずですが、劣化はします。想像ですが、元に戻らせない回路があるのか、安全性からの配慮なのかもしれません。

Q2: 実験の際に、複雑系材料のインピーダンスを解析することが難しく、データベースや組成などで整理はできますか?

A: 正極と負極のインピーダンスを個別に検討します。正極の成分、負極の成分などで整理します。

Q3: 変なインダクタンスが見られた場合、良く分からないものが出てきた場合、どのように解釈すれば良いですか?

A: 機器に由来するのでは? と、疑います。電気化学系の反応場を模したダミーセルで確認します。

Q4: 電池の寿命はバラつきますか? バラつかせている支配因子があれば教えてください。

A: 同じ電流電圧であれば、バラつかないはずです。実装化において100セルを直列させていますが、寿命をバラつかせてはいけません。同じ環境で充電しており、バラついてしまっては、今の市場では使えません。温度コントロールがどこまでできているかがキーポイントであると思われます。

Q5: Chat GPT について、大学では使用禁止ですか?

A: 基本的に不可ですが、実際にどのように使っているかは分かりません。Chat GPTが本当に便利なのか? 作文能力は低下しますし、論文などが日本語になりません。

質問が続きましたが、懇親会の場でお願いすることとなりました。

参考資料(ご略歴等:早稲田大学研究者データベース)

https://w-rdb.waseda.jp/html/100000400_ja.html

門間研究室関係者と➀

門間研究室関係者と② 懇親会にて

以上

(文責 浜名)

若手会(NACs)活動報告【25年度 BBQ】

8月30日に学生と社会人の定期交流会として飯能河原でBBQを実施しました。学生社会人合わせて42名が参加して盛り上がりました。

暑い日が続いておりましたが、熱中症には充分気を付けながら社会人も学生もお互いに貴重な交流機会を楽しみました。

若手の会では今後も定期的に交流会を開催していきます。

10月4日には社会人同士の交流をメインとした以下の交流会を企画中です。興味のある方はぜひ、記事内のアンケートリンクより参加登録をお願いいたします。

【若手会(NACs)】業界を超えた対話と発見の場へ — 参加者募集! | 早稲田応用化学会

(文責:大山)

早稲田応用化学会給付奨学金へのご支援のお願い

「早稲田応用化学会給付奨学金」に関する支援依頼の記事が更新されましたので、お知らせします。
以下のurlをクリックして記事を開くか、

https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/req_for_scholarship_support/

応用化学会ホームページのフロントページにある以下のバナーをクリックすることでも閲覧することができます。

2025年度定期総会、先進研究講演会、交流会の報告

Ⅰ.定期総会(議長:濱会長(会則第11条による)、司会:町野庶務理事)

2025年5月24日(土)13時30分~14時30分

会 場:早稲田大学西早稲田キャンパス 57号館201教室

参加者:87名(卒業生・教員67名、学生20名)

本総会決議に際しては、会則第12条の定めに従い出席者の過半数によって決し、可否同数の場合は議長の決によること,および議長は、会則第11条の定めに従い会長が務めることが司会の町野庶務理事から宣言され開会した。

総会議事アジェンダ→こちらから

濱会長

1.濱会長挨拶

応化会100周年記念行事から約2年が経過し、これまで議論を進めてきた「これからの応化会の在り方」の方針策定に目途が立ったことを機に、本総会の承認をもって会長を交代される旨のご挨拶がありました。

 

2.総会議事

 

1)第1号議案:2024年度事業報告・会計報告・監査報告について (⇒資料庫注):②事業報告 説明資料と決算案

町野庶務理事より2024年度の活動報告、井村会計理事より会計報告がなされました。

<監査報告:1号議案に対して>

スクリーンに映し出されたパワーポイント資料を基に、事業報告を町野庶務理事、決算報告を井村会計理事がおこなった後、橋本監事より、5月1日に監査を行い、会計部門については領収書、通帳等の各種帳票確認した結果、適正に処理されており決算書は正当であると報告されました。業務部門についても議事録等を精査した結果、基盤、交流、広報の三委員会とも会議のオンライン/ハイブリッド化等の工夫を重ねながら、当初計画に基づき業務を遂行されていると判断したと報告がありました。補足意見として、情報基盤構築と共に会費納入率の改善と効率的な運用、若手会員の応化会活動への参画促進、対面とハイブリッド方式活用による活動の参加者数向上などの取り組みが強化されることを期待する旨が併せて報告されました。その後、議長から出席者に質問・意見を求めたがなかったため承認の審議をお願いし、第1号議案は出席者の満場一致で承認されました

 町野庶務理事

 井村会計理事

橋本監事

 

2)第2号議案:2025年度事業計画と予算案について (⇒資料庫注):③事業計画 説明資料と予算案)

2025年度の事業計画について町野庶務理事より報告があり、それに伴う予算案を井村会計理事が報告したのち、出席者の満場一致で承認されました

3)第3号議案:会則の変更の承認(会則第41条(決算、予算の承認)の改定) (⇒資料庫注):④審議事項)

下村基盤委員長

会員専用ページの設定に伴う会則改定について、下村基盤委員長より説明がありました。応化会報は春、秋の年2回の発行から、秋号がオンライン版のみに移行されたことを受け、例年秋号で実施されていた決算書及び予算書の公開方法を『応用化学会の公式ウェブサイトに掲示する』と変更するものです。出席者の満場一致で承認されました

 

4)第4号議案:会長の選任

濱会長より、下村副会長を新会長として推挙し役員会において選出(新任)したのでこれを承認いただきたいとの提案がなされ、出席者の満場一致で承認されました

下村新会長は新任の挨拶として、これまでの応化会活動の方針である「全世代にとって魅力ある応化会活動への進化」を踏襲し、若手を含む幅広い世代の会員ができるだけ参加しやすいような応化会活動の在り方を継続的に検討していきたい、というお話をされました。

下村 啓 新会長 略歴

1984年卒(新制34回)

1986年 修士修了

1986年 日本石油株式会社(現ENEOS株式会社)入社

2018年 ENEOS(株)常務執行役員

2020年 大阪国際石油精製株式会社代表取締役社長

現在ENEOS(株)非常勤アドバイザー

 

3.報告事項

 

1)2025年度役員体制について (⇒2025年度役員体制)

下村会長より2025年度の役員体制と新任役員(理事)及び退任役員について報告されました。その後、新役員(杉村副会長,常見監事)、退任される旧役員(下嶋前副会長,津田前監事)からお一人ずつ挨拶があり、参加者全員により退任される役員のお二人に盛大な拍手が送られた。

2)奨学生の紹介

米久田奨学生推薦副委員長より、今年度の奨学生5名、北村さん(M1)、佐藤さん(M1)、筒井さん(M1)、吉野さん(B4)、三村さん(B3)、が紹介されました。奨学生は揃って登壇し、それぞれ選出への謝辞と今後の抱負などの挨拶をされました。

 米久田奨学生推薦副委員長


5年度奨学生(5名)

野田副会長

4.新副会長挨拶

野田副会長による新任の挨拶と閉会宣言により総会は終了しました。

Ⅱ.先進研究講演会:「応用化学最前線-教員からのメッセージ」

(早稲田大学先進理工学部応用化学科、早稲田応用化学会の共催(司会: 松方庶務理事))

先進研究講演会「応用化学最前線-教員からのメッセージ」は、応用化学科の各研究室の教員が、企業の研究者・技術者や学生に、自らの研究分野を紹介し、その先進性、先導性を熱く語りかける企画です。その後の交流会(懇親会)で、教員、社会人および学生の間の交流を深め、応用化学科の研究についてより一層理解を深めていただく狙いもあり、毎年総会とあわせて企画されています。本年も3名の先生方にご講演いただきました。本間先生は本学常任理事のお立場から、全学の取り組みについてお話くださいました。

1)応用生物化学部門 桐村 光太郎 教授
演題 「応用生物化学の新展開~クエン酸発酵機構の全容解明への取り組み」

2)応用物理化学部門 本間 敬之教授
演題 「創立150周年に向けて ~早稲田大学の研究教育体制の今とこれから~」

3)化学工学部門 花田 信子 准教授
演題「材料とプロセスの両面からの水素貯蔵技術の開拓」

松方庶務理事

桐村光太郎教授

本間敬之教授

花田信子准教授

講演は早稲田応用化学会ホームページの資料庫に格納されております。⇒こちらから

Ⅲ.交流会(懇親会)

場所を63号館1階ロームスクエアへ移し、井村会計理事の司会、下村新会長、杉村新副会長の開会挨拶と乾杯のご発声で交流会(懇親会)がスタートしました。
 懇親会会場では終始和気あいあいとした雰囲気が漂い、卒業生・教員・学生会員の皆さんの間で様々な交流が行われました。中盤には25年度新基盤委員長の臼田理事、中部支部長の上宮理事、梅澤新事務局長と奨学生の皆様のご挨拶がありました。

盛り上がりが続く中、最後は原副会長のご挨拶と井村理事による一丁締めにてお開きとなりました。

下村新会長

杉村新副会長

臼田新基盤委員長

梅澤新事務局長

注) 資料庫に入るためには、ID、パスワードが必要です。ID、パスワードを持っていない方は資料庫入室入り口、もしくは、資料庫入室問い合わせより、ID、パスワードを取得してください。

早稲田応用化学会 第41回交流会講演会

2025年6月28日(土)15:00~16:30 (対面と遠隔方式を併用して開催)

講演者;弓取 修二 氏
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)理事

演題;『持続可能な社会実現に向けたNEDOの取り組み』

副題;「~NEDOを更にご活用頂くために~」

弓取 修二 氏

講演者略歴

1983年 3月早稲田大学 理工学部 応用化学科 卒業 (城塚研究室 新制33回)

1985年 3月早稲田大学 大学院 理工学研究科 応用化学専攻 化学工学専修 修了(城塚研究室)

1985年 4月株式会社 神戸製鋼所 入社

2001年 7月新エネルギー・産業技術総合開発機構 入構

2014年 4月独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ロボット・機械システム部長

2016年 3月博士(工学)(同志社大学)

2016年 4月国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ロボット・AI部長

2021年10月同 理事(再生可能エネルギー全般、水素、蓄電池、燃料電池など)

2023年10月同 理事(再任)(事業統括、国際事業統括、GI基金、SU支援事業など)

はじめに

今回は、対面と遠隔方式を併用して開催致しました。先月[5月24日(土)]開催された早稲田応用化学会総会にて決定されました新体制発足後、初の交流会講演会です。

対面方式で使用した会場;西早稲田キャンパス 57号館 201教室

遠隔方式で使用したソフト;遠隔会議用ソフト Zoom

参加者:対面方式;48名(卒業生35名[講演者を含む]、在校生13名)

遠隔方式;23名(卒業生12名[先生を含む]、在校生11名)

まず椎名交流委員長による開会宣言と自己紹介、及び視聴に当たっての依頼事項の説明があった後、新体制発足により新しく会長に就任された下村会長から開会のご挨拶を頂きました。

下村会長
椎名交流委員長

下村会長の開会のご挨拶

皆さま、こんにちは。

本日は、早稲田応用化学会主催の「第41回 交流会講演会」にご参加いただき、誠にありがとうございます。ご多忙の中ご講演をお引き受けいただいた弓取修二様にも、心より御礼申し上げます。この交流会講演会は、回を重ねて今回で第41回を迎えました。かつては年に1回の開催だった時期もあったと伺っておりますが、長年にわたり継続されてきたことは、応用化学会の活動の一つの柱として大変意義深いものと感じております。

本講演会には、シニア世代の皆様、現役でご活躍中の会員の皆様、そして本日も関心を持ってご参加いただいている学生の皆さんと、世代・立場を越えた多様な方々にご参加いただいております。そのような皆様に向け、学術的な内容にとどまらず、企業における先進的な取り組みやイノベーションに関する講演など、幅広いテーマでの発信を続けてまいりました。

今回ご講演をいただく弓取修二様は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の理事としてご活躍されています。弓取様のご経歴の詳細は、後ほどあらためてご紹介がございますが、私自身も学生時代に接点があり、個人的にも非常に懐かしく、今回お会いできることを楽しみにしておりました。

また、奇遇なことに私の高校の同級生がかつてNEDOに在籍しており、「弓取さんとは以前、電池関連の業務で関わったことがある」との話を聞き、あらためて人と人との縁の不思議さを実感した次第です。

先ほど、弓取様と少しお話をさせていただいた際にも、その豊かなご経験と知見の広さにあらためて感銘を受けました。本日は、若い世代の皆さんへの示唆に富んだ内容はもちろんのこと、シニア世代の私たちにとっても大いに刺激を受けるようなお話をいただけるものと期待しております。

このように、本講演会は世代や専門領域を超えてつながる貴重な機会であり、今後も会員の皆様が交流を深める場として、継続的に発展させていきたいと考えております。講演後には懇親会も予定されておりますので、ぜひ活発な交流を通じて、応用化学の未来をともに切り拓く仲間として、さらに絆を深めていただければと思います。

最後になりますが、この貴重な機会をご提供くださった弓取様に、あらためて感謝の意を表し、私のご挨拶とさせていただきます。

本日はどうぞよろしくお願いいたします。

続いて椎名交流委員長から講演者の略歴が紹介された後、講演が始まりました。
講演の概要 ==⇒ こちら【新しいタブで開きます】

講演終了後、対面参加者2名と講演者との質疑応答が行われました。その概要についても上記のリンク先のページ末尾に掲載しております。

最後に、早稲田応用化学会の原副会長から閉会のご挨拶を頂きました。

原副会長

原副会長の閉会のご挨拶

弓取さん、どうも有難うございました。そして参加して頂いた皆さん、どうも有難うございました。今日は本当に貴重なお話をして頂きました。冒頭、弓取さんからお話しがありましたように、幅広い世代に興味が持てる内容でした。私は今石油会社に勤めておりますので、NEDOさんとはそれなりにお付き合いがありますが、勉強不足でこんなに広いプロジェクト範囲があるのは今日初めて知りました。私のイメージとしてはエネルギー関係の業務が多いのではないかと思っていたのですが、スタートアップの支援とかそういった幅広いところがあるわけです。皆さんにとっても今後コネクションを広げて頂いて、これからの色々な仕事に役立つのではないかと思いました。

仕事をしていると自分の仕事のことしか分からないということがありまして、こういった機会に幅広い情報を頂けるのは非常に貴重だと思いました。今日はこの場で終わりますが、懇親会もありますし、何かあれば応化会を通じて弓取さんと情報交換も出来ると思います。引き続きこの応化会の活動の一部として今後も皆さんのコネクションを強くして頂ければ、と思います。本日は有難うございました。

この後、椎名交流委員長からアンケート回答についてのお願いと、対面参加者への懇親会の案内があった後、閉会となりました。

当日の参加者の写真
対面での参加者

遠隔での参加者

対面での参加者は講演会場での写真撮影後、56号館地下1階理工カフェテリアに場所を移し、懇親会を行いました。

懇親会

杉村副会長

鈴木交流委員の司会により、新体制発足によって新しく副会長に就任された杉村副会長から、開会のご挨拶と乾杯のご発声を頂いた後、懇親会が始まりました。

弓取氏を囲んだ人たちの輪とか、旧交を温めるOB/OGの人たちの輪が会場のあちこちに出来て、大いに盛り上がりました。

応援部学生のパフォーマンス

早稲田大学応援部 リーダー3年 野口さん

懇親会の終盤には早稲田大学応援部の学生によるパフォーマンスが披露されました。校歌、エールで参加者が声を合わせ、応化会の団結を確認し今後益々の発展を誓いました。なお、今回初めてGoods販売も行われました。

下村会長
北村学生委員長

最後に、早稲田応用化学会の下村会長からいつもの力強い中締めのご挨拶を頂き、北村学生委員長の一丁締めにて散会となりました。

講演会・懇親会のスナップ写真は下のボタンをクリックしてご覧ください。

【新しいタブで開きます】

 

(文責;交流委員会)

2025/8/6 三菱ケミカル本社見学実施報告(学生委員会)

三菱ケミカルの本社見学をさせていただきました。B1~B3の学生26名が参加し、とても貴重な経験となりました。見学では、会社紹介の後に、バーチャル映像によるSDGsの体験と展示ブースの見学を行いました。

詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら

若手会(NACs)活動報告【2025 縦割り交流会 事前交流会】

2025年6月7日に縦割り交流会が開催されました。

当日参加予定のOBOGに声をかけ有志で社会人同士の事前交流会を開催しました。

今年度は参加者6名でした。キャリアをテーマとしたトークを行い、少ない人数で各自のキャリア選択について深い対話ができました。

入社前に描いていたキャリア像に対して着実にキャリアを積み重ねている人もいれば、入社後に自分が思い描いていたキャリアとギャップを感じて他業界へ転職した人、入社後に事業環境の変化や自身が身に着けたスキルによって目指すキャリア像が変わった人もいました。

キャリアはその時々の環境変化によって大きく変わります。事業環境変化、ライフステージの変化、社内外でのとある人物との出会い、など影響を与える要因は様々です。

そのなかで自分が大切にしたい価値観は何かを考え続け、時に大きく転換することもありながらキャリアを積み重ねていくことになります。

キャリアについては正解が無く、良い悪いということが無いと私は思っております。ゆえに私も含め、様々な選択肢の中で悩んでいる人が多いと感じます。

そんな時に自分や他の人たちがどういう考えのもとにそのキャリアを選択してきたかを話し合っていくことは、お互いにとって学びや気づきが多いと感じました。

応用化学会のOBOGのネットワークを活用して定期的に対話をすることは非常に意義あることだと感じた次第でした。

今後もこういった機会を設けて若手卒業生の交流を促していきます。

若手会の活動に興味がある方はぜひ下記までご連絡ください。

naganobu.oyama@gmail.com

 

(文責:大山)