2017年度総会、先進講演会および懇親会のご案内 (会場変更と参加登録)

57号館2階201教室が確保できましたので、会場をこちらに変更いたします。  

2017年2月14日
早稲田応用化学会 会長 三浦 千太郎

今年は4月22日の土曜日開催といたします。又昨年に引き続き先進研究講演会を応用化学科と共催で開催します。応用化学科の研究に関する理解を深めて頂くために企画いたしました。万障お繰り合わせの上、ご出席いただきますようお願い致します。 出席申込は下記ボタンのLink先からお願いいたします。

総会、先進講演会、懇親会 参加登録はこちら

 

日 時:     2017年4月22日(土)13:00~19:00
場 所:    早稲田大学西早稲田キャンパス
                57号館2階201教室   55号館1階大会議室
                56号館1階カフェテリア(交流会)

※ 定期総会        13時00分~14時45分 

※ 先進研究講演会  15時00分~17時00分 

 「応用化学最前線-教員からのメッセージ」 プログラム

  1. 有機合成化学分野 山口潤一郎 准教授
       「演題 芳香族分子の新奇カップリング法・合成法の開発」
  2. 触媒化学分野 松方正彦 教授
       「演題 膜分離技術を用いた革新的化学プロセスの創生」
  3. 応用物理化学分野 本間敬之 教授
       「演題 テラワット級太陽光発電のためのプロセス技術革新」
  4. 応用生物化学分野 桐村光太郎 教授
       「演題 応用生物化学の新展開:KIS-BIOTECHNOLOGY」

※ 交流会(懇親会)  17時30分~19時00分               
              懇親会費 3,000円  (夫婦同伴の場合 5,000円)
              学生無料

総会会場、懇親会場では応化会HP掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。

以上

 

 

 

2017年度の関西支部(早桜会)総会のご案内


 2017年度の関西支部(早桜会)総会を下記要領で開催します。 ぜひご出席のほど、よろしくお願いいたします。

日時 2017年4月1日(土)
17:00 総会
18:00 懇親会
場所 中央電気倶楽部(大阪・堂島浜) http://www.chuodenki-club.or.jp/
大阪市北区堂島浜 2-1-25  06‐6345‐6351
総会  : 213号室
懇親会 : 特別食堂

 

総長招待とは

総長招待とは、毎年早稲田大学の学生として学術・芸術・スポーツなどの様々な分野で、特にめざましい活躍、すばらしい体験などをした学生の皆さんを総長が招いて、さらなる飛躍を願って、食事をとりながら親しく懇談する会です。

本年度、応用科学科から招待された3名とその功績は下記の通りです。

  • 早稲田応用化学会学生委員会
    安藤英悟君 修士1年  西出・小柳津・須賀研究室
    石原真由君 学部4年 菅原研究室
    福井宏佳君 学部4年 黒田・下嶋・和田研究室

  • 業績
    本年、創立百周年を迎える応用化学科のOB・OG会である早稲田応用化学会は、理工系で最もアクティブに各種イベントを開催し学科の発展にも貢献しており、中でも学生委員会は特に重要な役割を任され、数々の実績を示してきた。

2016年度 総長招待 学生の集い 報告

 左より 安藤英悟、福井宏佳、鎌田薫総長、石原真由

  3月16日、早稲田大学大隈ガーデンハウスにて、2016年度総長招待学生の集いが行われました。200名以上を超える招待者が一堂に会し、早稲田大学の鎌田薫総長を囲んで食事を楽しみました。応用化学会学生委員会からも、3名の学生(M1 安藤英悟、B4 石原真由、B4 福井宏佳) が学術院推薦者として招かれました。

 初めに鎌田総長からのご挨拶があり、乾杯をした後には鎌田総長と写真を撮ろうと長蛇の列ができ、われわれ学生委員もその列に並んで総長と写真を撮らせていただきました。

その後は、普段あまり交流のない様々な学部・学科から招待された学生たちと交流し、有意義な時間を過ごすことができました。

 会も終盤になり、招待された学生たちには記念品として招待者限定のUSBを授与されました。また、早稲田大学応援部の先導で、全員で校歌を1-3番まで斉唱しました。司会者の方の「早稲田大学校歌は第二の国歌である」という言葉が印象的でした。最後に学生部長からのご挨拶で会は締めくくられました。

 応用化学科は今年で100周年ということもあり、今回のイベントにわれわれ学生委員が招待されたことはとても名誉なことで、記念すべき経験だと感じました。

文責 石原 真由

各受賞者の研究テーマ

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水野賞受賞者

相田 冬樹 君

  • ジフェニルジスルフィドからのポリ(1,4-フェニレンスルフィド)合成とその酸化重合機構

松田 翔風 君

  • 磁気特性を制御したフェライトナノ粒子の磁気ハイパーサーミアおよびバイオテクノロジー応用

AHN, Seongki 君

  • Si-based anode on three-dimensional carbonaceous substrates for lithium batteries

伊知地 真澄 君

  • 反応晶析法による金および白金微粒子の粒径制御

ヴォダルツ ジギー 君

  • Fabrication of Ferromagnetic Nanostructures via Analysis and Control of Electrochemical Nucleation Process

加藤 遼 君

  • 高分子型水素キャリア:合成と電解水素化

佐川 直也 君

  • 新奇遠隔不斉誘導反応の開発と抗生物質coprophilinの合成への応用

佐々田 哲人 君

  • レドックス活性をもつ超分子とその電荷輸送・貯蔵能

孫 瑩瑩 君

  • In-situ analysis on interfacial nano-structures and reactions by using surface-enhanced Raman spectroscopy

徳江 洋 君

  • 電荷貯蔵材料としてのラジカルポリマーとそのレドックスメディエーションに基づく電荷輸送

矢部 智宏 君

  • Low-Temperature Catalytic Methane Conversion Using Carbon Dioxide in an Electric Field

 

水野敏行奨学金受給者

牛木 涼友 君

  • Pt,Feイオンを交換したゼオライトを用いた低級炭化水素の転換反応

王 宇 君

  • アイソタクチックポリアクリロニトリルの精密合成およびその誘電特性

佐藤 尚人 君

  • シラノール基の水素結合を利用したシロキサン系結晶性多孔体の精密合成

堀 圭佑 君

  • カーボンナノチューブスポンジ膜への硫黄包含によるリチウム硫黄電池正極の開発

 

里見奨学金受給者

池 勇樹 君

  • 超音波照射によるL-アルギニン塩酸塩の核化誘導および多形制御

小栗 輔矩 君

  • 低温での電場印加反応場におけるメタンのTri-reforming

 

中曽根荘三奨学金受給者

川井 拓真 君

  • 優れた電荷貯蔵能を有するアントラキノンポリマーの合成と電気化学特性

丸尾 浩史 君

  • 電気化学反応におけるポリビオロゲン/酸化亜鉛複合体の形成と電荷貯蔵能

 

応用化学会給付奨学金受給者

池 勇樹 君

  • 超音波照射によるL-アルギニン塩酸塩の核化誘導および多形制御

 

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2016年度 応用化学専攻 褒賞・奨学金授与式 Gallery

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酒井先生 講演趣意 (2017年3月9日)

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備蓄·緊急投与が可能な人工赤血球製剤の実用化を目指す研究 

酒井宏水 教授

血液中に存在するタンパク質のうち、最も沢山あるのが酸素を結合するヘムタンパク質のヘモグロビン(Hb)で、その濃度は12 – 15 g/dLである。血液のもつ機能のうち、酸素の輸送が生命の維持にとって如何に重要であるかを示している。このHbは赤血球内に高濃度(35 g/dL)に封じ込められている。最も沢山あるタンパク質であるにも拘らず、赤血球から一旦漏出すると、様々な副作用(毒性)を示す。赤血球は進化の過程で酸素輸送に専念するために核を捨ててきた細胞と言われている。赤血球は球形ではなく両凹円板型(満たされない袋)のため変形能があり、自身の長径(8 µm)よりも細い毛細血管 (〜 4 µm)でも変形して通過できる。酸素のみならず二酸化炭素の運搬にも寄与し、また血液の全容積の50%近くを占有し、血液レオロジーの支配因子でもある。巧妙に設計され機能する本物の赤血球には及ばない点もあるが、我々は、赤血球と同等の酸素輸送機能をもつ微粒子:人工赤血球(ヘモグロビン ベシクル, Hb-V)の濃厚分散液をつくり、これを新しい医薬品として実用化を目指す研究を進めている。この人工赤血球は、早稲田大学で開発されたものである。 人工赤血球は本物の赤血球を凌ぐ性能もある。① 加熱処理(60℃)・ナノフィルトレーションを経た高純度Hbを用いるので、血液型がなく、病原体を含まず、② リポソーム粒子表面のPEG修飾と脱酸素化により2年間の備蓄が可能であり、いつでもどこでも必要時に投与できること、③ 小粒径(250 nm)で血漿層に均一に分散して流動し、赤血球が通過出来ない狭窄血管なども通過できること、などである。また、④ 赤血球と同じ細胞型(カプセル)構造と最適粒子径により、Hbと内因性NO, COとの反応を抑制すること、⑤ 優れた血液適合性を有し、老化赤血球と同様に最終的にRESに捕捉され分解・排泄されることが明らかになっている。人工赤血球の効能として、⑥ 出血性ショック、あるいは制御不能出血に対する投与では赤血球輸血と同等の蘇生効果を示すこと、⑦ 小粒径の特徴を活かすことにより、脳梗塞モデルにおいて梗塞巣を縮小すること、皮弁モデルの虚血領域の酸素化と創傷治癒効果が得られること、妊娠中毒症モデルにおいて胎盤の狭窄血管を経由し胎仔に酸素を供給すること、⑧ 摘出臓器の灌流液として有効であること、他方、⑨ 一酸化炭素(CO)を結合したHb-Vの投与では、COの徐放により虚血再灌流障害の低減や細胞保護効果を示す(毒をもって毒を制する)こと、などが明らかになってきた。

現在、本研究は日本医療研究開発機構(AMED)臨床研究・治験推進研究事業として推進され、アカデミアのコンソーシアムが主体となって研究を進め、治験に橋渡しすることを目指している。

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2016年度 応用化学専攻 褒賞、奨学金 授与式

2017年3月9日(木)午後3時30分から理工学術院西早稲田キャンパス62号館W棟1階大会議室にて下嶋敦准教授の司会により式次第に則り2016年度 応用化学専攻 褒賞、奨学金 授与式が執り行われました。

司会 下嶋敦准教授

式次第

先ず、開会にあたり松方正彦主任教授からそれぞれの褒賞・奨学金の成り立ちを説明され、「応用化学科、応用化学専攻の数多くの諸先輩方のお気持ちによる褒賞、奨学金の重みを、受賞者の皆さんには噛みしめ欲しいと思います。」 との挨拶を頂きました。

松方正彦主任教授

引き続き大学院先進理工学研究科長 若尾 真治教授から祝辞として、「応用化学科は、1917年に本科として設立してから、100年を迎える非常に歴史のある学科で、卒業生には世界規模での活躍があるとともに母校への多大な寄与もある伝統の重みがあります。若い方々はこの重みを励みと思って次の100年に是非繋げてもらいたいと思います。」とのお言葉を頂きました。

先進理工学研究科長 若尾真治教授

水野賞、水野敏行奨学金、里見奨学金、中曽根荘三奨学金、応用化学会給付奨学金 授与式

大学院研究科長の若尾 真治教授から、水野賞が、松方主任教授から水野敏行奨学金、里見奨学金、中曽根荘三奨学金、応用化学会給付奨学金が、各表彰、奨学金受給者一人ひとりに賞状、証書を授与されました。

  • 水野賞受賞者

相田 冬樹 君、松田 翔風 君、AHN Seongki 君、伊知地 真澄 君、ヴォダルツ ジギー 君、加藤 遼 君、佐川 直也 君、佐々田 哲人 君、孫 瑩瑩 君、徳江 洋 君、矢部 智宏 君 

  • 水野敏行奨学金

牛木 涼友 君、王 宇 君、佐藤 尚人 君、堀 圭佑 君、

  • 里見奨学金

池 勇樹 君、小栗 輔矩 君

  • 中曽根荘三奨学金

川井 拓真 君、丸尾 浩史 君

  • 応用化学会給付奨学金

池 勇樹 君

 

来賓ご祝辞  早稲田応用化学会会長 三浦 千太郎 様

三浦千太郎 応化会会長

 三浦会長からは「本日は本当におめでとうございます。ご案内のように早稲田大学応用化学科には大変多くの褒賞制度が作られてきており、諸先輩達の学生を支援する非常に強い、そして稀有な思いがこれらの充実した制度を作り上げてきたものであります。本日受賞された皆さんは早稲田大学の誇るべき人材でありますが、この制度の恩恵に預かったお返しに、後輩達への責務を今日から担っていくと言うことをお考え下さい。そして、いずれ皆さんも社会に出て行くわけで、それなりに経済的な自立が出来た折には、是非今日の日を思い起こしてください。」とのご挨拶を頂きました。

受賞者代表挨拶 AHN Seongki君 

AHN Seongki君

受賞者を代表して、AHN Seongki君から「このたび水野賞を応用化学専攻より授かる幸運に恵まれ、受賞者一同身に余る光栄でございます。そして今回の受賞および博士の学位の取得は、9年間に亘り化学の面白さをご教授いただいた諸先生方、応用化学科を支えてくださいます諸先輩方のお蔭であり、厚く御礼申し上げます。このような素晴らしい賞をいただいたことに対して、水野敏行様ならびにご遺族の方々に深く感謝し、より一層の精進していくことを誓います。」 との代表挨拶がありました。

記念講演会  奈良県立医科大学 医学部 教授 酒井 宏水 先生 

奈良県立医科大学 酒井 宏水教授

「備蓄・緊急投与が可能な人工赤血球製剤の実用化を目指す研究」とのタイトルで、ご自身の歩んだ道筋の解説を交え、研究に取り組む姿勢や新しい分野への挑戦について、今後社会に踏み出す学生・研究員に向けて分かりやすく解説をしていただきました。

特に印象に残ったスライドの中の言葉を下記に示します。

  • 「研究に没頭する時間を頂けたことに感謝。
  • 研究室の先生方、先輩、後輩に感謝。
  •  共同研究者に感謝。
  • 両親、家族に感謝。
  • 継続は力なり。
  •  同じ対象でも、視点を変えると色々なことがわかってくる。
  •  同じ対象でも、継続してやると、体系づけることができる。」 

本題の趣意は下記ボタンから

  

引き続き、各受賞者の対象論文のポスター発表が行われました。

    • 水野賞受賞者
    • 水野敏行奨学金受給者
    • 里見奨学金受給者
    • 中曽根荘三奨学金受給者
    • 応用化学会給付奨学金受給者

 懇親会 

懇親会は、ポスター発表に引き続き中会議室にて開催されました。記念講演をされた酒井教授を交えて和やかに談笑の輪が広がり、予定通り19時過ぎにお開きとなりました。

 

文責・広報委員会 井上健(新19回)

 

 

第14回 先生への突撃インタビュー(本間敬之教授)

「先生への突撃インタビュー」の再開の2番バッター(第14回)として本間敬之教授にご登場願うことにしました。

今回は新しい試みとして、学生にもインタビュアーとして参加をしてもらい、応化会の本来の姿である先生・学生・OBの3者による合作を目指しました。
本間先生もこの試みに快く賛同していただきましたことを、この場をお借りしてお礼申し上げます。
本間先生は、皆様ご承知のとおり、1987年早稲田大学理工学部卒業、92年同大学院博士後期課程修了・工学博士、1991年早稲田大学助手、同専任講師、助教授を経て2005年より教授、1997年‐1998年スタンフォード大学客員准教授、1998年より米国国立科学財団シリコンウェハ工学研究センター兼任研究員を兼任されています。

先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?

~~~真理を追い求めたいとの気持ちの延長線~~~
少年時代は寧ろ理科少年というよりは、剣道をやったり、文学にも興味を持ったりの時代を過ごしました。高校以降は、答えが決まっているものよりは、わからないものへの興味、特に現象を観察することに強い関心がありました。また、原理を数式化するといった概念的なことより、原子や分子の実際の姿を見てみるような分野に惹かれていきました。その流れの中で、修士から博士に進む際には世界を相手に活躍したいが、実業よりは学究の分野で極めてみたいと思うようになりました。丁度その頃、走査トンネル顕微鏡という新しい手法が発明され、これをツールに固液界面を自分の目で確かめてみようという研究に入り込んだのが現在の道に進む流れとなりました。

先生のご専門の流れとその内容をご紹介いただけませんか?

~~~固液界面反応系が主な対象~~~
いま申し上げたような固液界面反応系が私の主な研究の対象です。バルクにはない特異な性質を持つ固体表面や、その液相側の分子との複雑な相互作用をよく理解することにより、シンプルでありながら非常に高度な制御が可能なプロセス設計と,それによる新しい高機能材料・デバイスの開発を目指しています。併せて、その実現のための実験的、理論的解析のための方法論の確立も進めています。具体的なターゲットは、超高密度データストレージデバイスやセンシングデバイス、太陽電池や熱電変換素子、大規模蓄電池といったエネルギー関連などです。またプラズモンセンサを使った超高感度な顕微ラマン分光や非経験的分子軌道法によるモデリングなど、高度な解析のための実験的、理論的手法の開発にも力を入れています。

先生の研究を進めるうえでのポイントはどういうことをお考えですか?

~~~インターフェース・マルチスケール・理論と実験 がキーワード~~~
化学の世界では個々の原子や分子の様子に目が行きがちですが、実際のものづくりでは、物質と物質を繋ぐ界面も非常に大切です。そして、その界面を理解し、制御することこそが機能や性質を最大限に活かせる道につながると思っています。また、ナノスケールでの精密な理解や制御は重要ですが,これをナノ・マイクロ・ミリからさらに大きなスケールへと理解や現象を繋げる、或いは展開していかないと実際のデバイスなどが上手く動きません。更に、試行錯誤の大切さと共に、得られた実験結果を如何に理論的な裏付けと繋げるか、が大切だと痛感しています。例えば樹脂やセラミックス表面に直接金属薄膜を形成できる無電解析出法は工業的にも広く使われていますが、その反応機構は全くブラックボックスで、プロセス開発は試行錯誤的なアプローチによっています。これを理論的に解明し積極的な反応設計ができるようにしたいと思いましたが世界的にも先行研究がなく、結局自分たちでゼロからモデルを構築して検討を進め、さらに実験結果とのつながりを追及しています。

研究の今後の展開に向けてのお考えは?

~~~自分たちの分野での大規模なスケールでの応用展開を~~~
ナノの精密な設計・制御をマクロに展開可能なマルチスケールなプロセスを実現し、現在使われている太陽電池や二次電池、データストレージデバイスなどの限界を超えるような新しい材料やデバイスに展開していきたいと思っています。

応用化学科の世代による見方がいろいろありそうですが?

~~~今の学生は真面目?~~~
大学の重要な使命である、社会への人材の提供という役割を果たしていきたいと思っています。特に、まっさらな白紙に自在に絵を描けるような人や、学生時代に学んだことを応用展開できるような人材を育てたいと考えています。一方、昨今は幼少期から学ぶことが多くなり、また常に失敗をしないようにという意識で育ってくる学生が増えているようにも思います。時代背景や社会の要請等により色々な違いもありますが、失敗を恐れず、修士課程や博士課程でより多くの経験を積んで欲しいとも思います。

応用化学会の活動への期待

~~~不変のネットワーク~~~
学校本体では人が入れ替わりネットワークも変化していく訳ですが、不変のネットワークという面での応用化学会は非常に重要な組織だと思います。また、最近現役学生の活動も活発になっているようで、ネットワークの質も上がってくるものと期待しています。

21世紀を担う皆さんへ、メッセージをお願いします。

~~~ツールをきちんと使い、フェイス・トゥ・フェイスを大切に~~~
ハードウェアという意味では、生身の人間の身体能力や感性は、ここ数千年というオーダーではあまり進化していないのだと思います。目覚ましい発展を遂げたのは、様々なツールを発達させてきたからに他なりません。化学の世界でも、かつては難しかった精密な実験や計測が簡単にできるようになっています。ツールは発達し、データはどんどん取れるようになりますが、プロフェッショナルになるにはツールの単なるユーザーでなく、原理や背景、そして得られたデータの意味するところを十分理解できる力がますます問われるようになっています。道具に頼り過ぎると頭も身体も鈍るともいわれています。是非自分の頭と身体を使って体得して欲しいと思います。また、コミュニケーションもツールが発達していますが、矢張り、フェイス・トゥ・フェイス(FtoF)の場面は重要です。例えば過去数十年に渡り、常に世界最先端の技術革新を生み出す中心となっているシリコンバレーでも、FtoFを可能にするコミュニティがあってこそ成り立っているということも、そこに住んで仕事をした経験から実感として認識しています。加えて、時間軸のスケールも良く考える必要があります。これから生まれる子どもたちは22世紀を生きることになります。ですから今の学生さんたちは、21世紀をどう支えるかはもちろん、22世紀をどうつくっていくか、という意識で頑張って欲しいと思います。                        ―了―

2月3日インタビュー(聞き手&文責:広報委員会 井上 健(新19回)・神守広一郎(広報班学部2年))

研究概要紹介
 シリーズ未来の早稲田を担う研究者 第4回
   https://www.waseda.jp/inst/nanolife/news/2016/11/14/1145/
 キャンパスナウ
   http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/campus/class_1104.html

研究プロジェクト紹介
 JST-CREST「太陽光を利用した独創的クリーンエネルギー生成技術の創出」
   http://www.jst.go.jp/crest/pv/research/h23_index.html#23_honma

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過去の突撃インタビュー

「先輩からのメッセージ2017」開催報告

フォーラム 第9回「先輩からのメッセージ2017」 を2017年1月21日(土)に開催致しました。
その概要をここに報告いたします。
 

 早稲田応用化学会のホームページには学生向けのコンテンツの一つとして「企業ガイダンス」掲載欄を設けており、新規企業7社が加わって76社に参加いただいている。本年の経団連の「採用選考に関する指針(2016.9.20改訂)」は昨年と変わらず、会社説明会等の広報活動開始時期は3月とされましたが、本セミナーは、採用に向けた会社説明会とは異なり、先輩の眼を通じた各企業のアクティヴィティ、社会人としての過ごし方や後輩への期待等を話していただく、学生の進路選定の一助、キャリア教育の一環であることから、大学側と慎重に協議いたしました結果、開催日を1月21日(土)といたしました。これに基づき、掲載企業に「先輩からのメッセージ2017」への参加をお願いしたところ、64社からご賛同をいただき第9回の開催の運びとなりました。

挨拶 魚森交流委員長

ビジネス現場の第一線で活躍中の身近な世代の先輩がそれぞれの企業の特徴、ビジネスモデル、講演者自身のビジネスライフの様態、キャリア開発の実績、求められる人材像など、限られた時間内でコンパクトにまとめて講演いただきました。企業からの参加者は講演者、同行者を合わせて約130名に参加いただきました。学生の参加数は年度ごとの修士人数変動もあり総数は209名と昨年比92%となりましたが、昨年に比し早目の1月の開催ということもあり、10社以上の講演を聴講した学生比率が増え、1社あたりの講演聴講者数は昨年の120%と大盛会となりました。この中には学部1、2、3年生および他学部・他学科の参加も多く見られました。  

オリエンテーション 和田宏明教授

 

フォーラム開始前のオリエンテーションで主催者を代表して魚森交流委員長の開会挨拶、教室を代表して和田宏明教授から参加企業への感謝とご挨拶、保谷交流副委員長から講演についての注意・お願い事項の説明後、12:30より一斉に講演のスタートが切られました。会場は6教室で、これまでと同様に前半と後半の2部制として各社2回の講演を行っていただき、参加学生が希望する企業の講演をできる限り聴講できるようにしております。また、企業控室として使用の教室では、特別講演として桐村光太郎教授による「応用化学科・応用化学専攻の現状とこれから(創立100周年を迎えて)」と和田宏明教授による「応用化学科の就職関連活動および早稲田応用化学会の活動」をそれぞれ30分で2回講演いただきました。

特別講演 桐村光太郎教授

特別講演 和田宏明教授

(各企業のショートトークのGalleryは下のボタンから)

201、202教室 203、301教室  302、303教室

 講演会終了後は参加いただきました企業在籍のOB・OGおよび同行者を囲んで懇談会を催しました。企業側、学生出席者多数で大盛況の懇談会となりました。主催者を代表して三浦会長から参加企業への御礼挨拶、西出教授の乾杯発声をかわきりに懇親を深め、フォーラムの延長となる学生と企業との質疑応答を含めて話が弾み、会場は熱気にあふれました。学生にとっては昼間のフォーラム、夕刻からの懇談会を通して、日常の学習、研究に加えて、将来の進路選定への貴重なアドバイスを先輩諸兄から頂戴し、学んだことも多かったものと確信しています。橋本副会長の中締めの挨拶、田中学生交流委員長の一本締めをもって全プログラムを盛況のうちに終了いたしました。

懇談会の模様(懇談会のスナップ写真は下のボタンから)

  懇談会場 

今回のフォーラムにご賛同、ご支援いただきました企業、および熱気溢れる講演、懇談会における後輩を思いやる親身なアドバイスをいただきました先輩と、同行された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

(文責 交流委員会 写真 広報委員会)

 

 

Ⅰ プログラム概要

  1. 日時  2017年1月21日(土) 
  2. 会場  西早稲田キャンパス54号館2F、3F、4F教室
  3. 受付  企業関係者は講演会場にて11:00から、学生は54号館101教室で12:00から
  4. 内容  オリエンテーション    12:00~12:20(企業関係者)
          講演会(第1部)     12:30~15:13
          講演会(第2部)     15:30~18:13
          懇談会          18:30~20;00(63号館)
  5. 対象学生 学部生、大学院生(修士、博士)およびポスドク
    (進路選定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程修了予定者およびポスドクを参加の主体とし、将来へ備えての学部1,2,4年、修士2年の参加も歓迎)
  6. 対象学科 応用化学科、応用化学専攻、化学・生命科学科および専攻、生命医科学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等(学部、研究科、学科、専攻を問いません)

Ⅱ 「先輩からのメッセージ2017」教室番号、タイムスケジュール(54号館)

Ⅲ 「先輩からのメッセージ2017」特別講演スケジュール

Ⅳ 参加した学生(フォーラム参加学生の詳細)

それ以外の学生は化学・生命化学専攻、生命医科学専攻、ナノ理工学専攻、先進理工学部研究科、地球・環境資源理工学専攻、電気・情報生命工学科、人間科学研究科、理学科

Ⅴ アンケート」を踏まえての総括

1.今回のフォーラムの全体的な評価

学生は満足とほぼ満足を合計すると98%、企業参加者の回答では満足とほぼ満足の合計で97%と 参加者はほぼ満足との評価であった。
質問に対し多岐にわたる回答があったが多かったものをまとめると次の通りである。

1) 学生からの回答

  1. いろいろな企業が一堂に会していて業界を知ることができてよかった。  また知らなかった企業、化学系以外の企業も知ることができた。
  2. OB・OGから仕事や生活の具体的な話が聞けて参考になった。

2) 企業参加者からの回答

  1. 1月開催で、学生が就職先を絞り込む前に聞いてもらえて良かった。学生にとっても業界研究の時間が確保されると思う。
  2. 学生が積極的に話しかけてきたこと、志望度の高い学生と話せたことなどが好印象であった。

2.運営について

  1. 講演時間の13分/社については企業の76%、学生の72%が適当と答えたものの、短いとの回答が1/4程度ある。また、学生の入れ替え時間が短いとの意見も多い。参加企業数も増えてきており、施設規模、運営陣容を含め今後の課題となる。
  2. 会場については学生の26%が講演企業によるが狭いと回答しており、オリエンテーション会場も含めて改善が必要と思われる。
  3. 開催時期は、学生の70%が1月開催で良かったと回答。企業からも、絞り込む前に幅広く知ってもらうということを評価する声も多い。 本フォーラムは、経団連指針による会社説明会と趣旨を分けていることもあり、来年の開催時期については教室側と充分協議のうえ早めに情報発信したい。
  4. 懇談会は年々参加者が増え、会場が狭いという意見が多いが、学校側の方針でロームスクエア全部を懇談会に使えないことで今後の課題となる。

3.まとめと次回開催に向けた課題

  本年は教室からの積極的な紹介もあり新規参加7社を加え64社と最大の参加となった。学生も200名を超え、1月開催ということもあり、83%が10社以上を聴講するという熱気にあふれたフォーラムとなった。学生は優良企業からの具体的な情報が得られ、企業側も自社に対する理解を深めてもらうという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価につながったものと思われる。

  学生側からは講演時間が短い、会場移動があわただしい、企業によっては会場が狭い、企業側からは講演時間が短い、待機時間が長いといった相反する改善希望点も指摘されている。

  今後の参加企業として、食品・飲料、医薬・化粧品、自動車などが希望されており、また電機やITなど現在参加が少ない業種へのアプローチも課題となる。一方、今回のオブザーバ参加会社を含め、次年度の参加を検討いただいている企業もあり、講演時間の要望も考慮すると、施設面、運営人員面での課題も大きく、複数日開催も視野に、教室側と連携をとって次年度の運営を早めに議論していくことが求められている。

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(文責 交流委員会)