卒業生会員」カテゴリーアーカイブ

第9回早稲田応用化学会シニア会開催報告

現在早稲田応用化学会シニア会は、早稲田応用化学会活動に参加してきたシニアの対象を(70歳以上)として開催致しております。第9回シニア会は新宿中村屋Grannaで12月17日(土)、25名が参加して開催されました。

コロナ感染の影響で実に3年間以上開催が見送られてきました。本年に入り世話人会で感染状況を注意深く見守りながら開催に向けた準備をして参りました。応用化学会100周年も来年に控え、第7波が終息した時点で開催可能と判断し会員に案内を致しました。直前で若干のご出席ご辞退はありましたが、25名が参集することが出来ました。大学関係者として、竜田邦明栄誉フェロー及び応用化学会元会長の西出宏之特任研究教授(新20)がお忙しい中、駆けつけて下さいました。

世話人でもある下井将惟氏(13)が司会を勤めさせて頂きました。先ず第8回懇親会(2019年10月6日)以降、この3ヵ年でご逝去された上田忠雄(旧32)、太田昭(旧25)、坪井彦忠(新15)、見並勝佳(新17)、中岡敏雄(旧17)、中川文博氏(新07)のご冥福をお祈りしシニア会として1分間の黙祷をさせて頂きました。

最初に河村宏氏(新9)の乾杯ご発声で懇親会は開始されました。ご挨拶では、本会の前身のグランドシニア会や本会シニア会発足の経緯をご紹介頂きました。グランドシニア会は20数回開催されたとの事で参加者一同認識を新たに致しました。そしてこのシニア会が末永く開催されることを祈念されました。

 

その後新たに会員となられました井上健氏(新19)、津田信吾氏(新22)よりご挨拶を頂きました。同じく新会員の黒田一幸先生にはご出席は叶いませんでしたが、ストックホルムで日本と北欧・バルト諸国との国際学術交流の発展にご努力されているというメッセージが案内されました。

その後食事やお酒を楽しみながら会員同士の歓談が各テーブルで盛り上がりました。3年間の自粛生活で限られた活動しか出来なかったので、応化役員として注力を傾けた当時の活性化活動や当時の思いその当時行った奨学金募金活動等の話しが各テーブルで盛んに交わされていました。

ここで監事でもあり世話人でもある河野恭一氏(新14)より来年度の応化会100周年に関する案内がA41枚にまとめた資料とともにありました。100周年式典や応化会給付奨学金の次世代展開に関して簡潔にご説明され会員諸氏へ協力が依頼されました。元会長の西出宏之先生からも関連して補足のご説明も頂きました。

 

引き続き各テーブルでは歓談が盛んに行われました。食事が終わると席も移動して久し振りの再開を喜びまた新たな歓談が続きました。世話人会では、現在も現役バリバリでビジネス第一線でご活躍されている大矢毅一郎氏(新14)、大林秀仁氏(新17)、西出宏之氏(新20)、里見多一氏(新22)、宮坂勇一郎氏(新26)に近況のご紹介も頂く予定でしたが、各テーブルであまりにも話しがはずんでいるので割愛と致しました。

久し振りのこともあり直接の歓談が尽きることは有りませんでしたが、里見多一氏(新22)に里見奨学金や早稲田応用化学会への思いも触れた締めのご挨拶を頂きました。あっという間にお開きの時間を迎えてしまいましたが記念の総合写真を撮影し、100周年式典での再会を約して散会となりました。

 

シニア会はシニア同士の懇親をあたためる場となっておりますが、応用化学会の発展をあたたかく見守り、影ながら支援するコミュニティとして存続できればと考えております。引き続き、よろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

世話人:下井將惟(新13)、河野恭一(新14) 、河野善行(新25)
文責:世話役一同、写真:広報委員会 平中勇三郎(新14)

第41回早桜会懇話会(報告)

 第41回早桜会懇話会を2022年11月26日(土)に対面(中央電気倶楽部)とWEB(ZOOM)のハイブリッド方式にて開催いたしました。今回の講師には大阪大学の岡野泰則氏(新33回,平田研)をお迎えし、-化学プロセスと人工知能-という演題でご講演頂きました。

  人工知能の苦手なこと、人工知能の得意なことを先生の最新の研究成果も交えながらご講演して頂きました。人工知能とは膨大なデータを入力し、その時に得られた結果に対して関数を見出すことで、何か新しいデータを入力した時にその関数に基づいて結果を導き出すというものです。したがって内挿は得意ですが外挿については精度が高いとは言えません。

 シミュレーションと実験を組み合わせて研究開発を進めていく時に、従来用いられてきたCFDはテクニックが必要で誰にでも扱えるものではありませんでした。また計算に時間を要する為、実験しながらリアルタイムで計算結果を表示することは出来ませんでした。先生が現在開発されている人工知能系のソフトを用いた手法ですと、瞬時にしかも物理法則を満足した計算が可能であり扱いも容易です。数年後にはエクセルのように誰でも簡単に利用出来る時代が来るとのことで、実現すれば研究開発の現場は大きく変わるのでは無いかと思います。

 人工知能の話に加え、バルセロナ出張報告、早稲田大学での講義、日本について思うこと等、幅広くお話しして頂きました。中国の台頭、日本人に立ちはだかる英語の壁、コロナ渦での若者の状況等、課題は色々あります。しかし日本及び日本人の良い部分もたくさんあります。先生のお話しされていたことで個人的に非常に共感した部分があります。それはどうも昨今、日本人に自信を失わせよう失わせようという傾向が一部にあるのでは無いかということです。しかし日本人として世界に誇れるものはたくさんあります。理工系修士修了の人材のレベルが世界一だというのもその1つです。

 近い将来、人工知能が発達すれば労働力不足や言葉の壁の問題も解決していきます。また、世の中が便利になればなるほど、日本の基礎重視の考え方は結果的に強みになると個人的には思います。先生のご講演を通して色々と考えることがあり、大変有意義な2時間を過ごさせて頂きました。今回の懇話会の内容について日頃から考え、仕事にも活かしていきたいと思います。

   (文責:三品)

【出席者(16名):敬称略】

<現地>
津田實(新7), 加藤文義(新20), 岡野泰則(新33), 斎藤幸一(新33), 和田昭英(新34), 高田隆裕(新37), 數田昭典(新51), 澤村健一(新53), 古田武史(新61), 三品建吾(新59)

<zoom>
井上征四郎(新12), 市橋宏(新17), 田中航次(新17), 脇田克也(新36), 陳鴻(新59), 桜井沙織(新64)

第18回評議員会報告(2022年10月15日開催)

第18回評議員会が2022年10月15日(土)14時より開催されました。コロナの感染リスクに配慮したハイブリッド方式にもだいぶ慣れてきており、リアル30名、オンライン34名の計64名が出席されました。議長は西出先生です。

西出議長より開会挨拶

西出議長

西出議長より、大学の状況とともに、早稲田学報の特集にもある「早稲田バカ」になぞらえて応化会100周年の活性化や後輩への支援に積極的に参加して欲しい旨をお話しされました。

 

濱会長挨拶

濱会長

リアル・オンライン含めて多くの方にご出席いただいたことへの感謝をまず述べられ、今日の評議員会では、応化会のアクティビティの紹介と、来年の100周年に向けての準備状況を紹介しながら、更なる活性化に向けて評議員の皆様からいろいろアイデアをいただきたいとの依頼がありました。

第1部:応化会の活動状況報告

 ① 各委員会・支部の活動状況紹介
椎名交流委員長からは、「交流会講演会」、「リモート工場見学(花王㈱)」などオンライン併用で積極的に活動を行っていること、「先輩からのメッセージ」の1月の企画紹介がありました。佐藤広報委員長からは、先生・卒業生へのインタビュー企画、全応化会報をアーカイブ化してホームページに掲載したことが報告されました。梅澤基盤委員長からは、7月の教員との懇談会で提起したキャリアデザイン支援を組み立て、若手・学生から取り組んでいくことが報告されました。

左より 椎名交流委員長、梅澤基盤委員長、佐藤広報委員長

学生委員会からは、岡委員長より、対面で新入生歓迎会、オリエンテーション、オープンキャンパスを開催したこと、キャリアデザインセミナーを8月に開催したことが報告されました。
若手部会からは、尾崎氏から、部会のミッション等の提示と活動計画の紹介、劉氏からは、企画に関わるNACs組織の新設とキャリアデザイン企画の構想が紹介されました。

左より 岡、尾崎、劉諸氏

友野中部支部長からは、支部総会、役員会をオンラインや対面で行ったこと、11月の交流講演会の紹介がありました。斎藤関西支部長からは、総会、役員会に合わせて講演会・懇話会を行っていることが報告されました。

 ② 各世代のアクティビティの紹介
同期仲間の交流が進んでいる新20期から、名簿整備で91%の会員と連絡が取れる状況になっていること、近況便りを発行してお互いの状況を通知し合っていることが紹介されました。研究室の代表者と語学クラスの代表者を決めて連絡を取り合い、また、活動の協力者を増やしていくことが活性化のポイントだそうです。

 ③ 活動に対する意見交換
キャリアデザインに対して、応用化学科のカリキュラムに入れられないか?との提案があり、先生方からも3年生対象の応化専門演習でOB/OGの方にお話しいただくことと、学生をエンカレッジする企画を作っていきたいとのコメントをいただきました。濱会長からも応化会の人脈は非常にポテンシャルを持っているので、キャリアデザイン支援企画等をぜひ進めていきたいとのコメントがありました。

第2部:100周年記念事業の準備状況と活性化策

 ① 各事業の準備状況の紹介

下村啓副会長

100周年担当の下村副会長より、先輩方の取組みの上に築かれた応化会を次の100年に向けて発展させる節目としたいという意気込みを述べられ、来年5月20日の田中愛治総長を招いての記念講演、リーガロイヤルホテルでの祝賀会、2023年応化会報秋号を特集号とした記念誌の準備状況が報告されました。
また、斉藤奨学生推薦委員より、昨年から再募集を行っている応化会給付奨学金への寄付額も目標の1,000万円まであと一歩の901万円まで積みあがってきたこと、奨学金の給付対象を学部生に拡大し、博士進学を啓蒙する「先輩博士からのメッセージ」企画が順調に進んでいることが報告されました。
若手部会の劉氏からは、次世代情報基盤の整備進捗について報告され、会員ネットワークの深化を目指した会員管理システムやコミュニケーションツールの検討が進んでいることが紹介されました。
今後、約1か月に1回の頻度で、準備状況をメルマガ等で配信しますので、評議員の皆様には、ぜひ同期・同門の方に周知していただきたいと思います。

 ② グループディスカッション
100周年記念事業への参加の拡大と活性化をテーマに、グループディスカッションを行いました。数多くのご意見を頂戴し、その内容を披露・共有しました。まとめますと、100周年の意義の伝え方、情報発信の手段・内容、企画の魅力度向上、参加の障壁の低減、当日の対応などになりますが、いただきましたご意見は、今後の役員会や各委員会での議論を通じて企画推進に活用してまいります。

グループディスカッションの説明

会長による総括

濱会長より今回の評議員会の総括として、全世代に魅力ある応化会にしたいという方針に沿って今後も活動を進めて、ネットワークを築いていきたいこと、100周年記念事業にいただいたご意見を活用していきたいことが述べられました。

校歌斉唱・エール

早稲田大学応援部のリードで、校歌を斉唱し、エールで締めました。

エール、校歌斉唱

評議員の皆様には、今後とも同期への連絡や寄付にご協力いただき、来年の記念式典ではぜひ会場が満杯になるほどのご出席をいただけますようお願いいたします。

(文責:基盤委員会 梅澤 宏明、写真:広報委員会)

 

2022年度早桜会講演会(報告)

 2022年度早桜会講演会を2022年10月8日(土)に中央電気倶楽部で実施いたしました。今回の講師には大宮理先生(河合塾講師)をお迎えし、「大学入試から見る化学」という演題でご講演して頂きました。

 18歳人口が年々減少する中、予備校業界は厳しい立場におかれており、暗記主義的な教育が化学嫌いを量産しているという現状を冒頭話されておりました。現代社会の高校生は昔と比べて物に触れる機会がどうしても減少し、物質観が希薄になる中、複雑な化学式や計算が先行し知識の順番が逆になっているということもお話しされていました。大学進学を果たすうえではまず大学入試を突破する必要があり、学生は当然その対策をするので結局の所、大学入試の問題が高校生の勉強の方向性を決めます。したがって、大学入試の問題は教訓的、教育的な観点が大事です。大宮先生は入試問題は、あいまいな問題や暗記主義的な問題ではなく、役に立つ化学の視点を問うような問題が良いとお話しされていました。

 実際に近年の大学入試の問題も紹介して頂きましたが、非常に難しい問題、処理量の多い問題がたくさん出題されていると感じました。教科書の内容が改定され、エンタルピーやエントロピーを高校で教えるというのは驚きでしたが、現状も問題文の中でヒントを与えながら大学レベルの内容を問うような問題が出題されており、受験生も大変だと感じました。また、せっかく良い問題を出題しても問題が複雑すぎて時間内に処理出来ないことから飛ばされてしまい、あまり用をなさないという話もされており、分量が多すぎるというのもむしろ弊害になっている現状があります。

 昨今の時代の流れで予備校でもオンライン化が進んでいます。しかし対面で授業を行い、実際に物に触れ、互いに議論する中で初めて理解が深まっていくこともたくさんあります。そういったことがだんだんと希薄になっているようにも思います。大学入試の問題を皮切りに、日本の教育問題にまで踏み込んだ深い議論がなされ、質疑応答も活発に行われて有意義な時間となりました。久しぶりの対面開催であり、web開催時より幾分か議論が活発だったように思います。講師を務めてくださった大宮先生に改めて感謝の意を表し、今回の報告とさせて頂きます。

 (文責:三品)

 

【出席者(12名)】

井上征四郎(新12) ,津田實(新7),市橋宏(新17),田中航次(新17),岡野泰則(新33),斎藤幸一(新33), 和田昭英(新34), 脇田克也(新36),  數田昭典(新51), 澤村健一(新53), 原敬(新36),三品建吾(新59)(議事録)

 

 

2022年度早桜会総会後講演会(報告)

 2022年度早桜会総会を2022年4月16日(土)にWEB形式(Zoom)にて開催し、その後講演会を実施いたしました。今回の講師には関根泰先生(早稲田大学理工学術院応用化学科教授)をお迎えし、「環境とエネルギーの現状と今後?早稲田からの発信?」という演題でご講演して頂きました。

【講師】関根泰氏 (早稲田大学理工学術院応用化学科教授)
【概要】
 脱炭素社会実現に向けて政府が方針を打ち出していく中で、企業・大学等での研究開発が今後求められていく方向性について、ご講演いただきました。
水素・アンモニア・合成燃料の活用可能性、CO2回収技術、EVの今後の展望など、様々な場面で見聞きすることが増えた内容について、政策面や技術革新の観点からご見解を伺うことができ、ケミストとしての使命を考えさせられる内容でした。
 関根先生のグループのご研究については、触媒化学における新たな反応メカニズム(※表面プロトニクスによる活性向上など)に関する内容や、ニューラルネットワークを活用した検討など、最先端の研究に触れることができました。
 講演終了後は、「水素・電化はどの程度社会に浸透するのか?」、「3000ページ以上のIPCCレポートをどのように読破されたか?」等々、多数の質問が出ましたが、一つ一つ丁寧にお答えいただき、関根先生の幅広い知識に参加者一同、終始圧倒されていました。
 最後に、政府のグリーンイノベーション戦略推進会議をはじめ、非常にご多忙の中、2時間以上にわたりご講演いただいた関根先生に改めて御礼を申し上げ、本報告の結びとさせていただきます。(文責:服部)

【出席者(21名)】
津田實(新7),井上征四郎(新12),市橋宏(新17),田中航次(新17),斎藤幸一(新33),和田昭英(新34),脇田克也(新36),高田隆裕(新37),中野哲也(新37),澤村健一(新53),陳鴻(新59),三品建吾(新59),古田武史(新61), 服部沙織(新64), 柘植知彦(新),御手洗健太(新65),滝瀬賢人(新64),遠藤文子(新50),浜名良三(新29),津田佑介(新),大山永展(新64),福田誠(新41)

第40回早桜会懇話会報告

 第40回早桜会懇話会を2022年6月4日(土)にWEB形式(ZOOM)にて開催いたしました。今回の講師にはJAXAの桜井誠人氏(新41回,平田研)をお迎えし、-宇宙で生きる化学工学、ECLSS:環境制御生命維持技術と物質循環-という演題でご講演頂きました。
 桜井様は月面や火星での有人探査を目的とした宇宙空間での生命維持技術についてご研究されています。月面探査という点で、NASAのアルテミス計画にJAXAも参画しています。アポロを超える成果を挙げることを目的として、月面の探査の先に火星を見据えた形で計画を進めています。まずは、月面をテストベッドとして循環型生命維持システムを確立するべくプロジェクトが進行しています。国際宇宙ステーション(ISS)における生命維持環境としては、水の電気分解による酸素発生装置、アルカリ金属での吸収による二酸化炭素除去装置、シリカゲルとゼオライト粒の組み合わせによる二酸化炭素除去装置、二酸化炭素を還元して水を得る装置などがあります。人間が生きていくには1日当たり0.8kgの酸素と2.5kgの水が必要であり、一方で1日当たり1.0kgの二酸化炭素を排出しています。如何にして二酸化炭素を除去し、酸素と水を得るかが大切になります。
 宇宙空間での例ではないですが、地球上の閉鎖空間での居住実験は1970年代からロシアやアメリカで進められており、日本にも青森県六ヶ所村に閉鎖型生態系実験施設があります。
 宇宙で生きる為には物質循環のループを人工的に創造する必要があります。その為に桜井様は学生時代からのご専門である化学工学を活用していらっしゃいます。人類の生存圏は地球の周回軌道上から月軌道へと拡大しつつあります。人類が当たり前のように月面で活動する未来の到来が50年先なのか、100年先なのか誰にも分かりませんが非常に楽しみです。
 ご講演後は活発な質疑応答が交わされました。宇宙空間での活動、居住という非常に興味深いテーマであると同時に、人類や地球の持続可能性を考えた時に避けて通る事は出来ないテーマでもあると改めて実感致しました。お忙しい所、お時間を割いて頂いた桜井様に改めて感謝の意を示したく思います。
(文責:三品)
【出席者(16名)】
井上征四郎(新12),津田實(新7),市橋宏(新17),田中航次(新17),岡野泰則(新33)斎藤幸一(新33), 和田昭英(新34),脇田克也(新36), 中野哲也(新37), 高田隆裕(新37), 澤村健一(新53),陳鴻(新59),古田武史(新61), 桜井沙織(新64),三品建吾(新59)井上昭夫(新17)

講師:桜井誠人氏

2021年度 学位記・褒賞授与式

応用化学科学位記授与式

応用化学科および応用科学専攻研究科の2021年度学位記・褒賞授与式は、2022年3月26日(土)10時より、西早稲田キャンパス57号館202教室にて式次第に従い、細川 誠二郎准教授の司会で執り行なわれました。なお、昨今の新型コロナウィルスによる感染拡大に伴い本会は教職員、主賓及び学部卒業生、修士課程修了生のみ対面での出席とし、父兄らはオンラインでの参加となりました。

式次第(左:応用化学科褒賞授与式  右:学位記・褒賞授与式)

今年も学部卒業生、修士修了生の研究室代表者に学位記が授与されました。

応用化学科褒賞授与式

引き続き、応用化学科褒賞の授与式が行われました。小柳津 研一主任教授から以下のような本賞設立の経緯、主旨等の説明があり、本賞および副賞が菊地 弥温さんに授与されました。

受賞者の菊地 弥温さん

「優れた業績をあげた学生を表彰して更に人間的な成長を促すことを主旨として設定した褒賞で、学業成績と人物の総合的評価で一人ということになりました。この褒賞は、OBの皆さんと我々教員および教員OBの寄付によって成り立っているもので、私達教員の気持ちを込めて対象の方に授与するものです。おめでとうございます。副賞を用意させていただきました。菊地さんの名前と先進理工学部応用化学科の名前を刻んだバカラのグラスです。」

褒賞の授与の後、受賞者の菊地 弥温さんより受賞の挨拶がありました。

褒賞受賞者菊地 弥温さんの挨拶

 

 祝辞 応用化学科主任小柳津 研一教授から祝辞がありました。

祝辞:小柳津 研一主任教授

応用化学科主任小柳津 研一教授の祝辞

 

祝辞:濱 逸夫早稲田応用化学会会長

ついで、早稲田応用化学会濱逸夫会長から祝辞がありました。

早稲田応用化学会 濱逸夫会長の祝辞

濱 逸夫応用化学会会長 祝辞

 

在校生代表からの送辞

今年の送辞は 在校生を代表して、学部3年生 高田 こはるさんが、卒業生に向かって感謝の気持ちを伝える送辞を述べました。

送辞 在校生代表 高田 こはるさん

在校生代表高田 こはるさんの送辞

 

学部卒業生の答辞

これに答えて、学部卒業生を代表して山口 正浩君が答辞を述べました。

学部卒業生 答辞 山口 正浩君

卒業生代表 山口 正浩君の答辞

 

修了生からの答辞

引き続き、修了生を代表して安井 浩太郎君から在校生に向けて答辞がありました。

大学院卒業生 答辞 安井 浩太郎君

答辞 大学院修士課程二年 安井 浩太郎

 

乾杯

乾杯の言葉 平沢 泉教授・応化会副会長

応用化学科褒賞授与式及び受賞挨拶を終え、平沢教授の発声による恒例の乾杯へと式が進みました。
コロナ禍もあり、実際に飲むことはなく乾杯のポーズのみ行いました。
なお、乾杯の缶ビールは応化会から皆さんに進呈されました。

校歌斉唱

校歌斉唱 指揮:武者 樹さん

卒業生を代表して武者 樹さんの指揮によって校歌を斉唱し、お開きとなりました。
なお、コロナ禍でもあり声は出さず、心の中で校歌を斉唱する形となりました。

下記ボタンをクリックすると画像アルバムのページに行きます。

 

(記事・写真:新39.加来恭彦(広報副委員長)、新37佐藤史郎(広報委員長)、文責:広報委員会)

2022年度 定期総会と先進研究講演会開催のお知らせ

早稲田応用化学会 会員の皆様

早稲田応用化学会 会長 濱 逸夫

平素は早稲田応用化学会の活動にご支援・ご尽力を賜り、誠にありがとうございます。さて、2022年度定期総会、および同時に開催される先進研究講演会についてご連絡申し上げます。

 当初開催方法につきましては、オンライン・会場参加の併用(ハイブリッド方式)開催で準備を進めております。
 出来るだけ多くの方にご出席頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。

    尚、出席申込は、下記URLからお願いします。

              https://forms.gle/aR5JpjcJLY8P3upw7

   WEB参加で申込をいただいた方には、5/10に参加URLを送ります。そこからご参加をお願いします。

日時:2022年5月14日(土) 13時30分〜16時15分
   <スケジュール>: 13時30分〜14時30分  定期総会(会場:52号館304教室)
             14時45分〜16時15分     先進研究講演会(   同上   )

■ 定期総会

 議題

<会長挨拶>

  応化会活動の現状と課題  会長 濱 逸夫

<決議事項>

 議案1 2021年度事業及び会計報告   庶務理事 井村 正寿、会計理事 津田 信悟
 議案2 2022年度事業計画及び予算案             〃
 議案3 会則改定
 議案4 会長選任

<報告事項>

    報告1 執行部体制                         会長 濱 逸夫
 報告2 応用化学会百周年行事準備状況   副会長 下村 啓
 報告3 応用化学会給付奨学生紹介          副会長 橋本 正明                 

■ 先進研究講演会「応用化学最前線 − 教員からのメッセージ」プログラム

梅野教授

 

  1)応用生物化学部門  梅野 太輔 教授        

         演題「高分子機能の進化デザイン」

門間 聰之教授

 

2)応用物理化学部門  門間 聰之 教授

         演題「役立つ電気化学」

須賀 健雄 准教授

   

3)高分子化学部門   須賀 健雄 准教授

         演題「その場形成・反応の視点から見た機能性コーティングの設計と展開」

 

                                                       以上

2022年度早稲田応用化学会中部支部WEB総会

開催案内メールでお知らせしましたように、総会はWEB上での開催とし、書面表決と致します。

以下の総会議事を閲覧の上、提出議案1,2,3,4のいずれかに反対の会員は、 下部の投票欄より送信下さい。賛成の会員は送信の必要がありません。

第1号議案:2021年事業報告
第2号議案:2022年事業計画
第3号議案:2021年度会計報告と2022年度予算案
第4号議案:2022年度中部支部役員会メンバー表

上記議案に反対される会員は、会員番号、氏名および反対理由をご記入の上、メールによる投票送信をお願いします。

投票は、4月19日をもちまして締め切らせて戴きます。 メールによる投票送信 先は                           https://forms.gle/4ZQioRvu3cy2kh5n9

第1号議案:2021年度事業報告

     1号-1)役員会/イベント開催実績

     1号-2)講演会その他の活動実績

1.春の講演会は、総会に合わせて開催予定であったが、COVID-19の感染防止を目的として   総会をWEB総会としたため、中止した。

2.秋の講演会→11月13日 黒田先生講演会実施。  演題「ナノ空間物質の化学」   
       支部としての懇親会は感染防止のため中止。
    議事録は本部WEBページに詳細記載していただいた。

3.関西支部総会・懇親会出席(中止)   

4.支部(中部及び関西)活動PRパンフレットの卒業生への配布 
                        (本部経由)         

第2号議案:2022年度中部支部事業計画

事業目標:一層の会員相互の親睦と情報交換        

1.ウイズコロナの中での活動の継続  

    ・「交流講演会」2回/年の開催に向けた努力。
    域内外を含む種々のジャンルからのプレゼンターおよび現役教授の講師招聘。
    若手会員の希望の取り込み。
  ・若手現役会員の参加拡大への取り組み強化。
    「若手部会」の活動本格化と若手会員への広報の強化。         

2.活動計画

    ・中部支部総会      1回/年(期首)
   ・中部支部交流講演会 2回/年(春季、秋季)
   ・定期役員会         4回/年
   ・関西支部との交流   新しい交流方法を模索する。(幅広い層の交流を図る。)

3.活動基盤の強化

  ・対面活動とリモート活動の併用。
  ・役員会メンバーの世代交代への対応。

4.本部との連携緊密化

   ・応化会100周年記念事業準備への協力。

第3号議案:2021度会計報告と2022年度予算案

 

第4号議案:2022年度中部支部役員会メンバー表
                                                                                    改訂11)2022.4.9

役員名;

支部長:  友野博美           監事: 山崎隆史
副支部長: 服部雅幸(兼:会計担当、機材担当)
事務局長: 上宮成之(兼:岐阜地区担当幹事、本部基盤委員会委員)
幹事 :  植村裕司(愛知地区担当)
      浜名良三(三重地区担当)
      渡部 綾(静岡地区担当)
理事 :  山本瑛祐(兼:IT担当、若手部会担当)
      加藤 啓   大高康裕
      谷口 至   北岡 諭
      新村多加也
顧問 :  三島邦男   堤 正之   白川 浩   小林俊夫
      木内一壽   柿野 滋

退任 :  後藤栄三(顧問)   金原和秀(幹事)
      藤井高司(理事)

i以上

 

卒業生へのインタビュー(第3回)

   三菱ケミカル(株) 山崎正典さん

卒業生へのインタビュー企画
多くの応用化学科卒業生が社会に出られて活躍されています。実社会での経験は業種や職種によっても様々であり、卒業生の体験談は実社会で日々活躍されている卒業生の新たな視点への着眼点になったり、在校生にもこれから進むべき未来において貴重な体験が含まれていると思います。

そこで、各方面で活躍している卒業生に現在の自分の立ち位置について語っていただくとともに、インタビュー形式をとることで現役学生を含めた各世代の応化会会員間のコミュニケーションラインの構築と、社会における経験値をほかの卒業生にも共有していただくことを目的とした企画になります。

山崎正典さんには、会社の統合による研究環境の変化や内閣総理大臣賞も設定されている「ものづくり大賞」にもノミネートされた日本古来からの技術に太陽熱を冷房に使う試みを融合させた研究テーマの概要や着眼点について伺いました。

山崎正典さん 《ご略歴》
1992年3月 応用化学科 高分子(西出)研究室(修了) 1992年4月 三菱油化(当時)入社 入社後、三菱化成との合併、三菱化学に、その後三菱樹脂、三菱レーヨンとの統合などを経て三菱ケミカルと会社組織が変動していく中で、新素材研究所、材料加工研究所、ポーラスマテリアル研究所、機能材料研究所、無機材料研究所、Science & Innovation Center Inorganic Materials Laboratoryを歴任され、その間東京農工大にて学位(工学博士・2013)取得

Q. まずは日本ものづくり大賞について教えてください。

A. 「ものづくり大賞」は経済産業省が中心になって2005年から実施されています。日本を支えてきた古き良き文化を継承するとともに、それを新たな事業環境へも発展させて付加価値を提供する人やグループを表彰する制度です。幸運にも、「太陽の熱で冷房する革新的な水蒸気吸着材」で第3回ものづくり大賞の優秀賞をグループとして受賞することが出来ました。

(写真)大学研究室時代 追分セミナーハウスにて

Q. 会社の統合を経験されていますね。統合の際に何か変化を感じたことはありますか

A. 大学では西出研で高分子を学びました。日々多くの実験をこなし、それなりに勉強した自負はありましたので三菱油化(現三菱ケミカル)に入社した時、どんな研究をすることになるのか本当にわくわくしたのを覚えています。

 その後、会社の合併・統合のたびに自分が取り組むテーマは変わりました。入社時の複合材料開発、合併後に蓄熱・吸着材開発、統合後には熱マネージメント材料や酸化物ナノ粒子など。今考えると、合併、統合する相手の得意な分野をテーマに取り入れ、シナジーを出そうとしていたのではないかと思います。例えば、「ものづくり大賞」の吸着材は旧三菱化成のゼオライト合成技術がベースとなっています。
合併や統合の際には、人的な面でも大きな変化があったと思います。それぞれの会社で持つ専門・技術の広がりが人を介して融合し、新たな材料を共同で開発するといった取り組みが増えたように感じています。単一の技術で解決できる課題は少ないので、製品化を進めていくための最適な土壌が出来ていったと思います。

「太陽の熱で冷房する革新的な水蒸気吸着材」はもともとが有機化合物を使った相反応の応用研究を進めていたのですが会社が保有していたゼオライト合成技術が生かせることに気がついて方向転換しました。会社に研究成果が蓄積されていることで違う視点での研究成果が得られることが強みに繋がっていると思います。

Q. ものづくり大賞にノミネートされた「打ち水」の技術について教えて下さい

A. 霧状の水滴を上からまいたりする設備がありますが、これらは特別な材料や装置を必要としないエコな冷房とみることができます。水の潜熱は凡そ2454(kJ/kg)@20℃程度で比熱が4.2(kJ/kg・℃)ですので、10gの水が蒸発するだけで水1kgを約6℃も低下させることができることになります。ゼオライトという多孔材料を使って、強制的に水を吸着(蒸発潜熱の利用)させ、太陽の熱を使って脱着(自然エネルギの利用)させるというサイクルを回すことで、「打ち水」の現象を実用的な冷房に使えるということになります。

Q. 研究テーマも何度も変わっていらっしゃるようですが、常に新しいものを創製していかなければいけないプレッシャーなどありますか

A. 正直、プレッシャーはありますが、社内では新規のテーマ提案をいつでも行えます。それを支えるために10%カルチャーという制度があり、主担当の業務以外に研究者個人が興味を持ったことに取り組む時間と幾ばくかの予算が与えられています。その様な制度をうまく利用して、最近では積極的に若手が発信をしています。また、若手研究者とのコミュニケーションは大切にしています。様々な年齢層の人たちが、現状をどのように考え、どのようなことが課題と思っているかを聞くことは、働きいやすい職場や活気のある職場の実現には必須と考えているからです。研究を一人ですることはできないので、普段から多くの部署の方々とコミュニケーションを持ち、協奏を進めたいと思っています。
専門性を究めていくことと多岐に渡る可能性を一つのテーマに拘ることなく展開していくことのどちらが好ましいかは難しいテーマだと思います。ただ、技術やナレッジの繋がりを強化しておくことは一つでも上手くいく研究成果があるとテーマ全体として生き残っていくことも出来ますし、広い視野を持つことは意識するようにしています。

Q. 後輩に対して伝えたいことを教えて下さい。

A. 「大学の研究内容について簡単にご説明ください」、と言われると最近の学生さんは研究内容をびっくりするほど上手に説明します。一方、どこを自分で考え、工夫したのかを問われると、答えに窮することが多いようです。研究がうまくいくことは重要ですが、それよりも「なぜ、そのような検討を行ったのか」を振り返ってみることが大切と考えています。そこには確かに自分の考えがあると思います。自分で仮説を立て検証を繰り返す中で、研究を進める主体があくまで自分であることを認識し、有意義な研究室生活を送っていただければと思います。
また、研究に限らず多くの人とつながりを持つことも大切と思います。多様な個性を認め、相互理解を深めることから新たな発想が生まれ、テーマ提案につながることもあるからです。大学時代は、先生やドクターの方からテーマを与えられ、その範囲で研究を進めることがほとんどです。しかし、会社では、何をやるべきなのか、どのようなアプローチでそれを達成するのか、どんな強みや弱みがあり、弱みをどこの誰と一緒に解決できるのかなどを将来状況も考慮しながら、自分で提案していくことが求められます。その時、人のつながりがきっと皆さんの力になってくれると思います。

学生時代は研究室で与えられたテーマをこなすだけで精一杯で、それ以外の分野に興味を持つ余裕はなかなかありませんでした。しかし、入社以降、特別な場合を除いて、1つの製品は多くの技術の塊で出来ているということを実感しました。自分の専門にとらわれず、専門以外の分野に興味を持つことも大切と思います。

インタビュー後記:

会社が強みとして持っている研究領域についても、10年後20年後を見据えた時に時代遅れの技術になっている可能性もある中で、社内の風通しをよく、異分野の研究テーマについても情報共有することは、新しい提案が次の研究テーマとして採択されるかどうかは別にしても研究者としてのモチベーションに繋がっているという話は興味深く、特にオンラインが導入されたことによりその強みを活かして普段は対面で接することが出来ない事業所の方々とも情報共有することが出来るという話は新たなイノベーションに必要と感じました。

また、若手に対しては自分が想定していた研究テーマとは違う領域での研究においても自分が何のために研究しているのかという自分自身の軸を持っておくことで将来のチャレンジに繋がることもあるので頑張ってほしいとの強いエールを頂きました。

(聞き手) B3.吉田七海、B3.小林菜々香、新68.住田裕代(広報委員)、新39.加来恭彦(広報副委員長)