応化会活動」カテゴリーアーカイブ

もうすぐ応化会100周年⑧

記念講演会・祝賀会の申込〆切が近づいています

既に何度かご案内いたしましたが、早稲田応用化学会100周年記念講演会・祝賀会が5月20日(土)に行われます。現在、応化会のホームページで参加申込中です。
既に百数十名の方に申込いただいておりますが、会場は大隈小講堂、そしてリーガロイヤルホテル東京ロイヤルホール、十充分な容量の会場を用意しています。
皆様のお申込みをお待ちいたしております。また、既に参加申込済の方は同期生や先輩、後輩、研究室の同窓生のお誘いを頂けるとありがたいです。
(当メールマガジンは既に参加申込をされた方にも配信されています)

申込は以下のサイトから。
https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2023/02/19/100nenjigyo_applications/

早稲田応用化学会 100周年記念事業担当 下村 啓(1984年卒 新34回)

 

2022年度 応用化学専攻褒賞・奨学金授与式

コロナ禍で2019年以来実地で開催が出来なかった応用化学専攻褒賞・奨学金授与式が2023年3月9日木曜日4年ぶりに、西早稲田キャンパス62号館W棟で開催された。

司会 小堀先生

小堀深専任講師の司会で開会し、鹿又宣弘大学院先進理工学研究科長のお祝辞があり、引き続いて水野賞、水野奨励賞、水野敏行奨学金、応用化学会給付奨学金、里見奨学金、森村豊明会奨励賞の5つの褒賞・奨学金授与式が行われた。 38名の受賞者は、賞状を鹿又先生より直接手渡され、自分たちへかけられた期待と、その使命を強く感じていた。
応用化学会給付奨学金については、博士進学者へのサポートを強化するために早期に学部生からの支援を行うことが2022年度定期総会で承認されたが、今回の受給者にはその最初の学部奨学生5名が含まれている。

お祝辞 鹿又宣弘大学院先進理工学研究科長

各賞の授与

引き続いて、応用化学選考主任の下嶋 敦先生よりご祝辞を戴いた。

応用化学選考主任下嶋 敦先生のご祝辞

来賓の方からのご祝辞として、水野家代表(元応用化学会会長)の河村宏様より、ご父君の水野敏行様の熱い志によるご遺言により始められたこの奨学金についての説明とともに奨学生に対する期待とお祝いのお言葉があった。引き続いて応用化学会の橋本正明副会長、里見奨学会事務総長の田部修士様、森村豊明会理事森村潔様よりお祝辞を戴いた。

水野家代表(元応用化学会会長)河村宏様のご祝辞

応用化学会橋本副会長

 

 

里見奨学会事務総長の田部修士様

森村豊明会理事森村潔様

 

受賞者の代表として水野賞受賞者の浅原光太郎君より御礼と今後の決意を述べる挨拶があり、授与式は閉会となった。

水野賞受賞者の浅原光太郎君の挨拶

閉会後には、応用化学科土田英俊教授のもとで研究を始めた小松晃之先生により「人工血液開発の最前線」と題する記念講演会があった。小松先生は現在中央大学教授として人工血液開発の研究を行っている。人間の輸血血液の保存可能期間が約2日と短いなか、通常時の妥当な献血量と大規模災害を想定した必要血液とに大きなギャップがある。そうしたギャップを解消し得る人工血液の開発は今日の急務となっており、その人工血液開発についてのお話は興味深かった。
また、ドイツ留学時の学友たちや、ベルリンの恩師の話は、将来海外で活動するチャンスのある奨学生たちに強い刺激になったと思われる。

小松晃之先生による記念講演「人工血液開発の最前線」

会場の後部のスペースは、今回受賞者たちの研究を要約したポスターセッション会場となっており、授与式のあと参会者と各受賞者たちはポスターの前で意見交換や交流の機会を持つことが出来た。

Poster Sessionの様子(クリックで拡大表示)

 

もうすぐ応化会100周年⑦

【御礼】早稲田応用化学会給付奨学金寄付1000万円達成

本日は皆様に御礼です。
100周年記念事業の一環として、2021年10月より「早稲田応用化学会給付奨学金」への寄付をお願いしております。
目標として掲げていた「寄付1000万円を達成」※することができました。
ご協力頂き、先ずは感謝を申し上げます。ありがとうございました。
継続的に当奨学金への寄付は受け付けておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
なお、2021年10月より本年8月末までの寄付の状況は100周年記念事業の総括として報告する予定です。
※3月13日時点で1,102万円
https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2021/10/06/2021kifuoneg/

早稲田応用化学会 100周年記念事業担当 下村 啓(1984年卒 新34回)

 

第42回早桜会懇話会(報告)

 第42回早桜会懇話会を2023年2月18日(土)に対面(中央電気倶楽部)とWEB(ZOOM)のハイブリッド方式にて開催いたしました。今回の講師には大阪大学の岡弘樹氏(新67回,西出・小柳津・須賀研)をお迎えし、「持続可能な社会の実現に向けた機能性有機材料の展開~早稲田大学への感謝の気持ちとともに~」という演題でご講演頂きました。
 岡先生は機能性高分子の研究を学生時代からされており、蓄電可能な高分子やプロトン・水素ガスを貯蔵できる高分子について積極的に研究を行っていらっしゃいました。特に蓄電容量を高める為にポリアリルアミンに着目され、学生時代に企業と直接交渉をされたお話は大変印象深いものでした。
 学生時代にスウェーデンに留学されたり外国人研究者のもとで指導を受けたり等、学生のうちから広い視野を持って研究を進めてこられ、また非常にエネルギッシュで私自身も良い刺激を受けました。
 現在大阪大学では分子配列と導電性の化学を研究しており、これからの水素社会や持続可能な社会の実現に向けて、エネルギーに関連した機能性有機材料開発を進めていらっしゃいます。特に若い世代をどうエンカレッジしていくか、ということに注力しており、研究者としてのみならず教育者としても新しいことに積極的に挑戦していこうという姿勢に大変感銘を受け、私自身もエンカレッジされました。
 講演後は質疑応答が活発に行われました。普段はどちらかというと中堅〜シニアの講演者が多い中、20代の若手講演者は珍しかったですが聴衆一同良い刺激を受け、非常に有意義な懇話会になったと思います。講演して下さった岡先生に改めて感謝の意を表し、報告書とさせて頂きます。
  (文責:三品)
【出席者(18名):敬称略】
(現地)
津田實(新7), 前田泰昭(新14), 岡野泰則(新33),斎藤幸一(新33), 和田昭英(新34),
澤村健一(新53),三品建吾(新59),加藤文義(新20),篠崎匡巳
(ZOOM)
井上征四郎(新12), 市橋宏(新17),田中航次(新17), 脇田克也(新36), 數田昭典(新51), 陳鴻(新59), 古田武史(新61), 桜井沙織(新64),井上昭夫(新17)

早稲田応用化学会中部支部総会及び第19回交流講演会のご連絡

早稲田応用化学会中部支部の2023年度の活動としまして、総会および山口潤一郎 教授を名古屋にお迎えしての講演会を計画しました。 コロナ禍のため、中部支部の総会は2020年度よりの3年間、応用化学会HP上でのWEB開催とさせていただきました。また、同時開催の春の講演会につきましては中止のやむなきを得ませんでした。従いまして、対面方式での両者同時開催は3年ぶりとなります。特に、山口先生のご講演は現役会員をはじめ、会員皆様にとって大変参考になるお話を聞くことができる貴重な機会ですので、ぜひご参加頂きますようご案内致します。
なお、今回は対面方式のみでの開催とし、親睦会も予定しております。会員の皆様の元気なお顔が見ることができればと期待しておりますので、ご参加いただければ幸いです。

早稲田応用化学会中部支部
支部長  友野 博美

1.日時: 2023年4月8日(土) 14:30-19:30 (受付開始14:00)

2.場所: ウインクあいち(愛知県産業労働センター) 1008室

https://www.winc-aichi.jp/access/

3.中部支部総会: 14:30~

(1)議事内容

・2022年度支部活動報告、及び支部決算報告

・2023年度支部予算申請内容、支部活動計画、支部役員会メンバー構成など

4.講演会: 15:30~17:00(質疑応答含む)

(1)演題: 「応用化学科の現状と分子レベルのものづくり研究」

(2)講師: 山口潤一郎 教授

(ご略歴)

・2002年東京理科大学工学部工業化学科卒業

・2007年東京理科大学大学院工学研究科工業化学専攻 博士後期課程修了。博士(工学)。

・2007年 日本学術振興会 海外特別研究員(米国スクリプス研究所)

・2008年 名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻(化学系)助教

・2012年 同准教授。

・2016年早稲田大学准教授

・2018年より現職。

(3)講演内容:

名古屋大学から早稲田応用化学科へ移勤してから7年となる。4年生3名とはじめた研究室だが現在では34名と応化では最も大きな研究室となった。応化に所属してから、100周年、西出先生・黒田先生の退職、一部教員の121号館への移動など様々な出来事があった。
専門は有機合成化学であるが、構造式が苦手な方は多いと思うので、本公演では研究内容はほんの一部として、自己紹介を含めて嘱任後の応用化学科の変化と、現在、今後について中心にお話させていただきます。

5.写真撮影、懇親会: 17:00~19:30

(1)場所: 総会、講演会と同じ1008室

(2)懇親会費: 3,500円/人 (当日に現金にてお支払いをお願いします。)

6.参加申し込みはこちらから ⇒ https://forms.gle/LP4tCYhyq64X2g1SA

・準備の都合上 3月31日(金)までに申し込み願います。

・今回は対面方式のみでの開催となります。

・総会、講演会ではマスクの着用をお願い致します。

・お問い合わせ先: 応用化学会中部支部 担当  植村 裕司 

E-mail: yujiuemura.7112@outlook.jp

もうすぐ応化会100周年⑥

記念講演会・祝賀会の申込が始まっています。

2月も後半になりました。5月20日の100周年記念講演会・祝賀会まであと3か月です。2月6日から開始した「参加申込、会費の振込」は順調に進んでおり、既に50名を超える方に申込・振込を頂いております。
当日が皆様にとって心に残る素晴らしい日になりますよう準備を進めておりますのでご期待ください。
そして、引き続き参加申込をよろしくお願いします。
申込は以下のサイトから。

https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2023/02/19/100nenjigyo_applications/

なお、振込名義についてのお願いを追加しました。

早稲田応用化学会 100周年記念事業担当 下村 啓(1984年卒 新34回)

 

応用化学会100周年記念講演会・祝賀会の申込受付-振込名義についてのお願い

100周年記念講演会・祝賀会の申込受付を開始いたしました。                                 2023/5/7掲載
振込名義についてのお願いがあります。

この度設立100周年を記念し記念講演会ならびに祝賀会の参加申し込みの受付を開始いたしましたので、ご案内申し上げます。
多くの皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

【開催日程】2023 年 5 月 20 日(土)

15:00-16:30 記念講演(場所:大隈記念小講堂)

早稲田大学総長 田中愛治先生

演題 :『ともに育てる世界に輝く人材』

若手OB/OG、学生を交えたパネルディスカッション

演題 :次世代応化会の共創に向けて(仮)

16:40-17:00 バーチャル・ツアー(場所:大隈記念小講堂)

記念祝賀会受付開始(17:00~)までの間、同会場にて応用化学科・応化会の歴史、研究室紹介等のビデオ映像を放映しバーチャル・ツアーをお楽しみいただく予定です

17:00-18:00 祝賀会受付(場所:リーガロイヤルホテル東京3Fロイヤルホール)

18:00-20:30 記念祝賀会(立食パーティー )

【会費(祝賀会)】 一般会員 15,000 円 学生会員5,000 円

・記念講演については無料でご参加いただけます。

・本祝賀会や今後の応化会活動への支援金を会費に加えてお振込みを頂きたくお願いいたします。
金額の多寡にかかわらず、有り難く受け賜わります。
なお、この支援金(応化会への寄付)は税制上の優遇措置はございません。

・今回の100周年記念祝賀会費15,000円を超えて入金された場合には、超過額はご寄付とさせていただきます。

入金口座(※事前にお振込みください

・口座名  :下村 啓(シモムラ ケイ)

・銀行名  :りそな銀行 浦安支店(店番539)

・口座番号 :普通預金 1396241

・締め切り :5月15日(月)

・振込名義 :「学部卒業年(西暦)␣氏名(カナ)」でお願いいたします。
※表示桁数の上限(半角12文字まで)がありますので、「西暦+カナ氏名」以外は記入しないようにお願いします。
例)1984 シモムラケイ

注 :振込手数料は、各自負担でお願いします。

【参加申し込み】※講演会のみのご参加も事前申し込みが必要です。

Googleフォームにご入力いただくか、メールにてご連絡ください。

(ご都合に合わせ、どちらかの方法をお選びください)

<参加申し込みフォーム> https://forms.gle/Cg5dD5rYEpVM5eHXA

※ 申し込みフォームをご利用になれない方は、参加申込メールにて以下の内容をご記入の上ご連絡ください。

1.氏名/フリガナ(例:早稲田 太郎 / ワセダ タロウ)

2.学部/修士/博士 卒業年度(例:1963年学部卒業)

3.記念講演:参加または不参加

4.記念祝賀会:参加または不参加

5.会費振込予定日:(例:2023年2月10日)

6.支援金:(例:5,000円)

<問い合わせ・参加申込メール> oukakai.100@gmail.com

以上

「早稲田大学応用化学半世紀の回顧」の紹介

早稲田応用化学会の設立五十周年の記念事業の一つとして、昭和47年(西暦1972年)に「早稲田大学応用化学半世紀の回顧」が発行されました。応化会事務局に保管されていた本回顧録を広報委員会でPDF化致しました。
本回顧録では理工学科の開設と応用化学科の誕生のいきさつや、教員、OB、学生との交流と教室・学生への後援を目的として、応用化学会が設立されたことの理解を深めると共に、本年百周年を迎える応用化学会の基盤を顧みることができると思われます(一部、本文引用)。
ぜひご一読ください。

PDF版は→こちらから
会報アーカイブスにもリンクがあります→こちらから

【ご案内】「第16回先端化学知の社会実装コロキウム『再生可能エネルギー利活用技術の開発と評価と社会実装』」対面開催のお知らせ

本コロキウムでは、科学技術の社会実装の方法論や化学が貢献できる社会的課題および化学技術の社会実装例を学ぶとともに、具体的なテーマを設定しながら、課題解決のシナリオを議論し社会との連携・協働を図る事を目的とします。

今回は、「再生可能エネルギー利活用技術の開発と評価と社会実装」をテーマとします。

日時:2023年2月27日(月) 14:00~17:20
会場:西早稲田キャンパス61号館210教室(先着100名)

University of Philippines DilimanよりJoey D. Ocon教授およびJulie Anne D. del Rosario准教授を迎え、「離島への再エネ電力システムの実装」と「高効率な水電解水素製造に向けた酸素生成反応の基礎」をご講演頂きます。

また、
本学の花田専任講師:「水素の貯蔵供給技術」
アナンタラジ博士:「高効率水素製造のためのメタノール電気化学酸化」
ナタラージャン博士:「使用済みリチウムイオン電池のアップサイクル」
ティアヘンイ博士:「ライフサイクルアセスメントによる環境配慮型技術開発の支援」

の発表があります。

カーボンニュートラル達成に向けて、技術の開発、評価、社会実装を通して議論します。対面・英語で開催します。

詳細:https://www.waseda.jp/fsci/wise/news/2023/01/30/8533/

先端化学知の社会実装領域:https://www.waseda.jp/fsci/wise/initiatives/chemical-2/

卒業生へのインタビュー(第4回)

元第一三共株式会社代表取締役、元早稲田大学創造理工学部客員教授 荻田健さん


2022年1月15日:オンラインにて開催。

ご略歴

1973年 早稲田大学理工学部応用化学科卒
1980年 東大農学系研究科博士課程修了(応用微生物研究所)

三共株式会社入社
研究所で医薬の研究(約20年)
開発部門で医薬の開発(約10年) 

第一三共株式会社(2007年、第一製薬と合併)
取締役 専務執行役員(2009年~2016年)

早稲田大学創造理工学研究科客員教授 (2017年-2021年)

今回は研究からグローバルプロジェクトマネジメント、経営に至るまで幅広い経験に基づくお話を伺った後Q&Aに答えて頂く流れでのインタビュー記事になります。荻田さんから学生・若手へ以下の内容での話がありました。

  • 製薬会社の主力製品について(ドラッグストアで購入できる一般医薬品と、医療用医薬品について
  • 新規医療用医薬品を世に出す:探索ターゲットから臨床試験以外の研究分野まで
  • 新薬ビジネスの特徴:研究開発費と研究の成功確率について
  • 荻田さん自身のキャリアパスについて(研究~プロジェクトマネジメント~グローバル変革への対応~経営戦略(取締役専務執行役員としてのタスク)
  • 製薬企業のおかれた状況
     新薬創生の難しさ、複雑化
     多様な経営戦略
  • これからの時代と経営戦略、社会との持続的成長とご自身の経験としてのこれまでの社会変化への重ね合わせからの振り返り
  • これから社会に踏み出す若き才能に向けてのエール

荻田さんからのメッセージを受けてのディスカッションでは以下のようなやりとりがありました。

-Be Professionalについてどうすればその領域に近づけるとことが出来るのか教えてください

(荻田さん):皆さんは学部生あるいは大学院生として既にProfessionalな仕事に触れていると思いますが、自分の好きなことを一生懸命に取り組んでいるうちにその意識づけが出来てくる様に思います。会社での研究におけるプロ意識もその延長線上にあると思います。
一朝一夕には行きませんが、繰り返し仕事に取り組んでいくうちに、この領域なら自分が強みを発揮でき、他の人にはそう簡単に負けないという意識が自然に持てるようになりました。そうなるとしめたものだと思います。

 

-自分がこれなら(社会人として)やっていけると自信を持たれたきっかけなどありますでしょうか。

(荻田さん):私の専門は狭い研究領域でしたが、その仕事はほかの誰にも負けないという意識は自分自身の考え方にプラスに働きましたし、学会での受賞経験は外的な評価という点からも自分に勇気を与えました。ポジティブな経験を積み重ねていくことが重要です。仕事のの目標設定を必要以上に高く設定する必要はないと思います。ハードルをクリアーするたびに自分自身の仕事に自信が持てるようになりました。

 

-大学生生活もまだ十分にいろいろなことが経験できていると自覚できる立ち位置にいません。様々な経験をこれまでされてきている中で経営者の視点からアドバイスを頂けますでしょうか。

(荻田さん):私の学生時代はキャリア形成に関する考え方もはっきりしていませんでしたが、現在では環境も大きく変わり、積極的に自分のキャリアを積上げていくことは重要だと思います。たとえば会社での所属部署が変わるようなとき、それはその後の自分の進むべき方向に役立つかどうかはその時にはわからないかも知れませんが、広く経験されることにより将来に生かされる事案は多いと思います。

 

-医薬品の研究開発で成功確率が低いことに驚きました。日々の研究において自分自身もうまくいかないことが多いですがその中でもモチベーションを維持できる意識づけについて教えてください

(荻田さん):私自身は研究していること自体が非常に面白いと感じていました。研究成果も重要ですが、その研究に興味をもって没頭することで探求心は研ぎ澄まされて行ったように思います。また、同僚との議論の中で目的意識を共有、確認することも大切でした。。「うまくいかない」のではなく、その結果も含めて研究は興味を持って考えていくことが一つのヒントになるのではないでしょうか。

 

-マテリアル・インフォマティックスのようにビッグデータを扱うことで研究環境も変わるのでしょうか(例えば研究室で一人がAIを駆使して研究を進めていくような環境になるのでしょうか)

(荻田さん):この質問は私にはちょっと難しい質問です。なぜなら、私の時代にはビックデータを扱う研究環境はなかったからです。従って一般論としてしかお答えできませんが、IT革命が進む中での化学との付き合い方も当然変わってくると思います。例えば今から5年前に現在の姿が想像できたかといえばそれはまた違った成果として現在があるわけです。少なくともこれまで以上に新しいことにポジティブに取り組んでいくという姿勢が必要だと思います。何が正解かは私にもわかりませんが前向きに考える姿勢が重要だと思います。

 

-研究を離れてマネジメントに転身された際に、研究者としての道を続けたいと考えましたか

(荻田さん):研究もある程度キャリアが長くなってくると研究自体もスペシャリストというよりは全体を見渡すような役割に段々と変わってきます。その時点ではジェネラリストとしての意識づけも自分自身の中でありましたのでマネジメントへの移行はしやすかったと思います。部下が多くなってくると人間関係などにも気を配ることが多く、それがグローバルになるとさらに考え方の違いなどにも考慮しながらマネジメントするエネルギーが要求され、自分自身から積極的に飛び込んで行くようにしました。
(写真:社内理科系社員による稲門会)

 

インタビュー参加者:
学生委員会:高田こはる(B4)、吉田七海(B4)、横尾拓哉(B3)、原田拳汰(B2)、吉村尚(B2)、
春原晴香(67期)、加来恭彦(39期、広報委員会)