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2017年度学生工場見学報告 

                                  第四高炉前で集合写真

千葉木更津・君津地区工場見学(2017年9月21日)

応用化学科   教授 門間 聰之
応用化学会 交流委員 関谷 紘一
保谷 敬夫  

1.見学趣旨

・大学側の教育行事として、応化学生に対し学部2年生を対象に、工場見学を催行し、企業の製造、生産管理、研究開発等の実態を学ばせ、今後の勉学への動機付を行うことを目的とする。開催時期は夏休み中の後半の平日とし、西早稲田キャンパスから日帰りで往復可能な地区の企業事業所・工場を対象とする。昨年は湘南、小田原地区であったが、今年は千葉木更津・君津地区を選定した。
・主管は教室、交流委員は支援。先生が引率、交流委員は同伴。

2.開催日時

・9月21日(木) 07:45    西早稲田、理工キャンパス63号館ロームスクエア前集合
                        08:00   バスに乗車・出発
                        18:30   理工キャンパス帰着・解散(バス内でアンケート記入、下車時回収)     

3.参加者

・応用化学科2年生36名(男子20、女子16)、引率・同伴者 3名、合計39名
・引率教員 B2担任 門間 聰之教授 
・同伴交流委員 関谷 紘一(新18、元昭和電工)、保谷 敬夫(新19、元三菱化学)
   

4.工場見学先 (木更津・君津地区)

 新日鐵住金株式会社 君津製鉄所(木更津)・REセンター (富津)
 住所 君津製鉄所(本館)〒292-0835 千葉県木更津市築地1番1 TEL0439-50-2570
    富津 REセンター  〒293-8511 千葉県富津市新富20-1 TEL 0439-80-2793
・製鉄所製品:自動車・家電向けから建築向けまで多様な産業向け鋼板、厚板、ラインパイプ等
・REセンター:基礎基盤研究から、応用開発、エンジニアリング迄の一連研究開発を行う施設 

5.見学スケジュール

10:00 新日鐵住金君津製鉄所にバス到着、本館事務所入場
10:00〜10:30 君津製鉄所概要紹介(技術開発本部人事室 柴田 哲徳様)
・1965年操業開始、敷地面積1,228万㎡(東京ドーム220個分)、直営社員3,511名
見学ルート説明(該社広報ご担当) 
10:30~12:00 君津製鉄所工場見学(移動バスで製作所内移動)
・広報ご担当の解説により、第四高炉(外部より)、厚板工場・圧延工場を中心に見学。
広大な敷地で、東側本館入り口を新宿駅とすると、西側外れの第四高炉は東京駅の距離に相当し、敷地内の中間製品等移動用のレール総長は山手線の2倍に達するとのこと。
途中、第四高炉前で高炉を背景に集合写真撮影
12:00〜13:00 事務所に戻って昼食(新日鐵住金殿ご提供)
・同席応化OBの方は以下の通り、所属は何れも技術開発本部 先端技術研究所
新材料・界面研究部 萩原 快朗様(黒田研、2009年、博士)
無機材料技術部 稲森 裕也様(黒田・下嶋研、2016年、修士)
表面処理研究部 松本 美映様(松方研、2016年、修士)
13:00〜13:30 バスに乗車、富津・REセンターへ移動
13:30〜14:30 技術開発本部(富津REセンター)プレゼン室にて概要紹介(柴田様)
・1991年9月設立、現在研究者 800名在籍
応化OB自己紹介、業務歴・研究内容等説明(萩原様、稲森様、松本様)
学生との質疑応答
14:30〜16:00 技術開発本部(富津REセンター)見学
・3班に分かれ、徒歩で所内見学。製鉄新材料製造小型試験機、評価試験機等見学、本製造前の準備のための広大なセミパイロット設備建屋・パイロット設備建屋等を外部から見学の後、事務所ショウルームにで、これまで開発・商品化した幾多の材料、製品類の陳列サンプル等見学。
終了後、プレゼン室に戻り、演壇前部で集合写真撮影
16;00  バスに乗車、早稲田理工キャンパスに向け出発 
18:30  西早稲田キャンパスに帰還、解散 

 6.見学後記

・新日鐵住金君津製鉄所、富津REセンターとも事前に当方の学生工場見学の趣旨をよく理解されており、人事のご担当、広報の工場見学ご担当の方の工場・研究所の概要説明、見学解説も学部2年生に対し分かりやすい説明をされていました。富津REセンターでの応化OB若手技術者の方のプレゼンも担当業務・職務の説明に加え、入社後の履歴、公私に渡る体験談、製鉄工場における化学の重要性、入社の動機、学生時代と入社後の意識の持ち方の違い等が具体的に話され、質疑応答も活発に交わされました。学生にとっては膨大な規模の企業の製造現場・研究開発部門とそこで働く技術者のあるべき姿の一端が認識出来、理解が深まったものと思われます。

・今回は見学先が千葉君津・富津と首都高・アクアライン経由で木更津から近いこともあり、高速道路のバスの移動はスムーズで、海ほたるで30分時間調整し、予定通り10:00に新日鐵住金君津製鉄所本館事務所に到着出来ました。その後のスケジュールもスムーズに予定通り進められたことに対しましては、新日鐵住金殿の事前のご準備とご配慮によるところが大きく、あらためて同社に感謝いたします。又昼食会の食事はご厚意で、同社負担で賄われたことに関しても感謝いたします。

・帰りのバスで学生から回収した今回の見学会のアンケート結果も、今回の見学会については実施方法、開催時期、内容とも概ね好評であり、今後も継続を希望しております。学生の見学希望先は企業の研究所が多かったのですが、今回は工場と研究所が隣接して配置されており、プレゼンされた応化OBは何れも研究職の方だったので、学生に取って企業の研究の一端が伺える良い機会になったと思います。今後の見学先の希望は食品関係、総合化学、化粧品の順となっています。

・今回の参加学生は36名と予定の40名には届きませんでしたが、昨年より3名増となりました。今年は昨年より2か月早く見学先企業工場・研究所の選定・受入可否の確認を行い、見学先、見学日の特定を5月中旬迄にできたため、夏休み前に担任の先生方からB2学生に周知頂き、昨年の参加者より3名増となりました。来年も同様の準備をして、計画を進める所存です。 

以上

プレゼン室演壇前で

新制17回(昭和42年(1967))卒業同期会報告(10月7日)

新制17回(昭和42年(1967))応用化学科卒業同期会報告

2017年10月7日(土)に同期会を、応用化学100周年の記念式典の前に開催しました。式典参加ができるようにと、高田馬場駅近くのBIG BOX 9F 「わん」 で、13時30分から15時30分まで昼食を摂りながらの集まりでした。参加者は15名と、昨年と同様に寂しい人数でしたが、中部支部から1名参加してくれました。
同期会を始める前に、今年2月に、72歳で逝去された濱田義治氏のご冥福をお祈りし、1分間の黙祷を捧げました。

司会は、金子四郎が担当し、石井利典の開会挨拶と乾杯でスタートしました。 順番に話を始めると50年以前の在校時の記憶が次々と戻ってくるようで、色々と声がかかっておりました。各人が近況を報告すると、それに合わせて色々な話題が出てきて、花を咲かせていました。余り触れないように最初に釘を刺したのですが、ご多分に漏れず病気の話題が飛び交いました。
予定の時刻はあっという間に過ぎ、来年も10月の土曜日に同じ場所で開催するようにとの強い要望が出ました。閉会の挨拶は、見並勝佳が行い、早稲田大学の校歌を全員で合唱しました。そして、集合写真を撮り、来年もまた会おうと同期会の会場を後に、帰路につきました。

参加者 : 石井利典、大林秀仁、押田信昭、金子四郎、木寺洋一、小山範征、高橋志郎、高畑忠男、坪田正行、西海英雄、藤本隆之、三島邦男、見並勝佳、室賀五郎、鶴岡洋行 (15名) (文責:石井利典)

見並追記
鶴岡君は同時に入学したのですが、3年次に病気のため学部卒業は1年遅れましたが、今回参加して貰いました。その鶴岡君が持参してくれた入学して間もない頃の写真を下に掲載します。(54年前の写真です。クリックで拡大できます。)

早稲田応用化学会中部支部第14回交流会開催のご案内

早稲田応用化学会中部支部第14回交流会

 

早稲田大学 特任教授 逢坂哲彌氏
     “最近のエネルギー・蓄電池の話題~自動車EV化に伴って~”

第14回中部支部交流会を下記要領で開催致します。今回の講師は、現在、特任研究教授の一号としてスマートエネルギーシステム・イノベーションセンター長としてご活躍中の逢坂哲彌先生にお願いしました。
講演内容は何方様にとっても大変興味ある内容となっております。講演後は懇親会も予定しております。お誘いわせの上、多数ご出席下さいますようご案内致します。
                          早稲田応用化学会中部支部
                          支部長 三島 邦男

1.演題  最近のエネルギー・蓄電池の話題~特に自動車EV化に伴って~

2.講師  逢坂哲彌先生
      早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構特任研究教授・名誉機構長
                      早稲田大学理工学術院名誉教授

3.日時  2017年10月14日(土)
                     受付16:00より
                     講演会 16:30~18:00
                     懇親会 18:00~20:00

4.場所  名古屋ダイヤビル1号館 (JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
      アクセスはこちら(リンク終了)
       講演会 131号室
       懇親会 同ビル1階喫茶「サンディア」

5.会費  講演会 無料
                     懇親会 3,000円

         参加申し込みはこちらから→ここをクリック。
         準備の都合上、来る10月6日( 金)までに申し込み願います。
         お問い合わせ先:応化会中部支部幹事 堤 正之
       Tel. ;059-353-7639
          E-mail; m.tsutsumi @fuga.ocn.ne.jp

第16回石川研究室同門懇親会開催報告

第16回石川研究室同門懇親会が6月10日(土)JR田町駅から程近いニュートーキョーで開催されました。 

石井幹事/司会役(42年卒)の開会宣言に続き、室賀代表幹事(42年卒)より石川先生の生い立ち・お人柄を偲ぶ話を込めた挨拶、その後出席者最年長の高橋会員(33年卒)より乾杯の発声が行われました。

暫し歓談後、応用化学科応用物理化学分野の門間聰之教授より、研究キーワードの1つである電気化学エネルギーデバイス(特に蓄電)につき分かり易く解説頂きました。

1.5V乾電池 → 携帯電話・無線通信用蓄電 → ハイブリッド車・電気自動車蓄電という技術イノベーションの説明の後、蓄電装置のプラスマイナス端子間に微小信号(10mV)を送りその周波数を変えた際の応答チェックにより、ハードを解体することなくどのパーツに不具合があるのかといった健康診断・寿命診断研究の一端を覗かせて頂きました。

ガソリン自動車が仮に火を噴いても余りニュースにはならず、一方携帯電話やノートパソコンでちょっと煙が出たくらいでニュースになるのは如何なものか? 狭いスペースに230 ~400V(直列)の電池を搭載し、しかもガソリン車以上の出力が出る蓄電タイプの車は、ガソリン車より安全では? との本音も聞こえてきました。

最後に、相次いだ震災から学んだこととして、トイレの水くらいは自給自足しようと、趣味として週末自宅の庭に穴を掘り始め 4mほどで水位に到達、その後緑粘度層(鉄分)、砂層(1万年前のくるみが発見される層)を経て現在10m余りの深さまで掘り下げ、ポンプアップ間近との話も披露されました。

毎回恒例のアトラクションは、早稲田フラメンコサークルVamos(1年~3年生の6名)
による見事なタップ(全員総出の際は準備したベニヤ板が割れんばかりの迫力でした)、時に激しく時に華麗なダンスが披露され、ギター生演奏・哀愁に満ちた歌声、色とりどりの衣装と相俟って、参加者は彼女達のパッフォーマンスに釘付けとなりました。

その後宴は終盤を迎え、恒例の高橋会員によるハーモニカ名演奏、“ここはお江戸か新宿の町か”(戯れ歌)の合唱(Vamosの皆さんが微笑む場面も)、集合写真撮影、全員で高らかに校歌斉唱、新井幹事(43年卒)の閉会の挨拶と続き1本締めで中締めとなりました。今年の参加者は25名で、その半数以上の方が2次会へと流れました。

(記:堀江 芳文 46年卒)
 

7月13日(木)第31回交流会講演会のご案内

早稲田応用化学会 交流委員会主催 第31回交流会講演会のご案内(7月13日(木))

講演者 :長谷川閑史(はせがわやすちか)氏 武田薬品工業株式会社 取締役会長
演題 :『タケダのグローバル化への挑戦』
 副題 ;「世界をとりまくパラダイムシフトのなかで」

今回は、売上高において国内トップであり、世界的にも著名な医薬品企業である武田薬品工業株式会社の取締役会長であり、経済同友会代表幹事等の要職も歴任された長谷川閑史氏をお迎えし、『タケダのグローバル化への挑戦』という魅力あるテーマにてご講演をして頂きます。

講演者ご略歴
1970年 早稲田大学 政治経済学部卒業
同年 武田薬品工業株式会社入社
1998年 医薬国際本部長
1999年 取締役
2003年 代表取締役社長
2011年 公益社団法人 経済同友会 代表幹事(2015年まで)
2014年 代表取締役 取締役会長
2015年 東京電力株式会社(現 東京電力ホールディングス株式会社) 社外取締役
2015年 取締役会長
2016年 旭硝子株式会社 社外取締役
その他、日本経済団体連合会、日本製薬工業協会等で要職を歴任され、日本を代表する経営者の一人として幅広く活躍しておられます。

武田薬品工業株式会社の概要
売上高において国内一位の医薬品企業
設立;1925年(創業;1781年)
資本金;652億円(2017年3月末時点)
2017年3月期の連結決算内容;
 売上高;1,732,051百万円、営業利益;155,867百万円
医療用医薬品が売上高の大半を占めています。
そのうち、潰瘍性大腸炎、癌、高血圧症、消化性潰瘍等の治療薬が主な製品です。
国内に下記の技術・生産事業所を保有しています。
 湘南研究所(神奈川県藤沢市)
 大阪工場(大阪市淀川区)、光工場(山口県光市)

ご講演の趣旨
「近年、人口動態の変化、経済のドライバーの新興国への移行、AI(人工知能)を含めたIT化といった劇的なパラダイムシフトが起こりつつある。このように加速度的に変化していく世界のなかで、「何もしないこと」は、結果として、国家、企業、個人にとって、「最大のリスクテーキング」となる。
医薬品業界においても近年、劇的な環境変化が起こっている。そのような変化に対応するためにタケダがとってきたグローバル化戦略、リーダーの役割、経営の基本精神などについて紹介する。」

日本の経済界の重鎮であり、政治経済学部卒業の大先輩と身近に接することの出来る貴重な機会です。長谷川会長は医薬品企業の役員ですので化学関連のお話も期待出来ますし、学生にとって興味のある大学時代のお話も期待出来ます。従いまして学生諸君は勿論ですが、社会で活躍中のOB/OG諸君、更にはシニアOB/OGの方々にとっても大変貴重なお話しを聞くことが出来る絶好の機会であると確信致します。
なお、講演開始時に講演者の簡単な紹介を下記の方にお願いしております。
竜田邦明様(早稲田大学名誉教授・栄誉フェロー、第99回日本学士院賞受賞、第13回交流会
講演会講師)
皆様お誘いの上、是非奮ってご参加ください。

講演期日;2017年 7月13日(木)
講演会場;早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館2階03室、04室、05室
講演時間;17:00~18:15(受付開始 16:30、参加自由、無料)
学生代表とのパネルディスカッション
;18:15~19:00
懇親会 ;19:15~20:30 (63号館1階 Rohm Square)
講演者を囲んで懇親会を開催します。(懇親会費:3千円、学生無料)

申込みはこちらから

 

事前登録を7月9日(日)までに頂いた方には、当日受付で名札をお渡しいたします。
それ以降の登録の場合は、名札の準備が出来ませんので自筆でお書き頂く事になりますことをご了解ください。
講演会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。
また講演会場ではビデオ撮影も予定しております。

第10回中部支部総会と交流会の報告

2017年4月15日(土)「北京料理百楽名古屋店」にて、第10回中部支部総会と交流会を開催しました。東京大学総合研究博物館特招研究員吉田邦夫氏をお招きし、関西支部よりは市橋宏副支部長と田中航次事務局長に参加して頂いた。

第10回支部総会

三島支部長の開会挨拶に引き続き、 堤幹事より、2016年度の活動および経費実績並びに2017年度活動計画案が上程され出席者全員の賛同が得られました。→第10回中部支部総会上程資料(HP掲載用)


吉田邦夫氏による講演「縄文人の食卓~同位体食生分析~」

吉田氏は放射性炭素(C-14)が規則正しく壊れる現象を時計として使うことによって、人間と自然の営みに関する時間情報について研究してこられ、考古学、環境学、美術史など幅広い分野で研究活動を行っておられます。今回の講演では、人骨と土器に残された炭素・窒素同位体情報をもとにして、縄文人の食卓を再現されました。

①あなたは、あなたが食べたもの(同位体食性分析)

地球にある炭素、窒素には、わずかに重さが違う 兄弟原子「同位体」が存在し、その比率(安定同位 体比)は炭素については12C(98.90%)、13C (1.10%)、素については14N(99.63%)、15N (0.37%)である。これら炭素や窒素の同位体は 質量が異なるため、植物に取り込まれてセルロースや デンプンに変化したり、タンパク質に合成される際に、 反応速度の違いから安定同位体比からずれることが わかっている。これを同位体分別効果といい、食材の グループによって同位体の割合がわずかに違う。 この違いを利用して、人が食べていた食材を推定するのが、同位体食性分析である。例えば人の髪の毛の炭素・窒素同位体比を分析すると、ベジタリアンの人かどうかを調べることができる。(ベジタリアンの場合、重い13C、重い15Nの同位体比は共に低く、一般的な人と比較して特異なデータが得られる。)安定同位体比の測定は、分析試料を燃やして出来る気体、二酸化炭素と窒素ガスを質量分析計で測定する元素分析計-質量分析計システムによって行う。

②縄文人の食卓への二つのアプローチと日本列島の食料資源

縄文人の食卓を推定するため、「人骨のコラーゲンの分析」(長期間の情報、年齢、男女差などの個体の情報)と「土器付着物の分析」(短期間の情報、一回または複数回の調理の情報)」の二つのアプローチを行い、過去の日本列島の食料資源の炭素・窒素同位体比の情報(C3植物、C4植物、草食動物、海産貝類、海産魚類、海産哺乳類)から、縄文人の食卓を推定した。

③縄文人骨に残された痕跡

縄文人骨から硬タンパク質(コラーゲン)を取り出し、同位体比を分析すると、居住地域による特徴が見られる。北海道では、およそ6000年の間、海獣に依存した食生活が続いていた。内陸部では、草食動物に依存していた。貝塚人は、海産物の依存が多いものの、貝類のみを食していたわけではなく、草食動物を多く食していたことがわった。また、人骨分析を行った集団の中で、集団から離れた個体の存在が見つかった。異なる食文化をもつ個体(シャーマンなど)? あるいは、食文化が異なる集団から移り住んだ個体?があったと推定される。

④土器に残された痕跡

火炎土器は祭祀のため、神に献げるものの煮炊きに使用されていたと推定される。火炎土器に付着した炭化物(調理した食材のおこげ)の炭素同位体比とC/N比の分布を測定することで、食材の種類を特定することができる。火炎土器付着物から次のことがわかった。堅果類(どんぐり、トチの実など)を単独で煮炊きした例はない。遺跡ごとにややまとまりが見られる(祭祀のために決められた特別なメニューはなかった)。(信濃川)上流部では、主としてC3植物と陸上動物が調理されていた。(信濃川)下流部と(佐渡)島では、海洋魚、サケ・マスを含む食材が調理されていた。

最後に新たな展開として、脂質分析(分子レベル炭素同位体比分析)の紹介があった。


懇談会

後藤顧問の挨拶と乾杯の音頭で懇談会に入った。両関西支部来賓および大高理事、新村理事および初めて参加頂いた浜名氏にスピーチを頂いた。テーブル毎や吉田氏を囲んだ懇談が盛んで、2時間があっという間に過ぎてしまいました。全員写真を撮った後、フィナーレは堤幹事の「1本締め」で、母校及び早化会の発展と各位のご活躍を期し散会しました。

参加者(敬称略)

(講 師)吉田邦夫(新21回) (関西支部会員)市橋宏(新17回)、田中航次(新17回)、
(中部支部会員)澤田祥充(旧31回)、近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、柿野滋(新 19回)、秋山健(新19回)、谷口至(新22回)、須藤雅夫(新22回)、木内一壽(新24 回)、山崎隆史(新25回)、浜名良三(新29回)、服部雅幸(新32回)、新村多加也(新 39回)、大高康裕(新41回)。

(文責:大高、堤)


昭和33年卒業・新制8回同期生クラス会報告(平成29年4月19日開催)

卒業後、毎年1回開催している題記のクラス会を、今年もまた早稲田大学学生会館内の楠亭で開催した。集まった18名の仲間は、皆、相変わらず元気で、和やかな雰囲気であった。

 

交通事故の重症で1ヶ月間、意識不明の後、見事に復活した中野宗太君。数年前、脚立の転倒による頚椎損傷で生死の境にいた小松原道彦君も元気に出席した。運の強い人が多い。我々は81歳を越えた現在も、まだまだ「若」年寄りだと自分では思っているのだが、各人の近況報告の時には、「耳が遠いから大きな声で言ってくれ」との注文もあった。

 それぞれ個性的なスピーチであったが、特に印象に残ったものは、昭和24年(1949年)夏の甲子園で真紅の旗が初めて箱根の山を越えたときの湘南高校野球部のメンバーだった設楽卓也君の話で、同じく当時の野球少年だったクラスメイトたちの興奮を呼び覚ました。

 最後に余語盛男から「般若心経」の新しい解釈についてのエッセイ小冊子が配られた後、柳澤亘君の音頭で「早稲田大学校歌」が歌われ、応化へのエールが挙げられた。
 なお、当日の幹事は平晋作、永井晃一および平子堅一の3君でした。

                      (記;余語盛男、 写真;高橋信男)

第10回「στの会」開催報告3月18日(土)

 第10回の開催を記念する「στの会」を3月18日(土)に大隈会館教職員食堂「楠亭」で開催しました。早稲田ゆかりの地で気軽に参加できるようにと、立食パーティ形式をとっていますが、今回は初めて楠亭を使用する運びとなり、参加者は30名超となりました。

 多田先生、佐藤先生のご家族をはじめ、幅広い年代層の集いとなりました。佐藤研と多田研は純正有機化学をメインにしていたことから、実験器具や薬品の相互融通、ゼミや卒業旅行の共同開催など、親密な交流と相互啓発が続いた研究室同士であり、出席者はその繋がりを再確認しました。

 会は10回目を数える事となりましたので、従来の話題提供を止め、参加者の近況報告の時間を多くとることで相互の親睦を図ると同時に10回と会を重ねて来られたことを記念しようということにしました。冒頭には多田先生からご挨拶を頂きましたが、先生のご配慮から乾杯を先にし、飲みながらご挨拶を聞くという進行となりました。全員によるスピーチでは、近況報告を含め、趣味や社会貢献、本の出版や、健康維持方法など話題も多彩で、相互刺激にも一役買った時間となりました。この会は新入会員が入らない平行移動で年を重ねる会ですが、社会参加への意欲が強く、そして相変わらず笑顔の多い会で3時間の会食時間もあっという間に過ぎ、集合写真を撮った後、名残惜しげに散会となりました。

 今後も、毎年3月の第3土曜日を開催候補日としますので、是非、会員の皆様におかれましてはスケジュール調整にお含みください。

 末尾になりますが、今回のこの同門会便りで開催を知った方も居られると思いますが、メールアドレスの判明している方々への呼びかけで開催に漕ぎ着けていますので、ご理解を頂きたいと同時に、不備のあったことはお詫びしたいと思います。次回以降に向けてメール連絡網を整備するためにも、会員の方々のアドレス登録を幹事役の井上まで(下記アドレス)お願いいたします。

(文責:幹事役、新制19回井上健:takeshi.inoue@akane.waseda.jp
集合写真

集合写真

笑顔の多い会

多田先生と佐藤先生のご家族


応用化学会中部支部第10回定期総会と交流会のご案内

4月15日に応用化学会中部支部第10回定期総会と交流会が開催されます。今回の交流会は、東京大学総合研究博物館特招研究員吉田邦夫氏(新21回生、多田研)をお招きします。
演題は“縄文人の食卓〜同位体食性分析〜”です。
 吉田氏は放射性炭素(C-14)が規則正しく壊れる現象を時計として使うことによって、人間と自然の営みに関する時間情報について研究してこられ、考古学、環境学、美術史など幅広い分野で研究活動を行っておられます。
今回、吉田氏は、人骨と土器に残された炭素・窒素同位体情報をもとにして、縄文人の食卓を再現致します。太古の人々の食卓はどのようなものであったか?飽食の時代を生きる現在人にとって大変興味深い内容となっております。

 講演後は、吉田氏を囲んだ懇談を用意してありますので、活発なコミュニケーションをして頂きたくご案内致します。
万障お繰り合わせの上、多数ご参加下さいますようお待ちしております。

早稲田応化会中部支部支部長 三島 邦男
  1. 開催日時:2017年4月15日(土) 受付15:30より
  2. 場 所:北京料理「百楽」名古屋店14階会議室(JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
  3. 支部総会:16:00~16:30
    • 平成28年度事業実績報告
    • 平成29年度事業計画について
  4. 交流会:16:30~18:00
    • 題目:“縄文人の食卓~同位体食性分析~”
    • 講師:吉田邦夫氏
      東京大学大学院理学系研究科博士課程 理学博士
      東京大学総合研究博物館教授を経て同館特招研究員
  5. 懇 談 会:18:00~20:00
    「百楽」15階ホールにて開催(会費4,500円)
  6. お申し込み →こちらから
    勝手ながら、来る4月7日(金)までに申し込みをお願いします。
  7. 問合せ先 中部支部幹事 堤 正之m.tsutsumi@fuga.ocn.ne.jp 
以上

第10回στの会開催のご案内

来る3月18日(土)に恒例のστの会を開催予定です。早いもので今回は第10回目となります。

場所の選定に若干苦労しましたが、今回は大隈会館内の教職員食堂「楠亭」で開催できる運びとなりました。

開催概要は;
日時:3月18日(土) 17:00-20:00
場所:早稲田大学大隈会館(20号館)1F 教職員食堂「楠亭」
会費:7,000円(2名以上での家族参加は5,000円/人)
10回記念ですので、会の進行は別途相談の上決めるつもりです。

出欠に関しては、早めにスケジュールを確定できる方は、なるべく早めに返信頂けると有難く思います。
最終の締め切りは3月10日と設定しますので、宜しくご高配ください。

また、メールでのお誘いですが十分に把握できていない面もありますので、近い年代の方々の相互のお誘いを宜しくお願いします。

στの会・幹事役 井上 健( takeshi.inoue@akane.waseda.jp  )