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学内講演会のお知らせ
「Step-by-step towards sustainable light-emitting electrochemical cells: Emitter and Electrolytes」

下記の要領で学内講演会が開催されます。

演 題 「Step-by-step towards sustainable light-emitting electrochemical cells: Emitter and Electrolytes」
講 師 Rubén D. Costa
所属・資格 ミュンヘン工科大学教授
日 時 2023年10月23日(月) 15:00-16:40
場 所 西早稲田キャンパス 55号館S棟510室
参加方法 入場無料、直接会場へお越しください。
対 象 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
主 催 先進理工学部 応用化学科
問合せ先 早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000

参考:「Step-by-step towards sustainable light-emitting electrochemical cells: Emitter and Electrolytes」(2023/10/23) – 早稲田大学 理工学術院 (waseda.jp)

早稲田大学 先進理工学部 応用化学科主催 講演会 報告

2023年9月9日(土)14:00~15:30 (対面と遠隔方式を併用して開催)

講演者 植村 榮 先生 京都大学名誉教授
演題 『化学遺産を基調にした「化学よもやま話」』

講演者学歴

1959年  京都大学工学部燃料化学科入学

1963年  同卒業

1963年  京都大学大学院燃料化学専攻入学 修士課程を経て

1968年  同博士課程修了 京都大学工学博士

1968年  京都大学工学部・化学研究所助手・助教授を経て

1991年  同工学部石油化学科教授 同大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻教授を経て

2004年  同定年退官 京都大学名誉教授 同年中央大学兼任講師

2005年  岡山理科大学工学部教授(語学教育センター)

2012年  同定年退職

受賞歴等

1971年  ラムゼーフェロー(英国ロンドン大学インペリアルカレッジ、G.Wilkinson教授、1973年まで)

1983年  有機合成化学協会賞

1989年  日本化学会学術賞

2009年  日本化学会フェロー

2023年  日本化学会功労賞

職歴等

日本化学会理事、副会長、監事、「化学と工業」誌編集委員長、同誌監修(現在)。化学遺産委員会顧問(現在)。最高裁判所(知的高裁)専門委員など。
【専門】触媒有機化学、科学英語。【趣味等】バドミントン、化学よもやま話。

はじめに

早稲田応用化学会は社会で活躍するOB/OGを中心に講演を依頼し、交流会講演会を企画・開催しております。これまで頂いた参加者アンケートでは、幅広い分野の講演をご要望されています。そこで学科主催で開催されている産学官の幅広いご講演者の講演をサポートする事で、会員の皆さまにも積極的にご紹介し、ご参加いただける機会を増やして参りたいと考え実施しました。
本講演会は、応用化学科 桐村光太郎教授主催で2020年3月に企画されコロナ禍で延期しておりました。今回、桐村先生より応化会との共催のご相談を受け、応化会員だけではなく京大関係者他、多くの皆さまにお声がけして開催に至りました。
対面方式で使用した会場;西早稲田キャンパス 63号館2階05会議室 (原富太郎記念会議室)
遠隔方式で使用したソフト;遠隔会議用ソフト Zoom

参加者:対面方式;53名 (応化会OB/OG 15名、先生、職員 5名、在校生 12名、京大、その他 (日本化学会など) 21名)

    遠隔方式;43名 (応化会OB/OG 23名、先生、職員 2名、在校生 2名、京大、その他 (日本化学会など) 16名)

    合計  ;96名 (応化会OB/OG 38名、先生、職員 7名、在校生 14名、京大、その他 (日本化学会など) 37名)

まず椎名交流委員長による開会宣言、視聴に当たっての依頼事項を説明した後、司会の桐村先生にマイクが渡されました。
桐村先生より2020年3月に計画されコロナ禍で延期となった今回のご講演の経緯と、講演者のご紹介が行われました。

桐村先生の講師ご紹介

本日の講演会開催に至った一つの経緯を紹介いたします。日本化学会春季年会が2002年に約40年ぶりに早稲田大学西早稲田キャンパスで開催されました。その翌年2年連続で早稲田西早稲田キャンパスにて開催された2003年春季年会が日本化学会創立125周年にあたり、記念式典はリーガロイヤルホテル東京で開催されました。その際、創立125周年記念事業特別委員会の副委員長であった植村先生がご担当された「化学の普及」をテーマとした委員会で桐村が委員の一人であったことが今回の講演をお願いする契機となりました。
植村先生は2005年に発足した日本化学会 化学遺産委員会の初代委員長として精力的に活動を行い、化学遺産の認定や普及を推進されています。また、日本化学会の「化学と工業」誌編集委員長、同誌監修(現在)として長年にわたり同誌の改革に取り組まれています。さらに、同誌に「化学よもやま話」を連載されており、多くの読者が毎回楽しみに拝読しております。
本日のご講演は、植村先生が生み出された「化学遺産」と「化学よもやま話」の2つのコラボレーションを基盤とする大変贅沢な内容となります。
植村先生は、本年2023年3月に「我が国の化学遺産認定事業に対する貢献」として2022年度日本化学会第18回功労賞を受賞されました。ご受章のお祝いの気持ちを込めた皆さまの盛大な拍手で植村先生をお迎えしご登壇いただきたく存じます。
植村先生、ご講演を宜しくお願い致します。

   

講演の概要 ⇒ こちら

講演の概要について使用された植村先生の資料を一部引用し報告いたします。

化学遺産委員会について

化学遺産委員会の創立と委員会の任務についてご説明があった。

2003年3月:日本化学会創立125周年記念事業。

2005年3月:化学教育協議会「化学アーカイブス小委員会」として発足。

2007年3月:研究交流部門に属する「化学遺産委員会」と改称して本格的に活動を開始。

化学遺産委員会の任務は以下を中心に活動している。

・化学研究及び化学技術面で大きな功績を残された高名な化学関係諸先達にインタビューを行い、それを映像と音声及び冊子体で後世に残す事業。
⇒ 化学語り部事業・オーラルヒストリー

・世界に誇る我が国の化学・化学技術関連の文化遺産を認定し、それらの情報の社会に向けた発信。
⇒ 化学・化学産業遺産の選定・認定

日本の化学小史

・“舎密開宗” (せいみ かいそう):認定化学遺産第001号
現在「化学」と言っている言葉、わが国で最初にこれに与えられた言葉は「舎密」であった。これはオランダ語のChemieに対する発音「しぇみー」に当てられた漢字であり、これを「せいみ」と発音したものである。その名付け親は現在の岡山県に属する津山藩の藩医宇田川榕菴 (うたがわようあん) (1798~1846)である。
元素、水素、窒素、硫酸曹達、酸化、還元、瓦斯、結晶、試薬、飽和、溶解、溶液、『珈琲』も榕菴が創り出した用語。

・長崎出島:江戸時代唯一の外国との窓口
江戸時代幕府の鎖国政策により西洋との交流の窓口は、長崎にあった扇形をした埋め立て地“出島”だけであり、オランダ人だけが出入りを許されていた。そこに置かれていたオランダ商館に軍医でもある商館医が4、5年任期で派遣されてきており、その中で幕末期に我が国の医学と化学に特に大きな影響を与えたのはJ.L.C.ポンペ (1829〜1908) とK.W. ハラタマ (1831〜1888) であった。

・幕末, 医学と化学に寄与した二人のオランダ商館医

ポンペ (1829〜1908):
幕府の肝いりで長崎に作られた医学伝習所と養生所 (西洋式病院) で主に医師として活躍し、理科学教育を行う機関として養生所内に「化学窮理所」の設置を幕府に進言した。
ここでのポンぺの化学の講義を彼の弟子のひとりである医師松本良順(1832~1907) が講義録「朋百舎密書(ポンペ舎密書)」(1859) として残している。:認定化学遺産第007号

ハラタマ (1831〜1888):
ボードウィンの後任として呼び寄せられた。政治体制が幕府から明治政府に移る幕末動乱期であったため非常な苦労が強いられた。1869年に念願の理化学校である「舎密局」が大阪に開設され、彼はそこでオランダから取り寄せていた理化学実験器具と薬品類を用いて本格的な化学実験を我が国で初めて行い、数多くの若き俊英を育てた。
日本の近代化学教育の礎を築いた舎密局の設計図 (大阪開成所全図) (京都大学・大学文書館蔵書):認定化学遺産第052号

     

・“化学新書”:認定化学遺産第008号
三田藩医 川本幸民 (1810-1871) が、ドイツ語で著されたJ. A. Stöckhardt (1809-1886) 著「“化学の学校” (Die Schule der Chemie)」のオランダ語訳 (1846年刊) を日本語に翻訳し1861年「化学新書 (全3冊)」を刊行。「化学」と言う言葉はそれより5年ほど前に中国の上海で英国の宣教師によって作られた言葉である。幸民は初めて「化学」と言う言葉を導入して採用すると同時に、分子、合成、空気、大気、午前、時間、気象、尿素、葡萄糖、蛋白など多くの言葉を創出した。

   

日本化学会小史

 1878年 (明11)「化学会」創立 初代会長 久原躬弦:会員25名、翌年「東京化学会」と改称

   

 1898年 (明31)「工業化学会」創立 初代会長 榎本武揚:会員319名

 1921年 (大10)「東京化学会」を「日本化学会」と改称

 1948年 (昭23)「日本化学会」と「工業化学会」が合同し新しい「日本化学会」誕生 会長 石川一郎、会員数 約12,000名

 1978年 (昭53) 創立100周年記念事業 「日本の化学百年史」

 2003年 (平15) 創立125周年記念事業 天皇・皇后両陛下ご臨席

 2023年 (令5)   現在の会員数 約22,600名

文学に関連した化学
文学に関連した化学について興味を持つようになって長いが、その引き金となった一冊、堀辰雄 (1904~1953) の小品「大和路」の中の「浄瑠璃寺の春」(1943年刊)に馬酔木 (あぜび) が登場する。高校時代から奈良の古寺・仏像に懲りだし、飛火野 (奈良公園) あたりも良く散策して早春には馬酔木の花がたくさん咲いている事を知っていた。私はこの花の漢字に興味を覚え、何故馬が酔うのだろうかと疑問に思っていたが、大学で有機化学を専攻し、この木の葉や茎の中にジテルぺンのアセボトキシンと言う生理活性物質が含まれている事を知り、なるほどそれで馬がその葉を食べると酔ったような状態になるのかと納得したのである。
しかしながら、あの飛火野に多くいる鹿が食べていて同じような症状を起こして、「鹿酔木」と漢字があてられていてもよかったのにと未だにその疑問が残っている。敢えて考えれば、野生の鹿は、家畜としての馬の酔った姿を人間が見るよりもずっと前にこの危険を経験ずみだったのであろうか。そう考えれば飛火野の花がだれにも食べられずに咲いている事が理解できる。

近代文学ではやはり文豪夏目漱石 (1867~1916) に触れないわけにはいかないだろう。「吾輩は猫である」 (1905年) に、常備薬として大化学者・高峰譲吉 (1854~1922) によって麹菌からと取り出された酵素アミラーゼを商品化したタカジアスターゼ (1894発売) と言う消化薬を飲んでいる万年胃の悪い苦沙弥先生が登場する。
漱石は胃潰瘍であったため僅か49歳で亡くなっている。「それは利かんから飲まん」と小説の中では言っているが、勿論この薬には潰瘍への効果は無く、特効薬としては時代をずっと下がって1976年英国で市販されたシメチジンの登場を待たねばならなかった。現在ではさらに改良され、数多くのプラゾール系の薬が全世界で使用されている。
高峰譲吉は喘息治療薬や強心剤としても知られる副腎ホルモン・アドレナリンを上中啓三 (助手) と共に世界で初めて単離結晶化に成功 (1900年)、まさに化学起業家の先駆けと言われるのにふさわしい人物である。

 

「日記」(1901年) では、ロンドン留学時代にノイローゼになり、当時の文部省からのドイツ留学を終えて帰朝する予定であった化学者・池田菊苗 (いけだきくなえ)(1864~1936) が漱石を訪問し、二か月近く彼の下宿で滞在した。その間、漱石は菊苗から最新の化学や哲学の話などを聞くと同時に、いろいろな関心事を話し合ったりして随分心がなごみ元気を取り戻したのである。

「書簡」(1908年) では、「三四郎」(1908年) の野々宮宗八、「吾輩は猫である」の水島寒月のモデルとなった物理学者・寺田寅彦 (1878~1935) 宛てに、池田菊苗氏 (化学者) が将来素晴らしい化学者になると予見し、寅彦に是非訪問して話をするようにとの手紙を送っている。事実、菊苗は帰国後、昆布からうまみ成分グルタミン酸ソーダ (ナトリウム塩:そのL体がいわゆる味の素) を発見した大化学者になった。

化学と文学のもう一つの接点は染料である。
井上靖 (1907~1991)「額田女王」(ぬかたのおおきみ)(1969年刊) に紫草の根の染料の話が出てくるが、古代紫と呼ばれるこの染料はシコニンである。特記すべきことに、この化学構造は我が国の女性化学者の先駆けである黒田チカ (1884~1968) によって1918 年に明らかにされた。
ちなみに、山形最上地方でとれる紅花から作られ、祇園の芸舞妓の唇を彩った口紅、その赤色成分カーサミンの化学構造を1929年に明らかにしたのも黒田女史である。

この紅花を扱った小説に水上勉 (1919~2004) の「紅花物語」(1969年刊) がある。紅花から口紅を作り出す京の職人木下玉吉と妻とくの物語であり、ついに玉虫色の素晴らしい“玉吉紅”を作り出すまでの長い道のり、そのノウハウの発見など興味深い小説である。

 

もう一つ染料に関する小説として、高樹のぶ子 (1946~) の「サザンスコール」(1991年刊) を紹介したい。
これは化学がたっぷりと入ったミステリータッチの実に読み応えのある中編小説である。沖縄の麻布を染めたハイビスカスの赤い花からとれた真っ赤な染料の謎。色素アントシアニジン、その配糖体アントシアニン、ぺラㇽコニジン、シアニジン、ドイツの学者ケクレ先生のベンゼン、マススペクトル、その他いろいろと化学の専門用語がちりばめられている。

 

最後に、化学技術者の先駆けとして宇都宮三郎 (1834~1902) の業績について触れておきたい。明治時代の初期 (1875~1881) にいろいろな化学工場の創設に寄与した人物であるが、特にセメント、炭酸ソーダ、耐火煉瓦等無機化合物の国産化に多大な功績を残している。この才気にあふれかえった天才には、我が国での献体願ひ出第1号 (1868年) という変わった経歴がある。脚気らしい重い病気でもう命運がつきたと思って願いを出したが、その後元気を回復し、それから30年以上も生き延びた。実際に特志解剖志願者第1号として解剖されたのは江戸の遊女だった美幾女 (1869年) であり、宇都宮と美幾女との関係など、このあたりの顛末を題材として取り上げた小説が渡辺淳一 (1933~2014) の「白き旅立ち」(1975年刊) である。
日本のセメント産業の発祥を示す資料や大阪造幣局の硫酸ソーダ製造装置など化学技術者の先駆け宇都宮三郎資料は認定化学遺産第017号、第026号として認定されている。

 

ご清聴ありがとうございました。

質疑応答
Q. 桐村先生より:化学遺産の認定について、他国で似たような活動がなされているのか?
A. アメリカ合衆国には、だいぶ前から化学遺産財団というアメリカ化学会とは全く別の組織があり、企業からの寄付金を中心とする莫大な資産を背景に積極的な活動を行っている。

桐村先生から閉会のご挨拶
植村先生、ご講演ありがとうございました。
本日のお話はとても楽しく拝聴いたしました。
化学の世界で達成された偉業は、研究としての重要性が認識されることになります。しかし、化学の世界での発見や進歩は文化や教養などと通じていることも確かなことです。化学の世界での偉業や進歩(あるいはその過程)を文化と結び付けて楽しむ、根本的に何か面白いものとして楽しむことが出来るということが、本日の植村先生のご講演から感じたことでございます。
もう一つ、化学を勉強してきた者にとって、化学式が出てくるとそこから分かることがあるわけです。文化や教養もそうですが、化学式が出てくることで、さらに化学の面白さが加わり、そこに植村先生にお話しいただいたような人間的な楽しさが加わっていくと、何重にも多層的に面白さが高まっていくことを身に染みて感じました。
認定された化学遺産については、今後どのように取り扱っていくのかも大事だと思います。本日のご講演では、認定された化学遺産は公開していただくことで、誰でも自由に化学の歴史を紐解くことが出来るし、また現地(注:化学遺産の存在場所)に赴くことでその地域の魅力とともに楽しむことができる。すると、何か新たな個人的な発見があるはずだということを本日のご講演では教えて頂けたのではないかと思い、私は大きな感銘を受けました。
また、本日は日本化学会から会場に参加いただいた皆さまに「化学遺産認定」のパンフレットを提供いただきました。ご協力頂き誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

集合写真


参加者アンケートまとめ及び応化会からご挨拶 ⇒ こちら
今回も多くの皆さまにご参加いただき、誠にありがとうございます。
また遠方よりお越し頂いた植村先生、本講演を企画頂いた桐村先生、そして色々ご協力いただきました日本化学会の皆さま、応化会OB/OG、桐村研究室の皆さまのお陰で無事開催出来ましたことを、心より感謝申し上げます。
50名様よりアンケートご回答を頂きました。多くの方に本講演についてご満足いただけたとのご感想を頂き安堵しております。
一方で、アンケートでもご指摘がございましたが、Zoomによるリモート配信において、カメラセッティングと操作指示の不手際で、植村先生のご講演の様子や会場の雰囲気をお伝え出来なかったこと、また集合写真の指示があいまいで時間を有した事を心よりお詫び申し上げます。
今回の失敗を次回に活かして、今後も皆様にお楽しみいただける講演会を企画して参ります。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

――― 以上 ―――

(文責;交流委員会)

学内講演会のお知らせ
「有機分子の励起状態制御:励起三重項よりもエネルギー的に安定な励起一重項の実現」

下記の要領で学内講演会が開催されます。

演 題 「有機分子の励起状態制御:励起三重項よりもエネルギー的に安定な励起一重項の実現」
講 師 夫 勇進
所属・資格 理化学研究所理化学研究所 創発物性科学研究センター
創発超分子材料研究チーム チームリーダー
日 時 2023年10月3日(火)16:30-18:10
場 所 西早稲田キャンパス 55号館S棟510室
参加方法 入場無料、直接会場へお越しください。
対 象 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
主 催 早稲田大学先進理工学研究科 応用化学専攻
問合せ先 早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000

参考:「有機分子の励起状態制御:励起三重項よりもエネルギー的に安定な励起一重項の実現」(2023/10/3) – 早稲田大学 理工学術院 (waseda.jp)

第三回応化給付奨学金受給者の集い

2018年11月10日(土)、2019年8月31日(土)と開催した博士修了者の「里帰り」の集いですが、新型コロナウイルスの影響で、延期せざるを得ませんでした。この8月26日(土)にやっと対面での第三回を55号館第2会議室で開催することが出来ましたので、ここに報告させて頂きます。

今年は、河村 宏氏(元会長)、下井 將惟氏(元副会長)ら有志が西出宏之前会長と核になり、従来からの目的である、社会の中堅として頑張っている面々が気軽に集まり、交流の輪を広げることに加えて、どうしたらその気持ちを鼓舞出来るのか考え、今年から2名の方を表彰する試みを始めました。

奨学金受給者内幹事役3名の方々(新51 田原聖一氏、新53 百武 壮氏、新57 國本雅宏氏)の協力を今回も得ました。前回同様の新51回生~新60回生(2001年~2010年学部卒相当)の博士修了者に声を掛けさせて頂き、当日は 応用化学科給付の奨学金(水野賞受賞者含む)を受け博士号を授与されて、社会の様々な方面で奮闘されている19名の面々が集まり、大林秀仁氏を含む5名のホストら合わせ24名が、4時間弱の時間を母校西早稲田キャンパスで共にし、活発な交流を深めることが出来ました。

規模的に適切だったこともあり、従来にも増して密度の高い交流がなされ、より多くの方々が実りある時間を過ごされたことと確信しております。来年も参集された皆さんの同世代に加えて世代を超えた縦のネットワーク構築にもなればと考えている次第です。

<案内文章>

<参加者リスト>


当日は、遠方からの参加者も含め19名のかつての受給者が参集され、西出宏之前会長(新20)の挨拶でスタートしました。本会のあらましの説明(発起人5人)、今年から毎年2名を選んで激励の表彰をしていきたい、前置きとして、奨学金は寄付を原資としていること、「志」を育むことが目的と述べられた。企業あるいはアカデミアの分野でめざましい活躍をされている方を選定していく、選ばれた2名が披露されました。また、そのスポンサーとして、応化会の70歳以上のOBで構成される「シニア会」で表彰する形で動いている旨触れられた。

次いで、先生方の中でご参加されておられた、菅原義之先生から、最近の学内の動き(西早稲田キャンパスの建替え、教授の新旧交代、100分授業が開始されたこと等)をご紹介頂きました。

次に、激励表彰を今回受けられた2名の方の自己紹介と会社での実績と将来展望のあらましが説明されました。
*新51 米久田康智氏(富士フイルム)からは、企業での15年間における基礎/実用化研究で獲得した経験、新規材料研究への想い、及び2019年から研究マネージャーとなったことなどが語られた。

*新53 澤村健一氏(イーセップ)からは、ナノ多孔性セラミック分離膜の社会実装を目指し、2013年に創業した会社(膜分離システムの設計、開発、販売。現在メンバー40名)にて、産・学・官連携のオープンイノベーション体制を構築し、次世代型化学プロセスの構築のチャレンジがアピールされた。

続いて、奨学金受給者の皆さんがスライドを使い各人各様の自己紹介をされました。 分野・会社が多岐に亘る近況や見通しなど、皆さん 興味深く聞かれていました。

懇親の部は、同室で4つの大テーブルを囲んで始めました。

河村宏氏(新09)の乾杯の挨拶では、横のネットワークに加えて、縦の関係も本会を発端にして作って頂き、人との交わりの中で刺激を受け、それを皆さんの活躍に生かしていって欲しいと鼓舞するメッセージを頂きました。発起人の皆さんを囲んで交流が始まりました。 まさに縦横の交流がスタートしました。

途中、中締めを経た後も、奨学金受給者の皆さん方は交流が終わらず、会場の片付けをお手伝い頂いた後は 三々五々馬場方面に場所を移動されて続けられたと聞いております。

集合写真

次回の開催日は決まっておりませんが、更にネットワークの輪が広がることを期待しております。

(文責 事務局 高橋 宏)

学内講演会のお知らせ「特殊ヘテロ環の化学」

下記の要領で学内講演会が開催されます。

演 題 「特殊ヘテロ環の化学」
講 師 熊谷 直哉
所属・資格 慶應義塾大学・教授
日 時 2023年12月18日(月)17:00-18:40
場 所 早稲田大学 121号館 コマツ100周年記念ホール
参加方法 入場無料、直接会場へお越しください。
対 象 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
主 催 先進理工学部 応用化学専攻
問合せ先 早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000

参考:「特殊ヘテロ環の化学」(2023/12/18) – 早稲田大学 理工学術院 (waseda.jp)

学内講演会のお知らせ
「ラジカルが拓く新触媒・新反応・新機能」

下記の要領で学内講演会が開催されます。

演 題 「ラジカルが拓く新触媒・新反応・新機能」
講 師 大宮 寛久
所属・資格 京都大学・教授
日 時 2023年12月18日(月)15:00-16:40
場 所 早稲田大学 121号館 コマツ100周年記念ホール
参加方法 入場無料、直接会場へお越しください。
対 象 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
主 催 先進理工学部 応用化学専攻
問合せ先 早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000

参考:「ラジカルが拓く新触媒・新反応・新機能」(2023/12/18) – 早稲田大学 理工学術院 (waseda.jp)

応化卒の多様なキャリア形成(先輩博士からのメッセージ):

【開催日時】
2023年8月19日(土):オンラインにて開催
13:00- パネルディスカッション
14:15- 座談会

昨年度まで「先輩博士からのメッセージ」として開催してきた本イベントは、今年度より「応化卒の多様なキャリア形成」と名前を変更して開催した。今回は学位取得後数年〜10年前後経過した社会人をメインとしたパネルディスカッションを実施し、国内外の様々な職場で博士号をどのように活かしているか語ってもらった。

開会挨拶: 下村副会長:

今年は応用化学会創立100周年として様々な取り組みをしており、博士人材の育成・支援は特に重要と考えている。本会もその一部である。
思い起こせば自分が応用化学科の学生であった頃は、学部卒が卒業生全体の半数ほど占め、修士課程に進学した学生のうち、一部がそのまま博士後期課程に進学し、企業に就職後学位取得のために戻ってくるケースもあったが少数だった。最近の博士人材のキャリアは多様化しており、本会も様々な知識を得る良い機会になるのではないかと思う。是非この貴重な場を活用してほしい。


パネルディスカッション:
今回パネルディスカッションに参加していただいた6名のパネリストの方々に自己紹介をしていただいた後、事前アンケートで希望が多かったテーマを中心にファシリテーター(梅澤宏明 基盤委員長)から質問する形式でパネルディスカッションを行った。

パネリスト(6名):


博士取得後のキャリアについて(この道に進んだ理由):
黒田さん: 大学教員を選んだのは、B4の卒業時に修士号を取得した先輩方が毎年10人社会貢献しているのを見て、自分は社会に出る人材を育てることに注力したいと思った。
助川さん: 昔から環境問題で社会貢献したいと考えていて、製品として世の中に貢献できることをしたいと考えた。修士での就職も考えていたが研究を優先させたく、博士を選んだ。
ジギーさん: 博士後期課程修了後も継続して研究したく、海外経験がなかったので他国(欧州)で研究したいと思った。学生と一緒に研究することの興味もあり、現在のキャリアを選択した。
稲垣さん: 基礎研究を継続したのは、合金研究に他の金属を混ぜたときに物性変化を見るのが面白く、論文を調べても明確でなかったことから、基礎研究の面白さを追求したいと考えた。

社会において博士人材も増えているのではないですか?:
黒田さん: アカデミアに進むうえでは、博士後期課程は通過する道であり、化学と工業の求人欄でポスドクの口を見つけた。アカデミアではテーマ替えもあるが、広く視野を広げてチャレンジ出来るのも一つのポイント。
助川さん: 旭化成の研究開発における博士人材の比率は10%程度。ただ、入社後にも学位を取得しにアカデミアに出向される人も多い。マネジメント職に進む人の資格要件ではないものの、マネジメントにプロモートされている方で学位取得者は多い。
ジギーさん: ベルギーの研究機関でも研究職は全員博士号を持っている。人材の募集要件として学位が求められ、かつ研究に関するバックグラウンドも併せて求められる。
稲垣さん: 国立研究機関で研究者として入る人材は学位取得が必須。(特に研究スタッフとしての学位は必須)。
黒澤さん: 就職活動の時期に海外留学が重なったが、最初に受けた製薬企業に就職が決まり、学位取得の強みを感じた。創薬部門は基本的に学位取得者で占められている。
吉田さん: これから就職活動に入るため、学位取得後の進路についてはイメージを持っている程度ではあるが、社会貢献についての興味に基づいてキャリア形成をしたいと考えている。

博士課程での研究生活について:
黒澤さん:月曜日から土曜日まで8時30分スタートで夜10時過ぎくらいまで研究することが多く、有機合成については1反応あたり12時間くらいを有するものもあるので前処理から後処理まで含めるとこのくらいの時間設定になることが多い。空き時間に文献チェックや論文作成など。
吉田さん:10時からから5時までが基本だが、昼間は後輩の指導に時間を充てることも多く、自分の時間を夜に入れたりすることが多い。化学工学では反応時間が長時間になることはあまりないため、解析などの処理などに時間を費やしたりしている。
黒田さん:学生時代に最も研究に時間を費やしたのは修士の時代で、博士課程に進むと研究室運営にも携わる時間が増えた。現在のキャリアを考えるとその時代の知識や経験も役立っているし、次の職場を選択する際にも一つのアピールポイントになった。
助川さん:博士課程時代にはテーマの割り振りなどもあったので、チームで研究を進める際に全体的なマネジメントの楽しさやチームとしての一体感など博士課程で経験した。
ジギーさん:博士課程在学中に助手もさせていただいた。学生実験など教授のサポートもあったので教育関係への時間も割くことになったが、チームでの研究がサポートになりバランスが取れた学生生活だったと思う。
現在は勤務時間がベルギーでは9時-17時で週1回のテクニカルミーティングになっている。ワークライフバランスは法律としても厳しく管理されている。
稲垣さん:博士課程から理研に進んだときに掛け持ちで大学に来る際の体力が、理研には高価な測定機器もあって時間的に使用制限が掛かるときの集中力は求められた。時間的にもメリハリがあった。

論文作成での苦労など:
稲垣さん:論文は一本作成するとその後の研究の見通しなど立てやすくなった。学位論文作成時のIntroductionをもとにしたReview論文作成そのものは大変だった。初期段階での教授のサポートは頂いたが、構成作業などは自力で対応したので力になった。

海外での研究や仕事に関して:
稲垣さん:シカゴで測定系での技術が現地で重要だった。3か月間の留学期間だったが、英語力とともに自炊など生活力も必要であることを実感した。
黒澤さん:ボストンでは同じような研究内容について3か月留学した。週に1回、教官との面談があり、英語でのコミュニケーションが求められた。リスニング力は向上したように思う。
助川さん:共同研究としての出向や、また海外からの研究者の受け入れなどの共同作業はあった。学会発表など含めての海外を経験する機会は多い。海外学会での受賞経験はモチベーションを上げるのに重要で、著名な先生と対面でディスカッション出来るのも大きいと思う。
黒田さん:学生を送り出すと現地で語学力の増進について実感がある。海外学会の場合は短い期間でも人脈形成のチャンスも多くある。

後輩たちへのメッセージ:
黒田さん:博士課程で何が出来るかを考えたときに、一つの資格であり、仕事が選べるメリットもある。企業に進んでも自分がアグレッシブに仕事する上で重要だと思う。
助川さん:専門性も上がるし、チームビルディングも一つのキャリア形成に役立つ。企業でも学位取得者が多いので一つの選択肢として学位取得を考えてもよいと思う。
ジギーさん:「学生」ではあるものの学会などに出席する機会も多いため、国際交流や人脈形成の可能性が大きく広がる。
稲垣さん:勉強が好きと研究が好きは別次元だと思うが、実際に研究室に入って研究が面白いと感じたらその思いは大切にしてチャレンジしてよいと思う。
黒澤さん:研究を始めてその楽しさに魅せられて進んだので、研究を継続しようという希望があれば積極的に考えて欲しい。
吉田さん:アカデミックな経験が多くできるのが一番のモチベーションになっているので、研究に興味があれば積極的に博士課程進学を考えてよいと思う。

パネルディスカッションの様子(参加者集合写真)

 

座談会:
パネルディスカッションに引き続き、パネリスト6名に博士号取得後の卒業生、現役博士学生を加えて、学部生との座談会を実施した(20分×2回)。ブレイクアウトルーム6室に参加者を分け(1グループ5~7人程度)、より率直に質疑応答や意見交換が出来る環境を提供することで、様々な博士課程での経験を共有した。
話題としては、就活の時期:会社や分野によって開始時期が違うか、博士課程進学を決めた時期、また博士課程進学を決定したトリガーなど、学部生の興味に沿った内容が多かった。

座談会の各ブレイクアウトルームの様子

 

座談会参加者は以下の通り(敬称略)

・黒田 義之 黒田研究室出身
・助川 敬 西出・小柳津研究室出身
・ヴォダルツ ジギー 本間研究室出身
・稲垣(鳥本) 万貴 関根研究室出身
・黒澤 美樹 山口研究室
・吉田 啓佑 野田・花田研究室
・佐藤 陽日 細川研究室出身
・金子 健太郎 野田・花田研究室出身
・吉岡 育哲 桐村研究室出身
・加藤 弘基 山口研究室
・重本 彩香 関根研究室
・渡辺 清瑚 小柳津・須賀研究室
・三瓶 大志 関根研究室
・ウ チクン 山口研究室
・中原 輝 山口研究室
・久保 真之 山口研究室
・宮﨑 龍也 山口研究室
・宮本 佳明 下嶋研究室

博士後期課程学生への支援体制:須賀先生

博士後期課程に進学する学生にとって、関心事の一つが経済的なサポートである。応用化学科及び応用化学会の充実した奨学金制度について、また、博士後期課程への進学率とその後の進路先の割合について紹介した。博士後期課程修了者は、2010年以降2022年までの間で約90名である。進学者の内訳は、内部進学が85%、他大学からの編入が6%、社会人が9%で、ほとんどが修士課程からそのまま博士後期課程へ進学している。また、学位取得後の進路は、約半数が企業、次いで国内大学、海外大学、省庁・研究機関となっている。
博士後期課程の支援体制として、学内外の奨学金制度は、貸与型と給付型があり、学科内の奨学金制度は全て給付型となっている。また、学内には早稲田オープンイノベーションエコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)もあり、各支援制度の選考時期・選考フローについても説明があった。そのため、各人の状況に応じて充実した奨学金制度を有効活用し、研究に集中できる環境を是非整えて頂きたい。世界的にも博士人材の需要は高くなっており、日本でも博士人材への需要は増加傾向にある。また、応用化学会給付奨学金は一昨年より給付対象を学部学生にも広げ、早期から優秀な人材を発掘し、博士後期課程に進学する学生を支援している。興味がある学生は積極的に応募してほしい。

閉会挨拶:橋本副会長

非常に実のあるディスカッションが出来たと思う。
私たちが学生であった当時は、早く社会に出てその現場を知り、そこで改善を積み重ねて継続的に効率性・経済性・生産性を強化していくのが一般的なエンジニアのキャリア形成であり、また企業競争力の基盤だった。しかし競争が、同じ段階内での改善に依存するよりも、その段階から一つ上の段階にステップアップする発想や技術に依存するようになると、そのための能力として必要な博士学位を背景に研究開発やディスカッションへ参加できる人材が重要視されるようになった。こうした状況で特に世界における企業間競争力を追求していくためには、視点を高く持つ博士学位取得者への期待が当然大きくなっている。能力と意欲のある応用化学科の学生には奨学金による経済的なサポートも充実してきているので積極的に活用し、自分の将来の夢を実現させてほしい。

博士人材交流会:
 パネルディスカッションと座談会にご参加いただいた博士人材の皆様にご参加いただき、博士後期課程学生と博士号取得後のOB/OGの方々とのコミュニケーションの場として交流会を開催した。バーチャルコミュニケーションツール(ovice)を用いて自由に懇談していただくことで、学位取得までの疑問や卒後キャリア、業種ごとの勤務体制の違いなど、リアルの交流会に近い環境で交流を深めることができた。

oviceでの博士人材交流会の様子

2023年度定期総会、先進研究講演会、交流会の報告

Ⅰ.定期総会
2023年6月17日(土)13時30分~
会 場: 早稲田大学西早稲田キャンパス 57号館201教室
参加者:81名(卒業生・教員 62名、学生 19 名)

濱会長

1.濱会長挨拶(⇒資料庫注)①会長挨拶

応化会100周年記念講演会・祝賀会のご支援のお礼を述べた後に、次世代の注応化会活動に向けての方針を述べられました。

①全世代にとって魅力ある応化会活動への進化

②次世代情報基盤の構築

③次期運営体制の強化

2.総会議事

1)第1号議案:2022年度事業報告と決算報告(⇒資料庫注)②事業報告_説明資料と決算案
 梅澤庶務理事より2022年度のコロナ禍の中で工夫して実施した活動が報告され、井村会計理事より会計報告がなされました。
 
<監査報告:1号議案に対して>
 津田監事より、6月2日に監査を行い、会計部門においては領収書、通帳等の各種帳票確認した結果、適正に処理されており決算書は正当であると報告されました。また、業務部門においても議事録等を精査した結果、基盤、交流、広報の三委員会とも、計画通り概ね順調に運営されたと判断したと報告され、第1号議案は出席者の満場一致で承認されました。

2)第2号議案:2022年度事業計画と予算案(⇒資料庫注)③事業計画_説明資料と予算案
 2022年度の事業計画について梅澤庶務理事より報告があり、それに伴う予算案を井村会計理事が報告したのち、出席者の満場一致で承認されました。

下村副会長

3.報告事項

1) 2022年度役員体制について(⇒2023年度組織表
 濱会長より2023年度の役員体制と新任役員(理事)及び退任役員について報告致しました。

2) 早稲田応用化学会100周年記念事業概況報告
(⇒資料庫注)④報告事項_100周年記念事業概況報告
 下村副会長より2023年5月20日に実施した早稲田応用化学会100周年記念事業を報告致しました。

3) 奨学生の紹介(⇒資料庫注)④報告事項_応化会奨学金 奨学生一覧表
 橋本奨学生推薦委員長より、今年度の奨学生6名を紹介しました。会場に出席された水谷さん(B2)、市村さん(B3)、高藤さん(B4)、店網さん(M1)、彦坂さん(M2)の5人の奨学生が登壇し挨拶をしました。
 その後、下嶋副会長より今年度選考した水野奨学金、里見奨学金の奨学生、森村豊明会奨励賞の受賞者を紹介しました。

   

  23年度奨学生(出席者5名)      濱会長より奨学金目録の授与

平沢副会長

 

4.閉会の挨拶
 平沢副会長の閉会のあいさつにより総会は終了致しました。

 

 

Ⅱ.先進研究講演会:「応用化学最前線-教員からのメッセージ」
 (早稲田大学先進理工学部応用化学科、早稲田応用化学会の共催(司会: 桐村庶務理事))
 先進研究講演会は、応用化学科の各研究室の教員が、企業の研究者・技術者や学生に、自らの研究分野を紹介し、その先進性、先導性を熱く語りかけるもので、その後の交流会(懇親会)で、教員、社会人および学生との交流や懇談を深め、応用化学科の研究に関する理解を深めていただくために、毎年総会とあわせて企画されるものです。本年も3名の教員に自らの研究を熱く語っていただきました。

  1)応用生物化学部門  木野 邦器 教授
   演題 「生物のシステムに学ぶ新たなモノづくり研究」

  2)触媒化学部門    松方 正彦 教授
   演題 「カーボンニュートラルな日本の化学産業を構想する」

  3)有機合成化学部門  山口 潤一郎 教授
   演題 「有機合成化学の新潮流をつくる」

 ⇒ 講演は早稲田応用化学会ホームページの資料庫に格納されております。

Ⅲ.交流会(懇親会)
 コロナ禍も過ぎ4年ぶりの交流会の開催となりました。場所を63号館1階ロームスクエアへ移し、橋本副会長の司会により、濱会長の開会挨拶、そして下嶋副会長からは応用化学会の益々の発展を願って乾杯のご発声を頂き、交流会(懇親会)がスタートしました。
 交流会は卒業生・教員・学生会員の皆さんで和気あいあいとした雰囲気で進み、途中で23年度奨学生の挨拶があり、最後に下村副会長の中締めのご挨拶にて散会しました。

下嶋副会長

下村副会長

濱会長・橋本副会長と23年度奨学生

交流会風景

 

注) 資料庫に入るためには、ID、パスワードが必要です。ID、パスワードを持っていない方は資料庫入室入り口、もしくは、資料庫入室問い合わせより、ID、パスワードを取得してください。

「先輩からのメッセージ2023/12月」の開催日程

早稲田応用化学会 交流委員会

本年度の「先輩からのメッセージ」は、学生の皆様の企業への理解を深める時期が余裕をもって確保できるよう、開催日を2023年12月2日(土)と例年より早めて、準備を進めています。

学生の皆様には参加へ向けてのスケジュール確保をお願いいたします。

当日は、日本を代表する企業に在籍されているOB・OGの方々から直接、皆様の疑問や不安について適切なアドバイスがいただけますので、将来の進路決定にも必ず役立つものと確信しております。

本年度の実施形態は、講演、懇談会とも対面での実施を予定しています。

詳細な内容ならびに参加の申し込みは、改めて10月中旬にホームページおよびメールマガジンにてご案内いたします。

  1. 日 時
    2023年12月2日(土) 時間 12時30分ころ~

  2. 実施方法
    実施方法詳細は10月中旬にご案内いたします。 
    「先輩からのメッセージ」は、一般の企業説明会と異なり、企業概要、仕事の紹介にとどまらず、応化OB・OGより直接、会社生活や日常、普段考えていることや雰囲気などを親しく聞けることを特色としています。

  3. 対象学生
    学部生、大学院生(修士、博士、一貫制博士)
     進路決定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士、一貫制博士課程修了予定者を主体としていますが、将来へ備えての学部1,2,4年生、修士2年生の参加も大歓迎です。

  4. お問い合わせ

    本件に関するお問い合わせ・要望等は下記の専用アドレスまでお願いいたします。
           guidance_2023@waseda-oukakai.gr.jp

第20 回 ERATO セミナー
“Organic Redox Polymers as an Electrochemical Energy Material: Prospects and Challenges for Practical Application”

<中部支部からのご案内>
下記の要領でERATO セミナーが開催されます。
ERATOセミナーは,JST ERATO山内物質空間テクトニクスプロジェクト(研究総括:山内悠輔 教授(名古屋大学・クイーンズランド大学)(平成15年卒・新53回))主催で,材料科学研究における著名な先生方にご講演いただくセミナーです。

2023年10月19日17時より,早稲田大学理工学術院総合研究所 招聘研究教授/名誉教授であられる西出宏之 先生(昭和45年卒・新20回)をお迎えして,第20回ERATOセミナーを開催(オンライン・現地ハイブリッド開催)いたします。西出先生が早稲田大学で行われてきた,ラジカルポリマーをはじめとする機能性高分子に関する研究についてのご講演となりますので,応用化学会の会員の方々も奮ってご参加ください。オンライン・現地(名古屋大学内)参加ともに可能です。

オンライン参加につきましては,登録不要ですので,直接下記のリンクからお入りください。ZOOM Link:
https://us02web.zoom.us/j/83688276782?pwd=dUNFRm5PWlFhdkZmNmw3a3lvUHNMZz09
ID :836 8827 6782
PW : 060697

現地参加ご希望の場合には,山内物質空間テクトニクスプロジェクト事務局(erato_admin@material.nagoya-u.ac.jp)までご連絡ください。

Seminar#20 日本語会告 Prof. Nishide