投稿者「Y H」のアーカイブ

「謳歌燦久会(昭和39年卒)ゴルフ会(2016年12月2日)」報告

今年も恒例の謳歌燦久会(昭和39年卒)ゴルフ会を12月2日に伊豆の伊東(ゴールド川奈CC)で開催しました。 参加メンバーは、河野、菊地、渋谷、野際、平中、萬、和田の常連7名で、前夜から一碧湖畔の池田庵に泊まり込み前夜祭で鋭気を養いました。

前日までは不安定な天気でしたが、当日は朝方から快晴で、ほとんど風もなく温暖で絶好のゴルフ日和に恵まれました。午後からも心配した風もなく終日温暖無風でこの時期にしては珍しい一日となりました。
ほとんどが後期高齢者になり、腰痛に苦しむもの、ドライバーの飛距離が落ちたと嘆くものと様々でしたが、お天気に恵まれ和気藹々のゴルフプレーを楽しむことができました。(会の申し合わせにより成績は非公開です)

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ゴルフの後は、これも恒例の「池田20世紀美術館」で美術鑑賞後、宿舎の池田庵にて持ち込みのワイン、酒、焼酎での懇親会となりました。懇親会から熊倉君も参加し総勢8人の宴会となり、これも恒例の舟盛りの刺身、金目鯛の煮つけで夜の更けるまで旧交を温めました。

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 来年も12月1日(土)に再会を約して、翌朝解散しました。

(文責 平中)

応用化学会報 No.94 November 2016 を資料庫に収納しました

2016年12月1日付で「応用化学会報 No.94 November 2016」を資料庫に収納しました。

入室するにはパスワードが必要です。(2016.12.01に新しいパスワードに変更しました。)

入室はこちらから ⇒  資料庫入室

早稲田応用化学会事務局/広報委員会

2016年度新制13回同期会報告

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新制13回の同期会が、平成28年10月19日(水)12時~15時有楽町ダイニングバー「綴」で開催されました。これまでの幹事の努力により、ほとんどの同期生にはE-メールにより、開催案内,参加・不参加の連絡が可能になり、同期会開催がかなり容易になりました。また、堀井幹事長の努力もあり、51名と多くの同期生から近況報告が寄せられ、貴重なデータとしてE-メールにて配布されました。

 

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最近6年間は、同期会が毎年開催され、参加者は24~30名の間で推移しており、毎回賑やかな同期会を楽しんでいます。今回は、29名の参加者があり、丸山幹事の司会により、堀井幹事長の挨拶(この歳になるとキョウヨウとキョウイクが大切です)に始まり、最近1年間に逝去された2名の同期生に黙祷をささげた後、山口氏の音頭による乾杯で、会が始まりました。

 

暫くの間歓談した後、参加者に近況報告をお願いしました。現役の時の仕事を継続している、NPOや地域で社会貢献をしているなど、’老いてますます盛んという表現がぴったりする人が多く、大いに盛り上がりました。しかし、話題豊富なため、17名の報告で時間切れになりました。同期会の和やかな雰囲気を次の川柳がよくまとめています。

・同期会出て健勝を知らせ合う
   ・しわ白髪真面目に生きて来た証し
・同期会病気の話で盛り上がり
・病気よりお墓の話が多くなり
  ・スピーチに人生観が込められる
句作者 市川嘉紀幹事

 

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最後に、次期幹事4名(永瀬、戸上、藤崎、渡辺の各氏)の選出及び挨拶、市川幹事の会計報告、佐野幹事の閉会の挨拶、重村氏の最終締めの後、集合写真を撮り、次回同期会での再会を約し、散会しました。

 

 

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(文責:佐野正道、写真:相馬威宣)

 

第30回交流会講演会 パネルディスカッション

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日時;2016年9月24日(土)17:15~17:45

場所:57号館 201教室

講演者:株式会社キャステム代表取締役社長 戸田拓夫氏

ファシリテーター:田中徳裕さん(B4)

パネリスト:西田穂高さん(M1)、安藤英悟さん(M1)、野口詩織さん(M1)、石原真由さん(B4)

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rdsc05361田中) 今回の講演会の中でタイトルに突破力とあるようにたくさんの壁を越えてきたと思いますが、石原さん何かそのようなエピソードはありますか?

 石原) 戸田社長の講演会の中でもたくさんの壁を越えていらっしゃるという印象を受けました。私も高校時代のこととなりますがリーダーを任され、壁に当たったことがあります。それは、文化祭においてクラスで行う劇の完成を優先してこのまま突き進んでいくのか、それとも、クラス内の雰囲気を優先して劇の演目を決め直すのか選択を迫られたことです。そこで私は、クラスの雰囲気を優先し、劇の演目を決め直しました。戸田社長もリーダーとして様々なものを秤に掛けて決断を下さなければならないことがあると思いますが、どのように決断を下していますか?

rdsc05354戸田社長) まずすることとしては、徹底的に不満を出させることです。何が不満であるのか、先ほどのエピソードでしたら、やりたいことが皆ぶつかってしまい結果的に崩壊してしまう。このような場合はやりたいものをみんなの前で書き出し、そのポイントを徹底的に議論することです。皆が納得しないまま本番に臨んでしまうのが一番良くないですね。情熱をもって意見を主張してもらうしかない。中途半端にはさせず、いい加減なところで決定をしないことが大切です。あとになればなるほどやりにくくなるので、するのであれば最初から徹底的にやってもらいます。最初はバラバラになろうが恐れずに言いたいことを言わせて、本音のぶつかり合いをさせた方がいいと思います。その方が結果的には正解に近づくと思います。

rdsc05356西田) 戸田社長の今の答えに質問なのですが、不満を徹底的に出させ、その後はどのように答えに収束させていくのですか?

戸田社長) まず、意見をした人はその人が本当に責任を持てるのか確認し、本人が持てるというのであれば行うべきであると思います。しかし、途中で異変を感じたら、もう一度集まりどうするか検討をします。ミーティングは確実に行わないといけません。口先だけの場合もありえます。会議において初めは黙って聞きに徹している人がいるかもしれない。多くの人が様々な意見を出し行き詰っているときに、ぼそっと意見を出し解決に導いていく本当のリーダーが現れることがあります。

西田) 様々なパターンがあるということですか?

戸田社長) そうです。様々なパターンがあり、一つだけの正解というものはないと思います。悪戦苦闘するしかないと思います。失敗をしてしまったとしても、次にするときはこうしようと反省が生まれたらそれはそれでいいと思いますよ。学生のうちは特に。その結果、会社がつぶれることになるのであればまた話は別ですが。

田中) ありがとうございます。ここで紙飛行機などの趣味といった側面から伺いたいと思います。野口さんはそういった趣味などはございますか?

rdsc05371野口) 私にとって趣味とは楽しいもの、喜びを得るものです。何かに行き詰ったとき趣味のことを考え、それが活力となるものでもあります。戸田社長はその趣味を本業と呼べるまでにしていますが、趣味を持っているということがプラスになったことがありましたら教えて頂きたいと思います。

戸田社長) どこまでが趣味というのかは難しい所ではあります。私、本業が紙飛行機で趣味がキャステムと言われていますが、最近名刺も表が紙飛行機、裏がキャステム、開いたら紙飛行機が飛び出すという風になっています。趣味が仕事となれば一番いいです。そうではなく趣味が趣味で終わってもいいですが、とことんまでやってみたいというのがあります。たとえば、私はケーキ屋さんに行くとイチゴショートケーキしか食べません。それで、イチゴショートケーキのダメなケーキ屋さんはダメなケーキ屋さんと言い切ってしまいます。シンプルなものがダメなものはダメです。この曲は様々な人が指揮しているが、この指揮者の時が一番など、なにか一つのことを比べてしまうわけです。それで、凄いななどと思うわけです。自分だったら紙飛行機がそうです。やるのであれば一番を目指します。そして、一番を取るにはギネスを取るということとなり、意地でもギネスを越えなければならなくなり、ギネスを超えました。ギネスを超えるとまた世界が変わります。その道のトップの人と対談ができます。紙飛行機ギネス保持者と宇宙飛行士若田さんとの対談など、対談を通してその人が何故トップかを感じ取れます。それによって一番は更に強くなれます。だから、子供たちに一番を目指しなさいと伝えていますね。小さな世界でもいいからその道のトップになれば他の道のトップに対等に会えます。ギネスを取ったことによって、他の道のトップの人と対談することができました。それがプラスになっていますね。その人脈が活力にもなったりします。一生懸命何かを目指すことで、自分の人生が豊かになることがあると思います。中途半端ではなく、するのであればトコトンしてみなさいということを子供たち、若い人に言いたいですね。直ぐ、出来ない、設備がないから、お金がないから、などと言い出す人間では困ります。やはり徹底的にやれるところまでやる姿勢は欲しいです。

rdsc05357安藤) トコトンするところで気になるところがあります。今、研究室に所属しています。本業は研究で、趣味は時間の空いた時にしています。戸田社長が会社の経営を立て直す際に、紙飛行機を飛ばそうと思い立った理由と、ギネスを超えるまでに、時間がない中、紙飛行機の試行錯誤をどのように行っていたのか教えていただきたいです。

戸田社長) もちろん社長ですので、君たちは仕事をしろ、私は紙飛行機を飛ばしていると言いますが、日中は社員と一緒にあがいています。夜に体育館を借り切って、4時間通しで投げ切っているというのを、社員が知るわけです。社長はトコトンまでやっている、私たちももうひと踏ん張りしなければと社員たちも思ってくれるわけです。夜中まで約束のためにボロボロになっている、そういう後ろ姿に社員はついてきます。それが、逃げているわけではなく、約束は約束で夜中に悪戦苦闘している、それを社員が見に来る、そういうことで社内にもうひと踏ん張りという空気が生まれてきます。社訓に挑戦と掲げるだけでは社員は挑戦しません。社訓に酔い痴れて終わるだけです。必死に挑戦するときは言葉ではなく実際に行動に移していますから、社訓に挑戦という言葉を選びません。日々が挑戦であれば挑戦という言葉は必要ないです。姿で見せるしかない。そういうことであると思います。

安藤) ギネスに向けて挑戦をするというのは楽しかったですか?

戸田社長) どうですかね。楽しかったというか、集中できました。一機一機折るたびに少しずつ工夫を行い、データを揃えていく。折り方から投げ方に至るまでデータで勝負をしていく、そういった事を行っていると仕事の苦しみや不安など忘れられるというのがあり、それが精神の安定剤にはなっていました。登山をしていた一つの理由としては、山を登っている間は悩んでいる暇がありません。登っている間は会社のことを忘れられるので、降りてきたころにはストレスが抜けているわけです。紙飛行機も同じで、集中している時間が経営者としての不安から解き放ってくれている時間になっているのかもしれないです。

田中) ありがとうございます。本日のご講演の中で様々な方に粘り強くアタックされていましたが、私はアタックの回数を重ねるほど冷たくあしらわれてしまうことが多くありました。相手に熱意を伝える秘訣などはありますか?

戸田社長) だんだん邪険にされるわけですね。確かに邪険にされる事もあります。それはその人と馬が合わないということです。それはしょうがないです。最初は邪険にされてもだんだんと分かってくれて、話を聞いてくれる人を見つけたらしがみつく。嫌われていると感じたらそこから巻き返すのは難しいです。そういう場合はあきらめた方がいいです。合わないものは合わないですから。全部そうなる場合はあなたの中に何か問題があるかもしれないです。言葉の中に本気度が足りないのか、言葉に一押しがないのかもしれない。窮地に本当に追い込まれていなかったのかも知れないですね。どうでした?

田中) 実は恋愛の話でして。

戸田社長) あ、恋愛の話ですか。それは、嫌われているときはどう考えても難しいですね。恋愛の話は私も不得意でして。嫌われているところから好かれるところに変えるのはなかなか難しいです。よほど何か違うパターンを考えないと難しいですね。女性に聞いた方がいいかもしれないですね。いままで嫌いだった人が好きになった瞬間ってありますか?

田中) もしあったらエピソードをお願いします。

rdsc05363石原) そういった方に出会ったことがないので。

戸田社長) 一つポイントがあります。その子に嫌われても毎日一言ジョークを飛ばすことです。急にそれが止まった場合、急に気になることがあります。一か月ぐらい経ったらもう一度繰り返す。そうするとぐっと引き込まれる。そういう時に、大事にしなければいけない候補の一つとして考えなければいけない、となることもあります。

田中) 戸田社長も利用されたのですか?

戸田社長) どうかな?それは。企業などでもよく使う手です。ずっと通っていてパタッと行くのをやめます。そうすると相手は気になってしまいます。それで半年後再び行くと、注文を出してくれることがあります。何度も繰り返し言って急にやめるのがいいです。そうすると気になる存在になりますから。その手は使えますよ。

田中) ありがとうございます。今後、使っていきたいと思います。

戸田社長) 失敗しても僕のせいじゃないですよ。

田中) 西田さん、何か感想などあればお願いします。

西田) もし商談などで諦めるということができない場合もあると思うのですが、その時はどのようにされていますか?

戸田社長) 商談ではそこまでしつこくなる必要がないです。というのも、お客さんは無限にいます。別のところで取れればそれが自信になって、通用するかもしれない別の方法のヒントが得られたりします。ユーザーの変更等様々な工夫をすることでお客さんを攻め落とすノウハウが得られます。洋服屋さんでも店員さんにひっついてこられたら嫌ではないですか?逆に、お客さんの方から店員さん来てくれないかな、というタイミングがありますよね。だから、あんまりしつこくなりすぎない方がいいですね。

田中) 安藤さんも感想や質問があればお願いします。

安藤) ご講演の中でどん底の時の友は強いとおっしゃっていましたが、何か出会いによってターニングポイントになったことなどありますか?

戸田社長) ターニングポイントですか。紙飛行機であれば中村栄治さんという方が書いた本を買ったのですが、その人の紙飛行機を折ったのですが全部飛びませんでした。その人の住所が書いてあったのでその人の家まで押しかけました。飛ばないと。すると「君はどのように飛ばしたのか」と言われたので、折って飛ばしたら「そんなの飛ぶわけない」と言われました。「君は飛行機の後ろを微妙にひねるということを知っているか?」と言われた。「本に書いてないじゃないですか」と言ったら、「それは常識だよ」と言われました。そこから紙飛行機の魅力を語ってくれました。「君にとって紙飛行機がどのような存在になるのかはわからないが、将来第一人者になって、やっていて良かったなという時が来るかもしれない」という言葉をそこで投げられました。紙飛行機に対するこだわりなど話してもらって、語り合ったのがいい出会いだったのかなと思います。

田中) 野口さんも感想や聞きたいことなどはありますか?

野口) 戸田社長は努力とともにアイディアが必要なことも多々あったと思いますが、そのアイディアの出どころやポイントなどがあれば伺いたいです。

戸田社長) 紙飛行機の飛ばし方や折り方などは方程式です。長方形の中心線を元に折る飛行機と、真横にして折る飛行機と、それを斜めにして折る飛行機があります。一つの紙の中に様々な中心線が隠されています。それを見つけて重心を考え記録に挑戦していく。やみくもに行うのではなく、自分の中でルールを決める必要があります。僕が独学で早稲田に来たのは、数学なんかは自分の勉強法を生み出した結果です。解けない問題を解けるようにする。試験官の狙いを考えるために、自分が苦手な問題を自分で生み出す。自分で工夫して作っていく。自分で出題者の立場で考えるようになると、どんな問題にも対応ができるようになります。それで方程式などを生きるように使うことができます。参考書をこなすだけでは新しい問題が解けない。それが紙飛行機であろうが仕事であろうが与えられた方程式を解くだけではダメで、使い込む練習をする。それが道を拓く方法だと思います。

田中) ありがとうございました。

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(文責: 交流委員会 小林幸治)

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第13回 先生への突撃インタビュー(松方正彦教授)

「先生への突撃インタビュー」再開に向けて                            2016年8月28日

「先生への突撃インタビュー」は2005年に企画がスタートして足かけ三年で、12名の先生にご協力いただき、広報委員会が担当して、ホームページへの掲載を続けていました。

その後、暫くの間インターバルができましたが、来年には応用化学科が100周年を迎える節目にもなりますので、改めて再開することにしました。

会員の皆様の日頃の活動に少しでもお役に立つ情報を教室の先生方のご協力を得て提供し、大学と企業間の情報交流のキッカケが生まれ緊密な連携が芽生えることを期待するとともに、「最前線で今何が研究されているのか?」を知りたいと考えているOBの方々や、「専門分野の設定や将来進路に対するヒント」を望んでいる学生の期待にも沿えるように取材を進めたいと思っております。            (広報委員会)

「先生への突撃インタビュー」の再開のトップバッター(第13回)として松方正彦教授にご登場願うことにしました。
松方先生は、皆さまご存知のように応用化学科卒業、応用化学専攻で博士課程を修了後、成蹊大学、大阪大学での学究を経られ、1997年に早稲田大学理工学部助教授として戻られ、2001年から教授として、そして現在は学科主任教授をお務めになっておられます。

先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?
~~~エネルギー・環境に関わる化学と工学への強い思い~~~

松方正彦教授

松方正彦教授

学生時代が石油ショックの後だったので、エネルギーや資源・環境に注目しており、研究室配属の選択で燃料化学部門であった森田・菊地研究室へ入ったことが最初のきっかけです。4年の時はメタノールからオレフィンを選択的に作る触媒がテーマでしたが、この時にゼオライトの合成から始めたという意味で、ゼオライトとの最初の出会となりました。修士課程でテーマが粘土間化合物を酸触媒として利用するテーマに変わりましたが、なかなか結果が伴わない七転八倒の時を過ごしましたが、冬頃になってやっと成果になる結果が得られました。この結果を翌年の日本化学会で発表することになり、実験研究の面白さと、やれる確信に近い前向きな気持ちが出てきたと思っています。博士課程で森田先生の最後の博士課程の学生として重質油のガス化触媒の反応機構を研究し、博士課程修了後は研究の次のステップとして成蹊大学の化学工学を専門とされた小島先生の下で助手として約3年、大阪大学の上山先生の下ではミクロ多孔体を分離膜に応用するテーマ(ゼオライトの合成から、薄膜化そして分離膜へ)で約5年過ごし、1997年に早稲田に戻りました。このように多くのテーマや多くの先生の考え方、見方を広く学べたことは大きかったと思っています。結果としては、自分の研究の主流がミクロ多孔体、ゼオライトへ収束してきた流れがあったように感じます。

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研究内容
エネルギー・資源・環境問題を研究の動機として、触媒化学・膜分離工学・エネルギー化学に係わるサイエンスおよびエンジニアリングを研究対象としています。 特に、ゼオライトを中心としたミクロ孔をもつ物質を材料として、その合成法や触媒・分離膜としての利用法の開発に力点をおいて研究を進めています。
 

これからの研究の展望は?
~~~革新の余地が大きい分離工学で膜によるブレークスルーを~~~

現在は分離と触媒が半々の研究室となっていますが、ミクロ多孔体は非常に面白い特殊な場を提供してくれる材料で、発見が多々あります。その特性を利用して、新しい反応、触媒を見出すことが一つの方向です。それに加え、反応生成物の分離にかかるエネルギーは膨大です。このエネルギーを削減するための分離機能、分離工学でのブレークスルーに膜でチャレンジしたいと思っています。やるべきことは山のようにあると思っていますし、革新の余地が大きいというか、未開分野が多いという捉え方をしています。今まで培ってきた見方や知見を活用し、俯瞰的な見方を加えて挑戦をしていきたいと思っています。

大学と企業の連携では、どういうことをお考えですか?
~~~情報のパイプ役として貢献を~~~

産業側、企業側の立場によっても変わると思いますが、メーカー、ユーザーの間を繋ぐ役目が大学にあるという側面を感じています。情報の面、人脈の面を含めて、ヴィジョンの共有が出来る先とはシーズ・ニーズのマッチングに向けた情報のパイプ役として、また、要素技術の組み合わせのヒントの提供など、大いに活用して欲しいですし、今迄やってきた自負もありますので、今後とも上手い連携を続けて、業界の技術のベースづくりや拡大に貢献していきたいと思っています。

応用化学科が来年100周年という節目を迎えますが?
~~~伝統とプライドをもって、「役に立つ化学、役立てる化学」の継続を~~~ 

応用化学科という学科名称を変えることなく100年周年を迎えることができ、この間9000名超の卒業生を輩出していきました。化学はもの作りの基盤ですが、有能、優秀な人材が脈々と続いている伝統とプライドを胸に、応用化学科が標榜する「役に立つ化学、役立てる化学」の理念のもと、研究教育や人材の輩出を継続すると同時に、今後に向けて果たすべき役割を今一度思いを新たにするべきでしょう。

応用化学会の活動への期待
~~~大学に寄り添うアクティブなOB組織として今後にも期待~~~ 

早稲田大学の同窓会の中でも、アクティブに応用化学科に寄り添う活動や現役学生へのサポートをしている特別な存在と位置づけられると思います。応用化学科と応用化学会の良い関係をお互いに努力を重ねて、継続をさせていきたいと願っています。

21世紀を担う皆さんへ、メッセージをお願いします。
~~~過去の延長線上には未来は無く、新しく創るという気概と挑戦を~~~ 

20世紀後半の延長線上には将来の姿は描けないでしょう。地球環境などから余儀なくされる新しい産業や産業構造は、その時代をリードする若い世代が、自ら作っていかなければならないと思います。大局観や俯瞰的見方を磨きながら、大きなチャンスと捉え、新しく社会を創っていくという気概を持って挑戦をして欲しいですし、活躍して欲しいと思います。

8月5日インタビュー(聞き手&文責:広報委員会 井上 健・新19回)

(松方先生の研究や経歴について、より詳細に知りたい方は、以下のページやリンクも併せてご覧ください。)

突撃インタビュー メインページへ

過去の突撃インタビュー

第30回交流会講演会のご案内

第30回 交流会講演会 (2016年 9月24日(土))

申し込みはこちら

講演者 : 戸田 拓夫氏 株式会社キャステム代表取締役社長 (1980年応用化学科中退)
演題 : 『突破力』
副題 ; 「数々の経営危機を乗り越えて、紙ヒコーキのごとく舞い上がれ」

今回は、諸般の事情から応用化学科での学業を中途で諦めねばならなかったにも拘らず、その後就職した鋳造関連企業での精密鋳造部品、射出焼結部品、FRP射出成形品等の製造事業分野において目覚しい活躍をされ、衰退産業と言われていたこの分野での発展に尽くし、現在は当該企業の代表取締役社長を勤めておられます戸田拓夫氏をお迎えし、これまでに直面した数々の危機に対しその折々の境遇にていかに考え、乗り越えてきたかをお話して頂きます。

また戸田拓夫氏は、手投げによる紙ヒコーキ室内滞空時間競技のギネス記録保持者です。(滞空時間=29.2秒)この魅力的な特技についてはこれまで多数出演されたテレビ番組や、20冊に及ぶ著作(代表作として「親子で作る紙ヒコーキBook」宝島社)で紹介されていますが、今回は直接ご本人からお話を聞くことが出来るチャンスです。

学生諸君はもとより、社会で活躍中の若いOB/OG諸君にとっても興味深く、これからの人生設計を考える上で大変貴重なお話しを聞くことが出来る絶好の機会であると確信致します。
皆様お誘いの上、是非奮ってご参加ください。

月日 : 2016年 9月24日(土)
場所 : 早稲田大学西早稲田キャンパス 57号館201教室
開場 :   14:30(受付開始)
講演 :   15:00~17:00(参加自由、無料)
      17:15~17:45(代表学生とのパネル討論)
懇親会 : 18:00 ~19:30 懇親会場:理工カフェテリア
講師を囲んで懇親会を開催します。(懇親会費:3千円、学生無料)

* 事前登録を、9月20日(火)までに頂いた方には、当日 受付で名札をお渡しいたします。
それ以降の登録の場合は、名札の準備が出来ませんので、自筆でお書き頂く事になりますことご了解ください。

申し込みはこちら

講演会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。
また講演会場ではビデオ撮影も予定しております。

(文責 交流委員会 小林 幸治)

第8回早桜会講演会のお知らせ

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早桜会(早稲田応用化学会関西支部)では、第8回講演会を下記要領で開催します。今回の講師には、静岡大学名誉教授の須藤雅夫先生にお願いしています。
初めての方もぜひ奮ってご参加ください。

演題 : 固体高分子形燃料電池の話題
講師 : 須藤雅夫先生 (静岡大学名誉教授、公益財団法人天野工業研究所理事)
日時 : 2016年9月17日(土)
15:00 ~ 17:00 講演会
17:00 ~ 19:00 懇親会
場所 : 中央電気倶楽部(大阪・堂島浜)
大阪市北区堂島浜2-1-25
06‐6345‐6351
http://www.chuodenki-club.or.jp/
講演会  215号室
懇親会  特別食堂
会費 : 講演会 無料
懇親会 5,000円
(ただし、学部卒業後または大学院修了後2年間は、2,000円)

講師ご略歴
1972年城塚研卒(新22回)。工学博士(1978年、早稲田大学)。
静岡大学助手、助教授、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員などを歴任し、1993年静岡大学教授。2016年より静岡大学名誉教授。
化学工学協会学会賞論文賞、日本海水学会学術賞、電気化学会電解科学技術委員会工業電解業績賞など受賞。専門は化学工学、電気化学、バイオメディカル。