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「先輩からのメッセージ2023/12月」開催報告

 「先輩からのメッセージ2023/12月」開催報告は、会報誌秋号掲載時に内容が一部修正しましたので、再掲載します。

 本フォーラムの趣旨は、応用化学科OB/OGを中心とする先輩が各企業での日々の活動を具体的に話していただく、キャリア教育の一環です。これに基づき、後述の「企業ガイダンス」掲載企業に参加をお願いいたしましたところ43社からご賛同をいただき開催の運びとなりました。早稲田応用化学会のホームページには、学生向けコンテンツのひとつとして「企業ガイダンス」のページを設けており59社に参加いただいております。
 フォーラム開始前のオリエンテーションでは、椎名交流委員長の司会のもと、下嶋主任教授からご挨拶いただきました。続いて、保谷交流副委員長からプレゼンについての注意、お願い事項の説明をいたしました。その後、12 : 30より一斉にプレゼンがスタートいたしました。会場は5 教室で、これまでと同様に前半と後半の2 部制として、各社2 回のプレゼンを行っていただき、参加学生が希望する企業のプレゼンをできる限り聴講できるようにいたしました。
各企業のプレゼンでは、第一線で活躍中の身近な世代の先輩が、発表者自身の日常生活や学生生活へのアドバイス、自らのキャリアパスなど、限られた時間でコンパクトにまとめて発表いただきました。企業からは、発表者、同行者を含めて99名にご参加いただきました。内OB/OGの参加者は発表者を含めて59名となりました。学生の参加総数は109名でしたが、各社プレゼンの延聴講数は843人となり、学生たちが一人平均8 社を聴講していました。

301・302会場    303・201会場     202会場・会場風景

プレゼン終了後はロームスクエアに場所を移し、参加いただいた企業在籍者と参加学生の懇談会を催しました。椎名交流委員長の司会のもと、主催者を代表して応化会副会長の下嶋教授から参加企業への御礼と挨拶があり開会となりました。各社のテーブルを囲んで、プレゼンの延長となる先輩、企業同行者と学生の活発な質疑応答が行われ、活気にあふれた会場となりました。
 参加した学生にとっては昼間のフォーラム、夕刻からの懇談会を通して、日常の学習、研究に加えて、将来に向けての貴重な情報と日々の過ごし方へのアドバイスを先輩方から頂戴し、学んだことも多かったことと確信いたしております。下村副会長の中締めの挨拶、佐々木学生委員長の一丁締めをもって全プログラムを盛況のうちに終了いたしました。

懇談会の模様(懇談会のスナップ写真はこちらから)

 今回のフォーラムにご賛同、ご支援いただきました企業、及び熱気溢れるプレゼンを行なっていただき、また懇談会でも後輩からの質問に親身になってお答えいただき、また貴重なアドバイスをいただきました先輩と、同行された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。
 なお、2024年度の「先輩からのメッセージ」は、12月7 日(土)の開催予定です。

(文責 交流委員会 写真 広報委員会)

Ⅰ.プログラム概要

1.
日時
2023年12月2日(土)   12:30~
2.
会場
早稲田大学西早稲田キャンパス52号館
3.
内容
オリエンテーション
12:00~12:20(企業関係者)
 
 
講演会(第1部)
12:30~14:43
 
 
講演会(第2部)
15:15~17:28
 
 
懇談会
17:45~20:00(63号館ロームスクエア)

Ⅱ.講演会タイムスケジュール    

Ⅲ.特別講演スケジュール

Ⅳ.参加した学生

  D M2 M1 B4 B3 B2 B1
  3 5 65 10 5 12 9 109

Ⅴ.アンケートをふまえての総括

1. 今回のフォーラムの全体的な評価
 アンケート回答者では、学生の100%、企業の80%が、「満足」「ほぼ満足」と回答しており、フォーラムは評価されていると考えられます。企業側の「やや不満」の回答は、コロナ前に比した参加学生の減少と思われます。学生へのPR方法を含めて改善の工夫が必要かと思われます。
質問に対し、多岐にわたる回答がありましたが、多かったものをまとめると次の通りです。

 1)学生からの回答

  ①いろいろな企業の話が聞けた。知らなかった会社の話も聞けた。

  ②懇談会で親しくいろいろな話が聞けてよかった。

 2)企業からの回答

  ①親密に話ができた、学生から熱心さが伝わった。

2. 運営について
 講演時間の13分/社については、学生の80%、企業の90%が適当と回答しました。
学生の移動時間を含めて、もう少し長くという希望もありますが、本イベントの特長であります懇談会の時間の確保との両立が難しいところです。

3.まとめと次回開催に向けた課題
 本年は早目の12月開催とし、43社の企業にご参加いただきました。学生も一人平均8社を聴講し、懇談会でも先輩方、同行された企業の方と親密に、活発な懇談をさせていただく姿がみられ、盛況のうちに終わることができました。学生は優良企業からの具体的な情報が得られ、企業側も自社に対する理解を深めてもらうという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価になっていると思われます。
 一方、コロナ前に比べ、参加学生が少なかったという指摘も相当数ありました。採用活動が早くなっている企業も増えてきており、アンケートでも企業、学生とも13%が開催時期を早くすることが好ましいとしています。また、今回不参加企業の中で数社が、理由として開催が遅いことを挙げています。学生へのPR方法への工夫、開催時期の更なる検討等次回に向けた検討を続けることといたします。

なお、「先輩からのメッセージ」及び「企業ガイダンス」に関するお問い合わせならびにご要望等は下記早稲田応用化学会事務局へお願いいたします。

〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
早稲田大学 先進理工学部応用化学科内 早稲田応用化学会
TEL 03-3209-3211 内線 5253
FAX 03-5286-3892
E-Mail: oukakai@list.waseda.jp
URL: http://www.waseda-oukakai.gr.jp

以上

2024年度早桜会講演会(報告)

2024年度早桜会講演会を2024年10月19日(土)に実施いたしました。今回の講師には多田博之氏(サステイナブル経営総合研究所所長)をお迎えし、「持続可能な社会とは何か ―サステイナブル経営の本質を探る―」という演題でご講演して頂きました。

【講師】多田博之氏 (サステイナブル経営総合研究所所長)

【概要】

日本の食料自給率はカロリーベースで38%と非常に低い。これは日本と同じ島国のイギリスや山間部の多いスイスと比較しても低い値である。また肥料や種子はそのほとんどを輸入に頼っており、エネルギー自給率も12.6%しかない。自殺者は政府発表では年間2万人だが、不審死者が年間15万人に登る。WHOの勧告では不審死者数の半分を自殺とするようなっており、その基準に当てはめると日本の自殺者数は年間9万人となる。

これらの数値を踏まえると現状の日本はおよそ持続可能な状態(=サステイナブル)であるとは言えない。サステイナブル経営とは持続可能な社会の実現の為、自社の持続可能性だけでなく社会の持続可能性も考えたものでなくてはならない。また経営とは時代認識であるから、かつての認識のままでは駄目であり、時代によって大きく変化するものである。またSDGsと合わせてCSRという言葉もよく聞くが、これは企業が社会とどのように信頼を構築していくか、ということである。本来はビジネスを通して社会的な諸課題を解決することが必要であるからCSRは投資として内在化すべきであるが、現状はどうしてもコストとして外在しがちである。その点で日本はCSR先進国とは言えない。それは政策やビジョンの貧困さが原因である。個々の技術は高いが将来ビジョンを描く能力が決定的に欠如してしまっている。ここを改善しなければ何も変わらない。

持続可能性とは最近急に聞くようになった言葉と思われがちだが、実は古くからあった言葉であり、ネイティブアメリカンやアボリジニも自然と持っていた考え方である。それは縄文人やその後の日本の古代人も同じであろう。人間は自然に生かされているのだ。

持続可能な社会の実現の為には現在を起点とする”フォアキャスティング”から未来の社会を起点にするバックキャスティングへと考え方を変える必要がある。あるべき姿から逆算していって、このタイミングにここまで到達している為には今ここまで出来ていなくてはならない、と考えていく。また持続可能な社会を実現するにはそもそもの持続可能性の指標が無ければ議論出来ない。この時の指標は厳密性、網羅性よりも象徴性や理解可能性を重視すべきである。日本に関してみると、技術力が牽引する分野や金融の分野では持続可能性が向上しているが、社会基盤をなす経済の分野で不安材料が残る。全体的にみると持続可能な社会に近づいているとは言い難い状況である。これを打開するには産業においてはビジネスモデルを作り変え、個人においてはライフスタイルを変える、即ちイノベーションが不可欠である。

【全体を通して】

日本がある意味危機的な状況にあるということがよく理解出来ました。少なくともこのままでは持続出来ない状況にあります。とはいえ暗い話題ばかりでもなく、日本にも素晴らしい面はたくさんあります。質疑応答の中では日本の優れている面についても議論が深まり、今後我々がどうしていくべきか、各自考えるうえで非常に良い機会になったと思います。

(文責:三品)

【出席者(9名)】

田中航次(新17回),市橋宏(新17回),和田昭英(新34回),脇田克也(新36回),髙田隆裕(新37回),澤村健一(新53回),三品建吾(新59回),古田武史(新61回),津高絵美 (新57回)

教室会員受賞

2024年度

2024-11-09掲載

白井 亮太朗(山口研究室 M1)
第14回サブウェイセミナー
優秀ポスター賞
講演タイトル:
パラジウム触媒によるC=C開裂型二官能基化反応
2024年度

増田 拓海(関根研究室 M2)
第11回ZAIKEN Festa
奨励賞
講演タイトル:
ビルディングブロック法による多孔質担体の合成とon-site還元によるAuの担持
2024年度

瓜生 遥希(梅野研究室 M2)
第76回日本生物工学会大会
学生優秀発表賞
講演タイトル:
基質結合安定化を指標としたベタイン合成酵素の基質特異性リデザイン
2024年度

本橋 大輔(野田・花田研究室 M1)
Daisuke MOTOHASHI
化学工学会
The Society of Chemical Engineers, Japan
化学工学会宇都宮大会2024
学生奨励賞
Student Incentive Award, SCEJ Kanto Branch Regional Meeting
講演タイトル:
流通式反応器によるCO2吸収型コンクリートの炭酸化速度測定と水分量に着目した解析
Measurement and analysis of carbonation rate of CO2-absorbing concrete using a flow reactor with a focus on water content
2024年度

2024-10-05掲載

中原 輝(山口研究室 D2)
第40回有機合成化学セミナー
優秀ポスター賞
講演タイトル:
ヘテロ芳香族エステルを用いたケトンとエステルの結合交換反応
Bond Exchange Reaction between Ketones and Esters using Heteroaromatic Esters
2024年度

2024-10-01掲載

並木 克也(野田・花田研究室 研究助手 )
Katsuya NAMIKI
化学工学会
The Society of Chemical Engineers, Japan
化学工学会第55回秋季大会 CCUS検討委員会奨励賞
Encouragement Award, CCUS committee, 55th SCEJ Fall Meeting
講演タイトル:
CO2吸収型コンクリートの炭酸化速度の添加率依存性と速度解析
Conversion dependence and rate analysis of carbonation rate of CO2 absorbing concrete
2024年度

並木 克也(野田・花田研究室・研究助手)
Katsuya NAMIKI
化学工学会
The Society of Chemical Engineers, Japan
化学工学会第55回秋季大会 CCUS検討委員会企業賞(東レ株式会社)
Company Award (Toray), CCUS committee, 55th SCEJ Fall Meeting
講演タイトル:
CO2吸収型コンクリートの炭酸化速度の添加率依存性と速度解析
Conversion dependence and rate analysis of carbonation rate of CO2 absorbing concrete
2024年度

2024-09-24掲載

佐藤 翔太(野田・花田研究室 B4)
第18回水素若手研究会
(The 18th Meeting of hydrogen for Young Researchers)
ポスター優秀賞
(Excellent Poster Award)
講演タイトル:
アーク放電によるMg 微粒子のフロー合成と水素吸蔵特性の評価
2024年度

2024-09-09掲載

重本 彩香(関根研究室 D3)
触媒学会 夏の研修会
優秀口頭講演賞
講演タイトル:
電場アシストによる低温でのNSR プロセス
2024年度

2024-09-02掲載

鈴木 七奈(小柳津・須賀研究室 M2)
The 5th International Symposium on Polymer Ecomaterials
Best Poster Award
講演タイトル:
Synthesis of Polymer RAFT Agents and Improved Adhesion to Copper Interfaces via Controlled UV-curing Process
2024年度

桒原 誉(小柳津・須賀研究室 M1)
The 5th International Symposium on Polymer Ecomaterials
Best Poster Award
講演タイトル:
Hydrophilic, Self-Cleaning Surface Based on Surface-Segregation of Anionic Polymers
2024年度

2024-08-22掲載

吉本 陽菜(木野研究室 M1)
第34回新薬創製談話会
研究奨励賞
講演タイトル:
AIを用いた形態変化データベースの構築とその活用:キノメチオナートの作用機序解析
2024年度

丸山 慶一郎(梅野研究室 M2)
The Protein Society annual symposium 2024
Travel Awards
講演タイトル:
Rapid Search for Functional Protein Sequences by Introducing InDels
2024年度

2024-07-23掲載

石神 航平(小柳津・須賀研究室 M2)
第73回 高分子学会年次大会
高分子学会優秀ポスター賞
講演タイトル:
溶解度とエネルギー密度を両立したポリマー活物質の合成とレドックスフロー電池への適用
2024年度

石神 航平(小柳津・須賀研究室 M2)
Organic Battery Days 2024
Best Poster Award
講演タイトル:
Synthesis of TEMPO-Substituted Polymers with Ammonium Pendant Group and Their Application to Aqueous Redox Flow Batteries
2024年度

小瀧 寛之(小柳津・須賀研究室 M2)
第73回 高分子学会年次大会
高分子学会優秀ポスター賞
講演タイトル:
窒素を水素貯蔵席に含むポリマーの可逆的水素化
2024年度

千葉 秋宜(小柳津・須賀研究室 M2)
Organic Battery Days 2024
Best Poster Award
講演タイトル:
Soft Lewis Base-Containing Aliphatic Polymers for Highly Ionic Conductive Solid Polymer Electrolyte under Polymer-in-Salt Conditions
2024年度

2024-07-16掲載

小野澤 優奈(山口研究室 M1)
第56回有機金属若手の会 夏の学校
BCSJポスター賞
講演タイトル:
触媒的o-キノジメタン生成法を用いた多環式化合物の迅速合成と天然物合成への応用
2024年度

2024-07-06掲載

岡田 篤門(松方研究室 M1)
石油学会(Japan Petroleum Institute)
第66年会JPIJSポスターセッション 優秀ポスター賞
(Outstanding Student Poster Award, JPIJS Poster Session, JPI 66th Annual Meeting)
講演タイトル:
Co 系触媒を用いた CO2 からの Fischer-Tropsch合成における脱水膜反応器の効果の検討
2024年度

岡田 篤門(松方研究室 M1)
日本膜学会(The Membrane Society of Japan)
第46年会学生賞(Outstanding Student Award, 46th Annual Meeting)
講演タイトル:
Co触媒を用いたCO2からのFischer-Tropsch合成におけるゼオライト膜による脱水の効果
2024年度

輿石 優奈(松方研究室 M1)
日本膜学会(The Membrane Society of Japan)
第46年会学生賞(Outstanding Student Award, 46th Annual Meeting)
講演タイトル:
Ag-Beta膜におけるエチレン/エタン透過分離挙動
2024年度

2024-06-28掲載

鈴木 麻由(下嶋研究室 M1)
The 20th International Symposium on Silicon Chemistry (ISOS-20)
THE POSTER-PRESENTATION AWARD (Nanoscale Horizons Poster Prize)
講演タイトル:Synthesis of organically bridged siloxane oligomers with controlled structures by hydrolysis and condensation of bis(triethoxysilyl)benzene
2024年度

白井 亮太朗(山口研究室 M1)
第58回有機反応若手の会
Chemistry Letters Young Researcher Award
講演タイトル:遷移金属触媒によるC=C開裂型二官能基化反応
2024年度

2024-04-29掲載

中原 輝(山口研究室 D2)
日本化学会 第104春季年会
学生優秀講演賞
講演タイトル:Bond Exchange Reaction between Ketones and Esters Using Heteroaromatic Esters
2023年度

山口 潤一郎(山口研究室 教授)
日本植物生理学会
PCP Best Paper award
講演タイトル:Phosphorylation of RNA Polymerase II by CDKC;2 Maintains the Arabidopsis Circadian Clock Period
2023年度

山口 潤一郎(山口研究室 教授)
日本化学連合
化学コミュニケーション賞2023
業績の表題:化学系バーチャルシンポジウムの開拓と実践
2023年度

2024-04-29掲載

渡辺 光亮(関根研究室 D2)
NGCS13 (Natural Gas Conversion Symposium 13rd)
The best poster award
講演タイトル:In2O3-based oxygen carrier materials for chemical-looping oxidative dehydrogenation of ethane with CO2 decomposition at low temperatures
2024年度

七種 紘規(関根研究室 D2)
NGCS13 (Natural Gas Conversion Symposium 13rd)
The best oral presentation award
講演タイトル:Theoretical Study of the Control of CO2 Capture by the Application of an Electric Field
2024年度

2024-03-26掲載

松下 真大(松方研究室 M2)

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会優秀学生賞

Outstanding Student Award, SCEJ 89th Annual Meeting

講演タイトル:重質軽油中におけるポリプロピレン、ポリスチレン混合物の触媒分解

2023年度

橋本 一也(松方研究室 M2)

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会優秀学生賞

Outstanding Student Award, SCEJ 89th Annual Meeting

講演タイトル:スピネル酸化物とSSZ-13からなるタンデム触媒を用いたCO2からの炭化水素合成

2023年度

岡 順也(野田・花田研究室 M2)

Junya OKA

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会 最優秀学生賞

Best Student Award, 89th Annual Meeting

講演タイトル:化学気相成長法によるシリコン-活性炭複合材料の作製とリチウムイオン電池負極への応用

Production of silicon-activated carbon composite materials by chemical vapor deposition for negative electrode of lithium-ion battery

2023年度

大橋 美彩子(野田・花田研究室 M2)

Misako OHASHI

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会 優秀学生賞

Excellent Student Award, 89th Annual Meeting

講演タイトル:単結晶Si基板への多孔質層形成、単結晶Si膜の急速エピタキシーと機械的剥離

Formation of porous layer, rapid epitaxy, and detachment of monocrystalline Si film on and from monocrystalline Si wafer

2023年度

甲斐田 敬済(野田・花田研究室 M2)

Takazumi KAIDA

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会 優秀学生賞

Excellent Student Award, 89th Annual Meeting

講演タイトル:カーボンナノチューブへの窒化ホウ素コーティングとリチウムイオン電池への応用

Coating of Carbon Nanotubes with Boron Nitride for Application to Lithium-Ion Batteries

2023年度

海老名 沙羅(野田・花田研究室 B4)

Sara EBINA

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会 優秀学生賞

Excellent Student Award, 89th Annual Meeting

講演タイトル:Ir担持カーボンナノチューブ膜電極を用いた水素生成のための水溶液中アンモニア電解

Ammonia electrolysis in aqueous solution for hydrogen production using Ir supported carbon nanotube film electrode

2023年度

田中 駿(野田・花田研究室 B4)

Shun TANAKA

化学工学会

The Society of Chemical Engineers, Japan

第89年会 優秀学生賞

Excellent Student Award, 89th Annual Meeting

講演タイトル:安全なエッチング剤を用いたカーボンナノチューブの乾式精製法の開発

Development of a dry purification method for carbon nanotubes using a safe etching agent

2023年度

木野 邦器(木野・梅野研究室 教授)

(公社)日本農芸化学会

2023年日本農芸化学BBB論文賞

講演タイトル:Improving the enzymatic activity of L-amino acid-α-ligase for imidazole dipeptide production by site-directed mutagenesis

2023年度

2024-02-08掲載

栗田 凌(梅野研究室 M1)
日本遺伝学会第95回大会
Best Paper賞
講演タイトル:モノテルペン合成酵素特異性の高速発散
2023年度

安藤 大翔(梅野研究室 M2)
日本遺伝学会第95回大会
Best Paper賞
講演タイトル:スクアレン合成酵素のカロテノイド合成酵素としてのサイズ進化
2023年度

岡 大智(下嶋研究室 M1)
第39回ゼオライト研究発表会
若手優秀講演賞(学生部門)
講演タイトル:ナノ多孔質酸化鉄内での鉄含有メソポーラスゼオライトの合成
2023年度

2024-01-31掲載

渡辺 清瑚(小柳津・須賀研究室 D3)
TEIJIN MIRAI FORUM 2024
帝人賞
講演タイトル:多点水素結合を利用した超高屈折率ポリマーの創出
2023年度

2024-01-24掲載

店網 隆之介(小柳津・須賀研究室 M1)
第13回CSJ化学フェスタ2023
優秀ポスター発表賞
講演タイトル:アントラセン-ナフトキノン付加体に基づく可逆架橋ポリマーの開発とマテリアルリサイクル
2023年度

岸田 龍祐(小柳津・須賀研究室 M1)
第12回CSJ化学フェスタ2022
優秀ポスター発表賞
講演タイトル:Diels-Alder 付加体を組み込んだポリマーの架橋/解架橋とレオロジー制御
2022年度

長谷山 航大(小柳津・須賀研究室 M1)
第12回CSJ化学フェスタ2022
優秀ポスター発表賞
講演タイトル:無機ペロブスカイトインキの引き塗り法による膜厚改善(>700 nm)と⾼効率セルの作製
2022年度

阿部 修平(小柳津・須賀研究室 B4)
精密ネットワークポリマー研究会
第16回若手シンポジウム
ベストポスター賞
講演タイトル:光解離性多官能高分子ドーマントを用いた精密UV硬化膜の相分離構造
2022年度

稲垣 和也(山口研究室 M1)
第13回 CSJ化学フェスタ2023
優秀ポスター発表賞
講演タイトル:Pd触媒による新規o-キノジメタン生成法を用いた多環式化合物合成
2023年度

2023-12-26掲載

川久保 優香(下嶋研究室 M2)
下嶋研究室・修士2年
第27回ケイ素化学協会シンポジウム
ポスター賞
講演タイトル:Ti–O–Ti 結合を有するかご型シロキサン系分子の合成と触媒特性
2023年度

2023-12-15掲載

菊地 弥温(下嶋研究室 M2)
第10回ZAIKEN Festa
奨励賞
講演タイトル:内部空間を有するかご型シロキサンをビルディングブロックとしたナノ多孔体の合成
2023年度

菊地 弥温(下嶋研究室 M2)
第27回ケイ素化学協会シンポジウム
ポスター賞
講演タイトル:かご型ドデカシリケートをビルディングブロックとして用いたナノ多孔体の作製
2023年度

三宅 寿英(下嶋研究室 M1)
第36回セラミックス協会秋季シンポジウム
学生優秀講演賞
講演タイトル:アゾベンゼン修飾シルセスキオキサン薄膜の光照射による秩序–無秩序転移挙動
2023年度

三宅 寿英(下嶋研究室 M1)
日本化学会秋季事業 第13回CSJ化学フェスタ2023
優秀ポスター発表賞
講演タイトル:アゾベンゼン修飾シルセスキオキサン薄膜の光誘起秩序–無秩序転移
2023年度

三宅 寿英(下嶋研究室 M1)
第27回ケイ素化学協会シンポジウム
ポスター賞
講演タイトル:アゾベンゼン修飾シルセスキオキサン薄膜の光照射によるメソ構造変化
2023年度

2023-12-15掲載

吉田 啓佑(野田・花田研究室 D2)
第1回金属学会 水素が関わる材料科学の課題共有研究会
優秀賞(ポスターの部)
講演タイトル:触媒添加MgH2粒子・カーボンナノチューブ複合シートの大気下での作製
2023年度

2023-12-11掲載

渡辺 清瑚(小柳津・須賀研究室 D3)
6th G’L’owing Polymer Symposium in Kanto
Best Presentation Award
講演タイトル:High Refractive Index Aromatic Poly(thiourea)s Bearing Polarizable Hydrogen Bonds
2023年度

2023-12-04掲載

松下 真大(松方研究室 M2)
The Asia Oceanian Conference of Green Sustainable Chemistry (AOC-GSC8)
Highly Commended Student Oral Presentations
講演タイトル:Catalytic decomposition of polypropylene in petroleum-based solvents
2023年度

2023-11-09掲載

渡辺 光亮(関根研究室 D1)
9th Asia Pacific Congress on Catalysis
Excellent Poster Award
講演タイトル:Ethane dehydrogenation under steam co-feeding atmosphere over YCrO3 perovskite
2023年度

宮﨑 龍也(山口研究室 D1)
第123回有機合成シンポジウム
優秀ポスター賞
講演タイトル:新規5,5–縮環ヘテロ芳香環ビルディングブロックの開発
2023年度

山口 潤一郎(山口研究室 教授)
有機合成化学協会
Mukaiyama Award
2023年度

2023-10-12掲載

堀 暖奈(下嶋研究室 M2)
第66回粘土科学討論会
優秀講演賞
講演タイトル:層状ケイ酸塩層表面へのSi–H基の固定化による金属イオンの還元
2023年度

2023-09-19掲載 (3名の受賞者の写真が追加されました)

蓮實 直海(野田・花田研究室 M1)
Asian Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE)
Best Proposal Award – Gold Prize, SDG Special Symposium, APCChE2023
講演タイトル:An Integrated Multi-Effect Distillation and Adsorption Desalination-Biomass Pyrolysis Approach for Sustainable Water Supply
2023年度

高 銀(野田・花田研究室 M1)
Asian Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE)
Best Proposal Award – Bronze Prize, SDG Special Symposium, APCChE2023
講演タイトル:Recycling Strategies for Sustainable Utilization of Spent Lithium-Ion Batteries from Electric Vehicles in the Philippines
2023年度

中島 諒介(野田・花田研究室 M1)
Asian Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE)
Best Proposal Award – Bronze Prize, SDG Special Symposium, APCChE2023
講演タイトル:Recycling Strategies for Sustainable Utilization of Spent Lithium-Ion Batteries from Electric Vehicles in the Philippines
2023年度

2023-09-05掲載

常川 慶乃(小柳津・須賀研究室 M2)
The 13th SPSJ International Polymer Conference (IPC2023)
ポスター賞
講演タイトル:Synthesis of Thiol-Substituted Poly(phenylene sulfide)s with High Refractive Indices
2023年度

2023-08-29掲載

村上 路有久(野田・花田研究室 M1)
化学工学会山形大会2023
学生奨励賞
講演タイトル:液体アンモニア電解による水素生成の電流効率に対するカソード副反応が及ぼす影響
2023年度

2023-08-07掲載

内田 諒真(下嶋研究室 M2)
日本ゾル-ゲル学会第21回討論会
ベストポスター賞
講演タイトル:規則性ナノ細孔を有する有機シロキサン系エラストマーの作製
2023年度

菊地 弥温(下嶋研究室 M2)
日本ゾル-ゲル学会第21回討論会
ベストポスター賞
講演タイトル:内部空間を有するカゴ型シロキサンを用いたナノ多孔体の構築
2023年度

2023-08-01掲載

石原 大地(木野・梅野研究室 M2)
The 19th International Symposium on Carotenoids
Travel Awards
講演タイトル:Directed evolution of high-titer non-mevalonate pathway
2023年度

 

千野朋希(木野・梅野研究室 M2)
The 19th International Symposium on Carotenoids
Travel Awards
講演タイトル:In situ feeding of non-cognate apocarotenoids to Bacterialrhodopsins
2023年度

荒木優衣(木野・梅野研究室 M1)
The 19th International Symposium on Carotenoids
Poster Awards
講演タイトル:Molecular breeding of C20 carotenoid pathways
2023年度

2023-07-25掲載

眞鍋 公輔(菅原研究室 M2)
粉体粉末冶金協会 2023年度春季大会
優秀講演発表賞
講演タイトル:スーパーキャパシタ電極への応用を目指した還元型酸化グラフェンと規則性メソポーラスカーボンによるナノハイブリッド
2023年度

2023-05-29掲載

大淵 ゆきの(関根研究室 M1)
The 19th Korea-Japan Symposium on Catalysis
Poster Presentation Award
講演タイトル:Ammonia Decomposition at Low Temperature using Ru/CeO2 Catalyst in an Electric Field
2023年度

千島 健伸(関根研究室・先進理工学専攻 LD2)
The 19th Korea-Japan Symposium on Catalysis
Poster Presentation Award
講演タイトル:Theoretical Investigation of Material Properties on CO2 Capture by Applying Electric Field
2023年度

宮本 佳明(下嶋研究室・博士後期課程 D2)
2023 International Conference on Advanced Nano-Micro Materials
Best Poster Award
講演タイトル:Self-healing Lamellar Organosiloxane–Block Copolymer Thin Films
2023年度

齊藤 優希(下嶋研究室 M2)
2023 International Conference on Advanced Nano-Micro Materials
Best Poster Award
講演タイトル:Preparation of Siloxane-Based Elastomers Using Mesoporous Silica Nanoparticles as Cross-Linkers
2023年度

2023-05-16掲載

飯泉慶一朗(山口研究室 D3)
7th Gratama Workshop
学生ポスター賞
講演タイトル:Denitrative Cyanation of Nitroarenes and Organocyanides by a Palladium Catalyst
2023年度

2023-05-15掲載

酒井 求(松方研究室 講師(任期付))
日本膜学会(The Membrane Society of Japan)
第29回膜学研究奨励賞(The 29th Young Scientist Award of The Membrane Society of Japan)
講演タイトル:ゼオライト膜の結晶積層構造が透過分離特性に与える影響に関する研究
2023年度


 

 

 

 

 

 

 

 

学生委員会 2024/10/1 10月レク企画

2024年10月1日、西早稲田キャンパス前の新宿コズミックセンターにてスポーツ大会が行われました。B1からB3までの27名の方に参加していただき、他学年間でも仲を深めつつ、体を動かすことができました。

詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら

学生委員会 2024/9/17 9月レク企画

2024年9月17日、東京都あきる野市の秋川ふれあいランドでBBQを行いました。学部1年生から学部3年生までの25名が参加し、企画を通して互いに親睦を深め楽しい時間を過ごしました。
午前11時に集合してスタートしました。近くに川が流れる自然豊かな場所で、天気も良くBBQ日和でした。

詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら

「2024年度第1回先輩博士からのメッセージ」開催報告

【イベント名】

2024年度第1回先輩博士からのメッセージ

【イベント詳細】

開催日時:2024年7月27日(土)

開催場所:西早稲田キャンパス54号館101~104室+63号館ロームスクエア

開催形式:対面開催

14:00~14:05;開会挨拶

14:05~15:05;博士OB及び博士後期課程学生による講演(2件)

15:15~15:55;座談会(20分×2セット)

16:00~16:10;応化及び応化会関連の奨学金説明

16:30~17:55;懇親会

17:55~18:00;閉会挨拶

昨年12月に実施した「第2回 応化卒の多様なキャリア形成」に引き続き、対面開催となった。今回は学位取得後、企業にて活躍されているOBおよび博士後期課程学生による博士課程での研究や博士取得後の企業研究に関する講演を実施した。また、座談会では、学部1年~修士2年生と博士学生〜博士OBOGを少人数のグループに分かれ、研究生活など様々な疑問に答えた。これらを通じて、博士課程進学というキャリアパスに対する理解度を上げてもらった。加えて、懇親会では様々な立場の学生・OBOGが交流する場を得ることができた。参加者は、学部~博士学生、OB/OG、応化会関係者合わせて50名程度の参加となり、盛会に終わった。

開会挨拶: 下村副会長:

下村副委員長

2024年はパリオリンピックの開催年であり、その開会式を見ても世界には多種多様な人がいると感じられる。また、日本においては高齢化が進み、人生100年時代が到来すると言われている。そのため、働く期間は今後伸びていくのではないか。したがって、若いうちに博士過程に進学することで、勉強する期間を長く取ることも、これから来る時代を乗り切るのに重要なことかもしれない。特に博士人材は、緊急時などに臨機応変に考えて行動できる力を得ていることが多く、今後の日本に求められる人材となり得るのではないかと思われる。また、高齢になっても長く仕事を続けることができる。これはこれからの時代に優位であろうと考えている。「先輩博士からのメッセージ」という本イベントで、皆さんの未来に繋がるきっかけになることを願っている。

OB・博士学生による講演:
今回、企業で働く博士OBと現役の博士学生の2名に、これまでの自身の博士研究での経験・博士進学の動機などについてご講演いただいた。尚、司会進行は、応用化学科 林宏樹講師が行った。

講演者①;会田 和広さん(博士後期課程3年,山口研究室(有機合成化学部門))

題目:「研究人生のはじまり」

会田 和広さん

会田和広さんは、有機化学研究室の博士学生として研究に従事されている。学会参加やアメリカへの研究留学など、幅広い経験をされている。

学生実験と研究の違い・博士進学での動機について
学生実験は実験項目が皆同じで、答えが決まっているものを再現することがほとんどであり、実験操作や考え方の基礎を学ぶものである。一方で、研究室での研究は、答えがわからないものから答えを見つけ出すための実験を繰り返すものである。答えがないからこそ、思った通りの結果が出ないことが長く続くことがあるが、答えを見つけたいという思いが強くなることもある。会田さんは、学部1年生の時に卒業後の進路を考えた際に、薬を作って多くの人を救いたいと思い、有機化学の研究者になろうと決めた。製薬会社の研究所では、博士人材の需要が高まっていることから、博士進学も視野に学部生活を送ってきた。そして、博士進学を決めた動機は、研究室に入って有機合成方法の研究を初めた当初、200通りの実験を行ったが、その収率はほぼ0%であった。その後もなかなか収率が増えずに15%程度までにしかならなかった。就職活動をするかどうかを決断する時期が近づき、このまま卒業してしまったら、自分のテーマを後輩に託すことになるが、それならば自分でやり遂げたいと思い、博士後期課程進学を決めた。

研究室での研究について
有機研究室では、分子を作る新たな有機合成方法論の開発を行っている。実験には時間がかかることから、朝から晩まで実験室にいることが多いが、その中でも実験室のメンバーと食事休憩を取って、メリハリを付けた生活を送っている。その他にも、研究室のイベントや運動などもしてリフレッシュもしている。
また、実験以外の研究室の活動としては、学会発表や研究留学がある。研究室を進めていくに連れて成果が出てきたので、学会にも参加するようになった。学会では、自身の研究を国内外の研究を発表するだけでなく、他大学の同期や有名な先生、企業の人など多くの人と交流している。また、博士後期課程では、アメリカのUCバークレー大学へ留学する機会を得ることができた。現在の研究テーマは分子を作る新たな方法論を開発しているが、天然物合成をする技術を学ぶことが企業での研究に活きてくると考えて、全合成を行う研究所を選択した。アメリカで感じたことは、トップレベルの大学であっても、研究レベルに大きな差はないことだった。英語はあまり得意ではなかったが、有機化学は構造式や反応機構を手書きで表せば議論できた。また、漫画や音楽など日本のカルチャーを好きな海外の人も多いので、日々色々なことに興味を持っておくと会話が弾むことを実感した。

学生へのメッセージ
学部、修士、博士さまざまな選択肢がある中で自分に何が必要か、将来何をしたいのかよく考えて選択し、自分が後悔しない道へ進んで欲しい。

講演者②;女部田 勇介さん(AGC株式会社,本間・福永研究室(応用物理化学部門), 2022年修了)

題目:「博士までの経験と企業での研究生活」

女部田勇介さん

女部田勇介さんは、応用物理化学研究室に所属され、日本学術振興会特別研究員(DC1)として博士研究をされていた。現在は、AGC株式会社 材料融合研究所 無機材料部にて研究に従事されている。

博士進学を決めたきっかけ
初めに、博士学位取得者の基礎情報を紹介いただいた。全人口のうち、50%が大学進学、6%が修士、0.6%が博士ということで、ごく少数である博士はそれだけ価値が高い肩書きかもしれない。収入面では、統計データから学位取得者は30代後半くらいからの収入の伸びが大きく、60代以降も比較的高い水準で働けることを紹介された。また、博士後期過程への進学の利点として、国際学会への参加や留学など貴重な経験ができることや、自分のやりたい研究が思い切りできるようになること、学位を取得すれば、研究者として一目置かれるようになることが挙げられる。これらの基礎情報を踏まえて、博士進学を決めたきっかけは、第一に将来長く働きたいこと、そして第二に学会で海外に行くことを挙げていた。さらに、修士課程時代に、理系に限らない企業インターンシップに参加してみて、自分が研究を好きなことを再認識したことも進学理由になった。加えて、指導教員や研究室の先輩を尊敬できたことも、博士課程を過ごす上での環境面として重要な点であると卒業後に感じた。

企業での研究について
博士進学を決める前からビジネスの場に近い研究をしたいと思い、学位取得後は企業に就職した。大学での研究は自分の実験は自分でやり、基本的に1人でテーマを進めていく。コアタイムだけでなく自分の裁量で実験ができ、自由度も高く細かなコストなどを気にせずに10年先の課題などに向き合える。一方、企業での研究は、市場規模などをもとにビジネスに繋がる研究を、作業員に実験内容を指示して協力して進めていくことになる。そして、定時にやりきる必要があるため、実験計画をしっかりと立てることが重要である。また、企業で働いてみて特に驚いたのは安全やセキュリティの高さだった。たくさんのチェックすべき項目があり、安全性に配慮して作業を行っている。また、博士号を取得したことで、就職後も専門性に合った研究に従事できているように感じる。

学生へのメッセージ
博士進学を少しでも考えたら、まずは親に相談すること、そして指導教員にも相談することが大事である。博士課程に進学すると同年代の多くが働いている中、学生を続けることになり、不安もあるかもしれないが、勇気を持って研究の世界に飛び込んで欲しい。

座談会
学部1年生~修士2年生と博士学生と博士OBOGがそれぞれ2〜3名程度の小グループに分かれて座談会を実施した。講演会を踏まえて気になったことや、研究生活や博士進学のきっかけなど、各自が疑問に思ったことを博士人材に直接聞く良い機会となった。

応用化学科及び応化会関連の奨学金説明:須賀先生

須賀 先生

早稲田応用化学会は1923年5月に設立された会員数11000人超えの組織であり、卒業生との太いパイプがある。博士後期課程の進学に対して経済面がひとつの問題になり得ることから、応用化学科及び応用化学会の充実した奨学金制度について紹介があった。また、最近の博士後期課程への進学率とその後の進路先の割合について紹介があった。博士後期課程修了者は、2010年以降2022年までの間で約90名である。博士号取得者のおよそ6割は企業で活躍している。次いで国内大学、海外大学、省庁・研究機関となっている。
博士後期課程の支援体制として、学内外の奨学金制度は、貸与型と給付型がある。学外では日本学生支援機構(JASSO)、学内では早稲田オープンイノベーションエコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)がある。応用化学科および応化会独自の奨学制度は早稲田大学の中でも郡を抜いて充実しており、全て給付型となっている。また、最近では「応用化学科卒業生による優秀な人材の発掘と育成の支援」のために、応用化学会給付奨学金は対象を学部生まで拡充している。早期から優秀な人材を発掘・支援したいという目的から、すそ野を広げる形となった。このような支援の存在を早い段階から知ってもらい、各自の必要に応じて応募して欲しい。

乾杯の挨拶(懇親会):原副会長

原 副会長

今回のイベントは今後のキャリア選択の参考になったと思う。特に低学年の学生の方々は、まだまだ先の将来を考える時間はあると思うが、博士進学がとても魅力的に感じたと思う。ぜひ先輩たちと懇親会で交流をして、今後のキャリアを考える良い機会にしてもらえればと思う。

閉会挨拶:橋本監事

橋本 監事

海外では、日本とは異なってドクターを持っているかどうかでの待遇が大きく違うことを自分の経験上でも大きく感じたことがある。博士は面白いチャンスを得られると思うし、自分の興味のある研究に関わることができる。少しでも興味を持ったら博士進学を検討して欲しい。

懇親会の様子

 

(早稲田応用化学会 基盤委員会、交流委員会、広報委員会)
以上