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新18回(昭和43年卒)応化同期会開催報告

2024年11月27日

2024年11月27日(水)、大隈会館N201号室で同期会を1年ぶりに開催しました。出席者は健康上の理由等で毎年徐々に減少し、前回2023年10月よりも3名少ない20名でした。

保坂君の司会と挨拶につづいて、弁当形式の会食の後、参加者全員の近況報告(研究室単位の欠席者の近況を含む)、大学関連の活動紹介、会計報告と続きました。和気藹々の楽しい時間が流れて来年の再会を誓い、15時に記念写真(2名退出:中井君担当)を撮ってお開きになりました。

・今回も昨年に続き着席での会食でしたが、テーブルを3ブロックに分けてメンバー同士の懇親をより楽しめる形式にしました。

・参加者の近況報告(4分/人)ではほぼ全員が傘寿になったこともあり、やはり体調に関する話題がメインでした。認知機能の衰えを考慮した終活関連や相変わらずピアノや旅行等の趣味活動を元気に楽しんでいるとの紹介もありました。

・大学関連では、鶴岡君から“早田大学の最近の発展には、田中総長の米国流マネジメントが大きく寄与している”との紹介がありました。

(注)次回は2025年10月~11月頃を予定しています。詳細は各研究室の幹事から後日、ご連絡致します。同期の皆さん楽しく情報交換をしませんか、 是非ご参加下さい。 (幹事:杉本、進、品田、永田、関谷、曽根、鶴岡、小久保、渡辺(壮太郎)、渡部、中井、山形、金山、保坂、竹下)。

(文責 竹下哲生)

以上

早稲田応用化学会 第2回大分・延岡地区交流会開催報告

  1. 開催趣旨

    昨年、早稲田応用化学会は創立100周年を迎え、次なる100年に向けた活動の一環として、地方で活躍している卒業生間の交流活性化・促進を目指しております。
    そこで今回、昨年の第1回に引き続き、大分・延岡地区でご活躍されている方々を対象とし、会社の垣根及び世代を超えて、同じ学び舎で育った応化出身者で交流が出来ればという想いのもと、応化会交流委員会メンバーも交えての本企画開催に至りました。

  2. 概要

    【開催日時】2024年11月8日(金) 13時40分開始

    【開催場所】ENEOS㈱ 大分製油所 ホール1

  3. 参加者

    【大分大学:1名】平田 誠 先生( 新37回 平田研)

    【旭化成:4名】助川 敬 (日本エラストマー:新59回高分子研)、田中 亮祐 (新70回 下嶋研)、白川 寛人(新70回 野田・花田研)、西尾 博道 (新71回 高分子研)

    【RESONAC:3名】海寳 益典 (鶴崎共同動力:新31回 平田研)、杉本 哲人 (サンアロマー:新40回 平田研)、小谷野 雅史 (新61回 高分子研)

    【ENEOS:3名】風間 洋佑 (新66回 松方研) 、小長谷 優祐 (新68回 野田・花田研)、野々山 慶一 (新72回 平沢・小堀研)

    【応化会:2名】下村 啓(新34回 森田・菊地研)、椎名 聡 (新36回 宇佐美研)

  4. 交流会内容:

    ① 13:40~13:50 開会挨拶、応化会近況報告 (椎名交流委員長)

    ② 13:50~14:45 各社近況報告 (ENEOS➡旭化成➡RESONAC)

    ~約15分間の休憩~

    ③ 15:00~15:40 ENEOS㈱ 大分製油所 構内見学

    ④ 15:40~16:40 講演会

    講師:平田 誠 先生 大分大学理工学部理工学科准教授

    演題:「~日本の食 大分の食~」

    ⑤ 16:40~16:50 閉会挨拶 (下村応化会副会長/基盤委員会委員長)

  5. 懇親会 18:30~21:00

    場所;酒肴美味 六根 (大分駅周辺)

  6. 詳細

    11月8日金曜日、応用化学科卒業生で構成される応化会交流委員会の第2回大分・延岡地区交流会がENEOS㈱大分製油所で開催されました。
    参加者は九州に拠点を置く旭化成、RESONAC、ENEOSの3社に勤務している方々、大分大学にて教鞭を執る平田 誠先生、そして東京から参加した応化会役員を含む総勢13名となりました。
    交流会は、椎名交流委員長による開会の挨拶から始まりました。椎名委員長からは、昨年に引き続き地方との交流を活性化させていくことの重要性についてのお話があり、本会議の開催意義について大いに期待されている旨のお言葉をいただきました。
    その後、ENEOS、旭化成、RESONACの順に、各会社や拠点の事業内容の説明や、参加者の業務からプライベートにわたる近況についての紹介が行われ、大いに盛り上がりました。各メンバーの直近の仕事ぶりについて紹介された場面では、特に若手の社員が日々の業務で直面する様々な課題や成功体験が共有されたことが非常に印象的であり、交流会ならではの貴重な情報交換の場となりました。

    次に行われたのは、会場となったENEOS大分製油所の構内見学です。バスツアー形式で行われたこの見学では、ENEOSメンバーの素晴らしいガイドとともに、石油精製のプラントエリアから貯蔵・出荷タンク・設備などを巡回しました。迫力ある大型の装置群を間近で目にし、プラントスケールを体感できる大変貴重な機会となりました。
    その後、大分大学理工学部理工学科の准教授平田 誠先生による講演会が行われました。「~日本の食 大分の食~」という演題で行われたこの講演では、大分の食文化とその歴史、そして日本の食文化がいかに多様性に富んでおり、いかに我々の生活文化に紐づいているかが、写真や資料を添えながら分かりやすく紹介され、参加者は普段触れることのない多くの知見を得る素晴らしい時間となりました。
    交流会の最後に、下村応化会副会長から閉会の挨拶を賜り、交流会全体が有意義なものであったこと、次回の開催に向けた期待感などについてお話しいただきました。

    交流会終了後は大分駅近くで懇親会が開催されました。この場では、昼間の交流会に参加できなかったメンバーも合流し、交流会では話しきれなかった話題で大いに盛り上がり、参加者同士の親睦がさらに深まりました。

    翌日には、有志6名により大分カントリークラブ吉野コースでゴルフコンペが開催されました。ゴルフを通してリラックスしながら交流を図ることで、さらに絆を深める良い機会となりました。

  7. 今後の計画と参加者アンケートまとめ ⇒ こちら
    事後に参加者へのアンケート調査を行い、今回の会に関する率直な感想や、継続や発展へ向けた様々なアイデアを頂きました。
    今回も前回同様、交流会全体の内容については大変満足頂いたという声が多く、「次回の参加も前向きに検討したい」という意見が大多数を占めました。
    参加したメンバーからは、「2回目ですが、昨年よりも近い距離間で皆さんと交流できたように感じました。」「職場外の方と接する機会はなかなか無いため、交流を通じて非常にいい刺激を受けています。応化という同じ学び舎の下で過ごした同窓との繋がりは、今後の社会人人生においても大切な財産になると感じており、是非とも今後も継続して本交流会に参加していきたいです。」といった非常に前向きな感想を頂きました。
    時期等についても、「忘年会シーズンや気温の低下を避けられる意味でも、今回のように11月ごろの開催がぴったりだった。」といった意見を頂きました。
    最後に、本交流会の継続、さらなる発展に向けて「後輩が続かないと継続は厳しくなるので、現役の学生などにもご参加いただき会社の良さを知ってもらえたら」といった学生も巻き込んだ取り組みに関するご意見や、「各地方支部などとの地方開催における継続的な取り組みに関する意見交換や、連携も一つの手になるのでは」といったようなご意見も頂きました。

「先輩からのメッセージ2023/12月」開催報告

 「先輩からのメッセージ2023/12月」開催報告は、会報誌秋号掲載時に内容が一部修正しましたので、再掲載します。

 本フォーラムの趣旨は、応用化学科OB/OGを中心とする先輩が各企業での日々の活動を具体的に話していただく、キャリア教育の一環です。これに基づき、後述の「企業ガイダンス」掲載企業に参加をお願いいたしましたところ43社からご賛同をいただき開催の運びとなりました。早稲田応用化学会のホームページには、学生向けコンテンツのひとつとして「企業ガイダンス」のページを設けており59社に参加いただいております。
 フォーラム開始前のオリエンテーションでは、椎名交流委員長の司会のもと、下嶋主任教授からご挨拶いただきました。続いて、保谷交流副委員長からプレゼンについての注意、お願い事項の説明をいたしました。その後、12 : 30より一斉にプレゼンがスタートいたしました。会場は5 教室で、これまでと同様に前半と後半の2 部制として、各社2 回のプレゼンを行っていただき、参加学生が希望する企業のプレゼンをできる限り聴講できるようにいたしました。
各企業のプレゼンでは、第一線で活躍中の身近な世代の先輩が、発表者自身の日常生活や学生生活へのアドバイス、自らのキャリアパスなど、限られた時間でコンパクトにまとめて発表いただきました。企業からは、発表者、同行者を含めて99名にご参加いただきました。内OB/OGの参加者は発表者を含めて59名となりました。学生の参加総数は109名でしたが、各社プレゼンの延聴講数は843人となり、学生たちが一人平均8 社を聴講していました。

301・302会場    303・201会場     202会場・会場風景

プレゼン終了後はロームスクエアに場所を移し、参加いただいた企業在籍者と参加学生の懇談会を催しました。椎名交流委員長の司会のもと、主催者を代表して応化会副会長の下嶋教授から参加企業への御礼と挨拶があり開会となりました。各社のテーブルを囲んで、プレゼンの延長となる先輩、企業同行者と学生の活発な質疑応答が行われ、活気にあふれた会場となりました。
 参加した学生にとっては昼間のフォーラム、夕刻からの懇談会を通して、日常の学習、研究に加えて、将来に向けての貴重な情報と日々の過ごし方へのアドバイスを先輩方から頂戴し、学んだことも多かったことと確信いたしております。下村副会長の中締めの挨拶、佐々木学生委員長の一丁締めをもって全プログラムを盛況のうちに終了いたしました。

懇談会の模様(懇談会のスナップ写真はこちらから)

 今回のフォーラムにご賛同、ご支援いただきました企業、及び熱気溢れるプレゼンを行なっていただき、また懇談会でも後輩からの質問に親身になってお答えいただき、また貴重なアドバイスをいただきました先輩と、同行された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。
 なお、2024年度の「先輩からのメッセージ」は、12月7 日(土)の開催予定です。

(文責 交流委員会 写真 広報委員会)

Ⅰ.プログラム概要

1.
日時
2023年12月2日(土)   12:30~
2.
会場
早稲田大学西早稲田キャンパス52号館
3.
内容
オリエンテーション
12:00~12:20(企業関係者)
 
 
講演会(第1部)
12:30~14:43
 
 
講演会(第2部)
15:15~17:28
 
 
懇談会
17:45~20:00(63号館ロームスクエア)

Ⅱ.講演会タイムスケジュール    

Ⅲ.特別講演スケジュール

Ⅳ.参加した学生

  D M2 M1 B4 B3 B2 B1
  3 5 65 10 5 12 9 109

Ⅴ.アンケートをふまえての総括

1. 今回のフォーラムの全体的な評価
 アンケート回答者では、学生の100%、企業の80%が、「満足」「ほぼ満足」と回答しており、フォーラムは評価されていると考えられます。企業側の「やや不満」の回答は、コロナ前に比した参加学生の減少と思われます。学生へのPR方法を含めて改善の工夫が必要かと思われます。
質問に対し、多岐にわたる回答がありましたが、多かったものをまとめると次の通りです。

 1)学生からの回答

  ①いろいろな企業の話が聞けた。知らなかった会社の話も聞けた。

  ②懇談会で親しくいろいろな話が聞けてよかった。

 2)企業からの回答

  ①親密に話ができた、学生から熱心さが伝わった。

2. 運営について
 講演時間の13分/社については、学生の80%、企業の90%が適当と回答しました。
学生の移動時間を含めて、もう少し長くという希望もありますが、本イベントの特長であります懇談会の時間の確保との両立が難しいところです。

3.まとめと次回開催に向けた課題
 本年は早目の12月開催とし、43社の企業にご参加いただきました。学生も一人平均8社を聴講し、懇談会でも先輩方、同行された企業の方と親密に、活発な懇談をさせていただく姿がみられ、盛況のうちに終わることができました。学生は優良企業からの具体的な情報が得られ、企業側も自社に対する理解を深めてもらうという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価になっていると思われます。
 一方、コロナ前に比べ、参加学生が少なかったという指摘も相当数ありました。採用活動が早くなっている企業も増えてきており、アンケートでも企業、学生とも13%が開催時期を早くすることが好ましいとしています。また、今回不参加企業の中で数社が、理由として開催が遅いことを挙げています。学生へのPR方法への工夫、開催時期の更なる検討等次回に向けた検討を続けることといたします。

なお、「先輩からのメッセージ」及び「企業ガイダンス」に関するお問い合わせならびにご要望等は下記早稲田応用化学会事務局へお願いいたします。

〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
早稲田大学 先進理工学部応用化学科内 早稲田応用化学会
TEL 03-3209-3211 内線 5253
FAX 03-5286-3892
E-Mail: oukakai@list.waseda.jp
URL: http://www.waseda-oukakai.gr.jp

以上

2024年度早桜会講演会(報告)

2024年度早桜会講演会を2024年10月19日(土)に実施いたしました。今回の講師には多田博之氏(サステイナブル経営総合研究所所長)をお迎えし、「持続可能な社会とは何か ―サステイナブル経営の本質を探る―」という演題でご講演して頂きました。

【講師】多田博之氏 (サステイナブル経営総合研究所所長)

【概要】

日本の食料自給率はカロリーベースで38%と非常に低い。これは日本と同じ島国のイギリスや山間部の多いスイスと比較しても低い値である。また肥料や種子はそのほとんどを輸入に頼っており、エネルギー自給率も12.6%しかない。自殺者は政府発表では年間2万人だが、不審死者が年間15万人に登る。WHOの勧告では不審死者数の半分を自殺とするようなっており、その基準に当てはめると日本の自殺者数は年間9万人となる。

これらの数値を踏まえると現状の日本はおよそ持続可能な状態(=サステイナブル)であるとは言えない。サステイナブル経営とは持続可能な社会の実現の為、自社の持続可能性だけでなく社会の持続可能性も考えたものでなくてはならない。また経営とは時代認識であるから、かつての認識のままでは駄目であり、時代によって大きく変化するものである。またSDGsと合わせてCSRという言葉もよく聞くが、これは企業が社会とどのように信頼を構築していくか、ということである。本来はビジネスを通して社会的な諸課題を解決することが必要であるからCSRは投資として内在化すべきであるが、現状はどうしてもコストとして外在しがちである。その点で日本はCSR先進国とは言えない。それは政策やビジョンの貧困さが原因である。個々の技術は高いが将来ビジョンを描く能力が決定的に欠如してしまっている。ここを改善しなければ何も変わらない。

持続可能性とは最近急に聞くようになった言葉と思われがちだが、実は古くからあった言葉であり、ネイティブアメリカンやアボリジニも自然と持っていた考え方である。それは縄文人やその後の日本の古代人も同じであろう。人間は自然に生かされているのだ。

持続可能な社会の実現の為には現在を起点とする”フォアキャスティング”から未来の社会を起点にするバックキャスティングへと考え方を変える必要がある。あるべき姿から逆算していって、このタイミングにここまで到達している為には今ここまで出来ていなくてはならない、と考えていく。また持続可能な社会を実現するにはそもそもの持続可能性の指標が無ければ議論出来ない。この時の指標は厳密性、網羅性よりも象徴性や理解可能性を重視すべきである。日本に関してみると、技術力が牽引する分野や金融の分野では持続可能性が向上しているが、社会基盤をなす経済の分野で不安材料が残る。全体的にみると持続可能な社会に近づいているとは言い難い状況である。これを打開するには産業においてはビジネスモデルを作り変え、個人においてはライフスタイルを変える、即ちイノベーションが不可欠である。

【全体を通して】

日本がある意味危機的な状況にあるということがよく理解出来ました。少なくともこのままでは持続出来ない状況にあります。とはいえ暗い話題ばかりでもなく、日本にも素晴らしい面はたくさんあります。質疑応答の中では日本の優れている面についても議論が深まり、今後我々がどうしていくべきか、各自考えるうえで非常に良い機会になったと思います。

(文責:三品)

【出席者(9名)】

田中航次(新17回),市橋宏(新17回),和田昭英(新34回),脇田克也(新36回),髙田隆裕(新37回),澤村健一(新53回),三品建吾(新59回),古田武史(新61回),津高絵美 (新57回)

学生委員会 2024/10/1 10月レク企画

2024年10月1日、西早稲田キャンパス前の新宿コズミックセンターにてスポーツ大会が行われました。B1からB3までの27名の方に参加していただき、他学年間でも仲を深めつつ、体を動かすことができました。

詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら

学生委員会 2024/9/17 9月レク企画

2024年9月17日、東京都あきる野市の秋川ふれあいランドでBBQを行いました。学部1年生から学部3年生までの25名が参加し、企画を通して互いに親睦を深め楽しい時間を過ごしました。
午前11時に集合してスタートしました。近くに川が流れる自然豊かな場所で、天気も良くBBQ日和でした。

詳しくは、学生委員会HPをご覧ください→こちら

「2024年度第1回先輩博士からのメッセージ」開催報告

【イベント名】

2024年度第1回先輩博士からのメッセージ

【イベント詳細】

開催日時:2024年7月27日(土)

開催場所:西早稲田キャンパス54号館101~104室+63号館ロームスクエア

開催形式:対面開催

14:00~14:05;開会挨拶

14:05~15:05;博士OB及び博士後期課程学生による講演(2件)

15:15~15:55;座談会(20分×2セット)

16:00~16:10;応化及び応化会関連の奨学金説明

16:30~17:55;懇親会

17:55~18:00;閉会挨拶

昨年12月に実施した「第2回 応化卒の多様なキャリア形成」に引き続き、対面開催となった。今回は学位取得後、企業にて活躍されているOBおよび博士後期課程学生による博士課程での研究や博士取得後の企業研究に関する講演を実施した。また、座談会では、学部1年~修士2年生と博士学生〜博士OBOGを少人数のグループに分かれ、研究生活など様々な疑問に答えた。これらを通じて、博士課程進学というキャリアパスに対する理解度を上げてもらった。加えて、懇親会では様々な立場の学生・OBOGが交流する場を得ることができた。参加者は、学部~博士学生、OB/OG、応化会関係者合わせて50名程度の参加となり、盛会に終わった。

開会挨拶: 下村副会長:

下村副委員長

2024年はパリオリンピックの開催年であり、その開会式を見ても世界には多種多様な人がいると感じられる。また、日本においては高齢化が進み、人生100年時代が到来すると言われている。そのため、働く期間は今後伸びていくのではないか。したがって、若いうちに博士過程に進学することで、勉強する期間を長く取ることも、これから来る時代を乗り切るのに重要なことかもしれない。特に博士人材は、緊急時などに臨機応変に考えて行動できる力を得ていることが多く、今後の日本に求められる人材となり得るのではないかと思われる。また、高齢になっても長く仕事を続けることができる。これはこれからの時代に優位であろうと考えている。「先輩博士からのメッセージ」という本イベントで、皆さんの未来に繋がるきっかけになることを願っている。

OB・博士学生による講演:
今回、企業で働く博士OBと現役の博士学生の2名に、これまでの自身の博士研究での経験・博士進学の動機などについてご講演いただいた。尚、司会進行は、応用化学科 林宏樹講師が行った。

講演者①;会田 和広さん(博士後期課程3年,山口研究室(有機合成化学部門))

題目:「研究人生のはじまり」

会田 和広さん

会田和広さんは、有機化学研究室の博士学生として研究に従事されている。学会参加やアメリカへの研究留学など、幅広い経験をされている。

学生実験と研究の違い・博士進学での動機について
学生実験は実験項目が皆同じで、答えが決まっているものを再現することがほとんどであり、実験操作や考え方の基礎を学ぶものである。一方で、研究室での研究は、答えがわからないものから答えを見つけ出すための実験を繰り返すものである。答えがないからこそ、思った通りの結果が出ないことが長く続くことがあるが、答えを見つけたいという思いが強くなることもある。会田さんは、学部1年生の時に卒業後の進路を考えた際に、薬を作って多くの人を救いたいと思い、有機化学の研究者になろうと決めた。製薬会社の研究所では、博士人材の需要が高まっていることから、博士進学も視野に学部生活を送ってきた。そして、博士進学を決めた動機は、研究室に入って有機合成方法の研究を初めた当初、200通りの実験を行ったが、その収率はほぼ0%であった。その後もなかなか収率が増えずに15%程度までにしかならなかった。就職活動をするかどうかを決断する時期が近づき、このまま卒業してしまったら、自分のテーマを後輩に託すことになるが、それならば自分でやり遂げたいと思い、博士後期課程進学を決めた。

研究室での研究について
有機研究室では、分子を作る新たな有機合成方法論の開発を行っている。実験には時間がかかることから、朝から晩まで実験室にいることが多いが、その中でも実験室のメンバーと食事休憩を取って、メリハリを付けた生活を送っている。その他にも、研究室のイベントや運動などもしてリフレッシュもしている。
また、実験以外の研究室の活動としては、学会発表や研究留学がある。研究室を進めていくに連れて成果が出てきたので、学会にも参加するようになった。学会では、自身の研究を国内外の研究を発表するだけでなく、他大学の同期や有名な先生、企業の人など多くの人と交流している。また、博士後期課程では、アメリカのUCバークレー大学へ留学する機会を得ることができた。現在の研究テーマは分子を作る新たな方法論を開発しているが、天然物合成をする技術を学ぶことが企業での研究に活きてくると考えて、全合成を行う研究所を選択した。アメリカで感じたことは、トップレベルの大学であっても、研究レベルに大きな差はないことだった。英語はあまり得意ではなかったが、有機化学は構造式や反応機構を手書きで表せば議論できた。また、漫画や音楽など日本のカルチャーを好きな海外の人も多いので、日々色々なことに興味を持っておくと会話が弾むことを実感した。

学生へのメッセージ
学部、修士、博士さまざまな選択肢がある中で自分に何が必要か、将来何をしたいのかよく考えて選択し、自分が後悔しない道へ進んで欲しい。

講演者②;女部田 勇介さん(AGC株式会社,本間・福永研究室(応用物理化学部門), 2022年修了)

題目:「博士までの経験と企業での研究生活」

女部田勇介さん

女部田勇介さんは、応用物理化学研究室に所属され、日本学術振興会特別研究員(DC1)として博士研究をされていた。現在は、AGC株式会社 材料融合研究所 無機材料部にて研究に従事されている。

博士進学を決めたきっかけ
初めに、博士学位取得者の基礎情報を紹介いただいた。全人口のうち、50%が大学進学、6%が修士、0.6%が博士ということで、ごく少数である博士はそれだけ価値が高い肩書きかもしれない。収入面では、統計データから学位取得者は30代後半くらいからの収入の伸びが大きく、60代以降も比較的高い水準で働けることを紹介された。また、博士後期過程への進学の利点として、国際学会への参加や留学など貴重な経験ができることや、自分のやりたい研究が思い切りできるようになること、学位を取得すれば、研究者として一目置かれるようになることが挙げられる。これらの基礎情報を踏まえて、博士進学を決めたきっかけは、第一に将来長く働きたいこと、そして第二に学会で海外に行くことを挙げていた。さらに、修士課程時代に、理系に限らない企業インターンシップに参加してみて、自分が研究を好きなことを再認識したことも進学理由になった。加えて、指導教員や研究室の先輩を尊敬できたことも、博士課程を過ごす上での環境面として重要な点であると卒業後に感じた。

企業での研究について
博士進学を決める前からビジネスの場に近い研究をしたいと思い、学位取得後は企業に就職した。大学での研究は自分の実験は自分でやり、基本的に1人でテーマを進めていく。コアタイムだけでなく自分の裁量で実験ができ、自由度も高く細かなコストなどを気にせずに10年先の課題などに向き合える。一方、企業での研究は、市場規模などをもとにビジネスに繋がる研究を、作業員に実験内容を指示して協力して進めていくことになる。そして、定時にやりきる必要があるため、実験計画をしっかりと立てることが重要である。また、企業で働いてみて特に驚いたのは安全やセキュリティの高さだった。たくさんのチェックすべき項目があり、安全性に配慮して作業を行っている。また、博士号を取得したことで、就職後も専門性に合った研究に従事できているように感じる。

学生へのメッセージ
博士進学を少しでも考えたら、まずは親に相談すること、そして指導教員にも相談することが大事である。博士課程に進学すると同年代の多くが働いている中、学生を続けることになり、不安もあるかもしれないが、勇気を持って研究の世界に飛び込んで欲しい。

座談会
学部1年生~修士2年生と博士学生と博士OBOGがそれぞれ2〜3名程度の小グループに分かれて座談会を実施した。講演会を踏まえて気になったことや、研究生活や博士進学のきっかけなど、各自が疑問に思ったことを博士人材に直接聞く良い機会となった。

応用化学科及び応化会関連の奨学金説明:須賀先生

須賀 先生

早稲田応用化学会は1923年5月に設立された会員数11000人超えの組織であり、卒業生との太いパイプがある。博士後期課程の進学に対して経済面がひとつの問題になり得ることから、応用化学科及び応用化学会の充実した奨学金制度について紹介があった。また、最近の博士後期課程への進学率とその後の進路先の割合について紹介があった。博士後期課程修了者は、2010年以降2022年までの間で約90名である。博士号取得者のおよそ6割は企業で活躍している。次いで国内大学、海外大学、省庁・研究機関となっている。
博士後期課程の支援体制として、学内外の奨学金制度は、貸与型と給付型がある。学外では日本学生支援機構(JASSO)、学内では早稲田オープンイノベーションエコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)がある。応用化学科および応化会独自の奨学制度は早稲田大学の中でも郡を抜いて充実しており、全て給付型となっている。また、最近では「応用化学科卒業生による優秀な人材の発掘と育成の支援」のために、応用化学会給付奨学金は対象を学部生まで拡充している。早期から優秀な人材を発掘・支援したいという目的から、すそ野を広げる形となった。このような支援の存在を早い段階から知ってもらい、各自の必要に応じて応募して欲しい。

乾杯の挨拶(懇親会):原副会長

原 副会長

今回のイベントは今後のキャリア選択の参考になったと思う。特に低学年の学生の方々は、まだまだ先の将来を考える時間はあると思うが、博士進学がとても魅力的に感じたと思う。ぜひ先輩たちと懇親会で交流をして、今後のキャリアを考える良い機会にしてもらえればと思う。

閉会挨拶:橋本監事

橋本 監事

海外では、日本とは異なってドクターを持っているかどうかでの待遇が大きく違うことを自分の経験上でも大きく感じたことがある。博士は面白いチャンスを得られると思うし、自分の興味のある研究に関わることができる。少しでも興味を持ったら博士進学を検討して欲しい。

懇親会の様子

 

(早稲田応用化学会 基盤委員会、交流委員会、広報委員会)
以上