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黒田一幸先生 最終講義のご案内

黒田一幸教授

本年令和3年3月で黒田一幸先生は定年退職をされますが、最終講義「無機合成化学研究を振り返って」が令和3年3月13日にZoomを用いてリアルタイム配信される予定です。

  • 開催日時:令和3年3月13日 16:30~18:00
      なお18:00からはオンライン懇親会開催を予定しています。

履修生以外の聴講については、本学学生、卒業生・修了生、教職員のみ可能です。
ご聴講をご希望される方は下記問い合わせ先まで、聴講希望のよしをご連絡ください。
問い合わせ先のメールアドレス: waseda_mukikai@list.waseda.jp

以上

西出宏之先生 最終講義および記念会の報告

  •  西出宏之先生 最終講義

西出宏之先生は、本年3月をもって応用化学科を定年退職されました。先生は40年近くに亘って情熱と幅広い包容力をもって高分子化学の研究と教育に打ち込まれ、500名を超える卒業生を送り出されるとともに、先進理工学部長・研究科長を務められるなど、本学の教育・研究の向上に尽力されました。先生は、新しい有機高分子の合成とその機能開拓に関する研究、特に、ラジカル種の関わるそれらの分野で独創的な成果を挙げられました。不対電子の交換反応によって電荷が輸送され貯蔵・放出されることの実証は、有機物からなる二次電池や光電変換系の開拓へと波及しています。さらに高分子磁石や酸素濃縮膜など、機能性高分子の設計と創製に重要な一歩を印されました。早稲田応用化学の伝統のもと、確かな基礎知見をもとに実学として新しい領域に踏み込んだ成果は、原著論文600余報として発表され、高分子化学の分野で世界を先導する研究者の一人として高い評価を得ておられます。先生の最終講義は3月17日土曜日に行われ、ご功績を記念し永年のご尽力に感謝するとともに、古希をお祝いする記念会が開催されましたので、その模様をご報告します。

西出宏之先生 最終講義

本学国際会議場 井深大記念ホールで催された最終講義には、400名を超える多くの参加者が集まり大盛況でした。最終講義に先立ち、現在アカデミアで活躍している教え子の中から4名の皆様(首都大学東京 川上浩良教授、豪Monash大学 齋藤敬准教授、東京工業大学 山元公寿教授、山形大学 城戸淳二教授)に、「機能性高分子の新展開〜早稲田時代を振り返りつつ〜」と題して、現在の研究につながった道程を講演いただきました。小憩の後、応用化学科主任の松方正彦教授より、西出先生のご紹介と永きに亘る教室へのご尽力に対する謝辞が述べられ、いよいよ西出先生の最終講義「機能性高分子―着想と実践的な展開―」が始まりました。

花束の贈呈

先生の幼少時代やご家族のエピソード、学生時代を過ごされた篠原・土田研の頃の思い出、1978年に応用化学科助手となられて以来の研究テーマの変遷、世界に先駆けラジカル高分子に着目された切掛けの逸話から始まり、高分子磁石、ラジカル電池や太陽電池、酸素富化膜、酸素可視化コーティング、水素キャリア高分子をはじめとして機能性高分子の新しい世界を次々と開拓された成果の一端を、楽しくユーモアも交えてお話しされました。これらの研究を通して、64名もの博士号取得者を育てられたことも紹介されました。

西出宏之教授最終講義 Gallery

  •  西出宏之先生 記念会

早稲田大学 鎌田薫総長 お祝いの辞

引き続いて、記念会がホテル椿山荘東京にて開催されました。最初にお祝いの辞を早稲田大学 鎌田薫総長、竹内淳 理工学術院長、高分子学会会長の中條善樹 京都大学教授、海外よりバージニア工科大学Timothy E. Long教授、JXTGエネルギー㈱常務取締役の五十嵐仁一様より賜りました。同窓を代表して、東京農工大学の大野弘幸学長にご祝辞と乾杯のご発声をいただいた後、歓談に移りました。記念会も500名近い参加者があり、西出先生は会場を回られて多くの卒業生や来賓の皆様と和やかに歓談され、また、現在母国で活躍している元留学生らによる飛入り挨拶やプレゼント贈呈などもあり非常に盛り上がりました。研究室同窓会である高研会の赤真正人会長より記念品目録の贈呈、同窓代表と研究室秘書から花束贈呈の後、西出先生にご挨拶をいただきました。最後に、早稲田大学応援部リーダー諸君による応援歌と校歌斉唱、エールをもって名残惜しみつつ閉会となりました。
先生は4月より本学の特任研究教授として、引き続き研究活動とナショプロの立案に当たられています。また、5月からは応用化学会会長として、早稲田応化の一層の発展のためにご尽力いただいています。
最後になりましたが、西出先生の最終講義・記念会にご参加、ご支援を賜りました皆様方に、心より厚く御礼申し上げます。

お祝い会 集合写真

西出宏之教授記念会 gallery

  •  西出宏之先生 ご略歴

<略歴> 
1970年 早稲田大学理工学部応用化学科卒業
1972年 早稲田大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程修了
1975年 同博士課程修了(工学博士)

1975年 日本学術振興会特別研究員
1977年 独フムボルト財団研究員(ベルリン自由大学)
1978年 早稲田大学理工学部・助手
1982年   同     ・助教授
1987年   同     ・教授
2007年 (改組により先進理工学部)教授
2010~14年 同     ・学部長・研究科長
2016~18年 早稲田大学 ・ナノ・ライフ創新研究機構長
2018年    同     ・名誉教授 理工学術院・特任研究教授

<主な学外活動>
1995〜97年 日本化学会 総務担当理事
2000〜01年 高分子学会 関東支部長
2001〜05年   同   副会長
2006〜08年   同   会長
2011〜12年 アジア高分子学会連合 会長
2012~14年 日本化学連合 会長

<主な受賞>
1990年 高分子学会賞
2010年 高分子科学功績賞
2013年 文部科学大臣表彰(科学技術分野)
2014年 日本化学会賞
2015年 ポルフィリン-ALA学会賞
2016年 大隈記念学術褒賞

 

(文責:小栁津 研一)

 

逢坂哲彌先生最終講義および記念会の報告

逢坂哲彌先生には2015年7月にめでたく古希をお迎えになり、2016年3月をもって応用化学科を定年退職されました。4月からは引き続き本学の特任研究教授としてナノ・ライフ創新研究機構にてご活躍ですが、ご退職にあたり、記念行事として去る3月19日土曜日に最終講義および記念会が開催されました。

逢坂先生の最終講義 「早稲田から世界へ-新たな学問の発信-」

最終講義は大隈講堂・大講堂にて14時より開催されました。朝からあいにくの雨模様でしたが、600名を超す参加者が集まり大盛況でした。まず応用化学科主任の松方正彦教授より、逢坂先生のご紹介と永年の教室運営へのご尽力に感謝の意が述べられました。また逢坂先生と特に親しい国内外の先生方から、ご祝辞を兼ねたスピーチを頂きました。東京農工大学の松永是学長、Tel Aviv university(イスラエル)のYosi Shacham-Diamand教授、Daegu Gyeongbuk Institute of Sience and Technology(韓国)のHasuck Kim教授のお三方から、これまでの逢坂先生とのご家族ぐるみでの交流のエピソードなども交えて温かいお言葉を頂きました。
続いて逢坂先生の最終講義「早稲田から世界ヘー新たな学問の発信-」が行われました。吉田忠先生の研究室に入られた学生時代のお話や1979年に専任講師となられてからの研究室の変遷も交え、先生が永年に渡り注力してこられた「電気化学ナノテクノロジーをベースとしだ学”から“産”への技術発信」を軸に、磁気記録、エネルギー・電池、バイオセンサをはじめとした多様な領域に渡り、基礎から応用そして産業化へとつなげた研究の展開と、膨大な成果の一端をまとめてお話し頂きました。またこれらの研究を通して育てられた学生数は、学士487名、修士325名、博士68名におよび、さらに共同研究関係者も56名とのご紹介もありました。

 

 引き続き、記念会がホテル椿山荘東京のオリオンの間にて開催されました。当初は雨で会場間の移動も心配されましたが、幸い昼過ぎには上がって薄日も差し、一同早稲田界隈の春の景色を楽しみながら椿山荘へと向かいました。

記念会は18時より始まりました。逢坂先生ご夫妻がご入場され、まず理工学術院長の大石進一先生からご祝辞を頂きました。統いて記念会の発起人代表である、研究室の同窓会WECS(Waseda Electrochemical Society)の小岩一郎会長(新32)から記念品(バカラクリスタルのセット)目録の贈呈と、研究室学生からご夫妻への花束贈呈、そして逢坂先生にご挨拶を頂きました。続いて早稲田大学前総長の白井克彦先生よりご祝辞ならびに乾杯のご発声を頂き、歓談に移りました。途中、早稲田大学交響楽団メンバーによるフルートとピアノ演奏があり、またご公務のため遅れて到着された早稲田大学鎌田薫総長からご祝辞を頂きました。記念会には400名を超える参加者があり大盛況で、あちこちで何十年ぶり?に旧交を温める話の輪が広がっていました。逢坂先生も会場内を回って多くの卒業生や来賓の皆様と和やかにご歓談されました。さらに早稲田大学ハイソサヱティオーケストラOBの率いるバンドのジャズ演奏と歌も入り、逢坂先生も急きょ加わり熱唱されました。あっという間に2時間余りが過ぎておひらきとなりましたが、とても華やかで楽しい会であり皆名残惜しく、逢坂先生ご夫妻とお話する方々の長い列はずっと続いておりました。

参加者一同と記念撮影

 

 なお、冒頭でもご紹介致しましたように、逢坂先生は引き統き早稲田大学の特任研究教授としてご活躍されていますので、また皆様にもお目にかかつて頂ける機会もあるかと存じます。 最後になりましたが、最終講義および記念会にお越し頂きました皆様方、そして多くの温かいお言葉を下さいました皆様方に心から御礼申し上げます。

(文責:本間敬之教授)