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「先輩からのメッセージ2016」開催報告

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2016年3月12日(土)第8回フォーラム「先輩からのメッセージ2016」を開催しました。
その概要をここに報告いたします。
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講演会場

講演会場

早稲田応用化学会のホームページには学生向けのコンテンツの一つとして「企業ガイダンス」掲載欄を設けており、新規企業の8社が加わって現在75社に参加いただいている。本年は経団連の「採用選考に関する指針 (2015.12.7改定)」で採用活動の開始時期に変更修正がありましたが、会社説明会等の広報活動開始時期は従前の3月1日と変更はありませんでした。そのため大学側と慎重に協議いたしました結果、開催日を3月12日(土)とし、掲載企業に「先輩からのメッセージ2016」に参加のお願いをしたところ、日本を代表する化学系を中心とした58社から賛同を得て第8回開催の運びとなりました。
環境の変化が一段とスピードアップしているビジネス現場の第一線で活躍中の身近な世代の先輩がそれぞれの企業の特徴、ビジネスモデル、講演者自身のビジネスライフの様態、キャリア開発の実績、求められる人材像など、限られた時間内でコンパクトにまとめて講演いただきました。企業からの参加者は講演者・同行者を合わせて約120名、学生参加者も開催日の年度ごとの度重なる変更による減少が危惧されましたたが、昨年とほぼ同様の228名の大盛会となりました。
フォーラム開始前のオリエンテーションでは、主催者を代表して魚森交流委員長の開会挨拶、教室を代表して和田宏明教授から参加企業への感謝と講演についての注意・お願い事項の説明後、13:00より一斉に講演がスタートが切られました。

会場は参加企業の増加を勘案して昨年より1教室増やして6教室とし、これまでと同様に前半と後半の2部制にして各社2回の講演を行う方式を踏襲、参加学生が希望する企業の講演を出来る限り聴講できるよう配慮しております。また企業控室として使用する教室では特別講演として小柳津研一教授による『理工学術院 先進理工学部応用化学科、大学院のご紹介』 と桐村光太郎教授による『応用化学科の就職関連活動および早稲田応用化学会の活動』 のそれぞれ30分で2回講演いただきました。

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各企業のショート・トークの模様 ⇒  201,203教室 301,303教室 401,403教室

講演会終了後は参加いただいた企業在籍のOB・OGおよび同行者を囲んで懇親会を催しました。今回は同じ時間帯に別の懇親会が入っていたため会場としては若干手狭ではあったものの、その分逆に盛況感が増したものとなりました。主催者を代表して三浦会長から参加企業への御礼の挨拶と、西出教授の乾杯発声をかわきりに懇親を深め、その後もフォーラムの延長となる学生と企業のとの質疑応答を含めて話しが弾み会場は熱気に溢れて談笑が絶えず、今回もこれまでと同様に懇親会の終了予定時間になっても先輩を囲む輪が途切れないため、時間を延長するほど活況を呈しておりました。参加した多くの学生にとっては、昼間のフォーラムそして夕刻からの懇親会を通して日常の学習、研究に加えて将来の進路決定への貴重なアドバイスを先輩諸兄から頂戴し、学ぶべき点が多かったものと確信しています。橋本副会長の中締めの挨拶、西田学生交流委員会代表の一本締めをもって全プログラムを盛況理に終えることが出来ました。

懇親会の模様 (懇親会のスナップ写真) ⇒  懇親会

今回のフォーラムに賛同、ご支援いただいた企業および熱意溢れる講演と、懇親会場における後輩を思いやる親身なアドバイスをいただいた先輩と同行された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

懇親会場

懇親会場

201,203教室 301,303教室 401,403教室  懇親会

「先輩からのメッセージ2016」の報告・感想は学生委員会のHPにも掲載されています。下記のボタンにリンクされていますのでご覧ください。

応化会学生委員会HPでの報告

(文責 交流委員会 写真 広報委員会)

Ⅰ プログラム概要

  1. 日 時    2016年3月12日(土)
  2. 会 場    西早稲田キャンパス 53号館2F・3F・4F教室
  3. 受 付
    企業関係者は講演会場にて11:30から、学生は52号館201教室で12:30から
  4. 内 容
    オリエンテーション    :12:30~12:50 (企業関係者)
    講演会 【第一回】    :13:00~15:28
    講演会 【第二回】    :15:45~18:13
    懇親会                :18:30~20:00  【63号館】
  5. 対象学生
    学部生、大学院生(修士、博士)およびポスドク
    (進路決定を間近に控えた学部3年、修士1年、博士課程修了予定者およびポスドクを参加の主体とし、将来へ備えての学部1・2・4年、修士2年生の参加も歓迎)
  6. 対象学科
    応用化学科、応用化学専攻、化学・生命化学科および専攻、生命医科学科および専攻、ナノ理工学専攻、生命理工学専攻等    (学部・研究科・学科・専攻を問いません。)

Ⅱ 「先輩からのメッセージ2016」教室番号・タイムスケジュール 【53号館】

先輩M2016 タイムスケジュール

先輩M2016 タイムスケジュール

Ⅲ 「先輩からのメッセージ2016」 特別講演タイムスケジュール

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Ⅳ  参加した学生 フォーラム参加学生の詳細

集計* それ以外の学生は化学・生命化学、生命医科学、電気情報生命、情報物理システム、他

Ⅴ  アンケート結果を踏まえての総括

1.今回のフォーラムの全体的な評価

学生は満足とほぼ満足を合計すると 100%、企業参加者の回答では満足とほぼ満足を合計すると94.6%で参加者はほぼ満足との評価であった。

質問に対し多岐にわたる回答があったが主なものを挙げると

1) 学生からの回答

 全く知らない企業や今まで興味のなかった業界を知ることができてエントリーの参考になった
② 若手OB・OG が真面目かつ楽しそうにプレゼンしていて好印象だった。
③ 講演者の発表資料が昨年より充実しており、価値ある時間を過ごせた。
④  人事とOB・OG のどちらの話しも聞け、その会社の雰囲気が良く伝わってきた。

2) 企業参加者からの回答

①  非常に運営が丁寧でありがたく思った。学生の意欲が高く質問も積極的だった。
② 先輩社員と直接会話できるイベントとしてはどの大学のものより良いと思った。
③ 他社の講演を聴講できたのは次回に備えて非常に良かった。また、両先生の特別講演は参考になり、特に応用化学科の就活支援の状況が良く判った。
④  応化会と教授の先生方の連携が外からみていても素晴しいと感じた。企業在籍OB・OGがこのような場でプレゼン・歓談が出来るのは貴重な機会。

2. 講演会の運営について

1) 1社当たりの講演時間13分については参加学生、企業ともに70%近くが適当と答えたものの、30%が短すぎるとの回答で、参加企業数と施設規模とを勘案して複数日開催等の改善策を検討する。
2) 何社の講演を聴講しましたかの質問に対する学生の回答は
10社以上 65.0%、7~9社 17.5%、4~6社 17.5%
この回答から7社以上聴講したのは82.5%で自分の関心のある企業はほぼ聴講したと思われる。

3. 経団連通達を遵守すると今後の開催も3月以降となるが、本フォーラムの開催時期は何時頃が良いか。

1) 企業の回答は3月が73.3% と企業広報活動の解禁直後の希望が多数を占め、経団連の意向遵守が伺われる。反面、OB・OGによる講演が主体で採用広報でないため1月開催希望も15.0%あった。
2) 学生は3月が53.4%、次が1月の30.2%となっており、対象学生がB1からD2までと範囲が広かったため、企業の回答よりバラツキが出た。
3) 次年度の開催時期については、新年度経団連方針を確認するとともに今回の結果を踏まえて教室側と十分協議のうえ、参加企業および学生には早めに情報を発信する。

4. 総括と次回開催に向けた課題

現在の開催方式に変えてから8回目を迎え、ここ三年間は参加企業50社、学生の参加も200名を超えて学生・企業・教員・応用化学会との距離が縮まって関係もより深化していることが実感できた。学生は化学系を中心とした優良企業からの新鮮な情報が多数得られ、企業も応化OB・OGの講演を通して自社に対する理解を深めてもらったという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価につながったものと思われる。

改善が求められている点として、学生側では講演時間の延長、会場移動のあわただしさの改善、他学科(化学・生命医科系)との連携を希望。企業側では待ち時間が長い、講演時間が短い、自社の余剰パンフレット返送作業が煩雑、会場によって参加学生数のかなり格差があるのでタイムスケジュール編成に一段の工夫が必要等であつた。毎回同様の要望となっているが、学生はさらなる業種(医薬品・食品・総合商社等)の拡大を、企業はゆとりある講演時間確保および拘束時間の縮小と相反する要望ではあるものの、主要課題として改善を図っていきたい。次回は試行段階の「企業と学生との対話」を加えると開催回数が10回の節目に当たるため、本フォーラムの主旨をより明確にするとともに就活面の充実も配慮したバランスが取れた運営を進め、修士に加えて学部生の参加も積極的に促していくべく新たに体制を整えて取り組みたい。

なお、「先輩からのメッセージ」および「企業ガイダンス」に関するお問い合わせならびにご要望等は下記メールアドレスに交流委員会または事務局宛てお願いいたします。

E-Mail :guidance@waseda-oukakai.gr.jp
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
早稲田大学 先進理工学部応用化学科内 早稲田応用化学会
事務局長 寺嶋正夫
TEL 03-3209-3211 内線 5253
FAX  03-5286-3892
E-Mail : oukakai@kurenai.waseda.jp
URL : http://www.waseda-oukakai.gr.jp

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第7回 フォーラム「企業が求める人材像」 (2015年度)

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― 企業の多様な業務に耐えられる人材とは ―
西早稲田キャンパス57号館201教室
平成28年1月16日(土)

1.はじめに
「こんなはずじゃなかった」-就職には付きもののこの定型句も、決して古語ではない。このイベントは、元々就職活動に備える学生たちが、在学中に応化会の諸先輩方から励ましやアドバイスを得る場として、2009年10月3日にスタートしたものである。その間、菅原教授のリードのもと、グローバル化への対応、リーダー論、企業における研究職とは、など有益で活発な議論が交わされてきた。第7回となる2015年度は、「企業の業務の多様性と実際」を主題に、6名の多彩な経歴を有するパネリストをお招きし、2名の学生代表にも参加してもらい、各々の経験に基づく思いをぶつけあった。

2.趣旨と討論
00大学時代に研究に没頭し、就職したら研究職以外の職に就いたという例も多い。企業活動が多くの業務によって成り立ち、就職後も年齢、能力、職位等に応じて職務が変化していくことは日常茶飯事である。これらの事実を踏まえ、1)会社にはどのような仕事があるのか、2)大学で何を学び、どう過ごすか、といったことを主題にそれぞれの考えを披瀝していただいた。研究・開発、製造、環境保全、品質保証、知的財産、事業企画、営業・販売など、例え様々な業務に就いても、そこで全力を尽くすことの大事さは皆が体験してきている。事前の取り決めに基づき、詳細を記すことはしないが、それぞれ所属する企業、業務履歴、年齢、経験も大きく異なるパネリストからは、普遍性を持つ示唆に富んだアドバイスをいただくことができた。時にモデレータの意見と大きく異なる本音の意見も飛び出し、いろいろと考える良い機会になった。

3.パネリストと学生代表の紹介
松田直人氏
1989年 理工学研究科応用化学専攻修了(清水研)、富士フイルム株式会社入社、有機合成部門、新規フィルム商品化経験。人事部、医薬品事業部を経て(社)再生医療イノベーションフォーラム出向(事務局長)、2015年同社を退社し、株式会社iPSポータル入社、社長室長として事業開発・契約関係等で活躍中。
山崎律子氏
1993年 理工学研究科応用化学専攻修了(西出研)、花王株式会社入社、洗浄系商品開発(ビオレ担当)、東京工業大学大学院受託研究員として学位も取得、高分子学会、日本油化学会で役員を歴任。現在スキンビューティ研究所第2研究室にてグループリーダーとして活躍中。
土屋勝則氏
1993年 理工学研究科応用化学専攻修了(黒田研)、大日本印刷株式会社入社、研究開発センターで開発を担当した後、米国技術駐在員として大学との共同研究企画等経験。本社 研究開発・事業化推進本部を経て現在ライフサイエンス研究開発部で事業化を推進。また業界団体の部会長としても活躍中。
川村容子氏
2006年 理工学部応用化学科卒業(西出・武岡研)、2009年早稲田大教育学研究科学校教育専攻修士課程修了。2011年アレクサンドル・イオン・クザ大学文学部聴講生、在ルーマニア日本国大使館勤務。2014年から外務省国際協力局民間援助連携室にて勤務。また同年一般社団法人モルドバジャパンを設立し活躍中。
西山美香子氏
2008年 理工学研究科応用化学専攻修了(黒田研)、ライオン株式会社入社、プロセス開発研究所で製造技術研究、オーラルケア研究所で製品開発研究を経験し、現在は包装・容器技術研究所にて支援研究(包装、調香、環境・安全、分析)で活躍中。
伊地知翔太氏
2014年 理工学研究科応用化学専攻修了(桐村研)、株式会社タイカ入社 研究開発室要素技術研究グループを経て、2015年より研究開発室素材研究グループで活躍中。大学時代とはまったく異なるUV硬化型ゲルの開発や製品改良、分析、営業同行も経験。
学生代表として、野口貴之君(ナノ理工学専攻 修士1年、逢坂・門間研)、田中徳裕君(応用化学科3年、平沢・小堀研、元学生委員学部生部会代表)にも討議に加わっていただいた。

4.パネリストならびに学生からのメッセージ
フォーラムを締めくくるに当たり、パネリストの皆様から学生への応援歌として貴重なアドバイスをいただいたので、いくつか紹介しておきたい。「肌で感じ、足で稼ぐ。好奇心を持ち続けること」「人とのつながりを大切にすること」「自信をもって世に出よ。成長だとか焦らないこと。その準備として、学生のうちは実験に遊びに濃くあれ」「学生のうちに感じていることを忘れないで」「エリート意識を持て」「どんなこともがんばってください」。 これらの励ましの言葉を受け、学生たちからも、「社会人に求められる能力は必ずしも研究能力だけではない。日々の活動に全力で取り組むことで「自分らしさを出せる力」を持ちたい。自信を持って精いっぱいやっていく」「責任感、まじめさのことを考えた。この人ならば仕事を任せられると思われる人になりたい」と力強い言葉があった。

フォーラム会場

5.おわりに
討論を終え、新生なった理工カフェテリアに場所を移し、菅原先生ならびに三浦応用化学会会長の挨拶に続いて、パネリストを囲んで親睦を深める時間を過ごした後、名残惜しくも、学生委員によるエールと一本締めでお開きとなった。今回モデレータとして特に、会場の参加者を交えた双方向的議論を実現したいと思っていたが、力不足でできなかった。皆様より寄せられたご指摘を真摯に受け止め、参加者全員がより本音で語り合えるイベントの実現に向け機会があれば挑戦をしてみたいと改めて感じた。多忙な中、参加下さったパネリストの方々、すべての参加者の皆様に厚く御礼を申し上げる。

懇親会場の写真  ⇒ こちら

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(記 モデレータ 和田宏明〔新制29回、応用化学科教授〕)

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