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「先輩からのメッセージ2025」201・202会場

「先輩からのメッセージ2025」開催報告

2025年9月27日(土)「先輩からのメッセージ2025」を開催しました。その概要をここに報告いたします。

本イベントは、企業で活躍されているOB/OGから、化学に関わる仕事の話を聞く事で、学生が学業や研究のモチベーションを向上するとともにB to Bも含め企業を知る場として開催されます。

フォーラム開始前のオリエンテーションでは、椎名交流委員長の司会のもと、下村会長のご挨拶、続いて保谷交流副委員長からプレゼンについての注意、お願い事項の説明をいたしました。その後、12:30より一斉にプレゼンがスタートいたしました。会場は5教室で、これまでと同様に前半と後半の2部制として、各社2回のプレゼンを行っていただき、参加学生が希望する企業のプレゼンをできる限り聴講できるようにいたしました。

各企業のプレゼンでは、第一線で活躍中の身近な世代の先輩が、発表者自身の日常生活や学生生活へのアドバイス、自らのキャリアパスなど、限られた時間でコンパクトにまとめて発表いただきました。企業からは、講演者、同行者を含めて101名ほどにご参加いただきました。内OB/OGの参加者は講演者を含めて65名となりました。学生の参加総数は参加登録ベースで145名でしたが、各社講演の延聴講数は1,084人となり、学生たちが一人平均7社を聴講していました。

企業控室では、野田教授によります「最近の早稲田大学応用化学科(専攻)について」、須賀准教授によります「応用化学科(専攻)学生の進路および早稲田応用化学会の活動」をそれぞれ30分で2回講演いただきました。

野田 優 教授

須賀 健雄 准教授

302・303会場    201・202会場     204会場・会場風景

プレゼン終了後はロームスクエアに場所を移し、参加いただいた企業在籍者と参加学生の懇談会を催しました。椎名交流委員長のご挨拶、乾杯の音頭で開会し、各社のテーブルを囲んで、プレゼンの延長となる先輩、企業同行者と学生の活発な質疑応答が行われ、活気にあふれた会場となりました。

参加した学生にとっては、昼間のフォーラム、夕刻からの懇談会を通して、日常の学習、研究に加えて、将来に向けての貴重な情報と日々の過ごし方へのアドバイスを先輩方から頂戴し、学んだことも多かったことと確信いたしております。下村会長の中締めの挨拶と北村学生委員長の一丁締めをもって全プログラムを盛況のうちに終了いたしました。

懇談会の模様(懇談会のスナップ写真はこちらから)

今回のフォーラムにご賛同、ご支援いただきました企業、及び熱気溢れるプレゼンを行っていただき、また懇談会でも後輩からの質問に親身になってお答えいただき、また貴重なアドバイスをいただきました先輩と、同行された関係者の皆様にはこの場をお借りしてあらためて厚く御礼申し上げます。

(文責 交流委員会 写真 広報委員会)

Ⅰ.プログラム概要

1.
日時
2025年9月27日(土)   12:30~
2.
会場
早稲田大学西早稲田キャンパス52号館
3.
内容
オリエンテーション
12:00~12:20(企業関係者)
 
 
講演会(第1部)
12:30~14:43
 
 
講演会(第2部)
15:15~17:28
 
 
懇談会
17:45~20:00(63号館ロームスクエア)

Ⅱ.講演会タイムスケジュール

Ⅲ.特別講演スケジュール

Ⅳ.参加した学生

  D M2 M1 B4 B3 B2 B1
  3 13 44 36 19 11 19 145

Ⅴ.アンケートをふまえての総括

1. 今回のフォーラムの全体的な評価

アンケート回答者では、学生の100%、企業の96%が、「満足」「ほぼ満足」と回答しており、フォーラムは評価されていると考えられます。
質問に対し、多岐にわたる回答がありましたが、多かったものをまとめると次の通りです。

1)学生からの回答

①いろいろな企業の話が聞けた。知らなかった会社の話も聞けた。

②懇談会で親しくいろいろな話が聞けてよかった。

2)企業からの回答

①多くの学生と親密に話ができた、

2. 運営について

講演時間の13分/社については、学生の92%、企業の88%が適当と回答しました。
学生の移動時間を含めて、もう少し長くという希望もありますが、本イベントの特長であります懇談会の時間の確保との両立が難しいところです。

3.まとめと次回開催に向けた課題

本年は早目の9月開催とし、42社の企業にご参加いただきました。学生も一人平均7社を聴講し、懇談会でも先輩方、同行された企業の方と親密に、活発な懇談をさせていただく姿がみられ、盛況のうちに終わることができました。学生は優良企業からの具体的な情報が得られ、企業側も自社に対する理解を深めてもらうという状況が、両者にとって本フォーラムの高い評価になっていると思われます。

学部生の参加も増えてきており、キャリア学習の一環としてさらに広がることを目指したいと思います。学生へのPR方法への工夫など次回に向けてさらなる検討を続けたいと思います。

なお、「先輩からのメッセージ」及び「企業ガイダンス」に関するお問い合わせならびにご要望等は下記早稲田応用化学会事務局へお願いいたします。

〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
  早稲田大学 先進理工学部応用化学科内 早稲田応用化学会
  TEL 03-3209-3211 内線 5253
  FAX 03-5286-3892
  E-Mail: oukakai@list.waseda.jp
  URL: http://www.waseda-oukakai.gr.jp

以上

訃報 東京理科大学 関根 功 名誉教授

訃報 東京理科大学 関根 功名誉教授 (大修11回 (1963年卒) 吉田研)
謹んで故人のご冥福をお祈り申しあげます。

ご逝去日:10月27日 (享年92歳)
通夜:       令和7年11月4日 18時00分~19時00分
告別式:   令和7年11月5日 11時00分~12時00分
式場:       観蔵院
住所:       東京都練馬区南田中4-15-24
TEL:    03-3996-6911
喪主:       関根 英司様 (長男)

学内講演会のお知らせ
Synthesis and Properties of Rigid Chiral Skeletons and their Derivatives with Boron-Containing Building Blocks

下記の要領で学内講演会が開催されます。

演 題 Synthesis and Properties of Rigid Chiral Skeletons and their Derivatives with Boron-Containing Building Blocks
講 師 焦 佼
所属・資格 西安交通大学・副教授
日 時 2025年11月12日(水) 16:20-18:00
場 所 早稲田大学 121号館 コマツ100周年記念ホール
参加方法 入場無料、直接会場へお越しください。
対 象 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
主 催 早稲田大学先進理工学部 応用化学科
問合せ先 早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000

参考:https://www.waseda.jp/fsci/news/2025/10/20/35664/

学内講演会のお知らせ
Ultra-low loading Cobalt catalysts for oxygen reduction reaction

下記の要領で学内講演会が開催されます。

演 題 Ultra-low loading Cobalt catalysts for oxygen reduction reaction
講 師 Günter Motz
所属・資格 バイロイト大学教授・学術ディレクター
日 時 2025年11月3日(月) 13:30-15:10
場 所 早稲田大学 西早稲田キャンパス55N号館1階 第二会議室
参加方法 入場無料、直接会場へお越しください。
対 象 学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
主 催 早稲田大学先進理工学部 応用化学科
問合せ先 早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000

参考:https://www.waseda.jp/fsci/news/2025/10/20/35662/

新18回(昭和43年卒)応化同期会開催報告

2025年10月15日

2025年10月15日(水)、大隈会館N201号室で同期会を1年ぶりに開催しました。出席者は昨年同様20名でした。ご本人やご家族の健康上の理由等でやむなく欠席された方も複数おられました。

保坂君の司会と挨拶につづいて、弁当形式の会食の後、参加者全員の近況報告(研究室単位で欠席者の近況を含む)、大学関連の活動紹介、会計報告と続きました。和気藹々の楽しい時間が流れ、来年の再会を誓って、15時に記念写真(中井君担当)を撮ってお開きになりました。

・今回も昨年に続き着席での会食でしたが、テーブルを5ブロックに分け、メンバー同士の懇親を昨年以上に楽しめる形式にしました。

・参加者の近況報告(4分/人)ではほぼ全員が傘寿以上になったこともあり、体調管理・認知機能維持・終活に関するお話が多かったように思います。一方で相変わらず写真・楽器演奏・旅行等の趣味やボランティア活動での社会貢献に元気に頑張っているお話も多々ありました。

(注)次回は2026年10月~11月頃を予定しています。詳細は各研究室の幹事から後日、ご連絡致します。同期の皆さん楽しく情報交換をしませんか、 是非ご参加下さい。 (幹事:杉本、進、品田、永田、関谷、曽根、鶴岡、小久保、渡辺(壮太郎)、渡部、中井、山形、金山、保坂、竹下)。

(文責 竹下哲生)

以上

新18応化同期会集合写真2025.10.15

「会長挨拶」の掲載

下村会長の「会長挨拶」が掲載されましたので、お知らせします。
以下のurlをクリックするか、

https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/president_greeting2025/

フロントページの以下のアイコンをクリックしてください(フロントページのデザインも変更されています)。

スマホでは、以下の位置になります。
 

過去の「会長挨拶」は、以下のurlからご覧になれます。
https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/chairman_greeting/

以上

2025年度学生工場・施設見学報告(2025年9月19日(金)開催)

  1. 見学趣旨

    大学側の教育行事として、応化学生に対し学部1、2年生を対象に、工場・施設見学を催行し、企業の製造、生産管理、研究開発等の実態を学び、今後の勉学への動機付けをしてもらうことを目的とします。
    開催時期は夏休み中の後半の平日とし、西早稲田キャンパスから日帰りで往復可能な地区の企業事業所・工場・研究所等を対象とします。
    本年度はENEOS株式会社 川崎製油所及び株式会社コーセー 研究所を選定しました。
    本企画の主管は教室側、交流委員は支援とし、見学は教員が引率、交流委員、学生委員は同行致します。

  2. 開催日時

    9月19日(金)

    08:15

    西早稲田、理工キャンパス63号館ロームスクエア前集合

    08:30

    バスに乗車・出発
    (バスの最大定員数:正席49席+補助席7席 合計56席)

    18:00

    理工キャンパス帰着・解散(バス内でアンケート記入、下車時回収)
    ・ENEOS川崎製油所からコーセー研究所まで道路渋滞のため、全体的に30分程遅れ。

  3. 参加者:

    応用化学科 申込:B2 学生20名+B1学生26名、引率・同行者6名 合計52名
    当日:B2 学生18名+B1学生21名、引率・同行者6名 合計45名

    ・ 引率教員 下記担任教員が引率

    B1担任:須賀先生
    B2担任:山口先生

    ・ 同行学生委員:下記学生委員が同行

    M1:川井 真緒
    M1:筒井 瑶子
    B4:野村 汐音

    ・ 同行交流委員:椎名 聡 (新36回)

  4. 見学先

    AM ENEOS株式会社 川崎製油所
    住所:神奈川県川崎市川崎区浮島町7−1
    ・ 担当:尾崎 正彦(新65回 交流委員)
    ・ 同行応化会役員:下村 啓(新34回 応化会 会長) (ENEOS見学先で参加)

    PM 株式会社コーセー 研究所 (先端技術研究所、製品開発研究所)
    住所:東京都北区栄町48−18

  5. 見学スケジュール

    9:30

    ENEOS株式会社 川崎製油所 (神奈川県川崎市川崎区浮島町7−1)
    参考資料:ENEOSホームページ:川崎製油所 製油所紹介

    9:30〜9:40

    オリエンテーション会場入室

    9:40〜10:10

    見学オリエンテーション (スケジュール・会社説明・場の概要説明、見学の概要説明及び応化OB・OGの紹介)

    10:10〜11:30

    製油所見学 (スチームクラッカー(エチレン製造)装置、PX(パラキシレン)製造装置等のケミカルエリアと原油タンク周辺をバス車内からの見学)

    11:30〜12:00

    早稲田応化OB・OGのご挨拶と業務説明、
    質疑応答・座談会 (学生6グループ、20分、2回転)

    12:00〜12:50

    昼食 (OB/OGがローテーションし、各テーブルごとに昼食。)

    12:50〜13:00

    クロージング、退室時に該社事務所前で集合写真撮影

    (ENEOS株式会社 川崎製油所見学写真)

    13:00

    バスに乗車、次の事業所に向けて出発

    14:30

    株式会社コーセー 研究所 (東京都北区栄町48−18) 到着
    参考資料:KOSE ホームページ:研究開発

    14:30〜14:45

    オリエンテーション会場入室 (企業及び研究所の紹介)

    14:45~16:00

    研究所見学
    製品開発研究所1-3階および先端技術研究所2階のフロア(主に実験などを行っている現場)の見学を予定

    16:00~17:20

    座談会出席者(応化出身者含め4名)のご挨拶と業務説明
    質疑応答・座談会(学生4グループ、15分、4回転)

    17:20~17:30

    クロージング、退出時に会場で集合写真撮影

     (株式会社コーセー 研究所見学写真)

    17:30

    バスに乗車・出発、車中でアンケート提出

    18:00

    西早稲田キャンパスに帰還、解散

  6. 見学後の学生アンケート結果を含む見学後記

    6-1.ENEOS株式会社 川崎製油所

    オリエンテーションで石油・化学製品が出来るまでのプロセスを分かりやすく説明していただいた後に、実際にバス車内から(スチームクラッカー(エチレン製造)装置、PX(パラキシレン)製造装置、原油タンク等を解説付きで見学させていただいた。広大な製油所のスケールの大きい装置や構成される複雑な配管の様子に圧倒され、迫力ある熱交換器の洗浄風景などを見学出来て、化学工学の授業や実験で学んだことをリアルな規模感で体験出来た良い機会だったとの感想が多かった。

    社員さんとの座談会では、和やかな雰囲気の中、業務内容、会社の雰囲気、プライベートな時間の過ごし方など気さくにお話していただき、今後の学生生活の過ごし方へのモチベーションを高めることが出来た。

    また最後にご挨拶頂いた応化OBの川崎製油所BTL(Business Team Leader)奥津 英之 様(新54回、菊地・松方研)から、全社的に安全第一を浸透させるために「ご安全に!」を合言葉としたサムアップ挨拶キャンペーンの実施ついてご説明があったが、化学を学ぶ学生にとって安全意識の大切さを実感できたのではないかと思う。

    座談会に参加していただいた皆様、今回の見学を具体的に推進頂いた尾崎 正彦 様(技術計画グループ:新65 菅原研)、ご協力いただいた下村 啓 様(応化会会長:新34回、森田・菊地研)はじめ、関係された皆様に感謝申し上げます。

    【座談会に参加いただいた早稲田OB・OGメンバー】

    氏名

    現所属

    出身学科

    出身研究室

    入社年

    新制

    大川 朝陽

    製油技術

    応用化学

    野田研

    2015修士

    63

    尾崎 正彦

    技術計画

    応用化学

    菅原研

    2017修士

    65

    藤田 誠

    製油技術1

    応用化学

    野田・花田研

    2018修士

    66

    飯島 正和

    製造4

    応用化学

    西出・小柳津・須賀研

    2020修士

    68

    増田 陸

    製造6

    応用化学

    平沢・小堀研

    2021修士

    69

    6-2.株式会社コーセー 研究所

    オリエンテーションで応化OBの研究戦略室長 浜松 和芳 様(新47回、土田、西出、武岡研)から見学冒頭のご挨拶を頂き、2代目社長 小林 禮次郎 様が1951年に応化を卒業(新制1回)され1990年から6年間早稲田応用化学会会長としてもご尽力されたことをご説明いただき、OB・OGの社員さんも多く、応化会との関係の深い会社であることを再認識した。

    素材や製品を実際に触って体験しながら、原材料の特性や製品の美容効果を分かりやすく説明いただき、化粧品に興味を持って参加した学生だけではなく、あまり関心の無かった学生にとっても貴重な学びの場となった。また実際に研究所で働く社員の皆さまの様子や、基礎研究から製品開発の現場を見学できたことで、企業の研究者として働く事をイメージする事ができた。研究室がとても清潔で働きやすい環境だったので魅力的との感想も特徴的であった。

    座談会では、多くの学生が応化のOGや化学系専攻の先輩からお話しを伺って、今後の学生生活の過ごし方について大変参考になる機会となった。

    座談会に参加していただいた皆様、今回の見学を具体的に推進頂いた研究戦略室 研究推進グループ 門松 裕也 様、小坂 竜也 様はじめ、関係された皆様に感謝申し上げます。

    【座談会に参加いただいた早稲田OB・OGメンバー】

    氏名

    現所属

    出身学科

    出身研究室

    入社年

    新制

    神戸 友美

    安全性・分析研究室 微生物グループ

    応用化学

    木野・桐村研

    2022修士

    70

    井上 侑香

    メイク製品研究室ベースメイクグループ

    生命化学

    武岡研

    2025修士

     

    6-3. 学生委員の参加報告

    9月19日、学部1・2年生を対象に学生工場・施設見学が行われました。今回は「ENEOS株式会社川崎製油所」と「株式会社コーセー研究所」を訪問し、研究・開発から大規模プラントまで、普段の講義や実験室だけではなかなか得られない経験をすることができました。

    学生委員を代表してM1:川井、筒井、B4:野村が同行しましたので報告をいたします。

    ENEOS川崎製油所では、バスに乗って実際に稼働しているプラントを間近に見学させていただきました。巨大な設備が動いている様子は圧巻で、普段の授業で扱う化学工学が「実社会でこう使われているのか」と直感的に理解できる瞬間でもありました。まだ化学工学を本格的に学んでいない1年生にとっても、スケールの大きさそのものが刺激になり、参加者からは「教科書でしか知らなかった仕組みが実際に稼働している姿に、圧倒された」といった感想が多く聞かれました。

    また、見学中には学年によって異なる質問が出ていたのも印象的でした。基礎的な視点からの疑問、より専門的な視点からの質問が飛び交い、互いの学びの段階を感じ取れる場面もありました。見学後の座談会ではOB・OGの方々と交流し、実際の業務内容や研究室選びのエピソードを伺うことができました。同じ応用化学科出身の先輩方が多く、学んでいることが将来どう社会に結びついていくのかを具体的にイメージできる機会となりました。また、「研究室配属後には思いがけない進路の可能性も広がる」という言葉は、これから研究室選びを控える学生にとって大きな示唆となったようです。

    続いて訪問したコーセー研究所では、実際の研究施設や実験風景を見学しました。普段使用している大学の実験室と比較しながら、「どのような違いがあるのか」「研究現場では何が重視されているのか」を肌で感じることができました。中には「人に触れる安全な顔料を使用しているため白衣を着ていない研究員がいたのが新鮮だった」という意見もあり、大学の研究と企業の研究の文化の違いを垣間見るきっかけとなりました。

    さらに、実際に製品化されている化粧品を原材料レベルから体験させていただいたことで、研究と最終製品がどのようにつながっているかを強く実感することができました。座談会では男女問わず多くの研究員の方々と交流でき、研究内容や働き方についてざっくばらんにお話を伺いました。普段あまり馴染みのない化粧品業界のリアルな姿を知る貴重な機会となり、見学を通して新たに興味を持つ学生も少なくありませんでした。

    今回の学生工場・施設見学は、学生にとって非常に貴重な体験となりました。特に学部1・2年生のうちにこうした場に参加できたことは大きな意義があると思います。大学での学びが将来どのように社会で活かされるのかを具体的に知ることで、日々の勉強に対するモチベーションが高まり、今後の進路や研究室選びを考える上でも確かな指針になるからです。

    「教科書で学んだ知識が現場でどのように使われているかを実際に目にすることができた」「先輩の経験談から将来のイメージが広がった」など、参加者の声からも充実度の高さがうかがえました。それぞれが今後の学生生活に新たな目標や視点を持ち帰ることができた有意義な機会になったと思います。

    6-4. 学生アンケート結果

    ・ENEOS株式会社 川崎製油所 ⇒こちらから

    ・株式会社コーセー 研究所 ⇒こちらから

    以上
    文責 交流委員会 椎名 聡

2025年度早桜会秋季講演会(報告)

2025年度早桜会秋季講演会を2025年9月20日(土)に中央電気倶楽部にて実施いたしました。今回の講師には岡義久様(日本触媒 顧問)をお招きし、「計算機の進歩と私…そして、次の世代へ」という演題でご講演して頂きました。

【講師】岡義久氏 (日本触媒 顧問, 新33回)

【概要】

高校生の時に関数電卓を色々と使っていく中で数学の面白さを感じると共に、計算機のスピードの限界も感じていた。大学時代に一気にPCが進歩していく中で、研究室でも本格的にNECのPCが導入され、関数フィッテイングに勤しんでいた。PC-9801という複雑なプログラムが組めるPCを使用していた。しかし関数フィッティングはあくまで関数フィッティングであり、物事の本質は何か、どういう現象が起こっているのかを理解することが大切だということも大学時代の恩師から厳しく指導して頂いた。

日本触媒に入社するとプラント設計の部署に配属された。当時は電卓と24色の色鉛筆を使ってプラント設計を行うという非常にアナログな方式であった。入社2年目にプラント設計のプログラムを作成した。色鉛筆で2日かかっていた設計が数秒で出来るようになり、これまで1か月かかっていたプラントの性能解析がボタン1つで出来るようになった。一気にデジタル化が進んだ時代だった。1990年代前半にはプロセスシミュレーターが導入された。これは非常に難しい計算が出来るため、様々なことに利用できる非常に便利な物だった。計算速度も上がり、少ない改造投資で増産することが可能となった反面、基礎知識が無くても設計できてしまうことからブラックボックス化が進むという負の側面もあった。

その後2010年までは技術部長を務めていた。そこで過去の知識が消失の危機にあるという事実に直面した。というのも、紙の資料は字が消えかかっている物もあり、現場では都度変更が繰り返される中で資料がそれに追従していっていないケースも多く、情報の質も判別出来なかった。

その後は工場長や教育センター長を歴任。その中で若手の基礎知識の欠如や係長クラスの経験不足など、色々な課題に直面した。教育の仕組みを見直す必要に迫られ、昔は行わなかったような教育も随分やるようになった。女子の受け入れ体制も整えたが肝心の応募が無く、その点は課題である。継続的に教育をし、会社が粘り強く指導を続けることで、従業員は着実に成長しているという事例もあり、大事なことはしつこく言い続けることが大切である。

今後の展望としては、少数精鋭での運転マネジメントということになると考えられる。優秀な少数の人間で重要な部分をこなし、そうでない人は指示されたことを着実にこなす、という役割分担になるであろう。またDXによるサポートも期待される。将来展望としては無人で稼働し、遠隔で監視して、異常時は安全に自動停止という所を目指したい。AIブームの時代であるが最終的には人が判断しなければならない。AIには課題も多く、どこまで信頼性が持てるのかは人間が見定めるしかない。

講演後は質疑応答の時間も設けて頂きました。若手教育や女子雇用など、今日的話題も多かったため、参加者の皆様にて活発な議論が行われました。最後になってしまいましたが中部支部よりご参加頂いた北岡様もどうもありがとうございました。

ご多忙の折、今回のご講演を快諾して頂き遠方よりお越しくださった岡様に改めて感謝の意を示し、今回の報告を締め括らせて頂きます。

(文責:三品)

【出席者(13名)】

井上征四郎(新12回),前田泰昭(新14回),市橋宏(新17回),岡野泰則(新33回),斉藤幸一(新33回),和田昭英(新34回),脇田克也(新36回),髙田隆裕(新37回),澤村健一(新53回),陳鴻(新59回), 三品建吾(新59回),古田武史(新61回), 北岡諭(新36回)