今年の応化給付奨学金受給者の集いは、受給者同士の交流の場を二次会でも持てるよう早い時間からスタート致しました。 受給者18名、発起人、教室、応化シニア会と事務局で13名、合計31名が同じ場で情報・意見の活発な交換、かつての話にと盛り上がった4時間強となりました。
一昨年からスタートさせた 活躍されている皆さんの気持ちを鼓舞することを目的とした「奨励賞」について、今年も応化シニア会のご支援を得て5名の方を表彰することとなりました。尚、ご本人への表彰は本年11月8日(土)に開催予定の応化シニア会の席上で行われる予定です。
今回も、奨学金受給者内幹事役5名の方々(新51 田原聖一氏、新53 百武 壮氏、新57 國本雅宏氏、新59 古田篤史氏、新63 原慎太郎氏)の協力を得て、対象年次新50回生~新63回生(2000年~2013年学部卒相当)の応化給付奨学金受給の博士修了者に水野賞も加えた対象の方に声を掛けさせて頂きました。
今年は異常なほどの暑さでもあり、来年は時期を10月頃に遅らせての開催の方向です。また、受給者の皆さんも実業界・学術界で活躍されている方も増えており、その活力が周りの方々にいい形で伝播していくのが楽しみとなっております。来年は、対象の方々の中でも若い世代の方々にもっと参加頂き、同世代プラス 世代を超えた縦のネットワーク構築にも寄与できればと願っております。
西出宏之元会長(新20)からは挨拶の中で、本集いの主旨の説明に加えて、本集い発起人の河村先輩の声掛けで、200万円強集まったこと、今年は5人の方が対象となっていること、来年を見据えて皆さんの熱のこもった発表を期待するとのメッセージを送られました。
次いで、野田優主任教授から応用化学科の近況(デジタル化が進み会議もWEB化が進んだこと、学部人員は135名±10名程度。ものづくり部門が出来たこと、平澤教授が退任されたこと、女性教員も増えたこと等)をご紹介頂きました。
次に、受給者からの近況報告の部に移り、自己紹介と会社・アカデミアの中での実績と将来展望のあらましを個々に語られました。 その中でも、今回奨励賞に内定が決まった5名のあらましは以下の通りです。
*新50 岩崎知一氏(三菱ケミカル(株)部長)
四日市で機能性ハードコートの開発に携わり、ディスプレイ向け帯電防止ハードコートで会社に貢献した。その後、中国で高分子材料を管轄し、中国ビジネス事業の損益責任者として中国ビジネスを学び、現在は事業部テクニカルグループ長として光学粘着シート(OCA)の技術全般を統括している。
*新50 齋藤 敬氏(京都大学教授)
アメリカで2年半博士研究員として勤務し、その後オーストラリア、モナッシュ大学で13年に渡り研究室を主催していた。現在は京都大学大学院総合生存学館で廃棄物を排出しない形の材料開発を中心に、グリーンケミストリーやサーキュラーエコノミーについての研究を進めている。また本年はNobel symposiumへの参加や、企業9社が参加したサーキュラーマテリアルコンソーシアムを主催した。
*新51 田原聖一氏((株)ブリヂストン主幹)
ゴム用のフィラー・薬品研究開発、タイヤのゴムの配合設計に携わり、2020年よりゴム用のサステナブル材料やリサイクル技術の研究に従事している。2021年度よりNEDO GI基金の事業である使用済みタイヤのケミカルリサイクルについて取り組みを開始。使用済みタイヤからのブタジエンやイソプレンへの変換技術の開発をしている。
*新52 新井 敏氏(金沢大学教授)
細胞1個の熱を測るバイオセンサーを構築し、世界12か国50研究室へ提供している。これに加え、細胞機能を熱で制御することを研究している(光温熱療法)。
現在は、金沢大で教授として研究室を主宰しながら、早稲田応用化学科の繋がりから、2024年度にCellMoxa社を共同創業者として起業し、大きくしていこうと尽力している。
*新53 山内悠輔氏(名古屋大学卓越教授)
ご本人の研究室配属以降、(独)物質・材料研究機構の研究員、クイーンズランド大学教授としての活動を経て、名古屋大学に招聘されるまでの経緯を紹介し、その間一貫して、ナノ空間と無機固体化学の融合を基軸に、原子レベルから物質を設計・構築する新たな学問領域「物質空間テクトニクス」の創成に取り組んでいる。
上記以外にも奨学金受給者の皆さんがスライドを使い各人各様の自己紹介をされました。分野・会社が多岐に亘るため近況や見通しなど、皆さん 興味深く聞かれていました。
懇親の部は、同室内で6つの大テーブルを囲んで始めました。
河村宏元会長(新09)の乾杯の挨拶では、水野奨学金は創設後38年、皆さんとの関係が出来たことを有難く思っていること、応化会、教室に感謝していること、そしてこの先は皆さんにお願いしたい、応化・応化会にもっと関わってもらいたいとのメッセージを送られた。
発起人の皆さんを囲んで交流が始まりました。同時に縦横の交流もスタートしました。
来年の第6回は酷暑の8月を避け、9月か10月で開催することになりますが、元気にお会いしましょう。
(文責 事務局 高橋 宏)














