第二回応化給付奨学金受給者の集い

 令和元年8月31日(土)午後、第二回応化給付奨学金受給者の集いを開催しました。昨年11月に第一回を開催し、今年は応用化学科給付の奨学金を受け博士号を授与されて、社会の様々な方面で奮闘されている28名の面々が集まり、6名の現奨学金受給者と16名のホストら合わせ50名が、4時間弱の時間を母校西早稲田キャンパスで共にし、個々に交流を深められました。
 今年も、河村 宏氏(元会長)、平林 浩介氏(元副会長)、下井 將惟氏(元副会長)ら有志が西出宏之会長と核になり、より多くの面々が気軽に集まり、交流の輪を広げられる為にどうしたら良いかと考えました。
 新たに、奨学金受給者内幹事役3名の方々(新51 田原聖一氏、新53 百武 壮氏、新57 國本雅宏氏)の協力を得て、声掛けに一役買って頂きました。
 また、受給者の対象範囲を3学年広げ、新たに水野賞受賞者も加えた新51回生~新60回生(2001年~2010年学部卒相当)の博士修了者に声を掛けさせて頂きました。その成果もあり、より多くの方々が実りある時間を過ごされたことと確信しており、来年も参集された皆さんの同世代に加えて世代を超えた縦のネットワーク構築にもなればと考えている次第です。

案内文章

 当日は、遠方からの参加者も含め28名のかつての受給者が参集され、平林浩介氏(新10)の司会で、西出宏之会長(新20)の挨拶でスタートしました。
 西出会長からは、本集いのホームカミングデーとして開催してはという構想からのスタートの背景、早稲田応用化学会が1923年5月に教員、卒業生、学生の連携した組織をめざして創設されたこと、当時は研究成果の発表の場が限られ、早稲田応用化学会誌がその役割を担ったこと、そして茨城大学で非常勤講師を務めた折に旧帝大博士と他大学とでは待遇の差があることに驚愕したことを例示され、国立大学と私学の早稲田に、当時差が歴然として残っていたが、苦難を経て今日に至ったことを紹介されました。
 また、早稲田応用化学会の会則第3条に、会の目的は 会員の学術を向上させることと明記されており、博士号を持っている皆さんは自負を持って模範的会員になって頂きたいとメッセージを贈られました。
 早稲田応用化学会は 2023年に100周年を迎える。節目として、奨学金を受けてサポートされてきたことを思い出し、同窓会(応化会)が頑張っていることを認識して、これから時代が変わる中で 皆さんの仲間が宝であり、そのチームワークを作る、ネットワークを作る力として頂きたいという発起人の諸先輩方の想いを代表して挨拶されました。

 続いて、応用化学科主任教授 門間聰之氏から挨拶を頂きました。門間先生からは、博士の学位を持っていることは、博士号取得の過程で課題を見つけ、解決の為の仮設を立て、立証する能力、その得られた知見を世の中に伝えていく能力を持っている証であること。そして、博士になった頃は一年一年伸びしろが有ったと思うが、あの頃を思い出しましょうと呼掛けられました。
 4年前に井戸の掘り方を勉強されたが、その時に学んだことである「飲水思源」を引き合いに出され、水を飲んだ時に、水の源、井戸を掘った人を思い出しなさいという意味、日本ではいい事が有ったら元になったことを思い出しなさいと言われる。中国では、蒋介石と毛沢東が争っている際に、毛陣営が村に井戸を掘り、その後逃げていく時に井戸を掘った事を忘れるな、逃がさないと言いおいていったという怖い話もあることを紹介されました。
 博士の大元は何だったのか。物事を考えられようになりたいというモチベーション、指導教員の助け、家族のサポート、そして奨学金があって今の自分が有るということを思い出してもらいたい。 AIを使いこなして ドンドン日本を引っ張って行って下さいと締めくくられました。

 続いて、奨学金受給者28名がスライドを使い各人各様の自己紹介をされました。 最近の研究内容であったり、会社のことだったり、中には、自らの夢を取り交えたりと、分野、会社が多岐に亘ることから、皆さん 興味深く聞かれていました。

<文末写真集ご参照>

 懇親の部は、場所を56号館B1理工カフェテリアに移し、下井將惟氏(新13)の司会で始まりました。
 河村宏氏(新09)の乾杯の挨拶では、乾杯をされた上で、皆さんを鼓舞するメッセージを頂きました。
 本会は西出先生のアイデアであり、自分達は、横のネットワークは持てているが縦の関係を作った方が良いという考えで、早稲田応用化学会で縦の関係作りを模索したが、思うように出来ず、博士課程の卒業生は 応用化学は数において圧倒的な集団であり、その中の皆さんは若手の核であり、今後数十年にわたり、学生と先生、OBからなる応用化学会に縁を持って、縦のラインを広げていってもらいたいというメッセージを託されました。
 加えて、学生と先生、OBからなる応用化学会は会費で賄われているので、過去に遡る必要はないので、今日を起点にして会費を納めていってほしいことを訴えられました。
 これを機会にして、ネットワークは自分で広めていってほしい、そして この会は是非続けていって欲しい。学校はふるさとであり、ふるさとは一生の宝であり、大事にしていって欲しいと締められました。

 河村宏元会長の乾杯の挨拶の後を受け、懇親会の場で、まさに縦横の交流がスタートしました。 
 今回は、現奨学金受給者の6名にも、将来のネットワーク作りへの布石になるようにとの思いも込めて、お手伝い頂きましたが、その皆さんの紹介を致しました。
 その後、今回 奨学金受給者の中で声掛けをお願いした幹事のお三方(新51 田原聖一氏、新53 百武壮氏、新57國本雅宏氏)のご紹介をした上で、来年も幹事としてお願いすることとなりました。よろしくお願いします。

 今回ご参加頂きました奨学金受給者の皆さん、先生方、そしてホスト役の皆さん 総勢50名の集合写真(前掲)を撮影した後、奨学生推薦委員会委員の大林秀仁氏(新17)からご自身が博士号を頂いた後、恩返しとして応化会奨学金への寄付をしてきている背景にも触れられた中締めの挨拶を頂き、奨学金受給者である澤村健一氏(新53)とお二人による三本絞めで第二回奨学金受給者の集いの幕を閉じることとなりました。

 次回は、令和2年8月29日(土)に開催の予定です。 更にネットワークの輪が広がることを期待しております。

<28名の応化給付奨学金受給者の自己紹介スピーチ時の写真>

(文責 事務局 高橋 宏)