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未来社会創成フォーラム趣意書

早稲田大学先進理工学部 応用化学科
早稲田応用化学会

平成25年度より早稲田大学応用化学科と早稲田応用化学会が共催して、昨年までに下記4回のフォーラムを開催いたしました。

  • 第1回:蓄電池はこれからの日本産業を救えるか?
  • 第2回:未来社会のエネルギー、環境、医療に貢献する多孔質材料
  • 第3回:新しい価値を生み出す化学と材料・技術)
  • 第4回:ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会

このフォーラムには、多くの企業の方々のご参加を戴き、非常に好意的なご評価と、本企画に対する熱いご支持を戴きました。

そこで、本年度に創立100周年という一つの節目を迎える早稲田大学先進理工学部 応用化学科の将来への更なる発展を見据えながら、新らたに早稲田応用化学科と早稲田応用化学会の共催としての未来社会創成フォーラムを、継続開催することといたしました。 そして今回のテーマとして「低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望」を設定いたしました。

このフォーラムの目的は、特定のテーマごとに、大学、各研究機関、企業の応用化学の研究活動の現状と成果、未来社会に対するその可能性を理解して戴き、またその結果として企業やさまざまな機関の方々と相互の興味や情報、意見の交換を建設的に加速させる場を用意することによって、研究活動のより価値ある展開と研究成果の迅速な社会への還元を期待するものです。そのために、講演の部のあとに、懇親交流の場を設け、新たな繋がりや相互刺激、情報共有の生まれる場とするとともに、新たな共創(Co-creation)の端緒を生み出し、その具現化を効果的に推進する場としたいと考えています。

「知の世紀」といわれる21世紀においては、大学に要求される使命として「教育」「研究」に加えて「研究成果の社会還元」の比重が高まりつつあります。これは学科設立100周年を迎える早稲田大学先進理工学部応用化学科が、一貫して掲げた「役立つ化学」、「役立てる化学」という理念を、一層大きく期待される時代に至ったということを意味しています。 大学や各機関で研究され創出された新しい知識や技術は、産業界と連携を取って、迅速にかつ発展性のある形をとって未来社会で活用されていくことが必要であり、本フォーラムはそのための出会いと対話を生み出す機会になると考えています。 これは未来社会創成のDriving Forceを生み出す場とするとともに、早稲田大学先進理工学部 応用化学科がNext Centuryに歩みだすために、我々の立ち位置を企業やさまざまな機関の方々とともに確認し、拡大させていく場にもさせて戴きたいと考えています。 皆様におかれましては本会の理念にご理解を賜り、ご参集の上活発な意見交換・討議により交流を深め、理念実現の場として本会を育てていただきますようお願い申し上げます。

早稲田大学先進理工学部 応用化学科 主任 松方 正彦
早稲田応用化学会 会長 三浦千太郎

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第5回未来社会創成フォーラムのテーマ

早稲田応用化学科設立100周年記念事業 

「未来社会創成フォーラム」

―低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望― 

 本フォーラムは、応用化学が扱う分野・領域をテーマごとに切り出し、その研究活動の現状と可能性を広く理解・議論し、我々が望む未来社会の実現に向け、今後の研究の方向性や産学官連携の可能性を探ることを目的にしています。

 今回は、「低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望」をテーマといたします。地球温暖化の危機感は世界で共有され、パリ協定が発効、低炭素化を本格的に実行するときがきました。我が国は、化学産業での革新素材・部材により、デバイス利用における低炭素化に大きく貢献してきました。低炭素化に対し一部で後退する動きがみられるものの、我々は力強く前進し先行することで、将来の産業の育成と世界への貢献を目指すべきと考えます。限りある研究開発資源で効果的に研究開発を推進するには、従来のロードマップの延長ではなく、急速に変化する現状を正しく認識し、ありたい将来社会のビジョンを描き、そこに至るシナリオを練る必要があります。まず、産から、省エネルギーおよび蓄エネルギーに貢献している材料技術の最先端をご紹介頂きます。また、学からは、次世代材料およびデバイスの萌芽技術と実用化を目指した試みに加え、創エネルギー技術の世界情勢と我が国の課題および展望を紹介致します。さらに、官からは、低炭素化と材料技術に関する我が国の戦略を解説して頂きます。

 最前線に触れ、将来展望を議論し、具体的な協働へとつなげるべく、講演終了後交流の場を設けます。相互刺激や情報共有によって新たなつながりの生まれる場にしたいと考えております。多くの皆さまのご参加をお待ち申し上げています。

早稲田大学応用化学科教授 野田優

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2016年度 褒賞授与式Gallery (2)

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2016年度 学位記・褒賞授与式Gallery (1)

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2016年度学位記授与式 応用化学科主任祝辞

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応用科学科主任 松方正彦教授祝辞

学部を卒業された皆さん、修士課程を修了された皆さん、おめでとうございます。

応用化学科、応用化学専攻は、「役に立つ化学、役立てる化学」を標榜しております。そして、化学は、物質を司る学問でありますからその応用範囲はとても広く、皆さんの旅立って行く先も様々な分野に広く展開されています。産業界は、皆さんの夢と希望に満ちた世界を提供してくれることを期待したいと思いが、それほど甘いものでもないとことを申し上げておきたいと思います。今から15年後、皆さんは40歳、世の中のことも解り、会社のことも理解し、最前線で責任のある立場で働いていらっしゃる時代かと思います。この2030年頃に化学を取り巻く日本の社会はどうなっているのかというと、例えば2030年には石油精製から製造されるガソリンと軽油との燃料は、凡そ半分になる。また、基礎化学品と呼ばれるエチレンとかプロピレンというような製品群は2030年には日本では生産量がやはりこれも凡そ半分位になるだろうと予測されています。全体の規模がその程度に縮小していく頃に皆さんは社会人としての、企業人としての最前線、責任のある立場に立つということになります。

早稲田大学の教旨には、学の独立、学問の活用、等々が書かれています。我々教員は、ことあるごとに皆さんの自立的な成長を促し、自己実現をするということを講義の合間など様々な機会に申し上げてきました。学問の活用というのは新しい社会を創り、新しいシステムを創り、健康で幸福な社会の実現に向かって皆さんが寄与すること、即ち、他者のために学問を活用するということだろうと思います。自ら研鑚して能力を磨き、役に立つ化学、役立てる化学を皆さん自らの力で創り出していく。そしてそれを他者のために活用する、他者が幸せになるために活用する。このことが皆さん自身の未来を、我国の未来を、化学に携わる者として切り拓くことになるのだと信じております。
また本年は、応用化学科が創設されて100周年にあたります。この100周年を迎えた応用化学科を卒業された皆さんは、是非次の100年を支えるように頑張って頂きたいと思います。そして、この早稲田の杜に輝かしい姿になって戻ってきていただくことを期待してお祝いの言葉にさせていただきたいと思います。
 

平成29年3月24日
応用化学科主任 松方正彦

 

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2016年度学位記授与式 応用化学会会長祝辞

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応用化学会 三浦千太郎会長祝辞

まずは皆さん、ご卒業まことにおめでとうございます。
ご家族の皆様も本日の我が子の晴れ姿をご覧になり、感無量のことと存じます。誠におめでとうございます。
また教職員の皆さまにはこれまで指導され、育て上げられてきたご労苦に対しまして敬意と感謝を申し上げたいと思います。

卒業生諸君は本日を以てそれぞれの道に希望に満ちて旅立っていくことになる訳でありますが、このところの私たちを取り巻く環境の変化はどう考えたら良いのでしょうか?折角のハレの門出ではありますが、決して平坦な道が続いているようには思えません。

卒業してから半世紀近く経つ私たちの世代にとっても、ここ数年のそれまでと隔絶した新しい潮流や変化に直面して、驚きを隠すことが出来ません。

私たち戦争直後に生まれたものは高度成長と共に育ち、そして日本の繁栄を支えてきたと言う自負を持って胸を張って生きて参りました。しかし、冷戦の終了とともに旧世界システムの崩壊、そして相次ぐ途上国の急速な発展、私たちにとってはカオスとしか言いようの無い世界が出来上がりつつあるように思えます。

私たちの子供の時、戦後間もない時には明治、大正はおろか江戸時代の風習が、まだまだ町並みや生活のそこかしこに色濃く残っていたように記憶しています。
そしてその古い日本の風習からの離脱を図り、欧米の生活様式にあこがれ、或いは反発して新しい社会秩序を作ろうとしたのは、他でもない私たち団塊の世代だったと思っています。

その私たちが理解できない大きな変化が起こり始めているのが今の状況だと考えています。まさに諸君はそのまっただ中に乗り出していくことになる訳であります。

わたしは諸君のような若者たちの役割は、旧世代のものたちが対応出来ない混沌とした現在のような状況を、自分たちの時代、自分たちのものとして捉え、そこに自らの手で新しい秩序や社会を作りあげていくことだと信じております。

過去のサクセスを引きずっている私から多くを言うことは出来ませんが、何時の時代でも、環境変化が手に余る難しい状況に見える時、それを負担であるとは考えずに、むしろ大きなチャンスが自分に与えられたのだと積極的に取り組んでいくことが大切である、ということだけは皆さんに伝えたい。

かつての高度成長期、秩序が安定していた時代には社会に出たばかりの若造の意見が採り上げられるチャンスはまずありませんでした。すでに巨大で確固たるヒエラルキーが構築されてしまっているからであります。

しかし、幕末や戦後の荒廃期のような混乱期には驚くほど若い世代が主導的に活躍して、新しい社会システムを作ってきました。今のこの混乱期も同様に多くのチャンスが諸君を待っていると考えて欲しいのです。

早稲田の自主独立の精神は学のみではなく、すべての行動に及ぶものであると考えています。この早稲田精神を身につけた諸君が社会で自らの力を試し、新しい社会の構築に貢献してくれることを私たちは先輩として大いに期待しており、そしてそれを応援していく積もりです。

社会に出るといろいろな壁にぶつかることになると思います。その時に様々なフィールドで活躍している社会人先輩が数多く集っているのが応化会であり、諸君を力強く支援する場であることを思い起こして下さい。ここにくれば必ず有益な相談相手を探すことが出来るでしょう。あるいは直接支援者になってくれる人や戦友になってくれる人を見つけることも出来るでしょう。もちろん、ここにおられる恩師達も控えています。

大学には卒業はあっても、応化会には卒業はありません。むしろ、今日から会員としての活動が始まると言っても過言では無いのです。
この素晴らしい応用化学会というバックグラウンドを持っている幸運を肝に銘じて、荒波に向かって新しい船出をして下さい。諸君の社会での健闘を心から祈念申し上げてお祝いの挨拶とさせていただきます。

平成29年3月24日
応用化学会会長 三浦千太郎

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2016年度修了生代表 答辞

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修了生代表答辞 大谷貴洋

本日は我々卒業生のために先生方やご来賓の皆様の御臨席を賜りこのような盛大な式典を催していただきましたこと修了生を代表して心より御礼申し上げます。

思い起こせば6年前東日本大震災の直後でまだ混乱が残る中、希望と不安を胸に私は早稲田大学に入学しました。無事に今日という日を迎えることができたのはひとえに早稲田大学で出会えた大切な方々のおかげであると強く感じております。伝統ある早稲田の学び舎で諸先生のご指導のもと、そして友と過ごした6年間は何事にも変えられない大変貴重な時間でした。応用化学科では幅広い分野にまたがる数々の講義を受け、化学の基礎を学びました。ときには襲い来る課題の波に挫けそうになる時もありましたが、妥協せず取り組んでいくことで、私の中にある化学の知識の幅が広がっていくことに充実感を覚えました。研究室配属後は今までの学生実験とは異なり答えが見えないものへと挑戦していきました。自らの手と頭を使い、道を切り開いていく面白さを感じる一方、思った通りの結果が出ず思い悩む日々が続くこともありました。

しかしいつも近くには共に悩み議論を交わし合う先輩、後輩、そして同輩がいました。そして粘り強く研究に取り組んでいくことで100の失敗の中から1つの成功を掴み取ることが出来た、あの瞬間は今でも鮮明に覚えています。昼夜を分かたず実験活動に励んだこと、研究発表会において先生方から鋭いご指摘をいただいたこと、海外での学会において不慣れな英語で発表したこと、そして友と酒を酌み交わし夢を語り合ったこと、研究室での3年間で語り尽くせぬほど多くのことを経験しました。これらの経験はかけがえのないものであり、今後の人生において大きな助けになると確信しております。

これから先、私たちはそれぞれ新たな道を歩みはじめます。その道のりは長く険しいものとなるでしょう。しかし私たちは早稲田大学で学問と真摯に向き合った経験を誇りに、これまで身に付けてきた様々な力を発揮し、希望を持って立ち向かってまいります。「役立つ化学、役立てる化学」と言う応用化学科の精神を胸に社会に貢献していくことが、私たちのこれからの使命であり、同時に私たちを導いて下さった方々への恩返しになると考えています。

最後になりますが、未熟な私たちを温かく見守り厚くご指導していただきました先生方、学生生活の様々な場面で支えてくださいました職員の皆様、ならびに応用化学会の皆様に心より感謝申し上げます。そして苦楽を共にし笑あい助けあってきた友人、今日まで私たち子の成長を見守り常に支え続けてくれた家族に改めて深く感謝し、厚く御礼申し上げます。

後輩たちのさらなるご活躍と歴史ある応用化学科、応用化学専攻ならびに応用化学会の今後のますますのご発展と皆様のご多幸を心から祈念いたしまして答辞とさせていただきます。

平成二十九年三月二十四日
早稲田大学大学院先進理工学研究科 応用化学専攻
大谷貴洋

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