応用化学会による学生企画フォーラム2019

投稿:交流委員 加来 恭彦
 
応化会学生部会が企画し、比較的世代が近い社会人OB/OGを招いてのフォーラムになります。
第5回に当たる今年の学生企画フォーラムは、ライオン(株)から講演者を招いての講演とパネルディスカッションとなりました。
  • 仲田篤史さん:  
      「日用品メーカーの製品開発と大学で学んだ考え方・行動の仕方との繋がり」
  • 西山美香子さん:  
      「合成からパッケージ開発まで ~12年目を迎えたワークライフバランス~」

仲田篤史さん

仲田さんは研究から研究開発戦略を考える立場に移ってからの企業における重要だと思える点2点を中心に学生さんに自身の体験や考えを話されました。
1) 外部の力をうまく使う
2) 論理的に考える力
学部生・大学院生の研究と企業の研究開発で大きく異なる点は研究室時代に個別の研究テーマが与えられるのに対して社会ではチームでの成果につなげている点で成果につながるには専門的な知識を外に求めてそれをうまく使うという点、また理路整然と物事を整理して考える習慣が学生時代のレポート作成や研究室におけるディスカッションにおいて培われることを説明されていました。
 
 
 

西山美香子さん

西山さんは研究部門を異動される中で学んだ自分のやりがい(仕事をしていてうれしいと感じたこと、厳しいと感じたこと)を通じて学生時代に学んでいたことで有用だと思われたことや社会人となって重要と感じたことを話されました。特に学生時代の幅広く学習した基礎的な知識は研究部門で様々な職種を異動する中では強く感じる部分であり、研究室時代に会得する報告書の書き方や定期的な業務報告、ディスカッション、PDCAサイクルの回し方は社会人になっても活用出来るスキルであることに思えます。
そして
ワークライフバランスはどこの企業においても取り上げられるものですがアットホームな雰囲気の会社において効果的に機能することも説明されていました。
 
お二方の話を伺って大学時代の知識についてどれだけ役に立っているかという点で若干の相違がありましたが、戦略部門と研究畑では環境が違うという点ではそれぞれ必要とされる知識やスキルが違うことが理解出来たかと思います。学生からは会社を選んだ理由やテレワーク導入の印象など活発な質問が飛んでいましたが、消費者が手に取って役に立つものを自分の手で作りたいという意思は共通したもので学生にも強いメッセージ性を持っていたと思います。
 
このあと基盤委員の梅澤宏明さんの司会で本日のお二人の講演者に、Lionデータサイエンス室の黒川博史さん、オーラルケア事業部の黒澤清夏さんを加えてパネルディスカッションが行われました。

左より 仲田篤史さん、西山美香子さん、黒澤清夏さん、黒川博史さん

最後に西出応化会会長からの挨拶があり、記念写真を撮ってフォーラムは終了となりました。そのあとの懇親会ではさらに交流を深めて充実した時間を過ごすことができました。
 
今回の催しには応化会の各委員会のシニア委員も参加されていましたが、大多数が現役学生で大盛況でした。この企画が継続されていくのを強く熱望します。

 

学生委員会によるフォーラムの報告は ⇒ こちら