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早稲田応用化学会100周年記念祝賀会 ご祝辞 西出 宏之 前会長(新制20回)

西出 宏之前会長(新制20回)

たいへん盛り上がり、歓談に熱気帯びています。会報に前会長として寄稿しましたので、ここでは軽くに留めます。
 このたび名誉会員に推挙され光栄です。会費納入が免除されるとのことですが、既に銀行口座からの自動引き落としです。これを継続しますので、ボケてきても死去で口座が閉じられるまで、些少ですが自動的に本会に寄与できます。
 参会皆さんと楽しくお酒も頂き、名誉会員ならぬ、酒に酔った「酩酊会員」となってきておりここで止めます。
 記念会に向け企画、長い月日の準備と実行、濱会長、下村副会長はじめ皆様、ほんとうにご苦労様でした。大盛会、おめでとうございます。

応用化学科・応用化学専攻『学位記授与式』祝辞

応用化学科主任 下嶋 敦先生

応用化学科主任 下嶋 敦先生

ご卒業、修了おめでとうございます。本日ご列席されているご家族、ご関係の皆様方にも心よりお祝い申し上げます。

卒業、修了される皆さんは大学生活の多くの時間を、新型コロナウイルス感染症によるさまざまな制約のなか過ごされました。大学に入構できない期間があったり研究室での活動時間が制限されて思うように実験ができずに苦労されたと思います。また、講義や実験がオンライン化されたことで、友人達との交流の機会も激減してしまいました。そのような困難を乗り越えてこの日を迎えられたことに敬意を表したいと思います。

これから修士課程に進学される皆さんは、より高いレベルの研究をすることになります。研究というのは新しい、未知の領域を探求するものですので、楽しさと同時に難しさも感じると思います。大学の研究は企業の研究開発とは違いますので、成果が出れば良いというものではありません。大事なのは失敗を重ねてもそれを糧に皆さんが成長することですので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

社会人になる皆さんは、これからが新たな人生のスタートとなります。大学で身につけた知識や技術はもちろん、論理的思考力や創造力などをフル活用して、それぞれの道で大いに活躍していただきたいと思います。大学での研究と関係する仕事に就くとは限りませんが、大事なのは課題に向き合う姿勢やそれを解決するための考え方や取り組み方です。そのような力は皆さんすでに十分身につけていますので、自信をもって前に進んでください。現在、世界が直面している気候変動や環境、エネルギー問題などの解決には応用化学の貢献が大いに期待されています。関連する業務に携わることになった際は、社会からの期待や要望が非常に大きいことを強く認識して、使命感を持って取り組んでいただきたいと思います。

さて、現在世界情勢は目まぐるしく変化していて、先行きも不透明です。コロナ禍で経験したように、私たちを取り巻く社会環境はさまざまな要因で急激に、大きく変化します。このような予測の難しい時代を生き抜くためには、これまでの常識や固定観念にとらわれず、変化を積極的に受け入れて、柔軟に対応する必要があります。自らの専門に基づく役割を自覚し、主体的に考えて行動に移すことはもちろん大事ですが、一人では何も成し遂げられません。大切なのは、人と人との繋がりだと思います。社会に出るとたくさんの出会いがありますので、多様な人たちと積極的にコミュニケーションをとって、リーダーシップを発揮して組織を導く立場になることを期待します。学科専攻の友人達とのネットワークや教員との繋がりも是非利用してください。

皆さんがこれから歩む道は平坦なものではなく、失敗や挫折もたくさん経験するでしょう。それらを乗り越えることで更なる成長や発展があります。10年、20年後の目標に向けて、自分を常に客観的に見て弱いところや足りないところを認識し、自らを高める努力を怠らないようにしていただきたいと思います。皆さんが、早稲田大学の応用化学科・専攻で学んだことを活かして、さまざまな分野で活躍し輝かれることを祈念して、学科専攻主任からの祝辞とさせていただきます。本日はご卒業・修了おめでとうございました。

2022年度応用化学科・応用化学専攻『学位授与式』祝辞

濱 逸夫

濱 逸夫会長

皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

  やっとコロナ禍と言う制限もなく、自由に行動できる日々が戻りつつありますが、皆さんの学生生活は、本当にコロナに最も翻弄された象徴的な学生生活であったと思います。是非その悔しさ、我慢の時間で溜まったエネルギーを力に、これからの毎日を、人生の記憶に残るような充実した時間にしてほしいと思います。

 昨年の学位授与式では、学生の皆さんに3つの言葉を贈りました。3つの言葉とは、“何事にもおもしろいと思ってチャレンジすること”、“心を震わせ多くの感動を感じること” そして“常に人への感謝を忘れないこと”です。

 今日ここにいる皆さんも、大学院でもう少し学生生活を続ける人、そのまま大学で研究を続ける人、あるいは企業に就職する人、あるいは日本を出て全く別のキャリアを目指す人等、様々な人がいると思います。 様々な出会いや経験を積み重ね行くと共に、皆さん夫々がおもしろいと思うことも、感動を感じることも、そして関わり合う人たちも大きく変わって行きます。ただ常に先程申し上げた3つの言葉を忘れずに、夫々の人生で色の異なる大きな花を咲かせてほしいと思います。

 私が会長をしている応用化学会は、応用化学科を卒業して、様々な経験を積んできたOB, OG達の集まりです。今年で設立100周年を迎えますが、卒業して間もない若手メンバーから、私のようなロートルまでが、皆さんのキャリアデザインの役に立つ様々な企画や出会いをサポートしていますので、是非積極的に参加してほしいと思います。

 今、社会では“自律型人材”が求められており、“キャリア自律”と言う言葉も注目されています。自律型人材とは、自ら戦略を考えて、課題を見つけ出すと言った主体的に動く人材です。またキャリア自律とは、個人が自身のキャリアを自らデザインし、自律的にキャリア開発を行うことです。

日本の社会に定着していた年功序列や終身雇用と言うシステムが変わりつつあります。企業においても大学等においても、自らの意志で、楽しく働き、自らのキャリアを築きながら、自らの夢、あるいは組織やチームの夢を実現することが今後益々必要になってきます。

 未だ皆さんの興奮は治まっていないと思いますが、ワールドベースボールクラシック(WBC)での侍ジャパンの優勝は我々に大きな感動を与えました。

その中でもMVPになった大谷翔平選手の活躍や振る舞いは、実に素晴らしいものでした。その大谷選手の曼陀羅チャートは話題になり、本まで出ていますが、常に自ら絵を描き、自ら研鑽し、そして周りを巻き込みながら夢を叶えて行く生き方は、野球選手だけではなく、ここにいる全ての皆さんの貴重な道しるべになると思います。花巻東高校時代に作った人生計画表には、27歳で「WBC日本代表MVP」と書かれていたようです。実際は一年遅れましたが、見事に夢を叶えました。実に70歳までの計画が、ノートには記されているとのことです。

野球だけでなく、昨年開催されたワールドカップサッカーでも、自らの夢を叶えるために、世界中のサッカーチームで研鑽を積んでいるメンバーが日本代表として結束し、未だ優勝と言う夢は掴んでいませんが、日本中にブラボーの嵐が吹き荒れました。そして今も夢の実現の為に、夫々が挑戦を続けています。

皆さんも、是非「自分の好きなことが思い切り出来るキャリア」をどう作るか。自分が努力することが面白いと思えるようなキャリアを自分自身で描き、挑戦していってほしいと思います。焦る必要はありません。様々な挑戦を通じて、自分だけのデザインを築き上げてほしいと思います。

何事にもおもしろいと思ってチャレンジすること”、
心を震わせ多くの感動を感じること”、そして
“常に人への感謝を忘れないこと

冒頭に申し上げた3つの言葉をもう一度繰り返して、お祝いの言葉を閉めたいと思います。この3つの言葉を忘れずに、皆さんの素晴らしい人生チャートを実現してください。本日は、本当におめでとうございました。                             

以上

2022年度 応用化学専攻褒賞・奨学金授与式

コロナ禍で2019年以来実地で開催が出来なかった応用化学専攻褒賞・奨学金授与式が2023年3月9日木曜日4年ぶりに、戸山校舎62号館W棟で開催された。

司会 小堀先生

小堀深専任講師の司会で開会し、鹿又宣弘大学院先進理工学研究科長のお祝辞があり、引き続いて水野賞、水野奨励賞、水野敏行奨学金、応用化学会給付奨学金、里見奨学金、森村豊明会奨励賞の5つの褒賞・奨学金授与式が行われた。 38名の受賞者は、賞状を鹿又先生より直接手渡され、自分たちへかけられた期待と、その使命を強く感じていた。
応用化学会給付奨学金については、博士進学者へのサポートを強化するために早期に学部生からの支援を行うことが2022年度定期総会で承認されたが、今回の受給者にはその最初の学部奨学生5名が含まれている。

お祝辞 鹿又宣弘大学院先進理工学研究科長

各賞の授与

引き続いて、応用化学選考主任の下嶋 敦先生よりご祝辞を戴いた。

応用化学選考主任下嶋 敦先生のご祝辞

来賓の方からのご祝辞として、水野家代表(元応用化学会会長)の河村宏様より、ご父君の水野敏行様の熱い志によるご遺言により始められたこの奨学金についての説明とともに奨学生に対する期待とお祝いのお言葉があった。引き続いて応用化学会の橋本正明副会長、里見奨学会事務総長の田部修士様、森村豊明会理事森村潔様よりお祝辞を戴いた。

水野家代表(元応用化学会会長)河村宏様のご祝辞

 

受賞者の代表として水野賞受賞者の浅原光太郎君より御礼と今後の決意を述べる挨拶があり、授与式は閉会となった。

水野賞受賞者の浅原光太郎君の挨拶

閉会後には、応用化学科土田英俊教授のもとで研究を始めた小松晃之先生により「人工血液開発の最前線」と題する記念講演会があった。小松先生は現在中央大学教授として人工血液開発の研究を行っている。人間の輸血血液の保存可能期間が約2日と短いなか、通常時の妥当な献血量と大規模災害を想定した必要血液とに大きなギャップがある。そうしたギャップを解消し得る人工血液の開発は今日の急務となっており、その人工血液開発についてのお話は興味深かった。
また、ドイツ留学時の学友たちや、ベルリンの恩師の話は、将来海外で活動するチャンスのある奨学生たちに強い刺激になったと思われる。

小松晃之先生による記念講演「人工血液開発の最前線」

会場の後部のスペースは、今回受賞者たちの研究を要約したポスターセッション会場となっており、授与式のあと参会者と各受賞者たちはポスターの前で意見交換や交流の機会を持つことが出来た。

 

 

応用化学会橋本副会長の祝辞

本日応用化学専攻褒賞・奨学金を授与された皆様、誠におめでとうございます。こうした褒賞・奨学金は、それぞれが熱い思いを持った個々の先輩諸氏や高い志による財団からの寄付によって成り立っています。本日受賞された皆様は、こうした先輩や財団の思いをしっかりと受け止め、努力を積んでさらに大きく飛躍されることを心より期待いたします。
さて、日本の戦後の発展を振り返ってみますと敗戦から皆で努力して復興に取り組み、1970年代には、Japan as No.1とまで言われるようになりました。これは中小企業を含め個々の企業が、生産現場を熟知した技術者達によって継続的な日々の改善に取り組み、効率でも、品質でも、安全性でも質の高い生産体制を構築できたためでした。日本の日々の改善という取り組みはContinuous Improvementとして世界の1つのモデルにもなりました。しかし現在においては海外各国がContinuous Improvementを含めたISO等のManagement systemを採用定着させるようになり、その結果、今日の競争力の基盤は、あるステージの質の高い操業能力というよりは、そのステージから一つ上のステージにJump upできる技術開発能力あるいは技術適応能力に移っています。海外の有力な企業では競合する他社がそうしたJump upの技術を発表した場合には戦略会議等を開いて、その競争上の脅威の程度や技術的な対応を議論します。その場合、その技術分野の総説(Review Article)をイメージできる博士レベルの人材が集められます。総説とはその分野に関する主要な報文を網羅して議論するもので、そうした視野の中から研究が進んで産業としての技術が確立しているところ、開発途上のところ、戦略上重要だがまだ空白のところ等をMappingして明確にするのですが、自分の技術研究の軸を基点としてそうした現状技術の世界地図のようなイメージを持っているエンジニアが、遂行すべき自社戦略を議論するためには重要になります。特に海外で仕事をする場合には、こうした総説的な視野をもって戦略的な議論に参加できるかどうかによって能力評価や今後の仕事のAssignmentに大きな差が生じます。
特に日本では少子高齢化が進んでおりますので、これからの人材にはこうしたより付加価値の高い活動が期待されるでしょう。皆様はそうした活動ができるポテンシャルを十分持った人材ですので、これからの大いなる活躍を心から期待しております。
本日は誠におめでとうございました。

 

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