キャリアセミナー」カテゴリーアーカイブ

NACs企画:企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~(活動報告)

2022年12月3日(土)に「企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~」が開催されました。
NACs(若手会)発足当初より若手OB/OG向けのキャリアに関する企画の需要が高く、講師として市場洋之さん(豊倉研究室1994年修了、新42回)をお呼びし、第1弾NACsキャリアイベントの開催に至りました。
市場さんは国家資格であるキャリアコンサルタントを取得され、企業でのキャリア支援に従事されています。この度応化会若手OB/OGを対象としてキャリア戦略を考える会をアレンジいただきました。


                講師の市場洋之さん

様々なキャリア戦略の理論の紹介や、ワークショップでの自己理解、自己開示を通じ、キャリアのモヤモヤの整理方法、仕事への向き合い方について学ぶことができました。
理論では、様々な研究者のキャリア戦略に関する理論が紹介されました。ワークショップ、ケーススタディでは年代の近い3-4名のグループごとに、個人ワークでの結果共有や意見交換などが行われました。
グループのメンバーに対して共有することで、言語化の過程で、モヤモヤとした自身のキャリアへの考えの整理が進みました。加えて、フィードバックにより自身がうまく言語化できなかった箇所や気づかなかったことも指摘され新たな発見がありました。


                イベントの様子

市場さんのお話の中で非常に心に残った言葉が、「視点を変えて物事を見てみる」、「キャリアは一人で悩まない」です。
一つの事象に対しても、見方を変えることでポジティブにもネガティブにも捉えることができます。例えば、「つまらない」と感じる仕事であっても、「この仕事から何か今後に役立つ技術を身に付けよう」、「今持っているスキルでどのように効率的に終わらせようか」といった、視点を変えることの重要性を学びました。
「キャリアは一人で悩まない」については、積極的にキャリアに関するモヤモヤを、親しい仲間や先輩と共有し議論することが悩みを解決していく大きな手段であると感じました。また、雑談や飲み会といったコミュニケーションの機会も大事であると再認識しました。

本企画は若手OB/OGを対象とした企画でありましたが、学生参加者も多く、社会人、学生共にキャリアへの関心は非常に高いことがわかりました。
若手OB/OGのアンケート結果では、「自分自身をメンテナンスするとてもいい機会にもなりました」、「キャリアのモヤモヤの整理の仕方を学ぶことができました」などといった感想が多く、若手OB/OG自身のキャリアを見つめるよい機会となりました。
また学生からは、「学生のうちからキャリアについて考えることができる、貴重な機会だった」、「今後も様々な世代の方と交流して視野を広げていきたい」といった感想がありました。
本イベントを通じて、近い境遇の早稲田の仲間と集まれ、共に語り合える環境が早稲田応化会の財産であると再認識しました。NACs(若手会)として今後もキャリア企画の拡充に努めていきたいと感じました。

追伸、国家資格キャリアコンサルタントの方、事務局まで連絡をお待ちしております。


                   集合写真

(文責:政本)

NACs&学生交流会:キャリアぶっちゃけトークの場(活動報告)

 2022年12月3日(土)に開催される「企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~」の事前企画として、2022年11月19日(土)にNACs(若手部会)と学生の交流会「キャリアぶっちゃけトークの場」が開催されました。

 当日は二つの部屋に分かれ、B1-B2学生向けの企画とB3以上学生および社会人に向けた企画を実施しました。登壇者含めて全42人が参加し、B3以上の学生および社会人向けの企画では遠方からの参加も考慮して一部ハイブリッドで行われました。交流会後に実施された満足度アンケートでは5段階評価で回答者の平均点は4.5となっており、学生・社会人ともに本交流会を楽しんでくれたことがわかりました。特にB1-B2学生の満足度が高かったようです。

 B1-B2学生向けの企画では学生時代の過ごし方について社会人3年目の政本さんおよび社会人2年目の神守さんの2名に講演をしていただきました。政本さんは学生時代、11か国に渡る海外旅行をしていた経験や応化委員で学生時代に自ら企画を立ち上げた経験、さらに社会人になってから挑戦していることなどについて話をしていただきました。神守さんからは学生時代のサークル活動や研究室生活の過ごし方、社会人になって携わっている業務の紹介などがありました。「未来につながる今の過ごし方」、「大学は何のために行くのか?」というテーマでも個人的な見解を話していただきました。

 B1-B2学生向け企画での参加人数は10名程度でしたが、登壇者と参加者で双方向の活発な会話がなされていました。入学して間もない学生の皆さんにとっては先輩の実感がこもった話を聞けて参考になったようです。

 参加していた学生からは「先輩の学生時代の過ごし方を聞けて刺激になったし挑戦しようと思った」、「普段なかなか聞く機会がなかった研究室生活や社会人生活の話が参考になった」という感想がありました。            講演している政本さんと真剣に聞き入る学生

 B3以上学生および社会人向けの企画では三菱ケミカルに勤務して15年になる劉さんに自身の職務経歴やキャリアデザインの考え方について講演をしていただきました。当日はオンラインを含めて5~6名を1チームとして計6チームでのグループディスカッションも数回実施されました。

 劉さん自身の職務経歴を紹介する場面では劉さんが事前に用意していたキーワード(例:やりがい、Love&Leadershipなど)に対して各チームからひとつづつキーワードを選んで質問をする場面がありました。参加者からの質問に対してぶっちゃけトークの名の通り、劉さんの個人的な見解やエピソードを交えた話をしていただき非常に盛り上がっていました。   自ら用意していたキーワードに対して学生から質問を募りぶっちゃけトークをする劉さん

 キャリアデザインの考え方について話す場面ではキャリアデザインを大事にしたい社会的背景から始まり、キャリアの築き方(夢や目標に基づくものか偶然によるものか)に関する理論なども話していただきました。昨今はリカレント教育という言葉をよく耳にします。筆者も経営大学院で授業を受けていますが、社会人になってからも学び続けることが主体的なキャリアデザインにつながることを劉さんの公演で改めて感じました。

 参加していた人たちからは「劉さんのエピソードを交えたキャリアの説明が参考になった」、「日本社会の現状について詳しく知ることができた」などの感想がありました。

 交流会企画終了後は参加者同士の懇親会も実施されました。学生も社会人も世代を超えた縦のつながりを楽しんでいました。筆者も社会人の立場として学生と交流していました。学生にとっては社会人の先輩とつながりが持てることそのものが非常に有意義だと感じているようでした。最近は新型コロナウイルス感染防止対策の影響で対面での交流会や懇親会があまり行われていなかったので特にそう感じたのかもしれません。

 12月3日に開催される「企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~」にむけた事前企画として非常に充実していたと感じました。

(文責:大山)

12月3日(土)企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~(NACs~次世代共創委員会~主催キャリアデザイン支援企画・第一弾)

応用化学科 卒業生・現役学生の皆様

 平素よりお世話になっております。早稲田応用化学会・次世代共創委員会(以下、NACs)です。

 NACs(Sustainable Community for Next Applied ChemistrieS)は主に応用化学科出身の若手OB/OGによって組織・運営されており、BBQ大会や、キャリア・デザイン支援などの企画も含め、年4回若手会員定期交流会を開催しています。

 さて、人生100年と言われているような時代においては、自身のキャリア形成(≒生きること)に関し個人で早い段階から意識し、考えていく必要性が出てきました。このような社会変革と時代背景の中で、「何から始めていいかわからない」や、「漠然とした不安=もやもやを感じている」という声をいただくことが多くなったと感じており、NACsによる本イベントを開催することとなりました。

 今回はキャリアについて考える上での大前提となる”自己理解”に焦点を当てたイベントです。20代~30代前半までの方にフォーカスした内容になっておりますが、学部生や修士・博士課程の大学院生もご興味があれば参加いただけます。

 講師として国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を持つ市場洋之氏(新42回)をお迎えし、講義・個人ワーク・グループワークを通して自己理解を深めていっていただきます。本イベントには事前課題があります。取り組んでいただいた方が深い理解に繋がりますが、取り組まなくても理解できる内容となっております。

 NACs主催の事前企画(11/19、キャリアぶっちゃけトークの場1回目)や本企画等が、今後、皆さんのキャリア・デザインを考える上での一助になればと思います。

 なお、本イベント後に別途有志による懇親会も、開催する予定です。そちらにも是非ご参加ください。

【企画詳細等】

・企画名:企業が求める人材像を超えて~次世代共創に向けてのキャリア戦略を考える~

・副題:どうせ働くのならば、少しでもスッキリとした気持ちで働きたい!!

・開催日時:2022年12月3日(土) 15:00~18:00

・会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55N号館 1階 大会議室A分割(西側)

対象者:卒業10年目までの応化OB/OGおよび学生

・参加費:無料(懇親会費は、別途連絡)

・内容(一部抜粋):自己理解の落とし穴、キャリアとは、キャリアプラトー、フロー理論、ジョブ・クラフティング、キャリアブレーキと外し方など

・参加登録及び事前アンケート:https://forms.gle/Rn8RCZvfMrfrGDNG8

・問い合わせ先:cloudy-go@toki.waseda.jp(NACs 上宇宿、神守、政本、劉)

 皆様のご参加お待ちしております。

【早稲田応用化学会100周年記念事業】

https://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/100nenjigyo_announce_potal/

【NACsビジョン&ミッション】
<ビジョン>
 『競争・協奏・共創』~多様な繋がりを創造し、次世代に向けて共に輝こう!!~

・競争:切磋琢磨し、競争力のあるグローバル人材を輩出する。

・協奏:皆で集まり知恵を出しあう事でシナジー効果を生み出す。

・共創:未来社会の創造とイノベーションの創出に貢献する。

<基本ミッション>

◎ 世代を超えた交流。

◎ 若手卒業生支援。応化会の位置付け再定義:(卒業生にとって)第2もしくは第3の居場所(第1、第2は職場と家庭)。

◎ 学生支援。

 

早稲田応用化学会・NACs~次世代共創委員会~

早稲田大学応化会 学生部会向けキャリアセミナー

2022年8月27日:15:00-17:00
西早稲田キャンパス、61号館102B教室
講師:市場有子さん、福所しのぶさん

【目的】自分らしいキャリアを踏み出すきっかけを作ること
【ゴール】今必要とされるキャリアの考え方を知ること、自分の持つ価値観や強みを知ること

【概要】
人生100年時代、VUCAと言われる不確定な現代、長らく続いた年功序列や終身雇用といった日本型雇用は終焉を迎えようとしています。いつ何が起きてもおかしくない世の中では、所属する組織は成長の舞台であると考え、自分自身のキャリアを蓄積ことが何よりも重要とされています。一方で、理系の専門知識を持つ若手研究員は、その専門性の高さが強みとなりますが、社会人となって数年たつと、長期的キャリア形成やプライベートと仕事のバランスに戸惑う場面も見られます。今回のセミナーでは、理系×キャリアコンサルタントの我々から、社会に出る前に知っておいた方が良いキャリアの知識をお伝えし、ワークを通して自分らしいキャリアを踏み出すきっかけをご提供できればと思います。

1.ミニセミナー「人生100年時代のキャリア形成について」
日本人の8割がキャリアの迷子になっているという現状があり、迷うことは普通だが、どういうキャリアが求められているのか、どう考えるのかを知っていくことは重要。

現状の説明
VUCA(= Volatility(変動性),Uncertainty(不確実性),Complexity(複雑性),Ambiguity(曖昧性))の時代、人生100年時代、長期のキャリア形成:
経団連に所属する企業トップからも終身雇用の終焉を示唆する時代に来ている。これまではキャリアは一つの組織で昇進するための過程だったが、現在は能力を蓄積していく過程で組織は経験を与えてくれる場になっている。組織、昇進権力、地位給料(伝統的キャリア)から個人、自由・成長、心理的成功(自律的キャリア)に代わってきているが、自律した従業員の増加を80%以上の企業が望んでいる(優秀な人材の定着や生産性向上を上回っている)。

続いて、キャリア自律度診断(15項目)を用いた説明(自律的人材の診断)を用いて、キャリアアップについてのアクションについて説明があった。
心理的成功:何を伸ばせばいいのか=アイデンティテイ(自分らしさ)×アダプタビリティ(社会への適用)
これを伸ばすために3つの社会関係資本が重要(①ビジネス資本=スキル、資格・語学、経験,②社会関係資本=コミュニティ、プロボノ・副業、スクール・セミナー,③経済資本)
実際に自立度を伸ばすために、今の自分を知り、目標設定をしたときの現状からのGAPを認識し行動計画を立てて(1-3年)、実行(3-5年)実施しキャリア蓄積していく:大事なポイントとして、今の状態と目標の両方が明確であること、そのために自己分析が重要になってくる。

2.様々なキャリアパスを知る
研究職のキャリアパス:
目標設定のために、ロールモデル(ああいう風になりたい)を。そのために人付き合いが重要。
経験上、周りの支援を活用すること:育児と仕事の両立
ライフラインチャートで一定してプラスに振れている人は少ない=悩みはあるのが当たり前=長期的視点で見る
理系の活躍場面:
研究所内では、基礎研究、開発研究、生産研究といったカテゴリーがあるので、自分の興味に応じて選ぶと良い。
研究所外にも理系が活躍できる場面は沢山ある。例えば、
法務、事業部・経営企画
品質保証、知的財産
お客様センター、広報など。
活躍場面は多岐にわたるので選択肢を広く考えておくのがよい。
目標を決める上でロールモデルを定めることがオススメだが、1人に決めることは難しい。家族との過ごし方、余暇の過ごし方、コミュニティとの付き合い方、など多様な人との会話の中からロールパーツを集め、自分なりのロールモデルを形成することが良い。

研究職以外のキャリアパス
出産・育児における負荷は研究職、非研究職ともに同じで研究職以外の例として弁理士の事例について説明があった。博士課程に在学していた2000年頃は、博士号取得者のほとんどがアカデミック研究者を目指すという状況であった。しかし、博士課程なかばで、クリエイティブさへの疑念、ポスドク1万人計画、将来的な家庭との両立など、進路についての悩みが生じた。そんな時期に米国大学内のベンチャー企業でのインターンに参加し、知的財産の重要性を認識したことが転機となった。弁理士や知的財産関係の仕事は、自ら研究を行うことはないものの、身に着けた科学知識を生かしつつ、最先端技術へのサポートができるという点が魅力であると感じている。

転機の乗り越え方についてのヒントについて:
転機は大なり小なり誰にでも必ずくる。大切なのは転機を避けることではなく、乗り越え方を学んでおくこと。
個人のキャリアの8割は予想しない偶発的な出来事によるとのキャリア理論もある。この偶然の出来事をチャンスに変える5つの行動指針として、好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心の重要性について提唱されている。
上記の中でも特に好奇心に関しては日頃からの取り組みが大切と感じており、好奇心から取り組んだことはそれだけで人生を豊かにしてくれるし、一見仕事に関係ないように見えていたことも長期スパンで形になってくることもある。

グループディスカッション
1.個人ワーク
テーマは、「社会人基礎力から考えるあなたのキャリアビジョン」
社会人基礎力は、経済産業省が定義する「職場や実社会で多様な人々と仕事していくために必要な基礎力で、
前に踏み出す力(action) 主体性、働きかけ力、実行力
考え抜く力(Thinking):課題発見力、計画力、想像力
チームで働く力(Teamwork):発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力
の3分野12要素で構成されている。ワークではこれらの3分野12要素を題材に、働くうえで最も重要と考えるもの、現時点で最も得意と感じているもの、今後伸ばしていきたいものをピックアップしその理由についても書き出したうえでグループディスカッションを実施した。

2.グループディスカッション
グループディスカッションを通じて、メンバーの能力要素に気がついたものを共有し気づきにつなげる。

3.全体シェア
主体性が得意な人たちだけでも社会は回るのだろうかを考慮しバランスも含めてチームワークへの反映が重要と感じた、アクションとチームワークを得意とするメンバーで構成されていたが、アクションを起こした後共同性を持たないと話が進まない、アクションを重要視しているメンバーが多かったなどの意見が出された。

技術力や知識の深さだけでなくコミュニケーション力・人間力も重要(特にチームワークについては6要素もあるので)
重要と思うもの=価値観
特異なもの=強み・アピールポイント
伸ばしていきたい=伸びしろ・意欲
これを知ることがキャリアビジョンの明確化につながり、自律的キャリアの第一歩になる。

グループワークは、自分の考え方を明らかにして考えを深め、他人の見方も知り、フィードバックによる気づきを客観的に理解できるメリットがある。自己理解や他社との対話の中でキャリアビジョンが深化する。

Q&A:
転機の探し方について:偶然の要素が多いが、「このままでいいのか、自分はどうありたいのか?」という問いやビジョンを持っているかどうかが、偶然をチャンスとしてキャッチできる気づきに繋がっているように思います。意識したものを探しに行くという意識があると気づきもしやすい。

終身雇用についての考え方について:転職についてはネガティブな考え方が多かったがこの数年社会変化が大きい。これに気付いている人と気づいていない人の差が大きい。気づきと状況変化をチャンスと捉えることは重要。そこから自分をどう成長させるかを考えること。

成長の考え方について:これが自分の成長につながったポイント、会社が求めることに近づけたかは一つの指標、目標設定に対する意識を明確に理解してそこに近づけているかを考える:生産だと効率性、イノベーションだと経営学やマーケティング、オープンイノベーションなどが指標になったりする。業務のバリエーションがない場合に効率性を意識するなど。目に見えやすい指標にすることも重要

報告:学生委員会 (岡 順也)、 広報委員会 (加来 恭彦)