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「第5回 未来社会創成フォーラム」開催報告

第5回 未来社会創成フォーラム ―低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望- が下記にて開催された。
日時:2017年6月2日(金)13:30~19:30
場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05室、及び1F-Rohm Square
主催:早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
早稲田応用化学会
参加数:参加企業/団体/組織等総数=40
フォーラム参加者(講演者は除く)=71名 (内 応用化学科OB/OGは10名、14%)
応用化学科研究室の参加学生・教員=48名

1. 今回のフォーラムについて

 「未来社会創成フォーラム」は平成25年に第1回を開催し、今回で第5回目を迎えた。
 (未来社会創成フォーラムの趣旨は、こちら)。
今回のフォーラムは、早稲田大学応用化学科創立100周年記念事業の1つとして開催されたもので、Worldwideな対応が必要とされている「地球温暖化対策のために実行すべき低炭素化と、それを支える材料技術」をテーマとして設定し、従来のフォーラムと同様に産学官の各方面から次のような視点に立った講演が行われた。

  • : 炭素繊維    -省エネルギー最前線

       黒鉛負極    -蓄エネルギー最前線

  • : ナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池      -蓄・創エネルギー萌芽技術
       太陽電池の世界情勢    -創エネルギー世界情勢と日本の課題

  • : 低炭素社会と素材産業   -日本の戦略

今回のフォーラムは応用化学科 野田教授が主管となり、また先進理工学部 若尾学部長を講師としてお招きする等、産学官の多彩な講師陣にて多方面からの切り口により本テーマに関する講演が行われた。

2.  今回のフォーラムのプログラム

1) 13:30-14:15 
   「航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開」
    大皷 寛(東レ株式会社 ACM技術部 航空・宇宙技術室 主席部員)

2) 14:15-15:00 
    「リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開」
   西田達也(日立化成株式会社
      機能材料事業部 開発統括部 蓄電摺動材料開発 部長)

3) 15:00-15:45  
     「 材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術: 
         カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池」
    野田 優(早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 教授)

**15:45-16:00 休憩

4) 16:00-16:45 
    「太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望
              ~さらなる大量導入に向けて~ 」
   若尾真治(早稲田大学 先進理工学部 学部長、同研究科長)

5) 16:45-17:30 
    「低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略」
    井上悟志(経済産業省 製造産業局 素材産業課 革新素材室長)

6) 17:30-17:45 おわりに
    松方正彦(早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 主任教授)

##18:00-19:30交流懇親会(名刺交換および質問・懇談):63号館1F-Rohm Square

3. 各講演の内容について

参加者には各テーマの講演の内容を一冊に纏めた要旨集が配布され、各講演は基本的にそこに記載された内容に沿ってご説明頂いた。ここでは各講演における概要を記した。

1) 「航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開」          大皷 寛 主席部員

大皷 寛氏

炭素繊維の開発の歴史、市場の現状(航空機中心)から今後の展開まで、幅広く講演を頂いた。炭素繊維の素材本体の構造制御と高強度化に加えてマトリクス樹脂および犠牲粒子層などとの複合化など、技術的な積み上げにより多くの課題を解決し航空機への本格採用を実現した経緯は、我が国のものづくりの強みの根源を理解する上で貴重であった。また、現在注目されている航空機での省エネルギーと低炭素化に加え、風力発電でのブレードによる創エネルギーや建築物の構造体による快適・安全など多様な展開があることが限られた時間内で紹介され、他の追従を許さない世界トップの材料技術は東レという大企業の事業の新しい柱になることが良く分かる講演であった。

2)「リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開」        西田達也 部長

西田達也 氏

リチウムイオン電池と負極の開発の歴史、市場の現状(モバイル中心)と今後の予測(自動車)まで、幅広く講演を頂いた。リチウムイオン電池は日本発の技術で当初は日本がシェアを独占していたものの、中韓との厳しい競争にさらされていること、日立化成も厳しい競争の中で日進月歩の高容量化と高出力化により負極材料のトップシェアを維持してることが紹介された。高容量化は充填率向上により可能だが、一方で空隙減少と黒鉛の面内配向化により低出力化を招くこと、このトレードオフを面直配向という理想ではなく不規則化という現実解で解決した技術思想も紹介された。更なる高容量化に向けた新材料の動向やそれに対する取り組みなど、トップを維持するものづくりの在り方が良く分かる講演であった。

3)「 材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術: 
                     カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池」
                                                                 野田 優 教授

野田 優 教授

注目を集める新材料の概略と実用化への取り組み、蓄・創エネルギーの革新を目指した萌芽技術など、大学の最新の研究開発の一端が紹介された。カーボンナノチューブに期待される多様な応用、製造技術の現状と課題、および高速高収率な独自の合成技術が紹介された。また、リチウムイオン電池や電気化学キャパシタの現状、新材料の適用の際の課題、ナノチューブを基盤とした新構造の電池の構想と開発状況が紹介された。現在の太陽電池技術の概略、鍵となる高結晶性シリコン膜の独創的な高速製膜技術、簡易なシリコン-ナノチューブヘテロ接合の萌芽技術とフレキシブル太陽電池への挑戦の状況が紹介された。低炭素化とそれを担う材料技術の次の一手と、1を100にする化学工学の貢献と展開が分かる講演であった。

4)「太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望 ~さらなる大量導入に向けて~」
                                                           若尾真治 学部長

若尾真治 先進理工学部学部長

太陽光発電の世界情勢と我が国の現状・課題から、更なる大規模導入と電力安定供給まで、包括的な視点とシステムの立場から講演を頂いた。海外での太陽光発電の急速な低コストと我が国の割高な現状、その低コスト化に向けた多様な取り組みの重要性、今後の目標、および太陽光発電以外への多角化の重要性などが説明された。また、太陽光発電の大規模導入に向け、狭域および広域での異なる問題、電力システム全体での安定化、負荷追従制御から負荷予測制御、さらには柔軟なシステム設計のための蓄電技術の重要性なども解説された。化学が担う材料・デバイスのハードを社会で活かすソフト・システム面と、両者の協働の重要性が良く分かる講演であった。

5)「低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略」
                                                               井上悟志 室長

井上悟志 氏

低炭素化と材料技術の具体論から、オープン・イノベーションの方法論まで、幅広く経済産業省の戦略を講演頂いた。まず、低炭素化での環境制約と成長の両立の重要性と、それに対するマルチマテリアル化の機運が紹介された。続けて、川上の素材企業に対して積極的・主体的な提案を期待する川下のユーザー企業の要望と、そのためのオープン・イノベーションの重要性と大企業の抱える課題が紹介された。それに対し、材料の革新ではなく材料による革新という考えが示され、研究開発の加速のためのシミュレーションやAIの重要性が説明された。最後にSociety 5.0を実現するためのConnected Industriesというパラダイムが解説され、経済産業省の戦略が良く分かる講演であった。

6)「おわりに」                        松方正彦 主任教授

松方正彦 応用化学科 主任教授

フォーラムに御参加いただいた方へのご挨拶と御礼、および応用化学科の紹介があった。

講演会場Galleryへ

4. 講演後の交流会について

各テーマの講演の後、63号館1F-Rohm Squareに場所を移して名刺交換・質問・懇談等による活発な交流会が行われた。講師側としては講演で伝え切れなかった情報の提供、また参加者側としては聴講だけでは不十分と感じた情報の獲得が出来たのではないかと考える。また、当然ながら今後進展が期待される新しい人と人との繋がりが得られたと考える。 

交流会場Galleryへ

5. 総括

各講師の講演とも本フォーラムの趣旨に沿った広範囲のもので、且つ本フォーラムのテーマにあるように「最前線」の情報を盛り込んだものであり、参加者に対して極めて説得力のある講演が行われたと考える。従ってこれまでの4回のフォーラムと同様、「研究活動の価値ある展開と研究成果の社会への還元」というフォーラムの目的達成のために、今後大いに貢献することを期待したい。 

<参加者よりのアンケート結果概要>

本フォーラムの参加者にはアンケートの記入をお願いした。特筆すべきコメントの幾つかを下記する。

*先端材料の知見を得ることができた。
*他企業との交流が図れた。
*開発、研究、世の中の動きが見えて、バランスのあるフォーラムだと思う。
*産官学の講演をまとめて聴講できた。
*中・長期かつ広い範囲の視点やアカデミックな内容に触れることができた。
                                           ~~等々

総じて、前回と同様参加者には本フォーラムの趣旨について認めて頂き、開催が有意義であったことについて賛同が得られたと考える。
その他多くの参加者から、本フォーラムに対する好意的なコメントや、今後もこのような企画を期待する旨の言葉をいただいた。

(文責:未来社会創成フォーラム実行委員会)

 

 

第5回 未来社会創成フォーラムのご案内

未来社会創成フォーラムについてご案内いたします。

平成25年度より未来社会創成フォーラムを開催してまいりましたが、今回はその第5回目といたしまして早稲田大学応用化学科と早稲田応用化学会の共催で下記内容のフォーラムを開催いたします。
外部の方、企業の方にも広く参加をお願いするフォーラムです。
 本フォーラムの趣意書につきましては下記ページをご覧ください。
(こちら ⇒ : http://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2017/04/21/5miraisyusi/

 第5回 来社会創成フォーラム : 低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望

  • 日時:  平成29年6月2日(金)13:30~19:30 (受付開始 12:30)
  • 場所:  早稲田大学西早稲田キャンパス63号館2F-03, -04, -05 
  • 主催:  早稲田大学先進理工学部応用化学科           
         早稲田大学応用化学会 参加費: 8,000円   
               交流懇親会費を含む (当日会場にてお支払ください)

講演のあとに、講師の先生方と参加された皆様との意見交換の場として、交流会を企画しております。
なお、フォーラムへの参加は定員になり次第締め切りとさせていただきます。

申込みはこちらから

 今回のテーマにつきましては下記ページをご覧ください。
(テーマ ⇒ : http://waseda-oukakai.gr.jp/newhome/2017/04/21/5miraitheme/ )

プログラム

13:30-14:15   講演1
    東レ株式会社 ACM技術部 航空・宇宙技術室主席部員  大皷 寛 
          航空機用炭素繊維複合材料の開発と多用途展開   

14:15-15:00    講演2 
           日立化成株式会社 機能材料事業部
           開発統括部蓄電摺動材料開発部長 西田 達也 
     リチウムイオン電池黒鉛負極材の開発動向と将来展開 

15:00-15:45   講演3 
           早稲田大学先進理工学部応用化学科教授 野田 優    
           材料とデバイスの革新を目指した萌芽技術:
           カーボンナノチューブ・シリコンと蓄電池・太陽電池 

15:45-16:00   休憩

16:00-16:45    講演4 
           早稲田大学先進理工学部長、同研究科長 若尾 真治
           太陽光発電におけるシステム技術の現状と展望      
           ~さらなる大量導入に向けて~       

16:45-17:30     講演5   
           経済産業省 製造産業局 素材産業課 革新素材室長  井上 悟志 
           低炭素社会創成に向けた新しい素材産業の戦略

17:30 –17:45  おわりに      松方 正彦(早稲田大学教授)

18:00 –19:30  交流会(名刺交換および質問・懇談)   :63号館1Fロームスクウェア

会場へのアクセス

 

多くの方々にご参加いただけることを期待しています。

(未来社会創成フォーラム実行委員会)

 

申込みはこちらから

 

 


 

 

 

未来社会創成フォーラム趣意書

早稲田大学先進理工学部 応用化学科
早稲田応用化学会

平成25年度より早稲田大学応用化学科と早稲田応用化学会が共催して、昨年までに下記4回のフォーラムを開催いたしました。

  • 第1回:蓄電池はこれからの日本産業を救えるか?
  • 第2回:未来社会のエネルギー、環境、医療に貢献する多孔質材料
  • 第3回:新しい価値を生み出す化学と材料・技術)
  • 第4回:ライフサイエンス・バイオが拓く未来社会

このフォーラムには、多くの企業の方々のご参加を戴き、非常に好意的なご評価と、本企画に対する熱いご支持を戴きました。

そこで、本年度に創立100周年という一つの節目を迎える早稲田大学先進理工学部 応用化学科の将来への更なる発展を見据えながら、新らたに早稲田応用化学科と早稲田応用化学会の共催としての未来社会創成フォーラムを、継続開催することといたしました。 そして今回のテーマとして「低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望」を設定いたしました。

このフォーラムの目的は、特定のテーマごとに、大学、各研究機関、企業の応用化学の研究活動の現状と成果、未来社会に対するその可能性を理解して戴き、またその結果として企業やさまざまな機関の方々と相互の興味や情報、意見の交換を建設的に加速させる場を用意することによって、研究活動のより価値ある展開と研究成果の迅速な社会への還元を期待するものです。そのために、講演の部のあとに、懇親交流の場を設け、新たな繋がりや相互刺激、情報共有の生まれる場とするとともに、新たな共創(Co-creation)の端緒を生み出し、その具現化を効果的に推進する場としたいと考えています。

「知の世紀」といわれる21世紀においては、大学に要求される使命として「教育」「研究」に加えて「研究成果の社会還元」の比重が高まりつつあります。これは学科設立100周年を迎える早稲田大学先進理工学部応用化学科が、一貫して掲げた「役立つ化学」、「役立てる化学」という理念を、一層大きく期待される時代に至ったということを意味しています。 大学や各機関で研究され創出された新しい知識や技術は、産業界と連携を取って、迅速にかつ発展性のある形をとって未来社会で活用されていくことが必要であり、本フォーラムはそのための出会いと対話を生み出す機会になると考えています。 これは未来社会創成のDriving Forceを生み出す場とするとともに、早稲田大学先進理工学部 応用化学科がNext Centuryに歩みだすために、我々の立ち位置を企業やさまざまな機関の方々とともに確認し、拡大させていく場にもさせて戴きたいと考えています。 皆様におかれましては本会の理念にご理解を賜り、ご参集の上活発な意見交換・討議により交流を深め、理念実現の場として本会を育てていただきますようお願い申し上げます。

早稲田大学先進理工学部 応用化学科 主任 松方 正彦
早稲田応用化学会 会長 三浦千太郎

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第5回未来社会創成フォーラムのテーマ

早稲田応用化学科設立100周年記念事業 

「未来社会創成フォーラム」

―低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望― 

 本フォーラムは、応用化学が扱う分野・領域をテーマごとに切り出し、その研究活動の現状と可能性を広く理解・議論し、我々が望む未来社会の実現に向け、今後の研究の方向性や産学官連携の可能性を探ることを目的にしています。

 今回は、「低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望」をテーマといたします。地球温暖化の危機感は世界で共有され、パリ協定が発効、低炭素化を本格的に実行するときがきました。我が国は、化学産業での革新素材・部材により、デバイス利用における低炭素化に大きく貢献してきました。低炭素化に対し一部で後退する動きがみられるものの、我々は力強く前進し先行することで、将来の産業の育成と世界への貢献を目指すべきと考えます。限りある研究開発資源で効果的に研究開発を推進するには、従来のロードマップの延長ではなく、急速に変化する現状を正しく認識し、ありたい将来社会のビジョンを描き、そこに至るシナリオを練る必要があります。まず、産から、省エネルギーおよび蓄エネルギーに貢献している材料技術の最先端をご紹介頂きます。また、学からは、次世代材料およびデバイスの萌芽技術と実用化を目指した試みに加え、創エネルギー技術の世界情勢と我が国の課題および展望を紹介致します。さらに、官からは、低炭素化と材料技術に関する我が国の戦略を解説して頂きます。

 最前線に触れ、将来展望を議論し、具体的な協働へとつなげるべく、講演終了後交流の場を設けます。相互刺激や情報共有によって新たなつながりの生まれる場にしたいと考えております。多くの皆さまのご参加をお待ち申し上げています。

早稲田大学応用化学科教授 野田優

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2016年度 学位記・褒賞授与式

応用化学科学位記授与式

応用化学科および応用科学専攻研究科の2016年度学位記・褒賞授与式は、2017年3 月24 日(金) 13時半より、西早稲田キャンパス 63号館2F大教室にて式次第に従い野田優教授の司会で執り行なわれました。

写真: 式次第(左:応用化学科褒賞授与式  右:学位記・褒賞授与式)

今年も学部卒業生、修士修了生の研究室代表者に学位記が授与されました。

 

応用化学科褒賞授与式

引き続き、応用化学科褒賞の授与式が行われました。松方正彦主任教授から以下のような本賞設立の経緯、主旨等の説明があり、本賞および副賞が江戸倫子さんよりに授与されました。
「優れた業績をあげた学生を表彰して更に人間的な成長を促すことを主旨として設定した褒賞で、学業成績と人物の総合的評価で一人ということになりました。この褒賞は、OBの皆さんと我々教員および教員OBの寄付によって成り立っているもので、私達教員の気持ちを込めて対象の方に授与するものです。おめでとうございます。副賞を用意させていただきました。江戸さんの名前と先進理工学部応用化学科の名前を刻んだバカラのグラスです。」

褒賞の授与の後、受賞者の江戸倫子さんより受賞の挨拶がありました。

褒賞受賞挨拶 江戸倫子

 

祝辞:松方正彦主任教授

祝辞 応用化学科主任

松方正彦主任教授から祝辞がありました。

 

祝辞:三浦 千太郎早稲田応用化学会長

祝辞 応用化学会会長

ついで、早稲田応用化学会 三浦千太郎会長から祝辞がありました。

 

在校生代表からの送辞

送辞 政本浩幸

今年の送辞は 在校生を代表して、学部3年生 政本浩幸君が、卒業生に向かって感謝の気持ちを伝える送辞を述べました。

 

学部卒業生の答辞

卒業生答辞 春原晴香

これに答えて、学部卒業生を代表して春原晴香さんが答辞を述べました。

 

修了生からの答辞

修了生答辞 大谷貴洋

引き続き、修了生を代表して大谷貴洋君から在校生に向けて答辞がありました。

 

乾杯

乾杯の言葉 西出宏之教授

応用化学科褒賞授与式及び受賞挨拶を終え、恒例の乾杯へと式が進みました。

校歌斉唱

校歌斉唱 指揮:飯島啓太

卒業生を代表して飯島啓太君の指揮による校歌斉唱、と応援部員を彷彿とさせる大声によるエール「フレー、フレー応化」、「フレー、フレー早稲田」でお開きとなりました。

 

 

(文責:広報委員会)

2016年度 褒賞授与式Gallery (2)

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2016年度 学位記・褒賞授与式Gallery (1)

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2016年度学位記授与式 応用化学科主任祝辞

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応用科学科主任 松方正彦教授祝辞

学部を卒業された皆さん、修士課程を修了された皆さん、おめでとうございます。

応用化学科、応用化学専攻は、「役に立つ化学、役立てる化学」を標榜しております。そして、化学は、物質を司る学問でありますからその応用範囲はとても広く、皆さんの旅立って行く先も様々な分野に広く展開されています。産業界は、皆さんの夢と希望に満ちた世界を提供してくれることを期待したいと思いが、それほど甘いものでもないとことを申し上げておきたいと思います。今から15年後、皆さんは40歳、世の中のことも解り、会社のことも理解し、最前線で責任のある立場で働いていらっしゃる時代かと思います。この2030年頃に化学を取り巻く日本の社会はどうなっているのかというと、例えば2030年には石油精製から製造されるガソリンと軽油との燃料は、凡そ半分になる。また、基礎化学品と呼ばれるエチレンとかプロピレンというような製品群は2030年には日本では生産量がやはりこれも凡そ半分位になるだろうと予測されています。全体の規模がその程度に縮小していく頃に皆さんは社会人としての、企業人としての最前線、責任のある立場に立つということになります。

早稲田大学の教旨には、学の独立、学問の活用、等々が書かれています。我々教員は、ことあるごとに皆さんの自立的な成長を促し、自己実現をするということを講義の合間など様々な機会に申し上げてきました。学問の活用というのは新しい社会を創り、新しいシステムを創り、健康で幸福な社会の実現に向かって皆さんが寄与すること、即ち、他者のために学問を活用するということだろうと思います。自ら研鑚して能力を磨き、役に立つ化学、役立てる化学を皆さん自らの力で創り出していく。そしてそれを他者のために活用する、他者が幸せになるために活用する。このことが皆さん自身の未来を、我国の未来を、化学に携わる者として切り拓くことになるのだと信じております。
また本年は、応用化学科が創設されて100周年にあたります。この100周年を迎えた応用化学科を卒業された皆さんは、是非次の100年を支えるように頑張って頂きたいと思います。そして、この早稲田の杜に輝かしい姿になって戻ってきていただくことを期待してお祝いの言葉にさせていただきたいと思います。
 

平成29年3月24日
応用化学科主任 松方正彦

 

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2016年度学位記授与式 応用化学会会長祝辞

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応用化学会 三浦千太郎会長祝辞

まずは皆さん、ご卒業まことにおめでとうございます。
ご家族の皆様も本日の我が子の晴れ姿をご覧になり、感無量のことと存じます。誠におめでとうございます。
また教職員の皆さまにはこれまで指導され、育て上げられてきたご労苦に対しまして敬意と感謝を申し上げたいと思います。

卒業生諸君は本日を以てそれぞれの道に希望に満ちて旅立っていくことになる訳でありますが、このところの私たちを取り巻く環境の変化はどう考えたら良いのでしょうか?折角のハレの門出ではありますが、決して平坦な道が続いているようには思えません。

卒業してから半世紀近く経つ私たちの世代にとっても、ここ数年のそれまでと隔絶した新しい潮流や変化に直面して、驚きを隠すことが出来ません。

私たち戦争直後に生まれたものは高度成長と共に育ち、そして日本の繁栄を支えてきたと言う自負を持って胸を張って生きて参りました。しかし、冷戦の終了とともに旧世界システムの崩壊、そして相次ぐ途上国の急速な発展、私たちにとってはカオスとしか言いようの無い世界が出来上がりつつあるように思えます。

私たちの子供の時、戦後間もない時には明治、大正はおろか江戸時代の風習が、まだまだ町並みや生活のそこかしこに色濃く残っていたように記憶しています。
そしてその古い日本の風習からの離脱を図り、欧米の生活様式にあこがれ、或いは反発して新しい社会秩序を作ろうとしたのは、他でもない私たち団塊の世代だったと思っています。

その私たちが理解できない大きな変化が起こり始めているのが今の状況だと考えています。まさに諸君はそのまっただ中に乗り出していくことになる訳であります。

わたしは諸君のような若者たちの役割は、旧世代のものたちが対応出来ない混沌とした現在のような状況を、自分たちの時代、自分たちのものとして捉え、そこに自らの手で新しい秩序や社会を作りあげていくことだと信じております。

過去のサクセスを引きずっている私から多くを言うことは出来ませんが、何時の時代でも、環境変化が手に余る難しい状況に見える時、それを負担であるとは考えずに、むしろ大きなチャンスが自分に与えられたのだと積極的に取り組んでいくことが大切である、ということだけは皆さんに伝えたい。

かつての高度成長期、秩序が安定していた時代には社会に出たばかりの若造の意見が採り上げられるチャンスはまずありませんでした。すでに巨大で確固たるヒエラルキーが構築されてしまっているからであります。

しかし、幕末や戦後の荒廃期のような混乱期には驚くほど若い世代が主導的に活躍して、新しい社会システムを作ってきました。今のこの混乱期も同様に多くのチャンスが諸君を待っていると考えて欲しいのです。

早稲田の自主独立の精神は学のみではなく、すべての行動に及ぶものであると考えています。この早稲田精神を身につけた諸君が社会で自らの力を試し、新しい社会の構築に貢献してくれることを私たちは先輩として大いに期待しており、そしてそれを応援していく積もりです。

社会に出るといろいろな壁にぶつかることになると思います。その時に様々なフィールドで活躍している社会人先輩が数多く集っているのが応化会であり、諸君を力強く支援する場であることを思い起こして下さい。ここにくれば必ず有益な相談相手を探すことが出来るでしょう。あるいは直接支援者になってくれる人や戦友になってくれる人を見つけることも出来るでしょう。もちろん、ここにおられる恩師達も控えています。

大学には卒業はあっても、応化会には卒業はありません。むしろ、今日から会員としての活動が始まると言っても過言では無いのです。
この素晴らしい応用化学会というバックグラウンドを持っている幸運を肝に銘じて、荒波に向かって新しい船出をして下さい。諸君の社会での健闘を心から祈念申し上げてお祝いの挨拶とさせていただきます。

平成29年3月24日
応用化学会会長 三浦千太郎

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