2023年度学科・専攻主任 下嶋教授 祝辞

ご卒業、修了される皆さん、おめでとうございます。この素晴らしい日を迎えることができたのは、皆さんが勉学や研究に励んだ結果ではありますが、それも保護者の方々をはじめ周囲の方々の支えがあってのことと思います。本日ご列席されているご関係の皆さま方にも、心よりお祝い申し上げます。
学部を卒業される皆さんは入学早々、また修士過程を修了される皆さんは演習配属前の大事な時期にコロナ禍に直面し大変苦労されましたが、長いトンネルを抜けて最後の1年間はほとんど制限なく大学生活を過ごすことができたのは大変良かったと思います。
卒業論文を終えて、これから修士課程に進学される皆さんは、これまでよりも高いレベルの研究が求められます。学会発表や論文発表も積極的に行っていただき、専門的知識を深めるだけでなく、プレゼンテーション能力や論理的に考える力なども高めて、大きく成長してください。これまではあまり研究を楽しむ余裕がなかったかもしれませんが、今後は自由な発想で主体的に研究を行い、失敗してもそれを糧に飛躍されることを願っています。
これから社会に出る皆さんは、大学で学んだ知識や経験を活かして大いに活躍していただきたいと思います。これまでの研究と直接関連する業務に携わることは少ないかもしれませんが、必要なのは課題に向き合う姿勢やそれを解決するための考え方ですので、自信をもって取り組んでください。特に現在、私達人類が直面している環境、エネルギー問題などの解決には応用化学が大いに貢献できるところで、皆さんに対する社会からの期待は高いです。そのことを意識して、使命感を持って進んでください。
皆さんも認識されているように、いま社会・世界は急速に変化しており、将来がなかなか見通せない状況です。皆さんには、このような時代でもたくましく生き抜き、世界を舞台に活躍していただきたいと思います。そのためには現状維持で満足することなく、変化を積極的に受け入れ、また先入観を取り払い常に新しいことに挑戦する姿勢が大事です。多くの困難や挫折が待ち受けているかもしれませんが、皆さんには乗り越える力が備わっていますので、恐れず突き進んでください。また、皆さんがどんなに優秀で努力しても、一人の力で成し遂げられることは限られていますので、さまざまな分野の人たちと積極的にコミュニケーションをとって巻き込み、その中でリーダーシップを発揮することも重要です。応化の同期の人たちをはじめ先輩後輩とのつながりもきっと力になるときが来ます。大学時代の数年間をともに過ごし、ともに切磋琢磨し、なによりコロナ禍という大きな困難を乗り越えたその絆は特別なものですので、一生大切にしていただきたいと思います。
本日卒業・修了される皆さんに、あらためてお祝いを申し上げます。応化で学んだことや経験を活かしてそれぞれの進路で活躍されることを祈念して、祝辞とさせていただきます。

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