2024年度学生工場・施設見学報告(2024年9月25日(水)開催)

1. 見学趣旨

・大学側の教育行事として、応化学生に対し原則学部1、2年生を対象に、工場・施設見学を催行し、企業の製造、生産管理、研究開発等の実態を学び、今後の勉学への動機付をしてもらうことを目的とします。開催時期は夏休み中の後半の平日とし、西早稲田キャンパスから日帰りで往復可能な地区の企業事業所・工場・研究所等を対象とします。
本年度は三菱ケミカル株式会社・横浜研究所 (横浜市青葉台) 及び第一三共株式会社・平塚工場(第一三共プロファーマ株式会社)を選定しました。
本企画の主管は教室側、交流委員は支援とし、見学は教員が引率、交流委員は同伴致します。

2. 開催日時

・9月25日(金)

07:45
西早稲田、理工キャンパス63号館ロームスクエア前集合
08:00
バスに乗車・出発
18:30
理工キャンパス帰着・解散(バス内でアンケート記入、下車時回収)

3.参加者:

・応用化学科B2学生12名、B1学生21名、合計33名
応募学生は合計42名(B3:4,B2:14、B1:24)、欠席9名
引率・同伴者5名、総合計38名
(バスの最大定員は正席49、補助席7、合計56名)

・引率教員 下記担任教員が引率
B1担任:花田信子准教授、
B2担任:小堀深専任講師 計2名

・同伴交流委員 金利龍志郎(新56回)(担当見学先で参加)
加来恭彦(新39回)(担当見学先で参加)
関谷紘一(新18回)、計3名

4.見学先 (青葉台・平塚地区)

AM 三菱ケミカル株式会社・横浜研究所(横浜市青葉台)

(担当・金利委員)

・住所 〒227-8502神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000  電話: 045-963-3011

・事業所内容: Science & Innovation Center
インフォメーション&エレクトロニクステクノロジーセンター(横浜)
ライフソリューションズテクノロジーセンター(横浜)
基礎化学品研究室(横浜)

PM 第一三共株式会社・平塚工場(第一三共プロファーマ株式会社) (平塚市)

(担当・加来委員)

・住所 〒254-0014 神奈川県平塚市四之宮1-12-1  電話: 0463-31-6111

・事業紹介:

(1)生産技術について
医薬品は人体に影響を与えるものであることから、「製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)」で定められた基準や制約のもとで生産体制を整えており、その製造には高度な技術が必要です。高い品質の医薬品を安定的に製造するため、生産技術部門ではよりよい原材料の選択、製法や試験法の改良に取り組んでいます。近年「抗体薬物複合体(ADC)」製品の開発が進められており、それに伴い新技術の導入も積極的に行っています。

(2)治験薬製造について
「治験薬」とは、新しい医薬品の研究開発の最終段階である臨床試験(治験)に使用する医薬品です。該社は画期的な新薬が少しでも早く患者さんに届けられることを願いながら治験薬の製造を行っています。治験薬の製造は、市販されている医薬品の製造に比べると小規模ですが、未知の課題に果敢に挑戦しながら、高品質で安定的な生産が可能な製法や試験法の確立に取り組んでいます。

(3)医薬品製造について
「医薬品製造」は、医薬品の有効主成分である原薬を製造する「原薬工程」、患者さんが服用しやすくかつ有効性を保つために加工する「製剤工程」、製剤化された医薬品を製品に仕上げる「包装工程」に区分されます。該社の工場では主に「製剤工程」と「包装工程」を担っています。
「製剤」には、経口で服用する錠剤や散剤のような固形製剤と、注射により投与されるアンプル、バイアルなどの注射製剤があります。また、包装工程では、これらの製剤に品質を維持するための包装を施し、表示を加え、「製品」として出荷できる形に仕上げる作業を行っています。

5.見学スケジュール

9:30
三菱ケミカル株式会社・横浜研究所(横浜市青葉台)到着。指定の門から入場・降車、バスは指定場所に駐車
9:30~9:40
入場・会場誘導、入場手続き等
9:40~10:00
オープニング、会社・OB/OG紹介
10:00~10:15
Science & Innovation Center (SIC)紹介映像
10:15~10:20
休憩
10:20~11:40
KAITEKI PALETTE/ラボ見学、及びOB・OG懇談会

*「志(し)」,「学(がく)」,「力(リキ)」,「友(ユウ)」の4チームに分けて実施
チーム構成:おおよそ学生11名、引率教員1名、同伴交流委員1名、
MCC OB・OG1~2名、合計14~15名/T程度/チーム
尚、当日見学対応された応化卒OB・OG社員の方は以下の通り。

 
現所属
入社年
出身研究室
・金利 龍志郎
水・環境事業本部クリンスイ事業部 インダストリアルソリューション部 兼 同事業部 海外営業部 兼 同本部 インキュベーション部
2006年学士
酒井・小堀研
・渡部 昌大
SIC Food Technology laboratory
2010年修士
木野・桐村研
・垣谷 啓太
水・環境事業本部クリンスイ事業部 インダストリアルソリューション部
2016年修士
西出・小柳津・須賀研
・小池 正和
SIC・分析物性研究所先端解析研究室
2021年修士
黒田・下嶋・和田研
・山口 真悠
ウエルネス技術部・フード&ヘルスケアグループ
2019年修士
西出・小柳津・須賀研
(昼食時だけの出席)    
・西尾 逸美
情報技術部・有機エレクトロニクス
2010年修士
西出・小柳津研
11:40~11:45
質疑応答等
11:45~11:50
集合写真撮影後食堂へ移動
11:50~12:35
昼食
食堂内懇親スペースにて上記先輩を交えての懇談・会食を実施。
12:35~12:40
クロージング
12:40
バスに乗車、第一三共株式会社・平塚工場(第一三共プロファーマ株式会社)へ向け出発
13:20
第一三共株式会社・平塚工場(第一三共プロファーマ株式会社) 到着
【主管】:第一三共プロファーマ(DSPP)、第一三共(株)(DS)
13:20頃
バス到着、案内:会場:B地区第一試験棟会議室A,B
13:30~
ご挨拶 総務課長
13:35~
平塚地区全体の紹介(ビデオ視聴①)
14:00~
第1班は固形製剤棟(錠剤製造)見学へ移動、第2班は注射製造工程等紹介(ビデオ視聴②)
14:15~
第2班は固形製剤棟(錠剤製造)へ移動
15:00~
第1班の工場見学終了、会議室到着後ビデオ視聴②
15:15~
第2班の工場見学終了
15:15~
工場見学に関する質疑等
【主管】:第一三共(株)(DS)
15:30~16:50
以下の応化OB・OG社員らによる講話、質疑応答等(テクノロジー本部)
 
現所属
入社年
出身研究室
・加来 恭彦
安全管理企画部
新39 PhD
高分子(西出)研
・池 勇樹
テクノロジー開発統括部エンジニアリング技術研究所
新66 Dr.
平沢・小堀研
・春原 晴香
テクノロジー開発統括部エンジニアリング技術研究所
新67 Dr.
黒田・菅原・和田研

16:50~17:00
クロージング、退出時にA地区事務所前で集合写真撮影
17:00
バスに乗車・出発、車中でアンケート作成
18:30
西早稲田キャンパスに帰着、解散

(三菱ケミカル株式会社・横浜研究所見学写真)(横浜市青葉台) 見学写真

(第一三共株式会社・平塚工場(第一三共プロファーマ株式会社) (平塚市)見学写真

 

    6.見学後の学生アンケート結果を含む見学後記

6-1.三菱ケミカル株式会社 横浜研究所(横浜市青葉台)

結果は総じて好評で、事業所が広く、清潔で、働きやすい環境にあるとの印象を受けた様です。開発製品の展示箇所では会社の製品の機能、製造プロセス等が分りやすく説明されており、企業で研究開発に携わる事に関し意欲が高まった等の感想が多かった。又食事中も含め応化OB・OGの就職活動中の考え方、就職後の業務内容、会社の雰囲気、私的な生活等についても具体的なお話があり、就職後の公的・私的な生活のイメージ学べたのは良かったとの事。又昼食時でご準備された当該研究所の食堂で作成された弁当は、大変野菜が多く、バランスが取れていて、美味しく好評でした。有り難うございました。 又、学生等の質疑応答に参加していただいた応化OB・OGの渡部 昌大 様、垣谷 啓太 様、小池 正和 様、山口 真悠 様、昼食時だけ出席された西尾 逸美 様はじめ、今回の見学を応化会交流委員・三菱ケミカル社員として具体的に推進頂いた金利 龍志郎 様及び関係された皆様に感謝申し上げます。

6-2.第一三共株式会社・平塚工場(第一三共プロファーマ株式会社) (平塚市)

殆どの学生は医薬品の製造工程を見学した経験が無かったので、殆どの設備が機械化され、自動化されている衛生的なプロセスを見学でき、感銘を受けた学生が多かった。又上階に原料投入設備を設置し、下階に錠剤包装系の設備を設置する等、化学工学的な視点でプロセスが構築されている事が分かり、製薬業界で現在勉強している化学工学が貢献出来ると考え、更に製薬業界について深く知りたいとの意見がありました。又今回見学できなかった液体の注射製剤についてはビデオで製剤工程を見学出来、イメージがつかめた。又見学後の応化OB・OGとの懇談会では、先輩からどの様な経緯で製薬分野を選定したのか、製薬分野の仕事をどの様に捉えておられるのか、研究分野・内容等具体的なお話があり、有意義であったとの感想がありました。
見学後の懇談会で講演頂いた、応化OB・OGの、今回の見学を具体的に推進頂いた加来 恭彦 様、池 勇樹 様、春原 晴香 様はじめ、関係された皆様に感謝申し上げます。

以上
文責 応用化学会交流委員 関谷 紘一

工場・施設見2024年度 学生学 事後アンケート結果 (2024年9月25日開催)