早稲田応用化学科設立100周年記念事業
「未来社会創成フォーラム」
―低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望―
本フォーラムは、応用化学が扱う分野・領域をテーマごとに切り出し、その研究活動の現状と可能性を広く理解・議論し、我々が望む未来社会の実現に向け、今後の研究の方向性や産学官連携の可能性を探ることを目的にしています。
今回は、「低炭素社会に貢献する材料技術の最前線と展望」をテーマといたします。地球温暖化の危機感は世界で共有され、パリ協定が発効、低炭素化を本格的に実行するときがきました。我が国は、化学産業での革新素材・部材により、デバイス利用における低炭素化に大きく貢献してきました。低炭素化に対し一部で後退する動きがみられるものの、我々は力強く前進し先行することで、将来の産業の育成と世界への貢献を目指すべきと考えます。限りある研究開発資源で効果的に研究開発を推進するには、従来のロードマップの延長ではなく、急速に変化する現状を正しく認識し、ありたい将来社会のビジョンを描き、そこに至るシナリオを練る必要があります。まず、産から、省エネルギーおよび蓄エネルギーに貢献している材料技術の最先端をご紹介頂きます。また、学からは、次世代材料およびデバイスの萌芽技術と実用化を目指した試みに加え、創エネルギー技術の世界情勢と我が国の課題および展望を紹介致します。さらに、官からは、低炭素化と材料技術に関する我が国の戦略を解説して頂きます。
最前線に触れ、将来展望を議論し、具体的な協働へとつなげるべく、講演終了後交流の場を設けます。相互刺激や情報共有によって新たなつながりの生まれる場にしたいと考えております。多くの皆さまのご参加をお待ち申し上げています。
(早稲田大学応用化学科教授 野田優)