褒賞受賞者の挨拶

褒賞受賞者挨拶 金子 健太郎君

このたびは応用化学科褒章を頂き、誠に有難うございます。このような名誉ある賞を受賞し、光栄に思います。選出してくださった関係者の皆様方、熱心に指導してくださいました先生方に厚く御礼申し上げます。
創立100周年を迎えた応用化学科で学び、そして今日卒業するにあたり、自分たちも一世紀にわたり続いてきたこの歴史の一ページを刻んだことに、感慨深い気持ちになりました。
応用化学科で学んだことは数ありますが、それを語る上で実験とレポートを避けることはできません。私は慣れていないうちは手際が悪く実験に時間がかかってしまい、ある実験では夕方五時を過ぎると減点されることに怯えながらの日々を送っていました。しかし能動的にプレレポートに取り組み実験目的を十分に理解することでスムーズに行えるようになり、事前調査の大切さを実感しました。実験と同様にレポートも決められた時間内で行う必要があり、結局全てのレポートを期限内に提出することができましたが、時間内に課題を達成することの厳しさと重要さを学びました。
レポートでは考察課題が課されますが、その中でも自由考察には力を入れていました。その内容がすぐ閃くか否かは実験テーマにより異なりますが、悩んだ時は学生読書室にこもって今までの授業プリントを眺めるようにしていました。授業と実験がつながった時は非常に楽しく、双方のモチベーションが向上したことを覚えています。当時は試験やレポート課題をこなすだけで精一杯でしたが、改めて振り返ると講義→演習→実験の積み重ねでステップアップしてきたことが実感でき、当時の努力は現在の研究活動の礎になっていると言えます。
この四年間で特に成長した点は、未熟ではありますが、自分で考える能力を身につけたことだと思います。今回の受賞をさらなる原動力にこれからもこの力を磨いて参ります。そしてこの四年間で得た「使える化学」を”材料”とし、これからの活動・研究で”化学反応”させ、社会に貢献できる”製品・プロセス”を作り出せるよう、また社会に貢献できる人材を目指し、今後一層の精進を重ねていきたいと思っております
最後に、繰り返しにはなりますが、本賞の設立・継続にご支援くださった先生方をはじめとする皆様に心から感謝申し上げます。合わせて勉学と生活双方で支えとなった同期と先輩の方々、そして家族にも感謝しております。
 誠にありがとうございました。

平成30年3月24日早稲田大学先進理工学部    
応用化学科 金子健太郎