第26回早桜会懇話会(今年度第1回)の開催報告

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 第26回懇話会を、6月24日(土)15時~17時、中央電気倶楽部(大阪堂島浜)で開催しました。

 今回の講師は、株式会社オー・ジー(新59回平沢研)の陳鴻氏で「台湾海峡西岸経済区」(以下海西経済区)と題して、急速に経済発展を遂げている該地区の様子について、その地理的、歴史的な観点も取り入れて解説されました。

 

 海西経済区は主体地位を有する福建省と周辺の広東、浙江、江西3省の一部から構成されており、その人口は約6,500万人で、東は台湾と海を隔てて向き合っていて、北は長江デルタ、南は珠江デルタに隣接している。中国沿海の経済帯を構成する重要な地域であるとともに、科挙の制度があった時代には最も多くの進士を産み、現代では、学者、専門家を輩出する教育レベルの高い地域である。また客家人、華僑の故郷で億万長者が多く商売に長けた人の多い地域でもある。

 かつては経済的に遅れていたが、台湾と向き合う地域で戦略的にも重要視されて2009年5月に中国国家レベルの事業として戦略的に経済を発展させる決定がなされました。その狙いは 「海西経済区」の開発を加速させて、珠江デルタ、長江デルタと一体化し、太平洋西岸最大経済地帯を形成させることにある。発展は驚くほど急速で、決定から10年足らずで既に長江デルタ、珠江デルタと台湾海峡西岸地域を結ぶ高速鉄道、高速道路を完成させ、主体の福建省の2016年のGDPは、2009年より倍増、人当たりGDPは1万ドルを突破している。

 講師の陳鴻氏は海西経済区の中心部に位置する福州の出身で、豊富な経験に裏付けられた語りに引き込まれました。ことに「華僑が成功している要因として、ネットワークの活用と共に、功夫茶と言って商売を焦らずお茶を飲みながらゆっくり話し、情報交換して新しい商機につなげるのが彼らのスタイルである」との言葉が印象に残りました。

 講演の後は、今年卒業して関西に着任した4名の新人の歓迎会を兼ねて、いつもの居酒屋で懇親を深めました。

出席者

津田實(新7回)、前田泰昭(新14回)、市橋宏(新17回)、岡野泰則(新33回)、斉藤幸一(新33回)、斉藤広美(新35回)、脇田克也(新36回)、中野哲也(新37回)、髙島圭介(新48回)、澤村健一(新53回)、陳鴻(新59回)、桜井沙織(新64回)、前田駿(新65回)、御手洗健太(新65回)、古山大貴(新65回)、前田傑(新65回)