答辞 応用化学科四年 関根研 山口 正浩

学部卒業生 答辞 山口 正浩君

 柔らかな日差しが注ぐこの頃、春の訪れを感じる季節となりました。本日は新型コロナウイルス感染拡大に伴う非常事態の中、教職員の皆様並びにご来賓の方々のご臨席を賜り、このような盛大な式典を執り行って頂きましたことを、卒業生を代表いたしまして深く御礼申し上げます。

 思い返せば四年前、私たちはこの応用化学科に期待と不安を胸に入学しました。応用化学科が三大キツい学科のひとつと知った時は少し絶望しましたが、毎週降り注ぐレポートや課題を乗り越えられたのはお互いに助け合った応化の仲間のおかげなのは間違いありません。また、学生実験では当初TLCがうまく打てず一人居残りで実験してそのふがいなさに家で泣いていた僕でしたが、いつの間にか一人前に実験ができるようになったのもご指導してくださったTAの方々のおかげでした。この経験と、共に切磋琢磨した仲間は一生の財産です。しかし、ご存知の通り私たちの大学生活はこの二年で大きく変化しました。三年時の講義だけでなく、実験でさえもオンラインに変わりました。正直はじめのうちは大学に行かなくて良いと喜んでいる自分もいましたが、先生方も気合が入っていたのか想像を絶する量の課題がでて、甘く見ていた自分を後悔しました。それでも、世界の最前線で活躍されている先生方の講義はとても魅力的で化学がどのように世の中の役に立っているかよく知ることができました。

 研究室に配属されてからは怒涛の日々でコロナ禍にも関わらず何不自由なく研究活動をすることができました。また、学部生にも関わらず学会での発表や日本最大級の測定施設への出張など貴重な経験をたくさんさせていただきました。これも先生方や先輩方の多大なるご指導と御気遣いのおかげです。私たちはこのような恵まれた環境で自由に学ぶことができ、とても幸運でした。しかし、それを社会に還元する責任も同時に負っています。年単位で激しく変化する現在の社会では問題も山積しています。

ここにいる一人一人が応用化学科で学んだことを活かして2050年、ひいては2100年の人類のためにそれぞれの分野で常識を打ち破り、問題解決に貢献できるよう日々精進していく所存です。

 最後になりましたが、御指導、御助言を賜りました先生方、様々な面でお世話になりました事務所、ならびに応用化学会の方々、いつも支えてくださった先輩方、同輩達、そして私達の成長を温かく見守ってくれた家族に重ねて心よりお礼を申し上げます。

二〇二二年三月二十六日     
早稲田大学 先進理工学部 応用化学科
卒業生代表 山口 正浩        

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