水野賞 | 中原 謙太郎君(当日欠席)、河原 一文君、崔 源成君、田中 啓介君、滑川 亘希君、平野 彩香君、本田 裕樹君、若林 隆太郎君、小針 昌則君、国本 雅宏君 水野賞受賞者はこちら |
水野奨学金受給者 | 小林 千秋君、林 政平君、青柳 大介君、筑紫 翔君、朝倉 裕介君、
大島 一真君、田村 泰大君、向井 大揮君、松尾 伸史君 水野奨学金受給者はこちら |
授与式は、小柳津研一准教授の司会で進められ、各賞の歴史と由来についてはその都度菅原義之主任教授から説明がありました。
初めに大学院先進理工学研究科長 西出 宏之教授より
「まず、本日の応用化学専攻における褒賞と奨学金の受給者の皆様にお祝いを申しあげます。
また、併せて水野賞、水野奨学金、古賀憲司褒賞、平田彰奨学金および応用化学会給付奨学金ついてその基にご尽力頂いた皆様、また、その運営にあたっておられる応用化学専攻の先生方はじめ関係者に厚く御礼申しあげ、また、敬意を表する次第です。
昨年起こった東日本大震災の影響で日本の経済は極めて厳しい状況が続いています。このような状況下、応用化学専攻では博士後期課程定員84名のうち博士後期課程に所属する学生は35名で、必ずしも多いとは言えません。見方を変えればそれだけ社会の要請に応えて社会での活動を始める諸君が多い訳ですが、やはり我が国がこれから向かうグランドチャレンジ、innovativeなbreakthroughを得るためには高度な研究教育を通して学位を持っている若い人材に大いに期待がかかっていることは間違いない訳であります。本日授与された奨学金・褒賞の歴史そして生まれ出てきたところを深く理解され、是非、社会で、そしてアカデミアで活躍していただいて、我が国をいかに成長させ、日本を守るかという大きなチャレンジに皆さんが参加され活躍していただくことを大いに期待している」旨の祝辞を頂戴した。
各賞の授与は、西出 宏之教授から受賞者一人ずつに手渡された。(画像はこちらのページ)
来賓の水野家代表で早稲田応用化学会会長の河村 宏様から
「初めにご尊父の水野敏行氏の写真を示して名前は河村ですが間違いなく水野敏行の子息である旨の意思表示がありました。
引き続き、応用化学科の奨学金制度は、他学科に例をみないほど充実しています。これらの奨学金は、応用化学科の教員を含めて多くの先輩諸兄の浄財によって支えられています。しかしながら、水野賞、古賀憲司褒賞および平田彰奨学金は、有限です。本日の奨学金のなかで唯一継続可能であるのは応用化学会給付奨学金です。2011年からは他の奨学金と重複しても差し支えないように制度を変更しました。水野賞は、まだ20年は継続できますが、古賀憲司褒賞や平田彰奨学金はあと数年で終了します。皆さんもこれから社会にでて活躍されると思いますが、経済的に余裕ができたときには皆さんの先輩を手本にして何がしかのご厚志を応用化学会給付奨学金に寄付していただき、皆さんの後輩に奨学金として給付できるようなサイクルを是非とも継続していただきたい。このことを念頭に置いて活躍していただきたい。」旨の祝辞を頂いた。
全受賞者を代表して河原一文君から
「このような立派な賞を頂き、誠に光栄であり、深く感謝いたします。同時に受賞者一同、身の引き締まる思いであり、更に研鑽を積み、より一層の飛躍を誓うところであります。
私達は、それぞれの立場でそれぞれの形で化学技術に携わることになりますが、昨年の東日本大震災以降、特に、社会と技術者または化学者との間に横たわる溝が大変に深いことを思い知らされました。私達は、社会と化学技術のあり方を認識し、かつ、私達には化学技術の新しい発展のさせ方を見出すことが求められています。これは、非常に壮大な課題であり、短期間での解決は極めて難しいことであります。このような困難に対して化学者であり、早稲田生である私達は、果敢にこの困難に挑戦して世界をリードすべきと考えます。
終わりに、このような立派な賞をいただいたことに関して水野敏行様およびそのご遺族様、古賀憲司先生および平田彰先生のご遺族の方、応用化学会の諸先輩並びに諸先生に御礼を申しあげ、より一層の精進をいたしたいと存じます。」旨の謝辞があり、授与式は閉会となった。
式次第 | 小柳津研一准教授 司会進行 | 先進理工学研究科長 西出宏之教授祝辞 |
西出宏之教授 授与 | 河村会長 祝辞 | 河原一文君 受賞者代表挨拶 |
上宮先生には昨年の本会でご講演いただく旨ご了解をいただいておりましたが、東日本大震災の影響により本授与式が中止されました。そのような経緯により改めて本年のご講演をお願いしましたところ快くお引き受けいただき、「反応と分離の融合:材料開発で実現したこと」と題して先生の研究のこれまでの歩みについて講演いただくこととなりました。
冒頭、上宮成之教授から自己紹介があり、1985年に応用化学科を卒業(新制35回、森田・菊地研究室)され、1987年大学院修士課程修了(森田・菊地研究室)、1年間神戸製鋼所に就職されましたが、1991年には大学院博士後期課程(菊地英一先生指導)を修了し、工学博士の学位を取得されました。その後、日本学術振興会博士研究員、成蹊大学助手を経て2001年からは岐阜大学に異動して助教授、准教授を経て教授に昇進されました。
先生の講演のなかで、今までの研究過程に関して実験例を挙げて詳しくご説明されましたが、省略して
材料開発(材料との出会い)で実現したこととして以下の順序で研究が進捗したのは専門分野の異なる研究者との出会いがなくては成しえなかったとその方々に感謝している旨を述べられた。
引き続き、各賞受賞者の対象論文のポスター発表が行われた。
懇親会は、馬車道にて開催され、受賞者、教室、応化会関係者、上宮成之教授を交えて和やかに談笑の輪が広がった。
応化会 下井惟将交流委員長のご発声による乾杯で懇親会は始まった。