同期会便り

傘寿燦々 応化28年卒同期会の開催報告


集合写真(写真をクリックすると拡大されます)

昭和28年卒業新制3回生のクラス会は傘寿を記念し早稲田の杜に回帰し、大隈庭園を望むリーガルロイヤルホテルアイリスの間で10月6日開催された。敗戦の混乱が続く昭和24年(1949)学制が改革され我々は新制大学の4年間をフルに体験した最初の卒業生となった。それから57年、卒業生70人中現在生存者31名、物故者30名、不明者9名で今回の会合には16名が出席した。

開会に先立ち寿命とこれまでの人生についての意識調査を試みた。「何でこんな事するんだ。試験を思い出す。」と不評であったが、気が付くと皆アンケート用紙と鉛筆を手に真剣に考え込んでいる。その姿は学生時代を彷彿とさせ、おかしくもあり申し訳なくもあった。以下、統計とあるのは厚労省統計情報部発表の「生命表」によっている。統計によると我々の多くが生まれた昭和5年の平均寿寿命は44.8歳で乳幼児死亡率や感染症死亡の多かったことが窺える。

アンケートで現在傘寿の自分は何歳まで生きられそうかとの問いに半数以上が90歳以上と答え平均89.5歳、中には100歳以上が1名いた。統計では昨年平成21年79歳男子の平均余命は9.1歳で我々の平均寿命は88.1歳で、まあ妥当な希望といえる。しかし、平均余命が10年を切っているのは過ぎ来し10年の時の流れの早さを思うと複雑な思いが胸をよぎる
長寿の秘訣はストレスを貯めないプラス思考と体を動かすが同数で多かったが、妻のおかげが1票あった。 今一番気になることは人類や日本の将来を憂う意見と自分の健康が同数で多かった中に妻の健康が1票あり、借老同穴の何人か同じ問題があるとの声があった。
日々の楽しみは矢張り囲碁、音楽、旅行、ゴルフ、菜園、酒等実に多彩な趣味で掛け持ちも多く、家族との交わりが続き、社会との連携の1票が光る。 学生時代の印象深い思い出は真面目な学生が生き残った為か勉学、試験、実験などが最も多く次に交友関係と対抗戦が続き、妻と出会うが1票あった。なお、妻にかかわる3票はそれぞれ別人である

最後にわが人生の満足度を点数で表してもらったところ100点(言う事なし)から50点(悔い多し)までの間で平均78.7点(80点はほぼ満足、70点はそこそこ満足)であった。 アンケートの答えからは真面目に学び働き幸い生き残った平凡な老人達と見られようが近況報告の時になると二人の現役を含めエコ活動や地域への貢献、新しい趣味や勉強への挑戦など時間をオーバーして盛り上がった。

我々は幼少期には戦争、青春期には戦後の混沌とした社会の中で挑戦しながらゼロから築き上げてきた実績がある。今傘寿になって失ったものを嘆くより残った力や得たものを生かして一日一日を充実させ、次の卒寿を目指そうとしている老人たちなのである。 最後に校歌を斉唱し元気で再会を誓い合ってお開きとなった。

(文責;倉谷弘男)