河村会長から冒頭、8年を経過した応用化学会の活性化の試みが会員各位の理解と尽力により大学内でも例を見ない程活発に行われるに至り、その母校愛に敬意を表されるともに、応用化学科の発展についても、教職員各位の研究努力と教育指導力の結果であり、またOB各位の各分野における活躍がその支えとなり、社会的に高い評価を勝ち得たこと。そして、更にこれを高め後世に、後輩に引き継ぐべきとの意志を表された。
限られた資金を如何に有効に活用するかが今後の課題であり、現体制で2期4年の任務を終え、次の世代へバトンを渡す時期と思い、然るべき後継者を選び依頼したが、今回、あと1期2年の後、会長職を引き継いで頂ける候補者を選びだすことが出来たこと。今回は取りあえず会長の任務を継続し、候補者には理事として就任して頂く事を説明され、総会でのご承認をお願いされた。
役員会の学外理事については、次世代への転換を図る目的と若手OBの母校への回帰を促進する目的もあり、大幅な若返りを図ったこと。現役のOBが日常の応化会活動を担うことは不可能にて、徐々に若返りを進めたいと思いを伝えられた。
これまで応用化学会の施策として重きを置いてきた、通常の講演会、会報の発行、奨学金の支援等の他に、将来の応用化学会を背負う学生諸君との接点を深め、卒業後も会への協力を深めて貰う様な諸施策を実行してきたが、これらの施策が卒業後の若手会員の関心を応用化学会に強く引き付けることに有効であったとの感触は得られていないこと。今後も引き続き学生諸兄の応用化学会への関与を深める努力は続けるが、これまでの予算の傾斜配分を再検討する事にしたいと説明された。会費の減少傾向に歯止めを掛け、継続的に今同様の活動が出来る様な基盤を固めることが、我々が次の体制に申し送る重大な任務と認識しており、ソーシャル ネットワーキング サービス(SNS)を利用する「ネット応化会」の発足を一つの試みとして行うこと。 又、今回応用化学科の全教員のご協力を得て、定期総会のメインイベントとして”応用化学最前線―教員からのメッセージ“という講演会を企画し、教員、社会人、学生との交流や懇親を深め、同時に若手OB諸兄が大学の研究や応用化学会への関心を深めることを期待していること。今後3年間掛けて全研究室の活動状況を披露して頂くことを説明された。
卒業回別会費納入率の資料に見られるように、年代が低い順に納入率が低下していき、もしかすると我々の持つ関心と若手のそれとは、相容れないのかも知れないが、此の学び舎に育ち、友を得、その背番号を背負って生きてきた人間がその故郷を忘れてしまう事などあってはならないし、母校を愛し、後輩を思う気持ちを、次世代に伝える事も我々先人の務であると信念を述べられた。
最後に、学生部会への傾注、若手OBへの施策・支援が将来の応化会を支える力につながることを信じて、今年度の重点課題として活動をしたいことを表明されると共に、会員各位のご賛同と活動への積極的支援・参加をお願いされた。
窪田庶務理事及び本間会計理事より各々「2011年度事業報告案」及び「決算案」の説明がなされ、特に、収支決算書では、収支補填準備金取崩し 32万円(予算比138万円減)、正有志会員会費634万円、学生会員会費 119万円他で収入1,027万円、支出は、東日本大震災の影響による事業の開催減・削減により1,027万円となったことを説明。
監査報告として、中川監事から、5/23に監査を行い、業務監査については、役員会へ出席、年々内容が充実していること、更なる発展が望まれること。会計監査については、帳票類・通帳類はきれいに整理されており、記載の通りの報告書内容に間違いないことを報告された。
以上により、2011年度事業報告案及び決算案が承認された。
窪田庶務理事及び本間会計理事より各々「2012年度事業計画案」及び「予算案」の説明がなされた。
特に、収入では、正有志会員会費を110万円増の750万円と見込み、収入1,233万円、支出1,233万円とすることを説明。
以上により 2012年度事業計画案及び予算案は承認された。
窪田庶務理事より、会則第8章会計、第39条(会費の免除)で、会費免除できる3項の内、「本人より申し出があった満75歳に達し、かつ最近20年間会費を完納した会員」をなくすもので、会費納付の状況が思わしくないことから提案するもの。尚、既対象者は運用上該当させないこととすると説明。
以上により、承認された。
窪田庶務理事より、本会に特別の貢献をなし、本会役員会の推薦を受け、総会の承認を得た者という規定に基づき、菊地英一名誉教授、酒井清孝名誉教授(本年春定年退職)、竜田邦明栄誉フェロー・名誉教授(昨年春栄誉フェロー)の3名を役員会の推薦とすることを説明。総会で承認された。
大矢理事(基盤委員)から資料・スライドに基づき、会費納付状況の説明(卒後15年までの層は、会員数が多いにも拘らず、会費納付が下がっている)、応用化学会という自発的な会では、会員が自発的に参加し会費納付をするというのが望ましいこと(応化会のビジョン)、若いOBにアピールするには今の企画では不足と考え、現役OB世代にも魅力ある応用化学会活動をするために、若手OB会を発展的に解消し、SNS(LinkedIn)を活用し、ネットを利用する全会員を対象として「ネット応化会」とすることを提起された。
ここでは、通常の会員への連絡事項を掲載、資料庫(応化会から発行するPWが必要)の閲覧、双方向での応用化学会への要望・提案の受け皿、共通の関心事に関する交流という役割を果たすもので、実名登録し(未納であれば年会費を納付)、応用化学会事務局・幹事グループの承認を経て、活動するフローとなる。運営上のグループとしてSNS委員会を基盤委員会の中に置き、ネット応化会の健全な運営とネットワークを広げ会員を増やすことを担う。
ネット応化会の位置付けは、現在ある応化会HP、会報等の既存のチャンネルは継続して、もっと広げる為の双方向の場を作るという補足説明が、質問に答えて行われた。
以上により、承認された。
窪田庶務理事より、本総会で役員の改選の時期となり、会長は役員会で正会員から選出し、総会で承認を得る会則に則り、河村宏会長が 役員会で会長に選出されたことを受け、総会に諮り、承認された。
これを受け、会長が委嘱する副会長以下の役員につき、河村会長から紹介された(2012年度〜2013年度役員一覧参照→こちら)。
酒井清孝名誉教授へ、河村宏会長と菅原義之主任教授より感謝状が贈呈された。尚、菊地英一名誉教授へは、別途、日程を定め贈呈することが報告された。
菅原副会長より、菊地英一教授、酒井清孝教授の3月のご退職に際してOBの方々のお力添えに感謝を述べられた。今後化学工学部門は、平沢教授・小堀専任講師、更に9月には東京大学から野田優先生をお迎えし、研究・教育していくこと、触媒化学部門に関しては、松方教授・関根教授の体制で研究・教育していくこと、4月1日に小柳津教授、関根教授が教授に昇進したことを報告された。
研究・教育と学科の動向については、5年間にわたるGCOEプログラム、実践的化学知教育研究拠点は成功裏に拠点の形成を終了したことが述べられた。また、昨年は震災の影響で中止した卒業式、入学式が順調に本年は行われたこと、OBの方々のお力添えにより卒業生の就職は堅調であったことを述べられた。
また、大学全体としては、150年を目標に現在施策が検討されている状況の中、建物についても順次建替えやリニューアルが行われており、西早稲田キャンパスでは、52、53、54号館の耐震工事と同時に教室の改修を行っていることが述べられた。また、夏に向け節電目標が設定されており、研究に必要な電力は確保しつつ、さまざまな工夫をして夏を乗り越えていく所存であることを述べられ、最後に今後とも会員の皆様のご支援をお願いされた。