早稲田応化会関西支部(早桜会)2010年度第2回懇話会開催報告

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駅伝、野球、ラクビー優勝と今年の早稲田スポーツの大躍進はすばらしいものでした。この高揚した気分を継続共有して、去る12月11日(土)13;00〜17;00にわたり、中央電気倶楽部会議室で、今年2回目の懇話会開催となりました。 "Panasonicの環境に対する取り組み"と題して、脇田克也氏(86 年卒、パナソニック勤務)に講演いただきました。

最初の紹介は、非線形光学材料の開発についてでした。いくつかの材料の発見はあったものの、残念ながら他の技術で実用化されるという苦い経験が報告されました。続いては、 温暖化防止の流れの中で、新冷媒用潤滑油の開発に挑みます。この開発の中では石油メーカとの協力の末、加水分解しにくい冷凍機油の開発に成功しました。しかし、これも、事業環境の変化の中で、採用されずに終わったことが報告されました。更には、自然冷媒であるCO2を用いたヒートポンプ式給湯器の海外向けの商品戦略業務を経て、現在の洗濯機、特にドラム式洗濯乾燥機の省エネ技術の開発に挑戦していることが報告されました。

講演の後半には、パナソニックの環境に対する取り組みの現状について、説明がありました。現在、"Green Transformation 2012 (GT12)"という計画を実行中であり、これは、省エネ+創エネ+蓄エネ技術を組み合わせることでCO2±0の実行を図る運動のことです。既に2009年時点で1990年対比、洗濯機で約57 %、冷蔵庫で73%、エアコンで61%。照明器具で80%のCO2削減を達成してきたとのことです。さらに、201X年(X=3〜5年)までに省エネを図ることでCO2±0を目指しています。また、創業100周年に向けた環境行動計画"グリーンプラン2018"(2018年は創業100周年)を立ち上げ、7つの取り組みAction(CO2削減、資源循環モノつくり、水使用削減、化学物質による環境負荷最小、生物多様化に貢献、環境配慮No1商品、社会との協働)により、"エレクトロニクスNo1の『環境革新企業』へ"の変身を図るという全社挙げての活動に取り組んでいる現状が説明されました。

最後、これまでの研究開発の経験を通して感じた開発の方法論について述べられ講演は終了しました。身近な内容であったため、講演後、参加者から家電に対する素朴な質問や、モノつくりの素材まで遡ったCO2発生量と削減量が数値として明確に公表されていないため、世の中で行われている環境対策が真に役立つものなのかとか、家電業界各社の特徴が無くなり、どこも同じようになったのではという手厳しい意見もあり、大変有意義な懇話会となりました。

懇話会終了後、場所をヒルトンプラザB2の居酒屋に移し、年納めの忘年会となりました。アルコール呑み放題で、この1年のいろいろな話題を肴に議論が一段と盛り上がりました。

当日の参加者
津田 實(57)、井上征四郎(62)、前田泰昭(64)、吉崎洋之(65)、市橋 宏(67)、田中航次(67)、辻 秀興(67)、中島正臣(67)、斎藤幸一(83)、岡野康則(83)、和田昭英(84)、脇田克也(86)、中野哲也(87)
以上(井上 記)

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