先ず、この度の東日本大震災に遭遇された多くの会員諸氏に衷心よりお見舞い申しあげます。
私どもの体制は、昨年の総会で2年の任期が更新され、その1年が経過しました。この間、我が応用化学科の竜田 邦明教授(現、名誉教授)は、3月11日の最終講義のさなか東北地方太平洋沖地震に遭遇しつつ無事講演を終了されました。定年退任とほぼ同時にこれまでの業績を高く評価されて、早稲田大学に新しく制定された栄誉フェローの終身称号が授与されました。(更に、応用化学科および応用化学会に対する永年の功労により感謝状が授与されることとなり、後日授与式が執り行われました。)
逢坂 哲彌教授が米国電気化学会(ECS)の副会長に、将来の会長含みで就任されました。同学会は、この種学会では世界最大規模のものであり、日本人として前例のないポストに就任されました。 我々会員として大変誇りに思う次第であります。
学生諸君の応化会への帰属意識を高めるための施策として昨年の総会でお約束した3点について以下の通りご報告します。
ホームページや会報でもご報告しておりますように、応化会従来の活動はこれまでにも増して活発に行われました。改めて各部門委員のご努力に敬意を表するものであります。特に、交流委員会の活動は、会の活動の柱として学内にも例のないレベルと評価されています。企業ガイダンスの参加企業は50社を上回りましたし、進路を決める学生諸君にとって、「先輩からのメッセージ」、「企業が求める人材像」と題するフォーラムの開催は、良きアドバイスになっていると確信します。年3回の講演会は、講師も多岐にわたり毎回150名前後の参加者があり盛況であります。是非とも皆さんにはご参加頂きたいと思います。
広報委員会のホームページの充実は皆さまご案内の通りであります。応化会ロゴの作成や各種会合の頻繁な更新によりアクセスが大幅に増加しており、1ヶ月5,000名の閲覧があり、昨年度のほぼ倍増に至っております。更なる内容の充実を図りたいと思います。
悩みは会費納入率の減少傾向であります。様々な対策を講じて来ましたが費用対効果を考えますと、今後は幾つかの重点施策に絞り込んでいきたいと思います。
最後に応用化学会給付奨学金についてご報告いたします。 寄付金総額は、現在2,400万円であります。当初計画では応化会予算から毎年100万円を供出する予定でしたが、財政状況を勘案して一昨年度、昨年度と各々50万円を供出しました。従って、奨学金の原資総額は、2,500万円でありました。 2005年度から給付を始めて6年、昨年度迄に延べ20名に各々50万円、総額1,000万円を給付致しました。既に7名は博士学位を取得して社会に旅立っています。現在のバランスと応化会会費からの供出を原資にして、年間4名の給付を行うことを前提で、更に9年間の継続が可能であります。
皆様のご協力に感謝申し上げると共に、寄付口座は常時オープンしていますので、更なる制度の継続のためにご支援を期待しております。
今年度の奨学生は、1名であります。後ほど懇親会の席上でご紹介します。現在の給付条件は、博士後期課程を目指す、博士前期課程、即ち修士課程の学生で経済的に厳しい環境下にある優秀な学生の中から選考していますので、社会環境の変化から博士後期課程への進学者がここ数年減少傾向にあることと相俟って応募者が減ったものと思います。これが一時的なものかどうかも見極めて、給付条件を含めた運用要綱の変更を検討したいと思っております。
40代、50代の会員が、応化会の活動や活性化に日常的に参加することは社会的拘束から到底適わぬ相談であります。しかしながら昨今の応化会が推進している学生部会への傾注、今回の若手OBへの施策、支援が、将来の応化会を支える力に繋がることを信じて、今年度の重点課題として活動をしたいと思っております。
会員各位に置かれましては、趣旨にご賛同頂き、活動への積極的ご支援、ご参加をお願い申し上げます。