学生の工場見学は1970年代までは恒常的に行われてきたが今回、応用化学科主催、応用化学会協賛で学部2年生を主対象にトライアルとして復活実施させた。
9月16日当日は都下に大雨洪水警報が出された激しい雨の中、定刻の朝8時に西早稲田キャンパスから貸し切りバスで出発した。
参加人数は24名(男子学生9名、女子学生10名、細川准教授、門間准教授、交流委員3名)。
午前の見学工場は出光興産の千葉製油所・千葉工場で、この製油所は1963年に竣工し、京葉臨海コビナートの中核として輸入された原油を常圧蒸留装置で精製し、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油などの石油製品が製造されている。
原油と石油精製品の説明 |
午後からは旭硝子千葉工場を訪問した。本工場は1959年に設立され、京葉コンビナート市原地区の第1号である。
原塩と蛍石などの輸入原料と自社で産出する天然ガスを用いて苛性ソーダ、クロロメタン類、HCFC22、フッ素樹脂などを製造している。
実際に原塩の山に登り、巨大な電解装置、蒸留プラントおよび世界シェアNo.1でドイツワールドカップ会場のスタジアムや上海万博に使用されたフッ素樹脂フイルムの開発工程などを見学し、最先端技術を目の当たりにすることができた。
オリエンテーション |
先輩との懇談会 |
蒸留プラントの見学 |
両工場では見学後、早稲田大学の応化・化学出身の先輩および現場担当の若い技術者と交流会の場を持ち、質疑応答が活発に行われた。参加した学生の見学会後記からはもの作りの原点である工場の雰囲気とそのスケールの大きさを実感でき、また工場の技術者から生の声を聴くことができて良かったとの回答が大多数であった。またこれを機会に今後も工場見学を是非継続してほしいなどの意見が寄せられ、学生にとって社会に貢献している化学を体験するとともに、各自の将来をイメージする素となる経験をした有意義な一日であった。