応用化学科の菊地英一教授は、本年5月に 社団法人石油学会の会長に就任されました。
今般、菊地教授より、応用化学会員にメッセージを戴きました。
菊地 英一教授
1964年早稲田大学理工学部応用化学科卒
(昭和39年、新14回)
1969年同大学院理工学研究科博士課程修了(工学博士)
1980年同学教授
応用化学会理事
今年の5月より石油学会の第22期会長をお引き受けしました。私学からの会長は森田義郎先生についで二人目で、これも本学出身者が石油関連分野で大いに活躍されていることに後押しされてのことと重責を感じております。
言うまでもなく近代文明は石油を基盤として成り立つものであります。今日多くの科学技術と同様、石油関連技術も大きな転換期を迎えております。持続可能な発展は石油産業においても最大の関心事であり、特に地球環境への対応は、これからの技術開発の重要な要素となっております。
また、世界的な石油の需要増加に伴い、原油や石油製品の極端な値上がりなどによる世界のエネルギー安全保障への脅威、油田やガス田への急速な投資の促進、さらには石油資源の枯渇に関する危惧など社会的関心も高まっています。これらの諸問題に対しても、世界における石油資源情報の解析、石油のエネルギーおよび化学原料としての高度有効利用技術の研究開発、代替および再生可能エネルギーの研究開発を支援するとともに、それらに関する的確な情報と合理的な判断を社会に提供することも本学会の重要な使命であります。
今日石油はわが国の第一次エネルギーの50%以上を占めており、その利便性から今後少なくても数十年にわたって主要なエネルギー資源であり続けると考えられております。そのためには貴重な石油資源の有効利用に関する戦略的な取り組みが必要です。石油学会は、2008年に創設50年を迎えますが、現在、記念事業の一環として、「21世紀を支える石油−エネルギー・資源・環境の調和を目指して−」のテーマ企画を検討中であります。会員諸氏には、このような活動に関心とご理解をいただければ幸いです。