平成23年度春の叙勲で、同期の中嶋宏元君が「旭日中綬章」を受章されました。心よりお祝い申し上げます。
6月18日(土)、同期生同士のネットで受章を知り、朝日新聞で確認し、快挙に驚くと共に喜びを実感しました。
貴重な明るいニュースであり、大変名誉な事で同期生の誇りにとどまらず、応用化学会としてもこの慶びを共に分かち合いたい、と思います。
「受章は、私個人ではなく、(株)ADEKAと言う企業体が受章したもので、私は会社の代表としていただいたものです。」とご本人は謙遜しています。 しかし彼が「会社の発展及び産業界に貢献したこと」、更に「(株)ADEKA及び彼自身に問題や不祥事がなかったこと」は、事実のはずです。
受章の主な理由は、
1.(株)ADEKAの社長及び会長兼最高経営責任者(CEO)として、同社の業績を向上させ、社業の発展に尽力したこと
2.関連業界の一つである「日本石鹸洗剤工業会」会長として、環境問題をはじめとして同業界を主導し、その発展に寄与したこと
等により、産業の発展に貢献したことで、経済産業省から推薦された、と聞いております。
昭和37年入社当時の旭電化工業(株)は、「石鹸洗剤、ソーダ、油脂、マーガリン等」を主力とする会社でしたが、現在は「樹脂添加剤、情報・電子材料、その他ファインケミカル製品等の化学品部門と業務用マーガリン等の食品部門」へと大きく変貌を遂げている。
特に社長就任から会長兼CEO退任までに、「研究開発力の強化による樹脂添加剤や電子材料関係の世界シェアーの拡大」及び「積極的な海外事業展開による海外売上高比率の大幅な向上」が、著しい。
研究開発部門及び経営企画部門を歩んできた彼の略歴からも「質と量の両面」から会社の発展へ多いに貢献された、と確信致します。
おわりに
彼が私の自宅に遊びに来て、初めてピアノを数時間ポツン・ポツンと叩いて「エリーゼのために」の冒頭箇所をものにしたことや、学生時代からの囲碁へ没頭する様子等から、「一点集中主義」で「熟慮断行型」との印象を受けています。
この「集中能力」と「熟慮断行型」とが、(株)ADEKAと言う会社を背景に、水を得た魚のように発揮できて、会社の発展に寄与されたのでは、と思われます。
この度の「旭日中綬章」受章、誠におめでとうございました。
彼とは吉田研の同じ研究室で、よく山やスキーに行きました。
奥鬼怒から尾瀬に入る山中で、心ならずも雨の夜、一晩明かしたこともありました。
このような永いお付き合いのお蔭で、この受章を紹介させていただくことになり、大変光栄なことと思っております。